( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω  )

66 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:48:07 ID:USnqYIBQ0

  .,、
 (i,)
  |_|

    「  夢のようです」

69 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:49:08 ID:USnqYIBQ0

 最近、妙な夢を見る。


 まず俺は真っ暗な部屋のベッドに、仰向けに寝かされている。
 両手両足を広げて。

 目は見えるし、口も開けられる。

 でも周りの様子を窺おうにも、何も動かせない。
 顔も手も足も、何かで縛られてて。



ξ   )ξ

 しばらくすると人が入ってきて、俺に近付き、目を合わせてくる。
 驚いた事に、彼女なんだよこれが。

 で、彼女は懐から何かを取り出す。

71 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:50:19 ID:USnqYIBQ0

 包丁。
 カーテンから漏れる月の光が反射して、妖しげな雰囲気を醸し出してる。


 彼女は顔に満面の笑みを浮かべ。


ξ* ー )ξ


 俺の右手首に包丁あてがって、力を込める。


 何故だか痛みは感じない。
 まあ、夢だからだろうが。

 ごりごり、ざりざり。

 冷たい何かが体に入り込むような、
 吐き気を催すような感覚がゆっくりと伝わってくるだけだ。

 
 右手が切り落とされると、今度は左手を切ってくる。

 これも痛みを感じない。
 不気味さだけがあるだけでな。

73 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:51:16 ID:USnqYIBQ0


 それで、両手を切り落とした後なんだが。

 どうするのかと思ったら、また体のどこかにあててきたんだよ、血塗れの包丁を。
 どこかってのは、ちょっと良く見えなかったから。

 顔はまだ笑ってる。
 満足げというか何というか。物凄い穏やかな表情なんだ。


 そして、また彼女が力を込めると――。



 * * *


  _
( ゚∀゚)「――これで終わりだ」

('A`)「え? 終わり?」
  _
( ゚∀゚)「中途半端ですまんけどな、いつもここで終わるんだよ」

('A`)「いつもって……何日見続けてんだ」

74 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:52:18 ID:USnqYIBQ0
  _
( ゚∀゚)「あー、三日だな。今晩もあるとしたら……今日は四日目になるか」

('A`)「へー……彼女の様子はどうなんだよ」
  _
( ゚∀゚)「あんまり変わんねーな。ただ」

('A`)「?」
  _
( ゚∀゚)「しきりとくっついてくるんだよな。俺の手を握ってきたり、
     首に巻いた汗拭き用のなタオルを、自分の首にも巻こうとしたり」

('A`)「このリア充め」
  _
( ゚∀゚)「はははwwwお前も頑張れよ!」



 * * *


  _
( -∀-)「zzz……」
  _
( -∀-)「……」
  _
( -∀-)「!」

75 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:53:19 ID:USnqYIBQ0

 真夜中。
 いつもの感覚だ。

 ベッドに仰向けになって、手足を縛られてて――。

  _
( -∀-)「!」

 ドアが開く音と、こちらに歩み寄る足音。
 いい加減、この夢にも慣れてきた所だった。

 見知らぬ人なら悪夢としてみていただろうが、彼女ならば幾分か恐怖は少なくなる。

  _
( -∀゚)

 片目を開いて確認。


ξ )ξ

 やっぱり彼女だ。暗くて良く見えないが、輪郭と雰囲気で十分わかる。
 手に持っている包丁も、いつもの夢と変わりない。

76 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:54:16 ID:USnqYIBQ0

  _
( -∀-)「……」

 さあ、あとは時間が経つのを待つだけ。
 夢が覚めるのを待つだけだ。


 もう一度片目を開ける。
 彼女が包丁を、俺の右手に当てる所だった。


 また、目を瞑る。

 が。




ξ* ー )ξ 




 突然襲いかかってきた強烈な痛みによって、俺の両目は大きく見開かれる事となった。



.

79 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/08/19(日) 23:55:36 ID:USnqYIBQ0

  (
   )
  i  フッ
  |_|


     「正夢のようです」 終わり




戻る

inserted by FC2 system