- 86 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:06:56 ID:zwfLnTZs0
- さて…
忘れた、とは言わせませんよ。
.,、
(i,)
|_|
( ゚д゚ )4度目の満月、のようです以 益 以
- 87 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:07:53 ID:zwfLnTZs0
- 「てめぇの顔気持ち悪りぃんだよ!」
「そんなこと言わないでよ!」
「は?本当のこと言って何が悪いんだよ?」
「『お灸』したら治るんじゃね?」
「いいなそれ!でも俺今タバコしか持ってないや」
「いいって、お灸で大事なのはツボを押えることだからさ!って、俺、お灸のツボ知らないけどな!」
「熱っ!やめて!」
「治るまでやめませーん」
「死ねば治るんじゃね?」
「もう学校くんな!」
「わかった…」
「何言ってるのかわかりませーん!」
ーーーわかった。
- 88 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:08:49 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
俺らの『ゲーム』のターゲットが死んだ。
自分の家の屋根から落っこちたらしい。
丁度その夜は花火があって、それを見るために屋根に登って誤って転落。
という不慮の事故と判断された。
/ ,' 3「糸井君の冥福を祈って、黙祷」
明日から夏休み、今学期最後の全校集会が開かれる。
校長が黙祷の挨拶をする。
しかし、俺らはそれどころじゃなかった。
- 89 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:10:38 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
(゜3゜;)「おい、糸井マジで死んじまったぞ!」
(; ・3・)「やばくないか?」
( ゚д゚ )「だ、大丈夫だろ?俺らはただ『ゲーム』してただけだろ?」
(-@∀@)「じゃあ、これはなんなんだよ?!」
アサピーは1枚の紙を叩きつけた。
『悪い恥じ改め来た人や
月満つ時 隠し重ね。糸井』
(゜3゜;)「この遺書…糸井が死んだことを伝えられた日の朝に俺たち4人の靴箱に入ってたんだよな…」
(; ・3・)「これってどういう意味なんだ?!」
(-@∀@)「わからない…でも、もしこの“悪い恥じ改め来た人”が俺たちのことなら…」
( ゚д゚ )「…だったらなんなんだよ」
(-@∀@)「月満つ時は満月の夜…隠しは…葬るって意味かも…」
(゜3゜;)「んなことできるわけないだろ?!死んだやつに!」
(; ・3・)「誰かの嫌がらせに決まってんだろ?!」
( ゚д゚ )「……」
最悪の夏休みの幕開けだった。
- 90 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:11:22 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
ー幼稚園
(-@∀@)「おまえがごーるきーぱーな!」
(゜3゜)「ちゃんとぼーるとれよ!」
ガシュッ!
('A`;) 「いたい!」
( ゚д゚ )「しっかりとれよ?」
( ・3・)「だっせー!」
( ゚д゚ )「4人いっせーにぼーるけろうぜ!」
ガシュッガシュッガシュッガシュッ
(;A;) 「うっうっ…」
(-@∀@*)「ないてるしww」
(゜3゜*)「だっさーww」
(;A;) 「だって…きみたちがむりやり…」
( ゚д゚ )「じぶんがうまくぼーるとらなかったからだろ?!」
( ・3・)「ひとのせいにするな!」
- 91 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:13:38 ID:zwfLnTZs0
- ー小学
(-@∀@)「お前さ、弟と同い年じゃん?」
(゜3゜)「双子の癖に似なさすぎw」
( ・3・)「おかしくね?前お前の父ちゃんと妹見たけど、誰一人お前に似てないしさ」
( ゚д゚ )「お前だけもらいっこだろ?やーい!もらいっこ!」
(* ; _ゝ )「……」
(-@∀@)「一人で本ばっか読んでつまんねーんだよ!お前!」
(゜3゜)「ひょろひょろしてて運動神経ないしよ…なんで居るんだよ…もらいっこが!」
( ・3・)「前の体育、俺のチームにお前が居たせいで負けたじゃん、俺のチームにもらいっこはいらないんだよ!」
( ゚д゚ )「こいつ皮と骨しか無いんじゃねーの?」
シャキン
( *; _ゝ )「危ない…やめて…」
ジャキッジャキッ
(-@∀@)「うわー…本当に骨と皮しか無いじゃん」
(゜3゜)「ぎゃはは、もらいっこだから美味しいもの食わしてもらってないんじゃないのか?」
( *; _ゝ)「違う!僕が勝手に少ししか食べてないだけ!」
( ・3・)「うるせーよ」
ジャキッジャキッ
(*; _ゝ )「やめて!父さんが買ってくれた大事な服!!」
( ・3・)「もらいっこに父さんなんているわけないだろ!?」
- 92 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:14:38 ID:zwfLnTZs0
- ( ゚д゚ )「あ、こんなのみっけ!」
(-@∀@)「あー絵本だー」
(゜3゜)「小学生の癖にだっせーのwww」
(*; _ゝ )「そ、それは妹に読んであげたくて…!」
( ゚д゚ )「だからもらいっこに妹なんていないから」
ジャキッジャキッジャキッ
(*; _ゝ )「やめて!本は悪くない!」
(-@∀@)「お前が持ってる時点で罪なんだよ!!」
(゜3゜)「さわんな!」
( ・3・)「もらいっこは死ね!」
- 93 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:16:04 ID:zwfLnTZs0
- ー中学
(゜3゜#)「なんでてめーの金髪はよくて俺のはダメなんだよ!」
ハハ; ロ -ロ)ハ「ボクのはジゲです…」
( ・3・)「イントネーションおかしーんだよ!クソが!」
( ゚д゚ )「さっさと国に変えれよ!」
(-@∀@)「かーえれ!かーえれ!」
( ゚д゚ )「か!えーれ!かーえれ!」
(゜3゜)「かーえれ!かーえれ!」
( ・3・)「かーえれ!かーえれ!」
ハハ ; -;)ハ「うう…」
(゜3゜*)「泣いてるしwww」
( ゚д゚ )「泣かなくていいからさ…帰れよ…まじ、失せろし…てか死ね!」
ーそして今、高校。俺たちは幼馴染でいつも仲良く4人で“ゲーム”をしていた。
- 94 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:17:00 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
( ゚д゚ )「ただいまー…」
J('ー`)し「おかえり」
*(‘‘)* 「おにいちゃんおかえりー」
( ゚д゚ )「ごめんな、ヘリカル、俺今疲れてるからあとで遊ぼうな」
*(‘‘)* 「はーい」
パタリ、二階の自室に篭って考える遺書の意味。
( ゚д゚ )「……わかんね」
遺書をポンと机に置き、ベッドに寝転がる。
( ゚д゚ )「満月…いつだろ」
確かに月は27日周期、約一ヶ月と聞いた。
携帯で検索する。
( ゚д゚ )「今晩か…」
- 95 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:18:19 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
次の日の朝、俺はガンガン鳴る携帯の音に目を覚ました。
( ゚д゚ )「…なんだよ、アサピー」
(-@∀@;)「みるな?!ポセイドン知らねーか?」
( ゚д゚ )「知るかよ…どうしたんだよ…」
(-@∀@)「突然、昨晩家から飛び出したっきり帰って来てないって…なぁ、昨日って満月だったよなぁ?」
( ゚д゚ )「…偶然だ、偶然」
(-@∀@)「でも!」
( ゚д゚# )「うるせぇ!偶然っつったら偶然だ!気に病むなよ!よわっちーな!」
(-@∀@;)「っ……」
俺は一方的に電話を切った。
- 96 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:20:05 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
夏休みは終わりまた約一ヶ月が過ぎた。満月の次の日の朝。またも電話が鳴った。
( ゚д゚ )「なんだよ…」
(-@∀@)「つぎは…ぼるじょわが…」
( ゚д゚ )「……」
(-@∀@)「ねぇ、みるな、
ぼるじょわはいなくなる前に置き手紙を書いたみたいなんだ…
内容は、みるなが遺書の謎を解いたってメールがあった、
ちょっと行く、何かあったら、
よろしくって…」
( ゚д゚ )「出してねーよ…誰かが俺になりすましたんじゃねーの?」
(-@∀@)「でも…!」
( ゚д゚ )「お前は俺を信じないんだな…見損なった。もう、かけてくんな」
またしても俺は一方的に切った。
- 97 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:20:50 ID:zwfLnTZs0
- ふとメールの送信トレイを見る。
俺が決して送った記憶がないメールがそこにはあった。
( ゚д゚; )「なんだ…これ…」
アサピーが言った通りの内容。
見つかったら疑われる。そう思いすぐさま削除する。
( ゚д゚ ;)「次の…満月…」
日付を確認し、俺は寝た。
その日からアサピーともなんかうまくいかなくなった。
- 98 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:22:10 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
次の満月の翌日。俺は鳴らない電話に安心し、朝飯を食いにダイニングに降りた。
J('ー`)し「ねぇ、今度はアサピー君、行方不明になったんだってね」
思わず味噌汁をこぼした。
*(‘‘)* 「おにいちゃんきたない!」
( ゚д゚ )「ゴメン…」
J('ー`)し「ヘリカル、幼稚園のバスきたよー」
*(‘‘)* 「あ、いってきまーす」
( ゚д゚ )「…俺も学校行くわ」
J('ー`)し「行ってらっしゃーい、早く帰ってね、アサピー君もぼるちゃんもポセ君も誘拐されたって言われてるから…」
( ゚д゚ )「わかったよ」
いつもの仲間がいない、つまらない学校だった。
- 99 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:23:19 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
( ゚д゚ )「ついに今日が満月の夜か…」
糸井が死んでから四度目の満月は今晩だ。沈みゆく太陽を惜しむなんて俺らしくない、と思いながらもつい窓を見てしまう。
*(‘‘)* 「おにいーちゃん、なによんでるの?」
妹のヘリカルが俺の部屋に入り、俺が読んでいた糸井の遺書に目を付けた。
( ゚д゚ )「なんでもない、それに漢字ばっかだから、幼稚園のヘリカルじゃ読めないぞー」
俺は急いで机の右引き出しに糸井の遺書を隠した。
*(‘‘#)* 「ヘリカル、ひらがなぜんぶいえるもん!」
( ゚д゚ )「はは、ゴメンな、ゴメンな」
*(‘‘)* 「もー、そんなおにいちゃんはばつとしてたかいたかいしてー」
( ゚д゚ )「いいぞ、高い、高い!」
重くなった妹を高い高いする。
俺は明日も妹を高い高いできるのか?
そんな心配を晴らすように高い高いした。
- 100 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:24:23 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
( ゚д゚ )「綺麗な満月なこと」
俺は窓から満月を眺めた。
( ゚д゚ )「まあ、何も無いに決まってるか…」
するとノックが聞こえてきた。
『お兄ちゃん、ヘリカルだよ』
( ゚д゚ )「おお、ヘリカル、まだ起きてたのか、入れよ」
ガチャリと扉が開きパジャマのヘリカルが入ってくる。
*(‘‘)* 「お母さんもう寝ちゃってつまんないの、お兄ちゃん、遊ぼう!」
( ゚д゚ )「しようがないな、何して遊ぶ?」
*(‘‘)* 「たかいたかいして、お兄ちゃん」
( ゚д゚ )「ヘリカルは本当に高い高いが好きだなぁ、高い高い…」
持ち上げた時、ヘリカルの体重は一気に重く感じた。
- 101 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:25:15 ID:zwfLnTZs0
- ( ゚д゚ )「ん?!」
*(‘‘)* 「もっと!たかいたかいして!」
明らかに夕方とは違う。
( ゚д゚; )「ああ、たかい、たかい。」
その時、あまりの重さに大きく体はよろけ、
開けていた窓から上体を外に投げ出す形になった。
- 102 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:26:10 ID:zwfLnTZs0
- ( ゚д゚; )「うわ?!」
俺の手にいる妹は今なお「たかいたかいして、たかいたかいして」とせがむ。
そしてどんどん重くなる。
( ゚д゚ ;)「頼む、ヘリカル、一回降りてくれ!」
ついに仰け反り過ぎてヘリカルの顔すら見えない。
- 103 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:26:59 ID:zwfLnTZs0
- 「たかいして、たかいして」
( ゚д゚; )「ヘリカル!」
俺は勢いをつけてヘリカルの顔を見ようとした。しかしそこにいた顔は。
以`゚益゚以「たかいして、たかいして」
( ゚д゚ )「お、ま、え、は…」
俺はついに窓から落ちた。最後に聞こえてきたのは、妹…いや、糸井の声。
『他界して』の呪いの言葉だった。
- 104 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:27:39 ID:zwfLnTZs0
- ーーー
チュンチュン
*(‘‘)* 「おかあさん、おきてー、あさだよー」
J('ー`)し「あ、おはよう…ゴメンね…ヘリカル、絵本読みながら寝ちゃってたわ…」
*(‘‘)* 「だいじょうぶ!ヘリカルもねちゃってたよ!それよりもみて!おにいちゃんのつくえのひきだしからおもしろそうなかみもってきたの!」
J('ー`)し「本当?でもお母さん、今朝ごはん作ってるからお兄ちゃん起こしてその紙読んでもらえる?」
*('')*「だいじょうぶ!へりかる、ひらがなぜんぶよめるもん!」
J('ー`)し「へぇ、なんて書いてあったの?」
*('')*「んとね…
い、じ、め、た、や、つ、し、ね!」
.
- 105 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/08/19(日) 02:28:29 ID:zwfLnTZs0
(
)
i フッ
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