( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

739 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:22:29 ID:wJ2IK8HM0

   .,、
  (i,)
   |_|

(-@∀@)『声が見えない』ようです( <●><●>)

740 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:25:23 ID:wJ2IK8HM0
(-@∀@)「今をときめく、マルチクリエイター、ワカッテマス先生、よろしくお願いします」

( <●><●>)「人気番組、Boomingで特集を組んでいただけるとは光栄です」

(-@∀@)「ではここで簡単にワカッテマス先生のこれまでの活動をお浚いしましょう」

(-@∀@)「芸人養成所、『創作ボード』時代からの相方と共にお笑いコンビ、GeekWorkerを結成」

(-@∀@)「その中で開花しだした『声真似』の才能…」

( <●><●>)「相方に『これで俺たちも売れてくるな!』と褒められましたね」

(-@∀@)「事実、それでブレイクしたGeekWorkerは一時期冠番組5本持つまでになりましたね」

741 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:27:16 ID:wJ2IK8HM0
(-@∀@)「さて、ここに一本のテープがあります」

(-@∀@)「GeekWorkerの映像において最後のネタ」

(-@∀@)「再生してみましょうか」

“(,,゚Д゚) 「なんだ、お前、好きな女がいるのか」”

“( <●><●>)「はい、なので練習に付き合ってください」”

“(,,゚Д゚) 「よし、この俺がつきあってやるぞゴラァ」”

“( <●><●>)「いえ、つきあって欲しいのはアイドルのナベちゃんです」”

“(,,゚Д゚#) 「ちげぇよ!今のつきあうは練習につきあうって意味だ!ゴラァ」”

“(,,゚Д゚) 「まあいい、俺をナベちゃんだと思って告白してみろ」”

“( ;<●><●>)「え、その前にアドバイスくださいよ…」”

“(,,゚Д゚) 「そうだな…女の気持ちになって言葉選べ」”

“( <●><●>)「把握しました」”

“( <●><●>)『あれれ~私ナベちゃんのこと好き?』”

“(,,゚Д゚) 「ナベちゃんの声だしてナベちゃんに告ってどうすんだゴラァ!」”

(-@∀@)「…っとこんな感じ」

( <●><●>)「なんだか恥ずかしいですね」

742 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:28:27 ID:wJ2IK8HM0
(-@∀@)「ネタ出しは主に…」

( <●><●>)「相方ですね、彼のアイディアは最高ですから」

(-@∀@)「しかし、ブームは無情にも過ぎ去り、二人をテレビで見ることもなくなってしまった」

(-@∀@)「だが、ワカッテマス先生はそこで自らの武器である声を使い声優界デビューを果たした」

(-@∀@)「『声の魔術師』の異名を持つ、老若男女を演じるエキスパート、主役を務める有名作品、全役ワカッテマス先生の作品まで生まれるまでに」

『“ワカッテマス先生”と私はこの対談で何度言ったことでしょう?!』

(-@∀@;)「あれ?私今…」

( <●><●>)「失礼、今のは私の声です」

(-@∀@)「最早私の声をマスターいたしましたか!」

( <●><●>)「ははは、続けましょう」

743 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:29:52 ID:wJ2IK8HM0
(-@∀@)「そして、一般人女性と結婚…馴れ初めはどうだったんですか?」

( <●><●>)「芸人時代からのファンですよ」

(-@∀@)「なんと!売れない暗黒期を経ても貫いた愛なんですね…」

(-@∀@)「そして、それを機に声優界の引退…そしてまさかの小説家デビュー…処女作の『声が見えない』は数々の文学賞を総ナメしたサスペンス…愛が渦巻く三角関係を上手く描きましたね」

( <●><●>)「おかげさまで夫婦念願の海外移住も叶いました」

(-@∀@)「私個人でも読みましたが主人公シラネーヨが親友フサギコの恋人しぃへの想いを募らせる描写は生々しかったですね」

(-@∀@)「なんといってもラストのフサギコがしぃの…っと、続きはワカッテマス先生の『声が見えない』にて」

( <●><●>)「司会さんは宣伝上手ですねぇ」

(-@∀@)「ははは、ところでGeekWorker相方、ギコさんとの連絡はまだ続いているんですか?」

744 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:30:40 ID:wJ2IK8HM0
( <●><●>)「つきませんね…昔から放浪癖はありましたが…世話になった彼が欠席な位なら結婚式はしないってことになりまして…写真しか撮ってないんですよね」

(-@∀@)「その写真、見せてもらえません?


( <●><●>)「はい、といっても携帯の待ち受けですが…」

(-@∀@)「本当に可愛い奥様ですね…あれ?奥様って目が…」

( <●><●>)「はい、見えてません」

(-@∀@)「ああ…声は目が見えなくてもわかりますよね」

( <●><●>)「この声が彼女を幸せにするなら僕も幸せです」

745 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:32:08 ID:wJ2IK8HM0
(-@∀@)「なるほど…そして数々のメディアミックスを繰り広げた『声見え』はこの夏に映画化…」

( <●><●>)「監修していて楽しかったです」

(-@∀@)「おっと…残念ながらそろそろお時間です。今日の感想をどうぞ!」

( <●><●>)「アメリカ移住の前のいい思い出になりました。よければまたお呼びください。アメリカから飛んで行きます」

(-@∀@)「ワカッテマス先生、ありがとうございました!」

746 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:32:51 ID:wJ2IK8HM0
(゜3゜)「カット!」

(-@∀@)「ワカッテマス先生、お疲れ様でした」

( <●><●>)「お疲れ様です」

(-@∀@)「あの、大変恐縮なんですけど、よければ私の小説読んでいただけませんか?」

( <●><●>)「あなたもお書きになられるんですね」

(-@∀@)つ□「先生にとても感銘を受けまして…」

( <●><●>)つ□

( <●><●>)「確かに、受け取りました。帰りの電車で読ませていただきます」

747 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:35:21 ID:wJ2IK8HM0
ーーー

ガタンゴトンガタンゴトン

( <●><●>)「フゥ、読みますか…」

『姿が聞こえない アサピー』

『「こんなところに呼び出してどうした」男の親友は言った。』

『「私怖い…」と男に首元へナイフをあてがわれた親友の彼女は言った。』

『男は彼女を誘拐して親友を山奥へと誘ったのだ。』

『男は彼女の首元にあてがわれたナイフで……彼女の目を切り裂いた。』

『彼女はショックのあまり膝から崩れ落ち、意識を失う。』

『男と親友は揉み合う、暗闇に紛れる。』

『翌日、女は病院のベットの上で意識を取り戻した。』

『女は自分の手を暖かい手が握っていることに気づく。』

『「君の目は見えなくなっても僕が君の目になってあげる、邪魔者はもういない、大丈夫。大丈夫」と愛しい恋人の声が聞こえて女は安堵する。』

『女は「邪魔者はもういない」のセリフに少し違和感を覚えたが、恋人との平穏を祈り、あの夜のことは心の奥に仕舞い込むことにした。』

748 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:36:05 ID:wJ2IK8HM0
( <●><●>)「……」

パタン

( <●><●>)「なんだか作品の途中を引っこ抜いたような始まりと終わりですねぇ」

( <●><●>)「まあ、私の心に突き刺さるに十分ですが」

ガタンゴトン

749 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:36:47 ID:wJ2IK8HM0
ーーー
ガチャリ

( ><)「あ…」

タッタッタ

( ><)「おかえりなさい、あなた」





( *><)「おかえりなさい、ギコ」





( <●><●>)『ただいまだゴラァ、ビロード』

750 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 23:37:30 ID:wJ2IK8HM0
 (
    )
   i  フッ
   |_|


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