- 82 名前:世界の終わりのようです 投稿日:2011/10/28(金) 22:32:27 ID:igvL1mFsO
- _
( ゚∀゚)「悪いのは全部、君なんだろう?」
/ ゚、。 /「何よ」
/ ゚、。 /「狂っているのは、貴方じゃない」
_
( ゚∀゚)「なんだって…?」
ぼんやりと空を眺めている『フリ』をして。
彼女の呟きは、耳に届かなかった『事に』した。
/ ゚、。 /「世界の終わりはね、そこで待ってるのよ」
突然思い出したように彼女は笑った。
泣きながら顔を歪めながら。
/ ;、; /「赤い月が昇れば、それでおしまい」
彼女は笑っていた。
――――プツン。
- 83 名前:世界の終わりのようです 投稿日:2011/10/28(金) 22:33:04 ID:igvL1mFsO
- 吹き付ける風が異臭を孕む。
嗅ぎ慣れない何かの臭い、ただそれだけ。
地に根付く樹木が枯れる。
原因はわからない、ただそれだけ。
人々がゆっくりと消えてゆく。
一人また一人と、ただそれだけ。
_
( ゚∀゚)(ホントに終わるんだな)
感慨も無く、漠然と。
そうなるという事実を受け止めた。受け止めざるをえなかった。
人は絶え、町は寂れ。
空は閉じ、海は涸れ。
命は消え、死は生れ。
世界は終わりに向けて、ゆっくりと動き出していた。
_
( ゚∀゚)「初めから?」
/ ゚、。 /「ええ、最初から」
分かっていた、という風に彼女は顎を引く。
_
( ゚∀゚)「なら、なんで?」
/ ゚、。 /「何も、すべがないわ」
――――プツン。
- 84 名前:世界の終わりのようです 投稿日:2011/10/28(金) 22:33:59 ID:igvL1mFsO
- / ゚、。 /「もうそろそろかしら」
両手で抱えたティーカップの中は、空だ。
/ ゚、。 /「まだ、もう少しだわ」
パンの焼ける匂いに、血臭が混じる。
静かに。静かに。
赤黒いドレスを纏った彼女は。
待っている。
横たわり物言わぬ彼と。
待っている。
世界の終わりを。
待ち焦がれている。
――――プツン。
- 85 名前:世界の終わりのようです 投稿日:2011/10/28(金) 22:34:32 ID:igvL1mFsO
- 川 ゚ -゚)「今回は?」
_
( ゚∀゚)「面白いサンプルが取れましたよ」
川 ゚ -゚)「へえ?」
_
( ゚∀゚)「自分のせいで、世界が滅ぶ。それを理解した上で何もしなかった」
_
( ゚∀゚)「初めてのケースです」
川 ゚ -゚)「システムのバグじゃあないのか?」
_
( ゚∀゚)「それは、万に一つありません」
川 ゚ -゚)「そうか」
川 ゚ -゚)「なら、これで」
_
( ゚∀゚)「ええ、ようやくです」
_
( ゚∀゚)「これで世界の終わr――――
――――プツン。
- 86 名前:世界の終わりのようです 投稿日:2011/10/28(金) 22:35:08 ID:igvL1mFsO
- _
( ゚∀゚)「悪いのは全部、君なんだろう?」
/ ゚、。 /「知っていても止めないかしら?」
_
( ゚∀゚)「止める?どうして?」
/ ゚、。 /「狂っているのね、貴方も」
_
( ゚∀゚)「まあ、そうかもしれないよ」
ぼんやりと空を眺めながら。
彼女の呟きを、曖昧に肯定した。
/ ゚、。 /「世界の終わりはね、そこで待ってるのよ」
突然思い出したように、顔を歪めながら、彼女は笑った。
_
( ゚∀゚)「赤い月が昇れば、それでおしまい、だろ?」
/ ゚、。 /「そうよ」
彼女は笑っていた。
――――プツン。
- 87 名前: ◆jriAa1JBPk 投稿日:2011/10/28(金) 22:36:27 ID:igvL1mFsO
- 以上で終わりです。
本作は、thee michell gun elephant『世界の終わり』から歌詞を引用している部分があります。
ご承知下さい。
では。
戻る