- 21 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 01:41:48 ID:D7lcAcfc0
無言電話が今日も明日も
(´_ゝ`)
- 22 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 01:49:22 ID:D7lcAcfc0
- ppppp pppp
(´_ゝ`)「はい、もしもし?」
……………………………………
(´_ゝ`)「もしもーし聴こえてます?」
………………………………
(´_ゝ`)「っ、またか !」ガシャン
(´_ゝ`)「はあ、何度目だ‥」
- 23 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 02:01:47 ID:D7lcAcfc0
- 最近、うちに無言電話が来るようになった、最初は週に一回か二回それが月日が経つにつれ三、四と増えいつの間にか毎日しかも一日に何度も来るようになった。
しまいには携帯にまで
ブーブー
(´_ゝ`)「あ、メールだ」
「 」
(´_ゝ`)「……」
こうして空メールが頻繁に来るようになった、
(´_ゝ`)「無言電話ならぬ無言メールてかハハハッ」
- 24 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 02:17:07 ID:D7lcAcfc0
- 当然警察にも相談したが…
(;・∀)「うーん今のとこ何も手がかりは‥面目ありません、何かわかり次第連絡しますので」
と言ったきり音沙汰ない。
別に他にこれと言って害はないが矢張気味が悪い、毎日毎日これでは気が滅入ってしまう
( ・∀)「何か心当たりとか有りませんかね?いや気を悪くなされないで下さい、しかし‥矢張こういうのは怨恨等から来るのが殆どで…」
(´_ゝ`)「………」
心当たりがないといえば嘘になる、
自分を振り替えってみても世辞にも人から恨みを買うような事がないとは言いがたい
- 25 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 02:29:10 ID:D7lcAcfc0
- 人を裏切った事も恋人を捨てた事も一度や二度では無い、目を閉じると裏切ったアイツや火遊びのあの子心当たりのある顔が浮かんでは消える。
自分の胸に聞いてみても胸が痛む、後ろめたさが無いわけでは無いのだ 。
だがその後ろめたさが余計に不安を煽る、電話口の向こうの顔を思い浮かべるだけで鳥肌が立ってしまう、今はイタズラですんでもその内取り返しのつかないことにも発展しかねない
- 27 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 02:43:22 ID:D7lcAcfc0
- (´_ゝ`)「大事になる前に何とかしないと‥このままじゃまともに眠れやしない」
ふとある顔が浮かんだ
川゚ー゚)
一方的に逃げるように別れた恋人クーである。
当時殆どヒモの様な立場で同棲していた時、少々彼女に重たさを感じ、当面の生活費を持ち逃げし別れも告げず出ていったのだ
- 28 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 02:57:07 ID:D7lcAcfc0
- 今となってはもう過去の事、今さら未練がある訳でもないが向こうはそう思ってはくれないだろう、無言電話どころか刺されてもおかしくない
(´_ゝ`)「 しかし何時までも無視し続ける訳にもいけないし…会うしかないだろうな……」
今さらのこのこ会いに行ったところで許すとも思えないが話合うこと位は出来るだろう、うかうかしてたら今に住所を突き止められて刺され無いとも限らない。
(´_ゝ`)「まあ今会いに言っても刺されないとは言いがたいけど…」
念のためお腹にまな板を敷いて意を決して元恋人の元へ向かった
- 29 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 03:08:24 ID:D7lcAcfc0
- 彼女のいえはそう遠くはない、実は電車で三十分ほどで着くのだ
(´_ゝ`)「………」
電車に揺られながらあの頃の事を思い出していた、
浮気や朝帰り、パチンコ三昧の当時は、今思ってみても屑野郎と思われても仕方がないそれで逃げてきたのだから弁解の余地などは無いに等しい。
彼女の恨みに歪む顔を思うだけで逃げ出したくなるしかし…
「N駅」
(´_ゝ`)「アッもう着いちゃった」
そうこうしてるうちに着いてしまったもう腹を決めて行くしかない
- 31 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 03:27:12 ID:D7lcAcfc0
- 気が乗らないまま記憶を頼りに彼女のアパートへ向かう、その重たい足取りはまるで足枷をはめられた囚人のそれに近い。
(´_ゝ`)「あ、あれ?」
そこには何故か見慣れない小綺麗な建物が立っていた
(´_ゝ`)「あっれ?おっかしいなぁ間違えたかな…」
しかし何度辺りを探してもそれらしい建物は見当たらない
(´_ゝ`)「あのーすいません、ここにあった古いアパートって…」
( ^ω^) 「アパートかお?ああそれなら確か何でも住人が自殺したとかで売りに出されてこれに建て替えられたお」
そう言うと確かに彼は目の前の建物を指差した
- 32 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 03:42:28 ID:D7lcAcfc0
- ( ^ω^)「何でも一緒に暮らしてた恋人に逃げられたらしく、それで堤防から身を投げたらしいお。
まあ噂だから本当の事は分からんお」
(´_ゝ`)「そ、そうですかありがとうございます…」
(;´_ゝ`)「…………」
何が起きているのかわからなかった、今までかかってきた電話はなんだったのか、まさか幽霊が電話してきていたとでも言うのか、そんな馬鹿な話があるものかただ自分の予想が外れただけ、そう考えるのが普通だろう
(;´_ゝ`)
だがいくらそう言い聞かせてもこの言い様の無い不安は晴れることはなかった
ブーブー ブーブー
その時まるで狙い澄ましたかのように携帯が振動した
- 33 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 03:50:55 ID:D7lcAcfc0
- (´_ゝ`)「はっ、はあ…はあ‥」
呼吸を落ち着けて画面を見ると、何時もの空メールでなく電話だった
(´_ゝ`)「は、はいもしもし」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ゴボッ…………………ゴボゴボ…………………………………………」
(´_ゝ`)「ひっ!」
長い沈黙のあと微かにだが確かに彼は水の音を聞いた…
- 34 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 03:57:34 ID:D7lcAcfc0
- (´_ゝ`)「ひ、ひぃ、はっ、はっい、行くしかな、無い…」
何故か彼はその堤防に行かなければならないと言う気がしてならなかった、まるで誘われるかのようにして堤防へ向かうその時の彼の顔はまるで死んだ魚のようだった。
- 35 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 04:14:01 ID:D7lcAcfc0
- 堤防では心地よい潮風と波の音が彼を迎えた、それは恋人に愛を囁く様な優しい音だった。
(´_ゝ`)「………ああ…」
彼はおぼつかない足取りでふらふらと端に立ち何時までも海を眺めていた、潮風はまるで子供をあやす母親のように彼を迎え、波の声はあの懐かしい恋人が愛を語るその声に似ていた。
(´_ゝ`)「クー……」
川゚ー゚)「ふふ♪なーに?」
(´_ゝ`)「クー‥俺は…君を…
」
川゚ー゚)「ふふっ良いのよもう、もう良いの…これからもう二度と‥二度とハナサナイカラネ」
ザブン、と人が飛び込むような音がした
- 36 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/12(日) 04:25:45 ID:D7lcAcfc0
「本日未明 、海岸に二十代半ばと見られる男性の水死体が発見されました。男性については司法解剖の結果が出次第改めてお伝えしたいと思います。尚以前同じくこの場所で発見された二十代の女性クーさんとの関連性と男性の遺体ののどに詰まっていた大量の髪の毛についても情報が出次第お伝え致します。
次のニュースです…
おしまい
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