( ^ω^)許すようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/06(土) 14:33:10.01 ID:KACZpAo10

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はい、もしもし

もしもしー ドクオかおー?



ガチャ

…………

ピッポッパ

プルルルルル

もしもしだお

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:35:05.37 ID:KACZpAo10
('A`) 「来たぞー」

( ^ω^) 「ずいぶん遅いじゃないかお。オナってたかお?」

('A`) 「オナ禁中だバカヤロウ」

( ^ω^) 「おっおっお 上がるがよいお」

('A`) 「はいはい」

( ^ω^) 「パスポートを見せてもらうお」

('A`) 「どこの国だよ」

( ^ω^) 「ブーン国だお」

('A`) 「何様だよ」

3 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:36:57.17 ID:KACZpAo10
ブーンの部屋です

( ^ω^) 「例の物は買ってきたかお」

('A`) 「ああ、もちろんだ」

( ^ω^) 「は、早く見せるお」

('A`) 「ふっふっふ そう焦るんじゃない」

右手に提げられたビニール袋がひっくり返された

5 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:38:24.85 ID:KACZpAo10
( ^ω^) 「こ、これかお……!」

('A`) 「ああ、そうだ」

( ^ω^) 「『うまい棒 燕の巣味』……まさか本当にあるとは思わなかったお」

('A`) 「俺を甘く見るんじゃないよ」

( ^ω^) 「僕が行っても良かったのに……」

('A`) 「お前は半引きこもりじゃないか」

7 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:40:20.01 ID:KACZpAo10
(;^ω^) 「ちっちtちちt違うお! コンビニだってちゃんと行けるお! 近道も知ってるお!」

('A`) 「同じようなものだろ。それに俺は『駄菓子屋荒らしのドクオ』と呼ばれていたんだぜ」

( ^ω^) 「まあ店内でかんしゃく玉破裂させて店長にこっぴどく叱られただけだけどお」

('A`) 「そういうことを言うんじゃないよブーン君」

(#^ω^) 「真実を伝えるのがジャーナリズムだお!」

('A`) 「何様だよ。というか誰に伝えるんだよ」

(;^ω^) 「まさかまたかんしゃく玉で……?」

('A`) 「そのまさかじゃないよ。俺も22歳だ。現役は引退した。若い者に任せるよ。」

( ^ω^) 「何様だお」

('A`) 「『駄菓子屋荒らs( ^ω^) 「はいはいお」

8 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:41:26.15 ID:KACZpAo10
言い忘れてましたが罪人合作です。

9 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:42:26.24 ID:KACZpAo10
( ^ω^) 「じゃあ食うおー」

('A`) ゴクリ

袋は開封された。
芳醇な香りが部屋に広がる。
中から現れた1本の聖なる棒から発せられた物だ。
彼はそのホーリースティックを手に取った。
今やワイトキングも真っ青である。
デスパレスもちょちょいのちょいなのだ。

右手に装備されたホーリースティック。
彼はそれを口に運んだ。
残像が虹色に見えた気がした。

10 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:44:24.69 ID:KACZpAo10
「ガリッ」

彼の口に入れられたマスターソードは
門歯によって齧りとられ、臼歯によって潰された。
口腔内に広がる味は、燕の巣未経験者でも素晴らしいものだと分かった。
鼻腔に伝わった芳香は全ての物に勝っていた。
風呂上がりの女子が何だ、マスターソードには敵わない。完勝だ。
飲み込んでしまうのは惜しいが、いずれはタイムリミットが来るものだ。
人生と同じである。上京する息子を見送る母が目に浮かぶ。

喉から食道へ、食道から胃へ。
その軌跡は録画しておくべきだった。
悔しい。
胃の中ではVIP待遇。他の食べ物は吐瀉物にしか見えないぜ。
胃液によって消化されていく御本尊。
そのご利益は太宰府天満宮がガラガラになるほどである。

11 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:46:22.42 ID:KACZpAo10
('A`) 「どうだ? 美味しいか?」

( ^ω^) 「…………」

( °ω°) 「!」

( °ω°) 「ウオォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!111」

('A`) 「ご、後光が…!」

( °ω°) 「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!111111111」

('A`) 「ありがたやありがたや」

12 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:48:27.54 ID:KACZpAo10
落ち着くまで数十分待ちました

('A`) 「どうだった? どうだった?」

( ^ω^) 「フフフ…頭の傷が疼くぜ…」

('A`) 「そ、そうか。す、素晴らしいな!」

( ^ω^) 「失われし記憶が帰還してくるぜ…」

('A`) 「は、早く俺にもくれ!」

( ^ω^) 「ワタシノ記憶…」

('A`) 「早く!」

13 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:50:16.78 ID:KACZpAo10
( ^ω^) 「あ、」

('A`)

( ^ω^)

('A`)

(^ω^)



14 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:52:22.44 ID:KACZpAo10
('A`) 「お前は俺を怒らせた」

( 'ω`) 「ごめんなさいだお……」

('A`) 「普段は仔鹿のハートだがキレると前後を忘れたヤンキーに変貌だぜ」

( 'ω`) 「申し訳ないお……」

('A`) 「フ、もういいさ。俺も過ちは繰り返したくないしな」

( ^ω^) 「じ、じゃあ許してくれるのかお?」

('A`) 「フ、人のことを許すのは当然だよ。日本国紳士としてはね」

( ;ω;) 「ドクオ……」

('A`) 「今日は疲れた。もう帰るとするよ」

16 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:54:17.65 ID:KACZpAo10
帰り道

('A`) 「ふう…………」

('A`) (怒っちゃいけないんだ…… 怒っちゃいけないんだ……)

本当はもっと近い道があるのだが、そんな気分にもなれなかった。
走るように家まで帰った。

17 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:56:16.63 ID:KACZpAo10
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

テクテク ペチャクチャ
テクテク ペチャクチャ

   

   ワーワー
   ワーワー
ドン
グチョ








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

18 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 14:58:21.23 ID:KACZpAo10
翌日

('A`) 「来たぞー」

( 'ω`)「昨日は本当にごめんなさいだお……」

('A`) 「もうその話は許しただろ」

( 'ω`)「まだ謝りたりないお……」

('A`) 「そんな事言われてもなあ……」

( ^ω^) 「実はこんな物を」

('A`) 「こ、これは……?」

( ^ω^) 「『うまい棒 ぜいの限り味』だお」

('A`) 「ああ、初めて見た」

( ^ω^) 「フフフ……」

('A`) 「というか初めて聞いた」

19 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:00:19.09 ID:KACZpAo10
( ^ω^) 「当たり前だお。僕のお手製だお」

('A`) 「ほう、だから『ぜい』がひらがななんだな」

( 'ω`) 「それくらい大目にみてほしいお……」

('A`) 「包装のキャラクターも微妙なんだな」

( 'ω`) 「それも大目にみてほしいお……」

('A`) 「でも新聞紙で包むのはどうかと思うぞ」

( 'ω`)

('A`) 「そう落ち込むなって。いっ、いっただっきまーす」

( ^ω^) 「どうだお?」

('A`) 「おお……」

( ^ω^) ゴクリ

20 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:02:16.00 ID:KACZpAo10
('A`) 「これはなかなか」

( ^ω^) 「そうかお!?」

('A`) 「いけますなあ」

( ^ω^) 「わーいだお!」

('A`) 「おいしいおいしい」


('A`) 「で、どうやって作ったんだよ」

21 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:04:29.16 ID:KACZpAo10
(;^ω^) 「え?」

('A`) 「家庭科2だったくせにこんな物作れるはずないだろ」

(;^ω^) 「そ、それは……」

('A`) 「いや、何も言わなくていい」

(;^ω^) 「ド、ドクオ?」

('A`) 「俺のためにやってくれたんだろもんな。ありがとよ」

( ;ω;) 「ドクオは神様だお! 何でも許してくれるお! どうしてそんなに優しいんだお!」

('A`) 「と、友達に優しくするのは当たり前だろ……」

( :ω:) 「おーん 僕は幸せ者だお! 我が生涯に一片の悔い無しだお!」

23 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:06:23.32 ID:KACZpAo10
帰り道

('A`) 「ふう…………」

('A`) (ブーン……)

('A`) (俺は、どうすれば……)

ふと壁を見ると「不審者に注意」のポスターがあった。ここに出没するらしい。

('A`) 「不審者か……」

('A`) 「そんな奴、いないのにな」

今日はあの道。
いつもの近道。
走る気にはなれない。

24 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:08:19.97 ID:KACZpAo10
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はい、こちら警察なんです!

警察ですか!? 早く来てください!

どうしたんですか? 何があったんですか?

お、……いや、不審者です! 不審者が――――

それは大変なんです!

とにかく早く来てください!

住所がわかんないんです……

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

25 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:10:15.73 ID:KACZpAo10
ドクオ宅

プルルル、ガチャ

【('A`) 「もしもし」

【(;^ω^) 「ドクオ! 大変だお!」

【('A`) 「どうしたんだ?」

【(;^ω^) 「とにかく早く来てほしいんだお!」

【('A`) 「分かった」

ガチャ

('A`) 「……まさかな」

('A`) 「行かなくちゃ」

扉を開けるとゆっくり走り出した。

26 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:12:27.80 ID:KACZpAo10
(;^ω^) 「ド、ドクオ。来てくれたかお」

('A`) 「どうしたんだ?」

(;^ω^) 「実は……」

(;^ω^) 「カーチャンがいなくなっちゃったんだお!」

('A`) 「…………」

('A`) 「い、いなくなっちゃったってどういうことだよ?」

(;^ω^) 「わかんないんだお! とにかくいないんだお!」

27 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:14:20.62 ID:KACZpAo10
('A`) 「落ち着くんだ、一体いつからいないんだ?」

( ^ω^) 「カーチャンは看護婦なんだお。だから2日くらいいないのはいつものことなんだお」

( ^ω^) 「だけど連絡が1本もないんだお! これはおかしいお! カーチャンに何かあったんだお!」

('A`) 「そうか……」

( ^ω^) 「カーチャンはトーチャンが早くに死んでから僕を女手一つで育ててくれたんだお」

( ;ω;) 「そんなカーチャンにもしものことがあったら……」

('A`) 「…………」

(;^ω^) 「そうだ! 早く警察に!」

('A`) 「待て!」

28 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:16:13.02 ID:KACZpAo10
(;^ω^) 「な、なんだお? 早く見つけてもらわないと」

('A`) 「その必要はない」

(;^ω^) 「ど、どういうことだお!?」

('A`) 「…………」

('A`) 「お前のカーチャンは、もう、この世にいない」

(;^ω^) 「い、意味わかんないお! ちゃんと説明してくれお!」

30 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:18:27.17 ID:KACZpAo10
('A`)

あれは一週間前。
忘れもしない。あの夜。

('A`) 「ブーンは本当にうまい棒が好きだな」

( ^ω^) 「おっおっお うまい棒は至高の料理だお」

('A`) 「そもそも料理なのか?」

( ^ω^) 「職人の手作りだお」

他愛も無い会話。
いつもと変わらない。変わらない。

31 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:20:25.29 ID:KACZpAo10
( ^ω^) 「ドクオ、聞いてくれお」

('A`) 「どうした?」

( ^ω^) 「僕は、懺悔するお」

('A`) 「何があったんだよ?」

( ^ω^) 「実は……」


( ^ω^) 「ドクオに借りたDVD、割っちゃったんだお!」

32 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:22:15.26 ID:KACZpAo10
('A`) 「……え、う、嘘だろ?」

( 'ω`) 「ごめんなさいお。間違って踏んづけちゃったんだお」

(#'A`) 「ふざけんなよ! あれにどれほどの価値があるか知ってんのか?」

( 'ω`) 「申し訳ないお……」

(#'A`) 「どうしてくれるんだよ!」

( 'ω`) 「いつもは許してくれるじゃないかお……」

(#'A`) 「俺がいつも優しいと思ったら大間違いなんだよ!」

34 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:24:26.35 ID:KACZpAo10
軽く突き飛ばした。
そのはずだったのに。
その掌に込められた力は、いつもより大きくて。














35 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:26:24.88 ID:KACZpAo10
(#'A`) 「おい! ブーン!」

(#'A`) 「返事してくれよ!」

('A`) 「ブーン!」

('A`) 「ブーン?」

慌てて駆け寄ると、血を流した親友の姿があった。

(;'A`) 「ブーン!しっかりしろ!」

(;'A`) 「ブーン! 起きてくれ! ブーン!」

(;'A`) 「そうだ、警察に連絡しなきゃ!」

36 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:28:23.14 ID:KACZpAo10
その時の俺はどうかしていたな。
子供の頃から友達だったお前よりも、自分の方を取ったんだからな。

警察は俺のことを疑いもしなかった。
みんな俺に慰めの言葉を掛けてくれた。
その一言一言が胸に突き刺さった。

通夜と葬式が終わると、お前の母は首を吊った。
遺書には、息子の居ない世界に未練なんてない、と書いてあったそうだ。

2,3日したあと、お前から電話が掛かってきた。
あの時は驚いたよ。
死んだはずの人間からだもんな。
どうやら自分が死んだことに気付いておらず、その辺りの記憶を失っているようだった。

俺はその時思った。
せめてもの罪滅ぼしに
いつもと変わらない2人で居よう。
37 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:30:17.92 ID:KACZpAo10
('A`) 「俺の話は終わりだ」

( ^ω^) 「……何もかも思い出したお」

('A`) 「そうか、で、どうするんだ?」

( ^ω^) 「どうするって、何をだお?」

('A`) 「俺だよ。お前を殺したんだぜ」

( ^ω^) 「許すお」

(;'A`) 「へ?」

( ^ω^) 「そもそもの原因はブーンが作ったんだし。あの時は覚悟もしていたお」

('A`) 「……」

40 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:33:23.83 ID:KACZpAo10
( ^ω^) 「ドクオはいつでも僕を許してくれたお。だから、今度は僕が許す番だお」

('A`) 「お前……それでいいのか?」

( ^ω^) 「未練はないお」

('A`) 「そうか……」

41 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:35:10.74 ID:KACZpAo10
('A`) 「ありがとな」

( ^ω^) 「お礼なんて言われる筋合いは無いお。それにドクオは親友じゃないかお」

('A`) 「……お前は本当にバカだよ」

( ^ω^) 「おっおっお カーチャンが呼んでるみたいだお」

('A`) 「そうか、じゃあさよならだな」

( ^ω^) 「ドクオ、今までありがとうだお」

('A`) 「ああ」

2人は手を強く握った。
離れるのは嫌だというように。
しかし、ブーンの体は少しずつ消えていく。
それには抗えない。
だんだん薄くなっていく…………

42 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:37:45.94 ID:KACZpAo10
('A`) 「…………」

ブーンは完全に消えた。
消える直前まで彼は笑顔だった。

('A`) 「ブーン……」

ゆっくりと上に視線を移す。
そこには古くなった天井しか見えなかった。
だが、ドクオにはもっと別の物が見えた気がした。

44 名前: ◆/6rxSAxvzA 投稿日:2009/06/06(土) 15:39:42.45 ID:KACZpAo10
乾いた足音が階段に響く。
その音は、どこか寂しく感じられる。

('A`) 「…………」

幼い頃に何度も見た景色。
2人でここに忍び込んでいつまでも眺めていた。


('A`) 「ブーン、お前は俺を許してくれた」

('A`) 「だけどな、俺は自分を許せない」

('A`) 「あの時なぜお前を突き飛ばしたのか。
     あの時なぜ自分がやったと言えなかったのか。
     あの時なぜお前のカーチャンを止められなかったのか。」

('A`) 「全部俺の罪だ」

('A`) 「罪人には、償いが必要だよな」



その日の空は、誰かの心のように悲しい雨を降らせた。


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