( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

899 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 02:56:06 ID:USnqYIBQ0




  .,、
 (i,)
  |_|

     爪

900 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 02:57:13 ID:USnqYIBQ0

 彼には変わった趣味があった。


( ^Д^)「また伸びてきたなーっと」

 爪が伸びてくる度、切っていくのは当然の事。
 切った爪をゴミ箱に捨てるのも至極当然の事だ。


( ^Д^)つ、「お、これいいな」

 だが彼は爪を切った後、気に入った形の爪を保管するようにしていた。
 「爪」と書いたシールが貼られた、小さな箱に、大事に、大事に。

 ときおり箱を開け、爪を取り出して眺めては、戻す。


 そんな趣味があった。

 勿論、手の爪だけではない。足の爪も然りだ。

901 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 02:58:07 ID:USnqYIBQ0

( ^Д^)(そろそろ一杯になってきたな……)

 しかし保管している箱も、そろそろ満杯になろうとしていた。
 容量は小さなコップ一杯程度。
 ここまでの量になるのに、実に三ヶ月以上。


 今週中に買っておくか。
 そう決めた彼は、また爪を切り始める。



 * * *



 そんなある日。

 保管用の箱を買いに行き、帰宅してから目に飛び込んてきた光景に、
 彼は唖然とした。

902 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 02:59:10 ID:USnqYIBQ0

( ;^Д^)「くそ、鍵掛けてたってのに」

 踏み荒らされた部屋。
 散らかった書類に、開けっぱなしの引き出し。

 空き巣だ。 


( ;^Д^)「通帳とサブ財布は無事か……」

 金銭に関するものを真っ先に確認し、盗られていない事を確認。
 安堵のため息。

 だが、金銭目的でないとしたら、何の為に?
 疑問が膨らむ。


( ;^Д^)「そうだそうだ、アレは」

 買ってきた箱を見て思い出す。
 爪だ。爪はどうなっている。

 そそくさと机の引き出しを開け、奥にしまい込んだ箱を取り出して開ける。

903 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 02:59:57 ID:USnqYIBQ0

 そこに入っていたのは、一枚の紙。

 文が書かれた、一枚の紙。





┌────────┐
│           ..│
│ごちそうさまでした..│
│           ..│
└────────┘




.

904 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 03:00:38 ID:USnqYIBQ0

  (
   )
  i  フッ
  |_|


戻る

inserted by FC2 system