作品投下スレ

376 名前:毒物のようです:2011/10/29(土) 18:03:21 ID:7dySMsNYO
素直クールが、首を吊った。
何の前触れもなく、突然に彼女は自殺をした。
話した事は、一度もない。住んでいる場所が違う、別世界の住人。
精々、遠くから見ているだけ。汚い敗者の私の人生には縁のない綺麗な勝者。
そんな彼女が自殺をしたというのは。
私にとって、衝撃的だった。


けれど、もっと衝撃的な事があった。
それは。

川 ゚ -゚)「やあ、でぃ。今日も来たよ」

(#゚;;-゚)「あ……こんばんは……」

私の枕元に、彼女が現れるのだ。
それも彼女が亡くなってから、毎晩。

377 名前:毒物のようです:2011/10/29(土) 18:04:03 ID:7dySMsNYO
川 ゚ -゚)「こんばんは。今日は何かあったかい?」

(#゚;;-゚)「何にも……ない…です」

川 ゚ -゚)「良いことも?」

(#゚;;-゚)「はい……」

川 ゚ -゚)「悪いことも?」

(#゚;;-゚)「……はい」

川 ゚ -゚)「そっか。駄目だなあ、でぃは」

私の返事を聞くと、彼女は快活に笑い出した。
何が駄目なんだろう。

川 ゚ -゚)「自分から、何か起こそうとしてないだろ?」

(#゚;;-゚)「そう……ですね」

川 ゚ -゚)「そんなんじゃ、人生つまらないよ?」

死んだ人間に人生を諭される私。
世界で初めてかもしれない。

378 名前:毒物のようです:2011/10/29(土) 18:04:36 ID:7dySMsNYO
川 ゚ -゚)「まず、その受け身を止めてみようか」

(#゚;;-゚)「それは……無理で……す」

川 ゚ -゚)「はい、ダメー!それがダメー!」

川 ゚ -゚)「無理って思うから、出来ないんだよ」

川 ゚ -゚)「思わずにやってみるんだ」

彼女は続けて、無茶な事を言う。

川 ゚ -゚)「明日は自分から話しかけてみようか!」

(#゚;;-゚)「……え」

川 ゚ -゚)「で、それを私に話す。はい、けってーい!」

(#゚;;-゚)「……」

私は何も言い返せない。

川 ゚ -゚)「出来なかったら、罰ゲームな!んじゃね!」

そう言って、彼女は消えていった。

(#゚;;-゚)「罰ゲーム……」

明日の朝までに、世界が滅亡しますように。

379 名前:毒物のようです:2011/10/29(土) 18:05:08 ID:7dySMsNYO
結局、世界は滅亡しないままその日は過ぎる。
そして、彼女が現れた。

川 ゚ -゚)「やあ、でぃ。今日も来たよ」

川 ゚ -゚)「昨日の約束はどうなったかな?」

(#゚;;(メ)「ちゃんと……しました……」

川 ゚ -゚)「へえ、誰に何を言ったんだい?」

(#゚;;(メ)「……お父さんに。もう、……私に変なこと…しないでって」

(#゚;;(メ)「気持ち……悪いから、やめてって……」

川 ゚ -゚)「そしたら?」

(#゚;;(メ)「今日は……いつもより……乱暴にされて……殴られて……」

川 ゚ -゚)「そっか」

川 ゚ -゚)「で、どうだい?でぃとしては」

380 名前:毒物のようです:2011/10/29(土) 18:05:35 ID:7dySMsNYO
(#゚;;(メ)「痛いの……とか、は嫌でした……けど」

(#゚;;(メ)「ずっと……思ってた事を……言えて……よかったです……」

川 ゚ -゚)「成る程ね」

彼女はひとしきり頷き、私に目を向けた。

川 ゚ -゚)「なあ、でぃ」

川 ゚ -゚)「痛くなく、気持ち悪くなく、思ってる事を言いたくないか?」

(#゚;;(メ)「出来るん……ですか?」

川 ゚ -゚)「こっちに来ればな」

彼女が手を私に向けて伸ばす。

(#゚;;(メ)「……」

伸ばされた手を取り、首へと回した。

川 ゚ -゚)「そうか」

彼女の手に力が篭る。呼吸が苦しい。視界が明暗を始めた。

川 ゚ -゚)「ちょっと待ってな。すぐだから」

彼女の声が聞こえた。

381 名前: ◆3670sgmxLg:2011/10/29(土) 18:06:16 ID:7dySMsNYO
終わり
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