- 2 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:07:40.20 ID:0biQT9an0
- ( ・∀・)「…」 <キャーモララーサーン
(・∀・)
/キャーモララーサーン\
キャーモララ-様ア>(・∀・ )
- 3 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:08:24.42 ID:0biQT9an0
- ( ・∀・)「ああ、今日もまた僕のファンを魅了してしまった」
( ・∀・)「だけどごめんよ、僕は君達とは結ばれないんだ…」
<エエー!ナンデー!?
( ・∀・)「…僕は」
( ・∀・)「選べないんだ!君達の中から一人選ぶなんて!」
- 5 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:09:07.35 ID:0biQT9an0
- ( ・∀・)「ああ、体がいくつもあればいいのに!」
( ・∀・)「なぜ!?なぜ僕はこんなにも美しいんだぁ!!!!」
<キャーモララー様ー
<モララーサーン
<…フラッ バタン
<うっ…ふぅ
( ・∀・)「僕は罪深き者だ…」
( ・∀・)「この美しさは正に罪だ!」
- 7 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:10:30.68 ID:0biQT9an0
- 時は中世
どこかにあるどこかの国
その名をVIP国と言った
国自体は小さく、観光名所や名物といったものも無く
退屈そのものの国であった
だが!今より20年前!神はこの国に素晴らしき天使を降ろされたのだった!
- 8 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:12:07.57 ID:0biQT9an0
( ・∀・)オギャオギャ
従者「姫様!こ…これは」
姫「…神は私達にとんでもない子供を与えてくれたようですね」
従者「…」
姫「…」
( ・∀・) オギャ?
- 9 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:13:00.74 ID:0biQT9an0
従者・姫「カ ワ イ イ」
- 10 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:14:48.21 ID:0biQT9an0
- 王様「何と…これは正に神に選ばれし子供!」
宰相「この国にイエス様が再臨されたのだ!」
兵士「…ふぅ」
( ・∀・) オギャ
VIP国「み な ぎ っ て き た」
- 11 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:16:11.19 ID:0biQT9an0
- そう、これが後に神に選ばれし美しさを持つ美青年
微笑みは枯れた花を咲かせ、汚れた川を清流にする
奇跡の王子様
( ;∀;)「このモララーの悲しきエピソードなのさ!」
※ここまでモララー語りでした
- 12 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:17:05.23 ID:0biQT9an0
- それからと言うもの彼の美しさに女性達はメロメロなのであった
女性はおろか男性までも性欲を持て余していた
そんなある日の事
王様「モララーよ、話がある」
( ・∀・)「なんでしょう、お父上よ」
王様「(かわいい…)うむ、実はそろそろわしも隠居しようかと思っての」
煤i;・∀・)「なんですって!?」
- 15 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:20:16.27 ID:0biQT9an0
- 王様「当然王位はお主に譲るとしよう、だがお主まだ結婚しておらんかったな」
( ・∀・)「はぁ…」
王様「そこで今度王族、貴族合同で舞踏会を開く」
王様「その中から気に入った女性を妃とするがよい」
( ・∀・)「…」
- 16 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:22:26.40 ID:0biQT9an0
- ( ・∀・)「ですが私は…皆に愛されたいのです」
王様「(キュン)うむ、国民に愛される王になることは大切だ」
王様「だが、お主が心から愛する人は一人でなくてはいかん!」
( ・∀・)「…」
( ・∀・)「分かりました父上、このモララー」
( ・∀・)「生涯をかけて愛する女性を見つけてみせます!」
- 17 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:25:29.89 ID:0biQT9an0
- あっと言う間に舞踏会
ξ゚听)ξ
川 ゚ -゚)
从'ー'从
( ・∀・)「あの3人の中から選ぶとするか…」
- 18 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:27:27.63 ID:0biQT9an0
- ( ・∀・)「お嬢様方…私と踊っていただけますか」キラッ
ξ゚听)ξズキューン
川 ゚ -゚)ダダダダダダダダダダアパームアパームタマヲモッテコイダダダダダダダダ
从'ー'从ドッカーン
( ・∀・)「またしても女性を虜にしてしまった…なんて罪人なのだ私は」
- 21 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:30:32.86 ID:0biQT9an0
- ( ・∀・)「そう…あの時もそうだった」
私がまだ子供の頃
あれは王族のみが入学できる学校に入学したときのことだった…
( ・∀・)「VIP国王子、モララーです」
( ・∀・)「よろしく!」
从・∀・ノ!リ人ノジャーン!
o川*゚ー゚)oキューン
('、`*川ポポポポポポポポポポポ
('A`)ウホ
- 22 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:31:49.90 ID:0biQT9an0
- あの時もそうだった
自己紹介だけでクラスの皆を魅了させてしまった…
それからというもの私は学校で一番の人気者となり
イジメや暴力も無く、成績も1番の完璧な学生生活を送っていた
しかし、僕は恋をした事がなかった
- 23 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:32:58.82 ID:0biQT9an0
- 恋文は幾度も貰った
告白もされた
無理やり接吻をせがまれたこともあった
だけどいつだって
好かれることはあれど、僕が好きになった事はない
- 25 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:37:13.23 ID:0biQT9an0
- 別に嫌いだったとかではない
只、みんなに好かれたかったんだ・・・
みんなで仲良くしていればそれで良かった
僕を取り合って喧嘩するのを見たくなかった
その都度僕が出て行けば収まるけど
その度に思う
なぜ僕はこんなに美しく生まれてしまったのだろうと
- 28 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:40:42.54 ID:0biQT9an0
なんだかんだで踊りも終わり
モララーと3人の娘はリビング的な場所で休んでいた
ξ゚听)ξ「モララー様、どうか私を妃に」
川 ゚ -゚)「モララー様、私をどうぞ雌犬とお呼びください」
从'ー'从「モララー様モララー様モララー様モララー様」
(;・∀・)「えっ…と…
- 29 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:44:29.70 ID:0biQT9an0
- ξ゚听)ξ
( ・∀・)「気は強そうだがしっかりとした妃になってくれそうだ」
川 ゚ -゚)
( ・∀・)「物静かで無表情だけど、芯には強さを感じる女性だ…」
从'ー'从
( ・∀・)「多少天然ではあるが、可愛らしい少女だ…」
- 30 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:47:59.94 ID:0biQT9an0
- いくら普段から女性を魅了しているモララーでも
人生の伴侶を選ぶとなると流石に迷った
てかなんだこの急展開
ξ゚听)ξ「アンタナニヨモララーサマハワタシノモノヨ」
川 ゚ -゚)「ナニヲイッテルノカサッパリワカラナイナモララーサマハワタシノゴシュジンサマダ」
从'ー'从「モララーサマモララーサマモララーサマモララーサマモララーサマモララーサマモララーサマモララーサマ」
- 32 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:51:54.32 ID:0biQT9an0
- (;・∀・)「君達!落ち着きたまえ!」
> ジャマヨ! ドン
(;・∀・)「!!!!」
(;・∀・)「突き…飛ばされた…?」
(;・∀・)「この…僕が…」
(;・∀・)「まさか…僕の美しさが人を狂わせてしまったのか!」
- 34 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:54:41.50 ID:0biQT9an0
- 生まれてこの方、たった一度の拳骨も親から貰っていないモララー
正に温室育ちの彼にとっては突き飛ばされるということは人生初の衝撃である
今まで、一度の喧嘩もしたことはない
どんな争いも彼の顔を見れば、そっちに夢中になってしまうからだ
だが、今目の前で起こっている光景は
正に自分の美しさ故におこっている悲劇なのだ
- 35 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 20:57:44.61 ID:0biQT9an0
- まさかの真実に衝撃を受けていたモララー
その間にも女性陣の口論はヒートアップし
ついには殺し合いに発展した
- 39 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:02:02.78 ID:0biQT9an0
- ξ゚听)ξは从'ー'从をナイフで刺した
川 ゚ -゚)はξ゚听)ξの頭に花瓶を叩きつけた
从'ー'从は川 ゚ -゚)をネックレスで首を絞めた
- 40 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:04:54.17 ID:0biQT9an0
- 3人ともお互いを殺し合い
3人とも死んだ
血の海となった部屋の中にいるのは
赤く染まった天使
- 42 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:09:59.68 ID:0biQT9an0
- (; ∀)「…」
パキン
(; ∀)「これは…僕の罪なのか…」
パキン
(; ∀)「僕が美しいばかりに…」
パキン
(; ∀)「僕が魅力的なばかりに彼女達を狂わせてしまった!!!!!」
パキン!パキン!
- 44 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:12:48.25 ID:0biQT9an0
- (; ∀)「もう…いやだ」
彼は血の海の中から今だ銀色に光るナイフを拾い上げた
(; ∀)「こんなことなら…!」
(;・∀・)「こんな顔等イラナイ!!!!!!」
ブシュ
彼は右目を刺した
- 45 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:15:14.08 ID:0biQT9an0
- (; ∀・)「ま…だだ、まだ片目でもウツクシスギル」
ブシュ
彼は片方の目も刺した
(; ∀)「あああああああああああああああああああああああああああああああ」
(; ∀)「嗚呼アア・・・・」
(; ∀)「く・・・・・ち・・・・」
- 46 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:18:32.09 ID:0biQT9an0
- (; ∀)「こ…の…くちが…まだ美 し す ぎ る!」
ヒュン
サク
プシャアアア
彼は自らの唇をナイフで切り刻んだ
(; v)「嗚呼嗚呼アアアあああああああああああああああああああああああああああ」
- 49 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:22:41.05 ID:0biQT9an0
- (; v)「ぼ く は」
(; v)「好きで美しくうまれたんじゃない!」
(; v)「…嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああああああああああああ」
(; v)「こんな顔等!こんあかおなろ!」
ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク
ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクサ
ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク
- 53 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:26:07.79 ID:0biQT9an0
- その後
彼は従者が発見するまで
自らの顔を切り刻んだそうだ
そのあまりにも豹変した息子の顔を見た王は倒れる
姫も同じく倒れ、やがて2人は同じ日に死亡する
その後、VIP国は他国の侵略を受け
滅亡した
- 56 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:29:16.89 ID:0biQT9an0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ФvФ)「これが…かつて滅亡した国、VIPの悲しき罪人の話だよ」
子供「ねえ、おじさん。モララー様はどこにいったの?」
( ФvФ)「その後姿を見たものはいないんだってさ…さあ今日はもうおかえり」
子供「うん…またね〜仮面のおじさん!」
( ФvФ)ノシ
- 59 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:31:59.39 ID:0biQT9an0
- ( ФvФ)
( ФvФ)「…」
( ФvФ)「国を無くし」
( ФvФ)「父や母を無くし」
( ФvФ)「自らの顔も無くした私が生き続ける事」
( ФvФ)「それが私の罪に対する罰なのだよ…」
- 60 名前: ◆FOy3FlOjcQ 投稿日:2009/06/06(土) 21:34:51.19 ID:0biQT9an0
- そして彼はまた次の街へと旅立った
この忌まわしき話を忘れないために
己の罪を後世まで残すために
その仮面の下には
流せない涙が溢れていた…
終
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