- 308 名前: ◆KwwKqCiKD6:2011/10/29(土) 15:12:51 ID:oDuOApuo0
- 投下開始します
作品の元ネタは谷山浩子の「てんぷら☆さんらいず」になっています。
不慣れですがよろしくお願いします
- 309 名前:(゚、゚トソン天麩羅☆サンライズのようです从 ゚∀从 ◆KwwKqCiKD6:2011/10/29(土) 15:13:58 ID:oDuOApuo0
- 冬の寒い夜家路を急いでいた私にふと藍色の暖簾が目に入った。
このあたりにはコンビニも食事出来る所も記憶にないはずなのにいつの間にか『天麩羅☆サンライズ』と書かれた暖簾を下げた店だ。ふざけた屋号だが興味が湧いたので思い切って入ってみることにした、なんとなくそこに惹かれるものがあったのだ。
从 ゚∀从「いらっしゃい」
店内は狭いながらも小奇麗でなかなかである、私以外に客はいないのが気になるが。
从 ゚∀从「あんた、この店初めてだね?」
(゚、゚トソン「そうですが・・・」
从 ゚∀从「ウチはね、ほかんとこじゃ置いてないもんが目白押しなんだよ。」
創作料理を出す店なのだろうか、少し不安になってきた。不安を抱えたままカウンターに座った私はメニューを見て愕然としてした。
(゚、゚トソン「これは一体・・・」
- 310 名前:(゚、゚トソン天麩羅☆サンライズのようです从 ゚∀从 ◆KwwKqCiKD6:2011/10/29(土) 15:16:53 ID:oDuOApuo0
天麩羅☆サンライズは、暖簾に書かれていたからいいとしても天麩羅☆サンセットや、ネオンの刺身やら夜霧のタタキ、春一番の酢の物など一目見てどんな料理か一つとしてわかったものじゃない。何かの暗喩にしてもこれは酷いだろう。
从 ゚∀从「酒なら一種類だけ夢正宗ってのがあるぜ、日本酒だけだが」
酒には詳しいつもりだが全く聞いた事もない。
(゚、゚トソン「・・・じゃあ、何かオススメを」
从 ゚∀从「オススメねえ・・・名物ならあるけどオススメはしねえな」
名物をオススメしないでどうすんだよ、どうなっているんだこの店。
从 ゚∀从「帰れなくなってもいいってんならだすぜ」
そういう口上なのだろうか
(゚、゚トソン「じゃあ、それでお願いします」
从 ゚∀从「おう」
カウンターの向こうで何か揚げる音が暫くした後、店主が私の前に天麩羅の様な物を置いた。
- 311 名前:(゚、゚トソン天麩羅☆サンライズのようです从 ゚∀从 ◆KwwKqCiKD6:2011/10/29(土) 15:18:22 ID:oDuOApuo0
- ゚∀从「ウチの名物、天麩羅☆サンライズだ」
やっぱりそう来たか、取りあえず口に入れてみる、衣はさっくりと揚がっているし味は何とも言えない、歯ごたえは白身魚のようだがうっとりするような甘みもある。今まで全く食べたことのないそしてもっとたべたくなるような味。
从 ゚∀从「いいだろ、素材にこだわってんだよ。新宿駅の朝陽をわざわざ採ってきて新鮮なとこだけ使ってんだ、一度食ったら帰れなくなるのが難点だけどな」
言ってる事はよくわからないが美味しいので気にしない事とする、これより変わった店なんて幾らでもあるわけだし、これはいい店を見つけてしまったかもしれない。
- 312 名前:(゚、゚トソン天麩羅☆サンライズのようです从 ゚∀从 ◆KwwKqCiKD6:2011/10/29(土) 15:19:20 ID:oDuOApuo0
- それから私は姉妹料理である天麩羅☆サンセットやネオンの刺身などを食べ、店主の言っていた夢正宗も呑んでみた。どれもこれも素晴らしい味で夢正宗などまさに夢心地になれる味であった。
(゚、゚トソン「そろそろお勘定を・・・」
きっと高いのだろう、値段はどこに書かれていたっけメニューは仕舞われてしまったようだ。呑みすぎたのか頭がボンヤリする、私はお酒に強いはずなのに。
从 ゚∀从「必要ないよ」
(゚、゚トソン「はい?」
从 ゚∀从「だってもうお前帰れないんだからよ」
- 313 名前:(゚、゚トソン天麩羅☆サンライズのようです从 ゚∀从 ◆KwwKqCiKD6:2011/10/29(土) 15:21:42 ID:oDuOApuo0
- 何
を言っているのかよくわからない。頭がますますボンヤリしてきた、意識がぐるぐると回り気持ちがいい。このまま酔いに任せて眠り込んでしまいたい、お酒そ
んなに呑んだっけ?店主の顔も判然としなくなってきた。ここはどこだっただろうか。何もかもボンヤリと夢をみているようだ。
从 ∀从「おまえは朝陽も夕陽も喰っちまった。だから言ったんだよ、オススメはしないって。お前はもう朝も夕方も迎えられない、当然だろ?自分で喰ったんだからよ」
店主がまた訳の分からない事を言っている、そういえばここは何処だっけ?私は何処に帰ればいいんだろう、今は朝だっけそれとも夜?
从 ∀从「さあ、どうだい?ねえ、お嬢さん」
そして、私の意識は闇に沈んだ。
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