( ゚∀゚)罪人のようです

4 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:47:02.92 ID:a3Ol1tG5O

 
とある教室。
数人の男子学生が1人の真面目そうな生徒を囲っていた。
グループの中心人物であろうひときわ背の高い学生が真面目そうな少年を突き飛ばす。
少年は小さな悲鳴を上げて床に崩れた。
その姿を見るや否や数人の学生達は笑う。
少年は床に倒れたまま体を縮こまらせ悔しそうに顔を歪めた。
少年を助けようとする者は居なかった。

 
5 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:48:40.43 ID:a3Ol1tG5O
 
 
おめでとうございます。
 
貴方は選ばれました。
 
存分に殺し合って下さい。
 
 
─( ゚∀゚)罪人のようです─


 
7 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:50:46.01 ID:a3Ol1tG5O
 
( ゚∀゚)「なんじゃこりゃ?」
差出人不明の封筒から出てきたのは意味不明な手紙だった。
選ばれた? 殺し合い?
明らかにおかしい内容だ。
恐らくイタズラだろう。
そう思って封筒と手紙を放り投げる。
( ゚∀゚)「あ?」
バサリと音を立てたかと思えば、封筒から手のひらサイズのカードともう一枚の手紙が出てきた。
人間とは好奇心に勝てないものなのか、イタズラだと思いつつカードと手紙を拾い上げた。
( ゚∀゚)「?」
カードには荷物を背負った旅人?らしき人物と犬が描かれている。
(;゚∀゚)「わ!?」
と、思った次の瞬間カードから強烈な光が発せられ目を開けていられなくなった。
光が止んだと思い、目を開けたら先程まで持っていたカードが無くなっていた。
(;゚∀゚)「あれ?」
辺りを見回してみるがカードらしき物は見つからない。
一体なんなんだこれは?
不思議に思ったが、カードと一緒に拾い上げた手紙を見る事にした。

『カードを手に取るだけで参加することが出来ます。』

(;゚∀゚)「はぁ!!?」

8 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:52:35.37 ID:a3Ol1tG5O
 
『カードを手に取るだけで参加することが出来ます。

カードが発光すれば体内に取り込めます。
その際に、必要な知識が取り込まれる他、戦闘能力も向上しますので御安心下さい。

貴方の能力は

レベル:愚者
武器:剣
属性:風

このような能力者の事を「タロット」と言います。
タロット同士が殺し合って、最後に生き残ったタロットの願い事を何でも一つだけ叶えます。

皆さん願い事の為に殺し合って下さい。』

9 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:53:53.62 ID:a3Ol1tG5O
( ゚∀゚)「…………」
嘘臭い。
全く手の込んだイタズラをしたもんだ。
カードの発光も何かのトリックだろう。
( ゚∀゚)「アホらし」
持っていた手紙を丸く握り潰してゴミ箱に投げつけた。
丸まった紙は激しい音をたててゴミ箱を吹き飛ばして床にめり込んだ。
(;゚∀゚)「・・・何この超上現象」
まさかと思い、部屋にあった机を殴りつけてみる。
乾いた音を響かせ机は真っ二つになった。
( ;∀;)「俺の机がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

11 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:56:09.96 ID:a3Ol1tG5O
「ジョルジュー! 大変だお!」
( ゚∀゚)「!」
玄関からドンドンと激しいノックと俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
ドアを開けてやる。
(;^ω^)「ジョルジュ…大変だお! 落ち着いて聞いてくれお!」
そこには息を切らしたブーンが居た。
同じニュー速高校に通う仲の良い友人である。
( ゚∀゚)「そんな慌ててどうしたんだ?」
(;^ω^)「なんか変なカードが光って、うちのテレビを真っ二つにしちゃったんだおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
全く要領を得ない説明を早口でまくし立てる。
しかしジョルジュは理解した。
俺より馬鹿が居た、と。

12 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 00:57:29.18 ID:a3Ol1tG5O



どうやらブーンの奴も同じ手紙を受け取ったらしい。
そして俺と同じくうっかりカードに触ってしまったとか。
( ゚∀゚)「タロットとか殺し合いとかマジかね」
( ^ω^)「分かんないけど実際強くなってるお」
うーん、と唸りながら手紙を睨みつける。
いくら睨みつけても答えをくれないのだが…。
疲れたのかジョルジュは床に横になった。

13 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:00:23.33 ID:a3Ol1tG5O





( ゚∀-)「あ…」


どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
明るかった空はもう真っ暗だ。
( -ω-)「お…」
ブーンの方を見ると座ったままの格好で寝ていた。
器用な奴だ。
( ゚∀゚)「結局なんなんだ」
眠る前と同じように置いてある手紙を見つめる。
次の瞬間、見つめていた手紙が轟音と共に吹き飛ばされた。
というか手紙どころか部屋の半分吹き飛んだ。
(;゚∀゚)「は?」
( ^ω-)「お?」
あまりの轟音に流石のブーンも目が覚めたようだ。
(;^ω^)「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!? なんだおこれ!!」
その反応は無理も無い。
半分吹き飛ばされてしまった俺の部屋は最早家の役割すら果たしていない。
まさに吹き抜け!
まじ絶景!
(#゚∀゚)「ってふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

14 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:02:34.53 ID:a3Ol1tG5O
「あれ〜、外しちゃったよぉ〜」
外から少し高めの間の抜けた声が聞こえた。
从'ー'从「なんだ〜、タロットの気配が2つあると思ったらジョルジュくんとブーンくんだぁ〜」
(;^ω^)「渡辺ちゃん!?」(;゚∀゚)「タロットってまさか渡辺ちゃん…」
突然現れた彼女は渡辺ちゃん。
特に親しいという訳でも無いがクラスメートの1人だ。
(;゚∀゚)「!?」
(;^ω^)「!?」
刹那、頭の中に情報が流れた。

从'ー'从
レベル:恋愛
武器:聖杯
属性:水

( ^ω^)
レベル:魔術師
武器:剣
属性:風


渡辺ちゃんの情報だけでなくブーンの情報まで分かった。
ブーンも驚いた顔で渡辺ちゃんと俺を交互に見ている。
恐らく俺と同じものを見ているのだろう。

16 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:04:40.30 ID:a3Ol1tG5O
从'ー'从「次は外さないからねぇ〜」
渡辺ちゃんは右腕を天高く掲げる。
すると何もない空間から銀色のワイングラスのような物が現れた。
細い部分を鷲掴み、こちら側に向ける。
从'ー'从「私の為に死んでね」
(;゚∀゚)「逃げるぞ!!」
(;^ω^)「おっ!!」
危険を感じ慌てて玄関から飛び出した。
瞬間、半分あったジョルジュの家が水流に吹き飛ばされた。
(;゚∀゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ俺の城がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
(;^ω^)「言ってないで走るお!!」
从'ー'从「待て待てぇ〜」
再度ワイングラスをこちらに向けると凄まじい勢いの水流が迫る。
渡辺ちゃんは本気だ。
(;゚∀゚)「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
身体が自然に動いた。
手を前に突き出す。
(;^ω^)「これは…」
ジョルジュの手から凄まじい風が発生し、あの水流を巻き上げた。
水は勢いを無くし、雨となって降り注ぐ。
从'ー'从「風かぁ〜厄介だよぉ〜」
(;゚∀゚)「なんだこれ…」
これがタロットの力なのか?

17 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:06:42.34 ID:a3Ol1tG5O
从'ー'从「早めに勝負決めるねぇ〜」
ワイングラスを掲げる。
するとカップの部分から水が吹き上がり凍りつく。
長く伸びた先端は鋭く、まるで剣か槍のようだ。
(;^ω^)「ジョルジュ!」
从'ー'从「遅いよぉ〜」
気付くと渡辺ちゃんは目の前に迫って来ていた。
今からじゃ回避は不可能だろう。
(;゚∀゚)「!!」

18 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:10:23.82 ID:a3Ol1tG5O
金属がぶつかり合うような耳につく音が響く。
从'ー'从「………」
(  ∀ )「………」
(;^ω^)「………」
渡辺の氷の剣はジョルジュがいつの間にやら握っていた身の丈程はありそうな大剣に阻まれていた。
(;゚∀゚)「あぶね…」
从'ー'从「やるねぇ〜」
(;゚∀゚)「そりゃどーも」
互いに剣を押し合いながら言葉を交わす。
从'ー'从「でも私負けないよぉ〜」
(;゚∀゚)「!?」
渡辺が押し合っていた剣を引く。
抗う力が無くなりバランスを崩すジョルジュ。
渡辺がその隙を逃すはずもなく氷の刃が迫る。
(;゚∀゚)「くっ!!」
再び大剣で防ごうとするが凄まじい勢いの刃を止める事は出来ず、大剣は遥か後方に弾き飛ばされた。
从'ー'从「終わり、だよぉ〜」
(;゚∀゚)「…………」
(;^ω^)「ジョルジュ…」
氷の刃はジョルジュの首元に迫っていた。

19 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:11:08.45 ID:a3Ol1tG5O
 


血が飛び散る。


 
22 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:17:14.14 ID:a3Ol1tG5O
それは温かかった。


(;゚∀゚)「は? な…んで?」
ゴトリと渡辺ちゃんの首が落ちる。
次いで身体もドシャリと崩れ落ちた。
( ・∀・)「はは、みっともないなぁジョルジュ」
(;^ω^)「モララー…」
突如現れた彼はモララー。
渡辺と同じくブーンやジョルジュのクラスメートだ。

( ・∀・)
レベル:愚者
武器:剣
属性:風

モララーの情報が頭に入り込んで来る。
(;゚∀゚)「お前も…タロットなの…か」

23 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:18:06.99 ID:a3Ol1tG5O
(#^ω^)「なんで渡辺ちゃんを殺したお!!」
ブーンがモララーの胸倉を掴み上げるが彼は抵抗する素振りを見せない。
それどころか余裕の表情を浮かべている。
( ・∀・)「その渡辺に殺されかけてた癖に良く言うよ」
(#^ω^)「お前…っ!!」
ブーンが殴りかかろうとするが、一つの悲鳴に遮られる。
完全に忘れていたが、恐らく一般人だ。
いくら夜でも1人や2人くらいは通行人が居てもおかしくない。
( ・∀・)「面倒だなぁ」
モララーはブーンを振り払って疾駆した。
(;゚∀゚)「な!?」
速い。
気づいた時には既に悲鳴を上げた人間の首は宙を舞っていた。
短刀についた血を払いながらモララーはジョルジュ達の元に戻って来た。

24 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:23:06.43 ID:a3Ol1tG5O
(#^ω^)「お前…渡辺ちゃんだけじゃなく一般人まで!!!」
( ・∀・)「邪魔だよ」
再び掴みかかろうとしたブーンを殴り飛ばす。
( ・∀・)「僕はジョルジュに用があるんだ」
(;゚∀゚)「!!」
( ・∀・)「今まで出会ったタロットがみんなクラスメートなんて偶然にしては出来過ぎだよね」
( ・∀・)「主催者が何者かは知らないけど僕にとってはありがたいよ」
( ・∀・)「ねぇジョルジュ」
ガシリと腕を掴まれる。
( ・∀・)「君は僕が最後に殺してあげるよ」
ミシミシと腕が悲鳴をあげる。
( ・∀・)「だから僕以外の誰かに殺されたら許さないからね」
やっと腕が解放される。
腕にはくっきりとモララーの手形が残された。
( ・∀・)「じゃあまたね」
そう言い残すと何事も無かったかのように背を向けて立ち去った。
人間だったモノを踏んづけて立ち去った。

27 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:29:03.21 ID:a3Ol1tG5O




結局昨日はブーンの家に泊めてもらった。
まぁ家無くなっちゃったしな。
ちょうど夏休みで良かった。
流石にこのままじゃ学校に通えないし。
しかし夏休みの残りはあと1週間と少し。
その間に家がなんとかなるとは思えない。
( ゚∀゚)「あーあ、どーすっかなー」
親に必死で頼み込んで一人暮らし出来るようになったのにどう言い訳すりゃ良いんだ。
( ^ω^)「……お……来てくれお」
と、なにやら一人考え事をしていたらブーンはどこかに電話をかけていた。
受話器を置いたのを見計らい問いかける。
( ゚∀゚)「誰か呼んだのか?」
( ^ω^)「お? みんなを呼んだお」
( ゚∀゚)「あいつらか?」
( ^ω^)「モララーの言ってた事が気になったんだお」

モララーの言っていた事。

『今まで出会ったタロットがみんなクラスメートなんて偶然にしては出来過ぎだよね』

多分これの事だろう。

28 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:33:27.69 ID:a3Ol1tG5O
数十分経って、2人は来た。
('A`)「よぉ」
川 ゚ -゚)「む、ジョルジュも居たのか」
ドクオとクーである。
同じクラスメートで、ブーンと同じく仲の良い友人だ。
( ^ω^)「いらっしゃいだおー」
その後、変な手紙について2人に聞いてみる。
やはりというかなんというか2人の所にも来たらしい。
何が恐ろしいかって2人共タロットになってしまった事だ。
('A`)「そういや今朝のニュース見たか?」
川 ゚ -゚)「あれもタロットに関係してるのか?」
( ゚∀゚)「ニュース?」

30 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:35:11.34 ID:a3Ol1tG5O
ニュース?

そういえばテレビはどこぞの馬鹿が壊してしまって見れない状態だった。
仕方ないので2人に聞いてみる。
('A`)「殺人事件があったんだと」
川 ゚ -゚)「なんでも殺された1人は渡辺さんだそうだ」
(  ω )「!!!」
(  ∀ )「!!!」
昨日の出来事が鮮明に思い出される。
飛び散る血液、首、人間だったそれ。
吐き気が込み上げて来る。
(# ω )「…モララーだお」
(# ω )「…許さないお」
ブーンは顔を俯かせ、手を握りしめていた。
(#゚ω゚)「モララーは罪を犯した罪人だお!!」
(#゚ω゚)「許せないお…絶対あいつを止めるお!!」
普段は温厚なブーンの怒りに、その場の全員が気圧されていた。

31 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:42:05.60 ID:a3Ol1tG5O




草木が鬱蒼と茂る山道。
時たま吹く風がザザザという音を奏でながら木々を撫でる。
その音に混じって賑やかな声が聞こえる。


(#^ω^)「ドクオ、行くお!!」
(;'A`)「あびゃ!?」

('A`)
レベル:皇帝
武器:杖
属性:火

ドクオはブーンの風の攻撃に、あっけなく吹き飛ばされ地面に沈む。

32 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:43:38.59 ID:a3Ol1tG5O
(#^ω^)「次はクーだお!」
川;゚ -゚)「むぉ!?」

川 ゚ -゚)
レベル:女帝
武器:護符
属性:地

クーも健闘虚しくドクオと同じく地に倒れる。
スカートでも履いていたら見れただろうに残念ながら彼女はズボンだ。
(#^ω^)「ジョルジュ! よそ見するなお!」
クーに視線を向けていると、その隙を突かれて倒される。

正義感の強いブーンのことだ。
モララーを本気で許せないのだろう。

34 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:46:07.37 ID:a3Ol1tG5O
数十分もすれば俺達はそれなりに戦えるようになっていた。
これも『必要な知識が取り込まれる他、戦闘能力も向上します』とかいうやつのおかげなのか。
( ゚∀゚)「おら!」
(;^ω^)「おっ」
激しい音が響く。
俺の大剣とブーンの両手剣がぶつかり合った音だ。
川 ゚ -゚)「隙あり!」
草の影に隠れていたクーが2人に向かって紙のようなものを投げつける。
クーの武器である護符だ。
(;゚∀゚)「ちっ」
(;^ω^)「っ!」
お互い押し合っていた武器を引いてバックステップを取りかわす。
護符が地面についたかと思えば地面が激しい音を立てて抉れ、そこから柱が現れて2人に襲いかかる。
(;゚∀゚)「くっ」
(;^ω^)「おっ」
2人は風に乗り、柱を間一髪のところで草の影に隠れてかわす。
川 ゚ -゚)「外したか」
('A`)「チャンス!」
川;゚ -゚)「!!」
気づくとドクオが後ろに迫ってきていた。
ドクオは武器の杖でクーに殴りかかろうと振りかぶる。
クーは振り向くと同時に護符で杖を受け止める。
バチバチと激しい音を立てて、お互い引かない。
('A`)「甘いぜ」
川;゚ -゚)「む!?」
ドクオの杖が一瞬発光したかと思うと護符が燃え上がる。
川;゚ -゚)「ちっ」
(;'A`)「おわ!?」
護符が燃え尽きた瞬間にクーはしゃがんでドクオの足をはらう。
ドクオは尻餅をついて転倒する。

35 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:51:39.94 ID:a3Ol1tG5O
( ゚∀゚)「おらぁ!」
( ^ω^)「おぉ!」
川 ゚ -゚)「む!?」
ドクオが転倒したのを合図のように2人が飛び出してくる。
(;'A`)「くそ!」
川;゚ -゚)「む…」
金属がぶつかり合う音とバチバチという音。
ジョルジュの大剣をドクオが、ブーンの両手剣をクーが受け止めた。
両者とも一歩も譲らない。

36 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 01:53:14.02 ID:a3Ol1tG5O




とある建物の中。

(;´_ゝ`)「…が…ぁ…」
着ていたスーツを血に濡らした男が俯せに横たわっていた。
「トドメだ」
横たわる男の背後から、まだ幼さを残した声が聞こえる。
声の主である人影は月の光に反射するそれを横たわる男に振り下ろした。
(; _ゝ )「…っ…ぁ」
ズという音と共に男が呻く。
(  _ゝ )「す…まな…い……モ…ララー」
最期に呟くと動く事をやめる人間だったそれ。
( ・∀・)「……」
人影――モララーはじっと人間だったモノを見つめる。

38 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:01:06.30 ID:a3Ol1tG5O
( ・∀・)「つまらない」
今まで10人くらいは殺しただろうか…。
なぜだか分からないが殺しても殺してもスッキリする事が無い。
それどころか苛々が増していっているのだ。
(#・∀・)「ちっ」
目の前の人間だったモノを蹴り飛ばすが反応は無い。
(´・ω・`)「また派手にやってるね」
(-_-)「………」
(#゚;;-゚)「モララーくん…帰ろう」
部屋の奥から3人の男女が現れる。
どうやらモララーの仲間のようだ。
( ・∀・)「? この気配は…」
話しかけられた本人は3人に目も向けずに窓の方を眺めている。
( ・∀・)「行くよ」
(´・ω・`)「また突然だね」
(-_-)「……」
(#゚;;-゚)「……」
モララーは窓に足をかけ、思い切り蹴り飛ぶ。
そのまま屋根と屋根を飛び移りながら一直線に進んで行く。
3人もモララーの後をついて行った。

39 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:02:38.60 ID:a3Ol1tG5O
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……」
あの後、何時間も戦いあったおかげで全員疲れきっていた。
気づけば空は真っ暗である。
( ゚∀゚)「夜はヤバいから早めに帰ろうぜ」
恐らく人影の少ない夜はタロットが現れる確率が高いだろう。
無防備に出歩くのは利口とは言えない。
( ^ω^)「だお」
('A`)「まだ実感沸かないがな」
川 ゚ -゚)「用心に越した事は無いだろう」

41 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:10:00.19 ID:a3Ol1tG5O
( ゚∀゚)「あ?」
( ^ω^)「お?」
('A`)「これは…」
川;゚ -゚)「……」
寒気にも似た嫌な感覚が全身を巡る。
これはまさか
(;゚∀゚)「タロット…」
「御名答」
暗闇から返答が来る。
(´・ω・`)「やぁ久しぶり」
(-_-)「……」
(#゚;;-゚)「……」
暗闇から懐かしい顔が現れる、そして…。
( ・∀・)「調子はどうかな?」
(#^ω^)「モララー…」
(;゚∀゚)「……」

42 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:11:33.18 ID:a3Ol1tG5O
(´・ω・`)
レベル:太陽
武器:剣
属性:風

(-_-)
レベル:月
武器:杖
属性:火

(#゚;;-゚)
レベル:刑死者
武器:杖
属性:火

上から『ショボン』、『ヒッキー』、『でぃ』。
この3人もあまり話した事は無いが、同じクラスメートだ。

43 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:12:19.17 ID:a3Ol1tG5O
 


( ・∀・)
レベル:審判
武器:剣
属性:風


 
44 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:18:00.57 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「あれ…」

(;^ω^)「お……モララーのレベル…」
('A`)「?」
川 ゚ -゚)「?」
モララーのレベルは前に見た時は『愚者』だった筈だ。
同じレベルだから良く覚えていた。
( ・∀・)「レベル? あぁ、成長したんだよ」
(;゚∀゚)「成長?」
( ・∀・)「条件は分からないけど成長するみたいだよ……試してみる?」
言うや否や何も無い空間から武器を取り出し疾駆する。
そして金属がぶつかり合う音が響く。
(;゚∀゚)「っ!!」
( ・∀・)「へぇ」
モララーの太刀をジョルジュは大剣で受け止めた。
よく見ると短刀だった筈のモララーの武器は禍々しい黒い刀身の長刀になっている。
それだけでは無い。
( ・∀・)「それっ」
(;゚∀゚)「(速い…!!)」
あまりにも速過ぎて受けるので精一杯だ。
そして攻撃の一撃一撃が重い。
やられるのは時間の問題だろう。

45 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:19:42.81 ID:a3Ol1tG5O
(;^ω^)「ジョr…」
(´・ω・`)「ブーンくんには僕の相手でもしてもらおうかな」
(;^ω^)「お!?」
ジョルジュの助太刀をしようとするとショボンに阻まれてしまう。
(#゚;;-゚)「…クーちゃん」
川 ゚ -゚)「…でぃ…」
(-_-)「ドクオ」
('A`)「ヒッキー…マジかよ…」
それぞれの戦いが始まった。

47 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:21:57.09 ID:a3Ol1tG5O
(;^ω^)「お…っ!」
(´・ω・`)「……」
金属がぶつかり合う音が連続で響く。
ショボンの武器――双剣からの連続攻撃にブーンは両手剣で防ぐしか無い。
実力差がありすぎる。
(;^ω^)「どうしてこんな事するんだお…!!」
打開策も浮かばず、時間かせぎの為に話を振る。
もちろん防御に集中しなければいけないが…。
(´・ω・`)「復讐…かな」
( ^ω^)「復…讐?」
ショボンの攻撃の手が止まった。

49 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:27:05.99 ID:a3Ol1tG5O
(-_-)「……」
('A`)「どういうつもりだ」
(-_-)「……」
(#'A`)「なんか言えよ」
ヒッキーとドクオ。
高校に入ってからはジョルジュ達と遊ぶ機会が増え、たまに話すくらいになっていた。
しかし中学生の時は親友のような関係だったため、こんな風に敵対するなど夢にも思わなかった。
(-_-)「分からないよ…ドクオには」
(#'A`)「何がだよ」
ブーンから聞いたが、モララーは人を平然と殺したそうだ。
そんな彼に荷担するヒッキーが許せなかった。
(-_-)「復讐」
('A`)「は?」
(-_-)「これは復讐だよ」
復讐?
一体何を言っているのだろう。

50 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:28:12.59 ID:a3Ol1tG5O
川 ゚ -゚)「でぃ」
(#゚;;-゚)「……」
川 ゚ -゚)「一体どういうつもりだ」
(#゚;;-゚)「それは…」
クーに真っ直ぐ見つめられてでぃは目を逸らす。
なんだか戦う事を躊躇っているようにも見える。
川 ゚ -゚)「君は優しい人だろう」
(#゚;;-゚)「……」
川 ゚ -゚)「何故戦おうとする」
(#゚;;-゚)「……」
何も答えない。
彼女は一体何を考えているんだ?

51 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:29:35.10 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「くらえ…!!」
( ・∀・)「!」
体の周りに風を纏わせ、接近しているモララーを吹き飛ばそうとする。
( ・∀・)「やっぱり反抗して来ないと楽しくないね」
(;゚∀゚)「!?」
モララーは表情を崩すことなくジョルジュの風と逆の向きの風を瞬時に発生させ、相殺してしまう。
そして刀身に風を纏わせジョルジュに向け振り下ろした。
(;゚∀゚)「ぐ!?」
甲高い音。
モララーの太刀を大剣で受け止めきれずに後方に吹き飛ばされた。
( ・∀・)「この程度でやられないでよね、手加減してるんだから」
(;゚∀゚)「っ!」
モララーとの実力の差が開きすぎている。
(;゚∀゚)「なんで…こんな事すんだよ」
( ・∀・)「時間かせぎのつもりかい? まぁ良いけど…」

53 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:33:59.59 ID:a3Ol1tG5O
( ・∀・)「忘れたとは言わせないよ」
(;゚∀゚)「え」
( ・∀・)「君と僕が初めて出会った日…君は何をした?」
(;゚∀゚)「え? 何を……え?」
(#・∀・)「っ!!」
(; ∀ )「がっ!?」
奥歯をギリリと鳴らし、モララーの表情が歪む。
同時にジョルジュの体に凄まじい衝撃が走る。
風圧の攻撃だろうか…、今までの攻撃とはまるで威力が違う。
(#・∀;)「お前のせいでお前のせいでお前のせいで!! 僕が何をしたんだ僕がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(; ∀゚)「……っ」
休む事無く降り注ぐ風圧。
頭を庇いながらモララーの顔を伺うと、水滴が頬を伝っていた。
(#・∀・)「忘れたなら教えてやろうか!!」
(#・∀・)「あの日お前は他の奴らを引き連れていきなり僕に絡んで来ただろ」
(#・∀・)「僕を突き飛ばして笑い物にして!!」
(#・∀・)「お前はあの日だけしか絡んで来なかったけど他の奴らは違った!!」
(#・∀・)「あの日、僕がやられっぱなしだったから抵抗されないとでも思ったんだろうな、あのクズ共は!!」
(#・∀・)「お前は知らないかもしれないけど、ずっと酷い事されてきたんだ!!」
(#・∀・)「あの日…お前が絡んで来なければ…!!」
(#・∀;)「僕が…僕が何をしたんだ!! なんで…っ!!」
また一粒、頬を流れる。
(  ∀ )「……」
ジョルジュは…動かない。

54 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:35:18.71 ID:a3Ol1tG5O
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「……」
ブーンは、聞いてしまった。
彼の――モララーの心の叫びを。
( ^ω^)「罪人…かお」
(´・ω・`)「?」
かつてブーンはモララーの事を『罪人』と言った。
だが、今の話ではどうだろう。
果たしてジョルジュとモララーは、どちらが『罪人』だろう。
( ^ω^)「なんだお…これは…」
(´・ω・`)「…良く分からないけど大丈夫かい?」
( ^ω^)「一体どっちが正しいんだお」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「僕には分からないお」

56 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:38:02.75 ID:a3Ol1tG5O
('A`)「復讐ってなんだよ」
(-_-)「ドクオは知ってる?」
('A`)「何をだ?」
(-_-)「僕らは…クラスメートの一部の奴らからイジメにあってた」
(;'A`)「……」
そんなの初耳だ。
どこにでもある平穏なクラスだと思っていた。
(-_-)「結構酷い目にあってたんだ」
(;'A`)「……」
(-_-)「まぁ影でイジメられてたからね、分からなくて当然かも」
(-_-)「もちろん流石先生に助けを求めたけど、取り扱ってはくれなかった」
(-_-)「そんな絶望していた時に『タロット』という能力が手に入った」
('A`)「で、その能力でイジメっ子に復讐…か」
(-_-)「うん、分かってくれた?」
(#'A`)「黙れ!」
(;-_-)「!?」
ドクオは自身の武器を取り、ヒッキーに向ける。
(#'A`)「復讐がお前らのやり方かよ!!」
(#'A`)「分からないね!! 分かりたくもない!!」
(-_-)「そっか…分かってくれないんだ…」
ヒッキーも武器をドクオに向ける。
(#'A`)「お前がやり方を変えないなら…俺がお前を止める」
(-_-)「やり方を変えるつもりも無いし、止められるわけにもいかない」
(#'A`)「ほざけ!」
次の瞬間、互いの武器がぶつかり合った。

57 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:41:27.01 ID:a3Ol1tG5O
(#'A`)「くそ」
(-_-)「……」
やはり実力差がある。
ドクオはヒッキーに対して防戦一方だ。
(-_-)「そこだ」
(;'A`)「ぅ!?」
隙を突かれヒッキーの杖がドクオの脇腹に入り、膝をつく。
(#'A`)「まだ…だ!」
(;-_-)「!?」
そのままの体勢で足をはらう。
バランスを崩したヒッキーを突き飛ばすため、杖を突き出そうとする。
(;-_-)「く!」
(;'A`)「!!?」
しかしヒッキーも負けず、バランスを崩しながらもドクオに火球を放った。
(; A )「ッ!!!!」
接近していたドクオは火球を避ける事が出来ずに正面から受けてしまい後方に吹き飛ばされる。
(#'A`)「負け…る…か」
(;-_-)「……なんで」
先程の火球は全力だったのに、レベル差がある筈なのに、もう身体はボロボロなのに、尚もドクオは立ち上がる。
(#'A`)「お前を……止める…んだ」
(;-_-)「なんでそこまで…」
(#'A`)「止めなきゃ」
(;-_-)「なんでだよ!!」
(#'A`)「親友だからだよ!!」
(;-_-)「え」

58 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:42:58.99 ID:a3Ol1tG5O
('A`)「俺はお前に何もしてやらなかった」
('A`)「親友なのに」
('A`)「お前が苦しんで居たのに助けられなかった」
('A`)「いや、助けようとしなかった」
('A`)「知ろうとすらしなかった」
('A`)「これは俺の罪だ」

59 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:44:41.86 ID:a3Ol1tG5O
 


('A`)
レベル:塔
武器:杖
属性:火


 
61 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:47:26.37 ID:a3Ol1tG5O
(;-_-)「え!?」
ドクオのレベルが変わった?
まさかこの状況で…。
('A`)「こんなことになったのは俺にも責任があるんだ」
('A`)「だから」
('A`)「命に代えてもお前を止めてやんよ」
ヒュという音を残して疾駆。
先程の速さとは比べものにならない。
(;-_-)「!!」
('A`)「ちっ」
ドクオの攻撃を防ぐ。
攻撃も先程より重かった。

62 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:48:52.18 ID:a3Ol1tG5O
( ・∀・)「……」
(  ∀ )「……」
(´・ω・`)「モララー…」
( ^ω^)「……」
先程とうって変わって冷静さを取り戻したモララーはジョルジュを見つめたまま立ち尽くしていた。
( ・∀・)「………帰ろう」
(´・ω・`)「そうか」
それだけ言うと踵を返し歩き出す。
( ^ω^)「……」
(  ∀ )「……」
ブーンはモララーを止めるわけでもなく、倒れているジョルジュをじっと見つめていた。

63 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:50:01.49 ID:a3Ol1tG5O
モララーの方をチラリと見るとどうやら一旦引くらしい。
(-_-)「今日は帰るみたい」
('A`)「は?」
(-_-)「また今度ね」
(;'A`)「!!」
ヒッキーは杖を地面にコツンとぶつける。
次の瞬間ドクオの目の前に火柱が吹き上がり怯んでしまう。
(;'A`)「……」
火柱が止むとヒッキーの背中が遠くに見えた。

64 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:51:07.67 ID:a3Ol1tG5O
(#゚;;-゚)「帰るね」
川 ゚ -゚)「あぁ」
結局この二人は戦わなかった。
もしかして向こうは迷っているのだろうか。
でぃはクーに一旦背中を向ける、が振り返った。
(#゚;;-゚)「…あの」
川 ゚ -゚)「?」
(#゚;;-゚)「……やっぱり何でもない」
再び前を向き歩き出した。
川 ゚ -゚)「……」

66 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:55:27.42 ID:a3Ol1tG5O
 
 
(  ∀ )「…ごめん」
 
 
67 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:56:58.64 ID:a3Ol1tG5O






とある教室。
数人の男子学生が1人の真面目そうな生徒を囲っていた。
(;・∀・)「えっと…」
いきなりこんな状況になった為、彼――モララーは怯む。
( ゚∀゚)
数人のグループの中心人物――ジョルジュがモララーを突き飛ばす。
(;・∀・)「ひっ」
モララーは小さな悲鳴を上げて床に崩れた。
( ゚∀゚)「『ひっ』てwww」
その姿を見るや否や数人の学生達は笑う。
(#・∀・)「……畜生…畜生…畜生……」
モララーは床に倒れたまま体を縮こまらせ悔しそうに顔を歪めた。







68 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 02:57:48.23 ID:a3Ol1tG5O
ただ、興味本位だった。
優等生モララーが一体どういうやつなのか。
悪ノリしてしまったのだ。
モララーの気持ちなんか全く考えてなかった。
モララーは確かに人を殺した。
しかし元を辿れば俺が原因じゃないか。
俺だって、
俺だって罪人じゃないか。

70 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:00:42.63 ID:a3Ol1tG5O




朝。
昨日はドクオの家に泊まった。
皆がバラバラになるのは危ないというクーの判断からだ。
( ^ω^)「……」
ブーンは昨日から何か考え事をしているようで会話が少ない。
川 ゚ -゚)「今日も特訓するか?」
('A`)「しといた方が良い。今のままじゃあいつらに勝てないしな」
( ゚∀゚)「……だな」
ドクオの正論により、裏山に行く事に決定した。
しかし再びモララーと対峙した時、俺は戦えるだろうか。

72 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:01:53.00 ID:a3Ol1tG5O
 
川 ゚ -゚)「……」
(;゚∀゚)「うぉ!?」
裏山で特訓を始めて早々、クーに追い詰められてしまった。
川 ゚ -゚)「どうしたんだジョルジュ? まるで動きが荒いじゃないか」
(;゚∀゚)「…荒い…?」
指摘されるまで気づかなかった。
しかし心当たりはある。
まだモララーの事を考えているのだろう。
(;^ω^)「お!?」
少し離れたところでブーンが尻餅をついているのが見えた。
('A`)「ブーン…お前ぼーっとしてどうした」
(;^ω^)「すまんお…」
ブーンの方は一体どうしたのだろうか。

73 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:04:08.72 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「!?」
( ^ω^)「……お」
川 ゚ -゚)「…む」
('A`)「…来たのか」
4人が異変に気づいた。
タロットの気配。

それも前に出会った事のある人物の気配だ。



(#゚;;-゚)「……」
川 ゚ -゚)「でぃ」
草を掻き分けて現れたのは、顔に傷のある少女――でぃだった。
('A`)「一人か」
(#゚;;-゚)「うん」
でぃはどこか思い詰めた表情をしていた。

74 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:05:36.82 ID:a3Ol1tG5O
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「何しに来た」
いくら1人とはいえモララー達の側の人間だ。
無意識に構えてしまう。
(#゚;;-゚)「話を聞いてほしい」
顔色を変えずに、でぃは言う。
一体何を考えているのだろう。
川 ゚ -゚)「良いだろう」
(;^ω^)「お…」
(;゚∀゚)「クー…」
('A`)「良いのか?」
クーがあっさり敵の話を聞くと言い出して3人は驚いてしまう。
川 ゚ -゚)「彼女から悪意が伝わって来ない」
(#゚;;ー゚)「ありがとう」
クーの言葉を聞いて照れ臭そうに微笑むでぃ。
確かにクーの言う通りかもしれないと思った。

75 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:08:23.88 ID:a3Ol1tG5O
俺たち4人とでぃは向かい合う形で座る。



(#゚;;-゚)「私は」
(#゚;;-゚)「イジメられていた」
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……」
俺たちは黙って話を聞く。
というか、俯いて震えながら話す彼女にかける言葉が無いからだ。
(#゚;;-゚)「この顔の傷が気持ち悪いんだって」
(#゚;;-゚)「暴力は無かったけど辛かった」
(#゚;;-゚)「好きでこんな顔してるわけじゃないのに…」
でぃの目に涙が溜まっているのが分かった。
たまらずクーがでぃを抱きしめた。
川  - )「もう良い」
(# ;;- )「……ぅん」
クーの胸の中で彼女は小さく頷く。
川  - )「すまない」
川  - )「君の苦しみに気づいてあげられなくて」
川  - )「私は無知だった…」
川  - )「本当にすまない…」

76 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:09:26.97 ID:a3Ol1tG5O




(#゚;;-゚)「ごめんなさい」
川 ゚ -゚)「いや…私こそ」
平静を取り戻した2人は互いに謝る。
(#゚;;-゚)「それで…用件…なんだけどね」
(#゚;;-゚)「モララーくんを止めて欲しいの」
( ゚∀゚)「!」
( ^ω^)「それって…」
まさかそんな話をしに来たとは予想外だった。
川 ゚ -゚)「しかし…何故…」
(#゚;;-゚)「今のモララーくんね…苦しそうなの…」
(;゚∀゚)「え…」
(#゚;;-゚)「誰かを殺してしまう度に苦しそうな顔をするの」
( ^ω^)「……」

77 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:14:23.45 ID:a3Ol1tG5O
(#゚;;-゚)「モララーくんはきっと自分のやり方が間違っている事に無意識に気づいてると思う」
(#゚;;-゚)「でも止まれないところまで来てしまったから、誰かが止めないとモララーくんはもっと傷つく」
なんと滑稽な事だろう。
モララーは殺しながら傷ついていた。
一体この殺し合いは誰が得をしているというのだ。
(#゚;;-゚)「私がもっと早く気づくべきだった…止めるべきだった…」
(#゚;;-゚)「モララーくんの近くに居ながら…」
(#゚;;-゚)「これは私の罪」

78 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:18:27.62 ID:a3Ol1tG5O



( ゚∀゚)「まだだ」
( ゚∀゚)「まだ希望はある」
全員の視線がこちらに注がれる。
皆が皆、不思議そうな顔をしていた。
( ゚∀゚)「勝者には1つだけ願い事を叶えてくれるんだよな」
(#゚;;-゚)「…あ」
川 ゚ -゚)「そういえば忘れていた」
('A`)「みんなを生き返らせてもらえば良いのか!」
( ゚∀゚)「こんな能力を与えられる奴なら出来るかもしれない」
皆の表情が少し明るくなった。
( ^ω^)「……」
その中でブーンだけが無表情でジョルジュを見つめていた。

80 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:28:54.24 ID:a3Ol1tG5O
その時、全員が気配に気づいた。
複数のタロットが徐々に近づいて来る気配。
この気配はモララー達だろう。
ヒュと風を切るような音が聞こえた。
(# ;;- )「…っあ…」
それと、でぃが短い悲鳴を上げたのは同時だった。
(;'A`)「…でぃ」
(;゚∀゚)「な!?」


でぃの腹部には見覚えのある禍々しい長刀が貫通していた。


川 ; -;)「でぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
ドシャリとでぃは崩れ落ちた。

81 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:30:01.60 ID:a3Ol1tG5O
でぃの元へ駆け寄ると同時にモララー達が草を掻き分け現れた。
モララー以外の2人はでぃの姿を見て驚いている。
(;´・ω・`)「これは…」
(;-_-)「モララー…」
(  ∀ )「……裏切りは罪だよ」
(;´・ω・`)「……」
(;-_-)「……」
モララーは俯いていて表情が伺えない。
川 ; -;)「でぃ…でぃ…」
クーは倒れたでぃを抱きしめて何度も名前を呼ぶ。
するとでぃの身体が動いた。
(#゚;;-゚)「う……」

83 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:31:11.83 ID:a3Ol1tG5O
川 ; -;)「でぃ! 良かった…」
(#^ω^)「モララー…お前また…!!」
( ・∀・)「だからなんだよ」
(# ;;- )「やめて…ブーンくん…許して…あげて…」
でぃは今にも戦い始めそうなブーンを引き止め、モララーに顔を向ける。
( ^ω^)「でも…」
(# ;;- )「モララーくんを…許します…」
(;・∀・)「!」
(# ;;ー )「罪を犯したら…取り返せないけど…許す事なら…出来る」
苦しそうに咳をする。


(#゚;;ー゚)「誰も…傷つかない方法だよ…」
その顔は優しく微笑んでいた。

84 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:32:04.94 ID:a3Ol1tG5O
(# ;;ー )
彼女は、動かなくなった。
口元に微笑みを残して、逝った。
(  ∀ )「……」
(  ω )「……」
( A )「……」
川 ; -;)「……」
沈黙。
この場で何て言葉を発せば良いか分からない。
沈黙を破ったのは意外にも、
(#・∀・)「ぐ…っ、くそ」
感情を露わにしたモララーだった。

85 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:37:48.44 ID:a3Ol1tG5O
(# ∀ )「…くっ!!」
余程苛立っているのだろうか。
噛み締めた下唇から、うっすらと血が滲んでいる。
(´・ω・`)「モララー…帰ろう」
(# ∀ )「……あぁ」
(-_-)「……」
3人が背を向けて歩き出す。
('A`)「おいヒッキー」
引き止める。
ヒッキーは立ち止まり視線をドクオに向けた。
(-_-)「……え?」
(#'A`)「これが…お前のやり方か?」
(;-_-)「……それは…」
(´・ω・`)「ヒッキー」
(;-_-)「…うん」
ドクオに向けていた視線を再び前に向け歩き出す。
ドクオはそんなヒッキーを追おうともしなかった。

87 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:39:07.76 ID:a3Ol1tG5O


甘く見ていた。
生死を賭けるなんて、一生有り得ないと思っていた。
君が死んで、初めて実感した。
私は甘かった。
これは、遊びじゃないんだ。
でぃ、君の想いは…
川  - )「私が…私達が果たす」

 
89 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:40:22.24 ID:a3Ol1tG5O
 


川 ゚ -゚)
レベル:星
武器:護符
属性:地


 
91 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:42:06.99 ID:a3Ol1tG5O




深夜。
街灯が無く、月だけが辺りを照らしている。
爪;゚∀゚)「…ぅ…わ……ヒィ…」
( ・∀・)「……」
ザクリと鳴らすと、目の前の人間は赤い液体を流して肉塊と化す。
つまらない。
(´・ω・`)「これで最後だよ」
( ・∀・)「そうか」
ショボンの言葉を聞いて何故かホッとした。
何故だろう…分からない。
(-_-)「あとは…残ったタロットは…ドクオ達だけ…」
( ・∀・)「あぁ」
それで、全てが終わるんだ。
終わるんだ――
(#・∀・)「っ!!」
瞬間、ズキリと頭が痛む。
あいつの――でぃの言葉と表情が頭から離れない。
意味が分からない。
意味が分からない。
意味を、分かっちゃいけない。

92 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:46:24.25 ID:a3Ol1tG5O





( ・∀・)「やあ」
(;゚∀゚)「え」
朝早く。
煩いノックの音に目を覚まして扉を開けるとモララーが立っていた。
( ・∀・)「あ、他の人達は呼ばなくて良いよ。今回はお話しにきただけだから」
(;゚∀゚)「え…えーっと」
モララーは淡々と喋っているが、こちらとしては余りにも想定外の事でどうすれば良いか分からない。
敵がわざわざ玄関からコンニチハなんてしないだろうし。


( ・∀・)「今日の0時、学校で待ってる」
(;゚∀゚)「! それって…」
( ・∀・)「残ってるタロットは僕らと君たちだけ」
(;゚∀゚)「……」
( ・∀・)「最後の闘いだよ」
モララーはそれだけ告げると「じゃ」と小さく呟いて踵を返した。
( ゚∀゚)「最後…」

94 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:47:56.98 ID:a3Ol1tG5O




( ゚∀゚)「…と、言う事なんだけど」
モララーが来た事を皆に話す。
ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……」
全員顔を見合わせる。
もしかしたら明日の朝日を拝めないかもしれない。
正直、怖い。
でもこれは俺の罪滅ぼし。
逃げるなんて真似出来ない。


( ゚∀゚)「みんなに頼みがある」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……」

95 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:53:03.89 ID:a3Ol1tG5O




ニュー速高等学校。
綺麗な外装が印象的な高校だ。
一際目立つ大きな時計塔。
その針が天を差した。
(´・ω・`)「ぴったり…だね」
(-_-)「……」
校舎を背に、垂れ眉の男と背の低い男が、
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「…ふん」
川 ゚ -゚)「……」
校門を背に、背の高い男、ニヤついた顔付きの男、背の低い男、腰まである長髪をたなびかせる女が立った。

96 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:55:35.36 ID:a3Ol1tG5O
(´・ω・`)「モララーなら校舎内にいるよ」
(-_-)「僕らを殺してから通りなよ」
小さく見える校舎の入り口。
それを隠すように2人は立ちはだかった。
( ゚∀゚)「…へ、知るかよ!!」
ジョルジュの言葉を合図に4人が一斉に駆け出す。
狙いは、彼らの後方にある校舎内。
(´・ω・`)「僕らを無視する気かい?」
(-_-)「……」
何も無い空間から武器を取り出す。
同時に4人も武器を取り出した。
(´・ω・`)「そこだ」
(;゚∀゚)「ちっ」
一番前を走るジョルジュの懐に素早い動作で入り込む。
川 ゚ -゚)「ジョルジュ!」
クーが護符をジョルジュとショボンの間に投げる。
(´・ω・`)「!!」
危険を感じたショボンは一旦引く。
護符が貼りついた地面が高く高く噴き上がる。
大きな土の柱だ。
('A`)「邪魔だ!」
(-_-)「行かせない!」
('A`)「ちぇ…」
バックステップで一旦距離を置く。
しかし回避を許さないかのようにヒッキーがドクオに突っ込んで来た。
金属がぶつかり合う音。
('A`)「ちっ」
(-_-)「……」
お互いの武器を片手に打ち合う。
ヒッキーが押し気味なのかドクオはどんどん後ろへ引き下がった。

97 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:56:55.39 ID:a3Ol1tG5O
(´・ω・`)「倒さず通り抜けるなんて不可能だよ」
川;゚ -゚)「くっ」
いつの間にかクーはショボンに追い詰められていた。
川 ゚ー゚)「ふ…」
(´・ω・`)「?」
しかし、この絶望的な状況でクーは笑っていた。
川 ゚ー゚)「上手く行くか不安だったが成功したようだな」
(´・ω・`)「何を…」
ハッタリだろうか?
しかし言っている意味が分からない。
クーの視線はショボンの遥か後方に向けられていた。
(;´・ω・`)「まさか…!!」
振り向くと校舎の前にジョルジュの背中が見えた。
(;´・ω・`)「…な…なんで…」

101 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 03:59:43.37 ID:a3Ol1tG5O
先程からドクオは攻撃する素振りを見せない。
それどころかバックステップでどんどん後ろへ下がっている。
このままでは学校の敷地内から出てしまいそうだ。
(-_-)「戦う気が無いの?」
('A`)「こんなもんか」
(-_-)「?」
('A`)「あれ」
(;-_-)「!?」
ドクオが指差す場所。
校舎入り口の扉にジョルジュが居たのだ。
自身が今いる場所と校舎が離れているので走っても間に合わない。
(-_-)「まんまと校舎から距離を離されたわけ?」
('A`)「ご名答」

102 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:01:52.42 ID:a3Ol1tG5O
(;´・ω・`)「まさか」
先程のクーの攻撃はジョルジュを助けるものじゃない。
目隠しだ。
しかしそれでも目の端を誰かが通れば気づく筈なのにどうやってジョルジュは後方へ移動したんだ。
ジョルジュの背中を見た。
微かに見える汚れ。
(´・ω・`)「…そうか」
穴だ。
クーは目隠しの為だけに土の柱を出現させたわけじゃない。
校舎の前へ続く穴を掘った。
柱が無駄に大きかったのは掘った分の土だからだったのか。
そしてジョルジュが穴を通り抜ける間、クーとドクオが僕とヒッキーを引きつける役割だったわけだ。

104 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:04:10.30 ID:a3Ol1tG5O




これは、俺が頼んだ事だった。
( ゚∀゚)「みんなに頼みがある」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「……」
( ゚∀゚)「俺とモララー…サシでやらせてほしい」
(;^ω^)「…お?」
川;゚ -゚)「しかし」
(;'A`)「それは…」
あいつらの力が力だけに反対されるのは目に見えていた。
でも譲れない。
(  ∀ )「頼む」
俺は土下座をした。
地面に頭をこすりつけて。
(;^ω^)「……」
(;'A`)「……」
川;゚ -゚)「……」





105 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:05:48.91 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「…はぁっ」
校舎入り口まであと少し。

(´・ω・`)「まだだ」
ショボンがクーを振り切って疾駆して来る。
(#^ω^)「行かせんお」
(;´・ω・`)「!」
そのショボンの前に飛び出し、行く手を遮るのはブーンだ。
(#^ω^)「ジョルジュ、行けお!!!!」
(;゚∀゚)「あ、あぁ!」
ブーン達に向けていた視線を前に戻して扉を開いた。

106 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:06:56.47 ID:a3Ol1tG5O
バタン。

扉の閉まる音が響いた。
ジョルジュの背中は、もう見えない。
(´・ω・`)「あー…」
(;^ω^)「お?」
まるで脱力したかのような声を上げるショボン。
立ち止まったまま、ジョルジュの消えた扉の方をじっと見つめていた。
(´・ω・`)「邪魔」
(; ω )「がっ!?」
ショボンの目つきが変わったと思った次の瞬間、腹部に激しい衝撃が走った。

108 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:09:13.54 ID:a3Ol1tG5O
( ゚ω゚)「……」

なんだこれは。

なんだこれは。

なんだこれは。

川; - )「ぐ…ぁ」
( A )「…な…」
クーとドクオの腹部は真っ赤に染まっていた。
(;-_-)「…ショボン…?」
(´・ω・`)「弱い」
あいつ――ショボンが動いてから一瞬の出来事だった。
僕達はこんな恐ろしい奴相手に戦おうとしていたのか?
足が、体が震えた。
(;゚ω゚)「…お…お…」
(´・ω・`)「後は君だけだね」

109 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:10:07.00 ID:a3Ol1tG5O
 

ザクリ。

 
111 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:13:58.28 ID:a3Ol1tG5O
(´・ω・`)「ジョルジュくんを止めに行かないと」
刃についた血を拭いながら呟く。
落ち着いて見せているが内心は苛々していた。
彼――モララーはいじめられていた僕に唯一手を差し伸べてくれた。
光のような存在だ。
だからこそ、モララーの頼みすら遂行出来ない自分に苛立っていた。
モララーの元に、僕が来て、それからヒッキーが来て、でぃが来て…。
いじめられていたけど、一緒に耐えてくれる仲間がいる事が嬉しかった。
(  ω )
( A )
川  - )
周りを見れば血の海だ。
僕は一体何をしているんだろう。
(´;ω・`)「どうして…」
どうしてこんな事になってしまったんだ。

血溜まりに、雫が落ちた。

112 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:15:15.29 ID:a3Ol1tG5O
(-_-)「ショボン?」
(´ぅω・`)「なんでもない…行こう」
下らない感情だ。
そう自分に言い聞かせた。
ブーンくん達に背を向けて歩き出そうとした。
しかし、誰かが足を掴んだ。


(  ω )「…待つ…お」
地面に這いつくばったブーンだった。

113 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:16:34.63 ID:a3Ol1tG5O
痛い。
体を少し動かすだけで全身に痛みが走る。
それなのに僕はショボンの足を離せなかった。
(´・ω・`)「まだ生きていたのかい?」
(; ω )「行かせないお」
僕は、ジョルジュを疑っていた。
モララーの話を聞いてからだ。
ジョルジュは本当に悔やんでいた。
罪滅ぼしをしようと、この戦いを終わらせようと必死に頑張っていた。
そんな親友を疑うなんて最低じゃないか。
だから

(; ω )「はぁ…」
(;´・ω・`)「どこに立ち上がる力が…」

これは僕の罪滅ぼしだ。

115 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 04:18:35.39 ID:a3Ol1tG5O
 


( ^ω^)
レベル:太陽
武器:剣
属性:風


 
123 名前: ◆ViP.JlpiN2[さる/(^o^)\] 投稿日:2009/06/07(日) 05:11:29.42 ID:a3Ol1tG5O
 


(  ω )「ジョルジュ、あとは頼んだお」


 
125 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:13:46.53 ID:a3Ol1tG5O




(;゚∀゚)「はぁ…はぁ」
廊下を必死で走る。
ブーン達が心配だが、彼等が作ってくれたチャンスを潰すわけには行かない。
ふり返るわけには行かない。
ガラリとドアを開けた。
誰もいないせいか音が大きく聞こえる。
ここは、教室だ。
俺達のクラスの。
( ・∀・)「やぁ…早かったね」
教壇の上に、そいつは居た。

126 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:14:55.64 ID:a3Ol1tG5O
( ・∀・)「さ、戦い会おうか」
( ゚∀゚)「やだね」
( ・∀・)「は?」
モララーは何も無い空間から禍々しい刀を取り出して、こちらに向ける。
それでも俺は何もせずに立っていた。
( ・∀・)「武器を出せ」
( ゚∀゚)「やだ」
( ・∀・)「戦え」
( ゚∀゚)「やだっつってんの」
(#・∀・)「戦えよ!」
(;゚∀゚)「っ!?」
モララーが叫んだ瞬間に物凄い風が発生した。
なすすべ無くジョルジュは壁に叩きつけられる。
(#・∀・)「戦う気になったか?」
(;゚∀゚)「へっ…やだね…」

127 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:16:09.98 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「へっ…やだね…」
なんだコイツは。
なんだコイツは。
ここまで来て戦わないだと?
(#・∀・)「ふざけるな!」
再び風を発生させて目の前の奴を吹き飛ばす。
周りにあった机等を風を使ってジョルジュに飛ばす。
そうだ。
僕はこいつに復讐するために今まで…!!
(#・∀・)「?」

何故だろう胸がズキリと痛んだ。

130 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:20:23.82 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「くそ…」
先程からモララーの攻撃をモロに受けている。
正直めちゃくちゃ痛い。
でもモララーとは戦いたくない。


( ・∀・)「……あ」
(;゚∀゚)「?」
突然モララーの攻撃が止んだ。
そして窓の方をじっと見つめていた。
( ・∀・)「…ショボン……ヒッキー……」
( ゚∀゚)「……」

気づいてしまった。

タロットの気配が、モララー以外無いことに。

遠くに行ったなんて考えられない。

ということは……。

132 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:22:36.61 ID:a3Ol1tG5O
 
('A`)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

それぞれの親友の顔が思い出される。
やられてんじゃねぇよ馬鹿。

それでも、
それでもあいつらは、ちゃんと作戦を成功させた。
俺も、
お前らに応えられるか?

( ゚∀゚)「なぁ?」

133 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:27:35.67 ID:a3Ol1tG5O
 


( ゚∀゚)
レベル:宇宙
武器:剣
属性:


 
135 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:29:57.43 ID:a3Ol1tG5O
(;・∀・)「お前…」
そいつはこんな状況で成長した。
恐らく僕よりも強い。
( ゚∀゚)「……」
ジョルジュがゆっくりと近づいてくる。
雰囲気で分かる。
こいつには勝てない。
(;・∀・)「ちっ」
やぶれかぶれで刀を振りかぶる。
( ゚∀゚)「!」
(;・∀・)「わ!?」
金属がぶつかり合う音。
いつの間にかジョルジュが具現化した大剣によって、僕の刀が弾かれていた。
目に入ったのは金色に輝く刀身の大剣だ。

もうダメだ。

僕の負け。

136 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:32:11.28 ID:a3Ol1tG5O
ガシャンという音が聞こえた。

顔を上げると金色の大剣が床に転がっていて、ジョルジュが――
( ゚∀゚)「モララー」
(;・∀・)「な…!?」
床に膝と手をついていた。
まるで、これから土下座するかのようだが…。
( ・∀・)「なんの…真似だよ」
( ゚∀゚)「謝んだよ」
(;・∀・)「は?」
ジョルジュは言った通り頭を下げて土下座する。
次いで、ゴツリという音が聞こえた。

137 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:35:50.65 ID:a3Ol1tG5O
( ゚∀゚)「すまなかったモララー」
( ゚∀゚)「ただ悪ノリしちまったんだ」
( ゚∀゚)「本当に…お前の辛さなんか考えなかった……」
( ゚∀゚)「すまない…本当にすまない…」
( ・∀・)「……」
本当に謝ってきた。
こいつの声や表情はまるで真剣そのものだ。
( ・∀・)「なんだよお前…」
( ゚∀゚)「別になんでもない……ただ…許してほしい」
(;・∀・)「……」
また胸がズキリと痛んだ。
一体なんなんだこれは。
こんなので、
こんなので、
(#・∀・)「終われるのかよ!!」
なんでだろう。
叫んでしまった。
『終わり』とは何の『終わり』だろう。
あいつ――でぃの顔が一瞬だけ頭を過ぎった。
でもこの続きは聞きたくない。
言うな。
やめろ。




( ゚∀゚)「あぁ、終われる」
頭が、真っ白になった。

144 名前: ◆ViP.JlpiN2[さるさんまじこえぇ] 投稿日:2009/06/07(日) 05:51:27.41 ID:a3Ol1tG5O
( ;∀;)「うあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
頭を思い切り掻き毟る。
頭の痛みなんか気にならない。
今まで見て見ぬフリをしていた事実を突きつけられた。
痛い、痛いよ。
(;゚∀゚)「やめろ!」
ジョルジュが僕の両腕を押さえつけてくる。
( ;∀;)「離せ!!」
(;゚∀゚)「っ!?」
思い切り突き飛ばされたジョルジュは大きな音を立てて壁に叩きつけられた。

146 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:53:23.17 ID:a3Ol1tG5O
( ;∀;)「最初に…気づけば良かったんだ……許せば…良かったんだ……」
( ;∀;)「そしたら…全て終わってたんだ……この復讐も……」
――この悲しみも。
そうだ。
僕は、殺したくなかった。
誰も、殺したくなかった。
僕は愚かだった。
目の前の怒りを鎮めるために人を殺した。
それが何を背負う事になるかを知らずに。
( ;∀;)「…ごめんなさい……ごめんなさい……」
必死で謝る。
許してくれる人は、もう居ない。

僕が殺した。

151 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:58:28.39 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「モララー…」
モララーは顔をぐしゃぐしゃにして泣きじゃくっている。
どうすることも出来なかった。
モララーの気持ちなど分からないのだから。
(  ∀ )「…一度犯した罪は取り消す事は出来ない…」
(  ∀ )「…でも、許す事は出来るんだ…」
モララーは俯いたまま、俺の落とした金色の大剣を拾っていた。
(  ∀ )「じゃあ…許してくれる相手の居ない僕は?」


モララーは大剣の刃を自身の腹に突きつけていた。


(  ∀ )「せめて地獄に」

(;゚∀゚)「やめろ!!!!!」

152 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 05:59:22.51 ID:a3Ol1tG5O
 

静かな空間に肉を切り裂く音が響いた

 
153 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:00:26.59 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
血の臭いが充満する。
(;゚∀;)「なんで…なんで…」
目の前のモララーを揺さぶる。
彼は、もう動かない。
ただ俺の手のひらを真っ赤に染めるだけだった。

(  ∀ )「くそ……畜生……ちくしょぉぉ……」

156 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:04:39.93 ID:a3Ol1tG5O
「案外早く終わったのね」


( ゚∀゚)「!?」
誰かの声が聞こえた。
ここには俺とモララーしか居なかった筈なのに。
('、`*川「どーも」
暗闇から現れたのは妖艶な女性だった。


(;゚∀゚)「あんた…誰だよ…」
('、`*川「魔女っ子ペニちゃんで〜す」
(;゚∀゚)「はぁ?」
なんなんだろうかこの女性は。
あまりにもノリが軽い。
ついつい間の抜けた声を出してしまった。
(;゚∀゚)「あんた一体…」
('、`*川「この戦いの主催者よ」
( ゚∀゚)「!!」
女性の言葉に一気に怒りが込み上げた。
こいつが…
(#゚∀゚)「お前がこんな戦いなんかしなければぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
気づいたら女性に飛びかかっていた。
('、`*川「ふん」
しかし女性はそんなジョルジュを見ても表情ひとつ動かさなかった。

158 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:06:30.56 ID:a3Ol1tG5O
キという甲高い音が聞こえた。
と、思った次の瞬間気づいたらジョルジュは地に伏していた。
まるで身体全体に重いモノを乗せられたようで起き上がれない。
('、`*川「人間ごときが私に楯突くなんて不可能よ」
(;゚∀゚)「ぐ……くそっ…」
必死に起き上がろうとするが指一本すら動かせない。
目の前の女性は自分なんかでは到底適わない相手なのかもしれない。
('、`*川「願い事どーすんのよ?」
(;゚∀゚)「は…?」
('、`*川「だから、最後に残ったタロットの願い事叶えるって伝えてた筈だけど」
('、`*川「早く言いなさい」
瞬間、今まで重かった身体が急に軽くなった。
(;゚∀゚)「願い事…」
('、`*川「早く早く〜」
そうだ。
このために俺は…俺達は今まで…。

159 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:09:00.00 ID:a3Ol1tG5O
(;゚∀゚)「頼む…みんなを生き返らせてくれ!!」
('、`*川「……」
必死で頼むジョルジュを尻目に女性は不愉快な顔をしていた。
('、`*川「つまらない」
(;゚∀゚)「は?」
('、`*川「だってその願い叶えちゃったら元通りになっちゃうじゃない」
('、`*川「だ〜から却下!」
(;゚∀゚)「なんで…」
('、`*川「ルールは私が決めんの」
(#゚∀゚)「なんでだよ!!」
再び女性に掴みかかろうとする。
しかし先程と同じく、キという甲高い音が響くと同時にジョルジュの身体は吹き飛ばされた。
目の前の憎い相手に触れることすら出来ないのか。
('、`*川「ん〜、そこまで怒るなんて予想外だな〜」

161 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:11:26.61 ID:a3Ol1tG5O
('、`*川「………叶えてあげても良いよ」
(;゚∀゚)「!」
('、`*川「ただし…」
そう言って女性はジョルジュを指差した。
('、`*川「変わりにあんたが消えるって事なら」
(;゚∀゚)「は?」
('、`*川「だぁ〜から、みんな生き返るけどあんた消えるって事」
(;゚∀゚)「え」

頭が真っ白になる。

自分が消えるって?

死ぬという事だろうか?

どうすれば良いんだ。


('、`*川「早く〜」


どうすれば……。

162 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:12:39.06 ID:a3Ol1tG5O
 



( ゚∀゚)「……俺は……」



 
164 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:14:33.48 ID:a3Ol1tG5O
 


 
165 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:15:37.56 ID:a3Ol1tG5O




ニュー速高校は今日から2学期が始まる。

夏休みが終わったとは言え、未だに茹だるような暑さだ。

2年生のブーンも顔を汗まみれにしながら登校してきた。

(;^ω^)「ふぅ…」

166 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:17:14.29 ID:a3Ol1tG5O
 

不思議な事にあの数日間の出来事を覚えていたのは僕たちとモララー達だけだった。
クラスの人達全員に聞いて回ったが笑われるだけだった。
みんなが覚えていないのは、この事だけではない。
彼――ジョルジュの事も同様に覚えていないようだ。
いや、正確にはジョルジュは『居なかった』事になっているようだ。
教室にもどこにも彼の存在は微塵も残っていなかった。
ただそれだけなのに、とてつもなく悲しくなった。
もしもあの時、彼を一人で行かせなかったら現状は変わっていたのだろうか?
今となっては、分からない。

 
171 名前: ◆ViP.JlpiN2[さるさんそろそろ笑えてきた] 投稿日:2009/06/07(日) 06:46:05.42 ID:a3Ol1tG5O




('、`*川「今回はなかなかってところだったわね」
消えたのは彼一人だったが結果はまぁまぁだ。
('、`*川「本当、人間って罪深くて醜い生き物だわ」
人は人を貶め、傷つけ、罪を背負わせ、背負わされ、背負って生きている。
なんと滑稽な図だろうか。
だとしたら人は生まれながらに罪人ではないか。
('、`*川「どの世界でも変わらないのね」

173 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 06:54:52.27 ID:a3Ol1tG5O
とりあえずはこの世界でも、なかなかの喜劇が見れた。
彼――モララーくんもなかなかの罪人だよね。
彼の憎しみの心が私を呼んでしまったんだから。
あ、でもこの喜劇の一番の罪人はジョルジュくんよね。
みんなを助ける為に自らを犠牲にしてしまったからね。
彼らはジョルジュくんの事を一生引きずるでしょうね。
『ジョルジュくんを犠牲にしてしまった』と。
そう、きっと彼らは一生幸せにはなれない。
だから一番の罪人はジョルジュくん。
ま、そんな選択しか与えなかった私には適わないケド。

('、`*川「じゃ、次の世界に行こーっと」



おしまい

176 名前: ◆ViP.JlpiN2 投稿日:2009/06/07(日) 07:00:42.13 ID:a3Ol1tG5O
とりあえずなんとか終了
最後まで見ていただいてありがとうございました!
最後までさるさんは泣いた
なんか質問あったらどうzごめんやっつけ文章だから答えられない分からない

糸冬 了

ブーン系作者さんってすごいね!!
1スレでも大変だわ

オマケ
http://imepita.jp/20090607/246090


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