( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

366 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:02:40 ID:nxLCBFeAO
(´・_ゝ・`)過去のラミカのようです


  .,、
 (i,)
  |_|

367 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:04:00 ID:nxLCBFeAO
※グロ注意です


夢を見た
玄関戸の新聞受けに封筒を入れられて、その中身を見る夢だった
中身は…メモ帳ほどの大きさの紙でラミネート加工された心臓だった
小指の厚みのせいで、フィルムの隙間から赤黒い血が滲み出て気色が悪かった
そこで目が覚めた

(´・_ゝ・`)「……なんなんだ今のは」

軽く吐き気を催しながらも、僕は唐突にある後輩のことを思い出した
今から10年ほど前の話だから…僕が高校三年生だった頃の話だ
僕はミセリという女の子と付き合っていた
付き合うきっかけはたしか…ミセリの一目惚れであったような気がする
それから彼女の猛アタックを受けて、僕は付き合うことを承諾した
ミセリは、絵が上手で何かとラミネート加工したイラストを僕に贈っていた
僕はあまり絵に興味がなかったから、お礼とほんの少し感想を述べてすぐに鞄にしまっていた
端から見たらお世辞だということがすぐにわかっただろう
それでもミセリは描き続けていた
僕のために、毎日、毎日

368 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:05:08 ID:nxLCBFeAO
…夢を見た
前回と同じ夢
しかし封筒の中身は違った
今回の中身は安っぽい指輪をはめた薬指がラミネート加工されたものだった
どこかで見たことがあるな、と思っていると目が覚めた

(´・_ゝ・`)「……あれはたしか、ミセリの指輪」
そう、ミセリの誕生日に僕があげたものだ
祭の露店によくある、玩具の指輪
それでも彼女は喜んでいた
ミセ*^ー^)リ「ずっと一緒にいようね」

その一言が重苦しくて、僕は指輪をあげたことを少し後悔した

369 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:07:43 ID:nxLCBFeAO
…また夢を見た
内容はわかりきっている
ぶつ切りにされた彼女の体の一部がラミネート加工されて封筒に入っているのだ!
それでも夢の中の僕は同じことを繰り返す

(´゜_ゝ゜`)「!!」
今日は特別酷かった
かなり大きいサイズの紙に腕がラミネート加工されていた
腕には、無数の切傷があった
よく見ると傷口から薄いクリーム色の脂肪が見えた
手に力が入らなくなって、床にそれを落とした瞬間、目が覚めた

(  _ゝ )「はぁっ、はぁっ…!」

…僕がすっかりミセリから関心を失った後、彼女はおかしくなった
ミセ;゚‐゚)リ「私、何か気に触ることした…?」
ミセ;゚‐゚)リ「なんでもするから許して」
ミセ*^∀^)リ「ほら、自分に罰を与えたの」
ミセ*゚ー゚)リ「これで私、いいこになれたでしょ?」
ミセ* ‐ )リ「…ねぇ、先輩」
ミセ* ‐ )リ「ずっと一緒にいようね、って言ったじゃないですか」

そうしてミセリは、いつの間にか作った合鍵で僕の家に侵入して命を絶った

371 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:10:54 ID:nxLCBFeAO
部屋中が血だらけになったことについて、同級生や先生、出張していた両親から追及をされたのを覚えている
それに対して苦しい言い訳をしたことも
それでもミセリの行為が異常であったのは明らかであったから、僕は密やかに引っ越して転校先の高校で新たに人間関係を築いた
…どうして最近になって、こうもミセリに関することばかり思い起こすようになったのだろうか
僕はそれが恐ろしかった
……その時だった

ミセ* ‐ )リ「…先輩」
(; _ゝ )「!?」

どこからともなく、彼女の声が聞こえたのは
僕は身動きすることができなかった
瞬きひとつすら、許されなかった

372 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:15:45 ID:nxLCBFeAO
ミセ*゚ー゚)リ「先輩、好きです、大好きなんです」
告白された日と同じ言葉が聞こえた

ミセ*^ー^)リ「昨日、先輩のことを思いながら描いたんです」
照れながら絵を渡してきた時の言葉が聞こえた

ミセ*^∀^)リ「初めてのキスが先輩でよかった」
ミセ*^ー゚)リ「結婚式はやっぱりウエディングドレスがいいなぁ」
ミセ*゚∀゚)リ「誕生日おめでとう、先輩!」
ミセ#^ー^)リ「浮気したら許さないですからねっ」
ミセ*゚‐゚)リ「指輪ほしいなぁ、玩具でもいいんです」
ミセ*^ー^)リ「ずっと一緒にいようね」
今までのミセリの言葉が部屋中に響く
やめろ、やめてくれ

ミセ* ‐ )リ「ずっと一緒にいようね、って言ったじゃないですか」
ミセ*;‐;)リ「先輩の、嘘つき…」

373 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:20:10 ID:nxLCBFeAO
最期に交わした言葉と同時に、部屋が静寂に包まれた
部屋に響くのは僕の荒い呼吸音だけ

(´;_ゝ;`)「ごめん…、ごめんなさい、ミセリ……」

泣きながら謝罪する
けれども心の中ではもう勘弁してくれという気持ちが強かった

ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫です、先輩」
ミセ*^∀^)リ「私、先輩のこと大好きですから」

ずるり、と湿った音がした
それも、ベッドに近い所から
涙でぼやける視界でそちらの方に視線を向けた
…血を吸った制服を身にまとった彼女が佇んでいた

ミセ* ー )リ「だから先輩も死んで?」

ミセリは笑いながら僕にナイフを突き立てた
その笑顔は、僕に絵を贈る時とまったく同じものだったから、僕もつい笑ってしまった

ミセ* ー )リ「先輩、初めて笑ってくれた…」
ミセ*^ー^)リ「私すごく幸せです」

ミセリの幸せそうな笑顔を最後に、僕の意識は途切れた

374 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/13(月) 02:22:18 ID:nxLCBFeAO


  (
   )
  i  フッ
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