( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

168 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/12(日) 05:46:39 ID:NUNCIp6I0


  .,、
 (i,)
  |_|

169 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/12(日) 05:47:45 ID:NUNCIp6I0

     落とし物





 始発の時間。
 早朝のこの時間帯は殆ど人がいない為、リラックスして出勤できる。

(つ_ゝ・`)「ふあぁ」

 目を擦りながら、ホームのベンチに座って電車を待つ。
 昨日、久し振りに遅くまで残業したからか、体の疲れがあまり落ちていない。

(´・_ゝ・`)(今日は定時日だから昨日よりは楽だな……ん?)

 寝惚け眼でホームを眺めていると、おかしな物が目に入った。

 線路に何か落ちている。

170 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/12(日) 05:48:48 ID:NUNCIp6I0

(´・_ゝ・`)(何だ?)

 近付いて目を凝らす。

(;´・_ゝ・)(んな……!)


 人の、手の指だった。
 うっすらと紫がかり、全く生気が感じられない、指。爪も付いている。

 偽物? 本物? 何故こんな所に? いつ誰が?

 訳が分からない。
 こんな非現実的な状況に出くわすのは初めてだ。


(´・_ゝ・`)「!!」

171 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/12(日) 05:51:01 ID:NUNCIp6I0

 顔を上げると、向かい側のホームのギリギリに立つ、一人の女が目に入った。

 線路に何かを投げている。


(´・_ゝ・`)「おい、あん――」

 あんた、と言おうとして言葉に詰まった。



(;´・_ゝ・)「……」

 右手に持っているナイロン袋。
 遠目でも分かる、その中身。


 赤黒い、何か。

172 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/12(日) 05:52:06 ID:NUNCIp6I0

(´・_ゝ・`)(何でこんな早朝から……)

 左手に包帯を巻いたその女は電車を待つことなく、ゆっくりと歩き去って行った。





 それ以来、その女は見かけていない。

173 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/12(日) 05:52:52 ID:NUNCIp6I0
  (
   )
  i  フッ
  |_|


戻る

inserted by FC2 system