( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

292 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:38:31 ID:VUmcF81s0

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広がり続けるようです

293 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:39:18 ID:VUmcF81s0

( ^ω^)「――と、いう話だお」

蝋燭が一本消える。
部屋の中はずいぶんと暗くなってしまった。

('A`)「百話、終わったな」

彼らはとある部屋で百物語をしていた。
つい先ほど、百話目だったブーンの話が終わった。

恐ろしい話を散々聞いたからか、蝋燭の熱気がなくなったからか、部屋の中はずいぶんと涼しくなった。


从 ゚∀从「それにしても、なーんにもおこらねえな」

ハインの言うとおり、部屋の中は何の異変も起こらない。
窓ガラスが音を立てることもなければ、鏡を見ても何も映らない。
先ほどツンがトイレに行っていたが、何も起こらず帰ってきた。

294 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:40:10 ID:VUmcF81s0

('A`)「あー。どうする?」

時刻はまだ丑三つ時を少し越えた程度だ。
何かをする時間ならまだある。

ξ゚听)ξ「蝋燭まだ余ってるわよ?」

(´・ω・`)「大量に買い込んだからねぇ」

(゚、゚トソン「まったく。計画性がないんですから」

( ^ω^)「まあまあ。丁度いいお。百一本目の話でもするかお」

('A`)「またお前のターンかよ」

川д川「じゃあ、あなたが話したら?」

(;'A`)「きゅ、急に言われても……」

从 ゚∀从「んじゃ、アタシが話してやるよ」

ハインが蝋燭を持つ。
近くにあったライターで火をつけ、雰囲気を演出する。

295 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:41:47 ID:VUmcF81s0

(゚、゚トソン「――と、いう」

(;^ω^)「トソンの話は安定して怖いお」

从;゚∀从「ぞっとするんだよな」

(´・ω・`)「じゃあ、次はボクかな」

ショボンが蝋燭を手にする。
もう何本目だろうか。置いてあった蝋燭の数もずいぶん減ってしまったような気がする。

ξ;゚听)ξ「もう眠くなってきちゃった……」

( ^ω^)「うーん。確かに……」

(゚、゚トソン「じゃあ、ショボン君の話で最後にしますか」

('A`)「そうだな。当初の目的は果たしたわけだし」

297 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:42:43 ID:VUmcF81s0

(´・ω・`)「――ってね」

ショボンが火を吹き消す。
部屋が暗くなり、誰もが無言で立ち上がる。

( ^ω^)「帰るお」

ξ゚听)ξ「そうね。早く寝ないと」

从 ゚∀从「おう。じゃあ、また明日な」

('A`)「うん。また明日」

(゚、゚トソン「また機会があればやりましょう」

(´・ω・`)「それなら話を仕入れておかないとね」

六人が部屋を出る。
外はまだ暗い。鈴虫が鳴き始めていた。

298 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:43:29 ID:VUmcF81s0

  _
( ゚∀゚)「ただいまーっと」

  _
(; ゚∀゚)「あ?」



ジョルジュは家に帰ってきてすぐに眉間に皺を寄せる。
数日外出している間に何があったというのだろうか。

部屋には使いかけの蝋燭が大量に放置されていた。
どことなく部屋も蒸し暑いような気がする。空気が重く感じられた。

299 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:44:23 ID:VUmcF81s0

  _
(;゚∀゚)「誰だよ。こんなことする奴は……」

泥棒の類でないことはわかっている。
金を盗らずに、蝋燭を置いていく泥棒など聞いたことがない。

ジョルジュは何人かの友人に合鍵を渡していた。
貴重品は置いていなかったし、適当に飲み会や泊まりにきてくれて構わないとしていたのだ。
それがこのような結果を招くなど考えてもみなかった。

  _
( ゚∀゚)「明日、一人ずつ問い詰めるか」

片付けは面倒であるが、ジョルジュは存外冷静に呟いた。
相手をボコボコにしなければ気がすまないというほどの怒りではない。
問い詰めて、吐かせて、謝罪させる。それで許せる範囲だった。



        _
    川д( ゚∀゚)

300 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:45:04 ID:VUmcF81s0
  _
(; ゚∀゚)「あー。やっぱりボコったほうがいいかもな」

ジョルジュは風呂場が真っ赤になっているのを発見した。
絵の具なのか何なのかわからないが、掃除が大変そうだ。
浴槽にはわずかに水が溜まっており、それも赤い。
しかも、排水溝からは髪の毛が出ている。

他にも何か異変があるのではないかと思い、他の部分も確認しておくことにした。


すると、

洗面台のガラスにはヒビが。
台所には黒い髪の毛と錆びが。
トイレの扉の内側には赤い文字が。

  _
(; ゚∀゚)「ビックリさせようとしたにしても悪趣味だろ……」

ジョルジュは途方に暮れた。
これは一人で片付けるのは難しそうだ。
明日、犯人を捕まえて、片付けを手伝わせる方が時間の無駄にならないだろう。

301 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:45:45 ID:VUmcF81s0

そうと決まれば。と、ジョルジュはまた出かけた。
夜まで適当な場所で暇を潰し、日が暮れてからまた家に戻る。
真っ暗な部屋に帰ってジョルジュはすぐに敷布団の中にもぐりこむ。

  _
( -∀-) 川д川

302 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:46:48 ID:VUmcF81s0

(´・ω・`)「ねえ、結局、あの部屋って誰の部屋だったの?」

('A`)「しらね」

ξ゚听)ξ「え。あんたが紹介したんじゃない」

('A`)「先輩が教えてくれたんだ」

从 ゚∀从「ああ、例の合鍵があっちこっちに出回ってる部屋だったのか」

( ^ω^)「そんな噂あったおね」

(゚、゚トソン「皆さん、自分の家でするのは嫌がりましたからね」

( ^ω^)「そこで、あの部屋かお」

ξ゚听)ξ「自分の部屋でやって、何かあったら嫌じゃない」

(゚、゚トソン「ま、自分の部屋の鍵はしっかりと管理しておかないと駄目ということで」

(´・ω・`)「知らない人の部屋なんだったら、蝋燭片付けてくればよかったね」

从 ゚∀从「そうだな。悪いことしたな」

ξ゚听)ξ「いいのよ。自分の部屋の鍵を出回らせるような奴の部屋なんだから」

303 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:47:44 ID:VUmcF81s0

ジョルジュは知らない。

自分の部屋の鍵があちらこちらで配られていることを。
蝋燭が百物語の跡だということを。
彼らは蝋燭を置いていったこと以外なにもしていないということを。



    (∴ )      ( ・∀  ∀・)
( <●><●>)   _
        ( -∀-)  川д川
            (-_-)
     ( ∵)



彼の家は、見えないモノだらけだということを。

304 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/20(月) 03:48:29 ID:VUmcF81s0


ねえ、あの部屋の人、死んじゃったんだって

    最近、あの辺り変なことばっかりおこるよね

 知ってる? 奇妙な殺人事件が――

神隠しが起こったんだって

       あの部屋で蝋燭をつけて怖い話をするとね

  やってみようよ




百を越えた百物語は増え続ける


  (
   )
  i  フッ
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