( ^ω^)と('A`)はフラグの力を借りるようです

1 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:33:23.54 ID:qv7zfsCQ0

 死亡フラグ・生存フラグ・恋愛フラグあれど、フラグを題材にした小説、「ブーン系小説」はない。

 ならば、これから作るしかない!!!!111


 この物語は熱きフラグ使い、通称『フラッガー』の異名を持つ男ドクオが

 ドクオのドクオによるドクオの為のフラグ、『ハーレムフラグ』を立てていく、一代叙情詩である。


2 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:34:33.69 ID:qv7zfsCQ0

 200X年――では無く、X000年!


 地球は核の炎に包まれた。

 かと思われたが、別にそうでもなかった。

 普通に雪が降っていた。


 ――だが、人類は死に絶えてはいなかった!!!!!1



5 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:35:47.09 ID:qv7zfsCQ0

 何千年と積み上げられた人類の英知、繁栄の証は唐突に崩れ去った。

 幾多の戦争がそれらを根こそぎ消し飛ばし、今や大地は荒野と化してしまっている。

 金は力を失い、権力と暴力が同義になった世界。

 か弱い人々、力を持たぬ者達にとって、この世界はまさに『絶望』であった。


(;´ω`)「おー……」

 そんな絶望の荒野を歩く少年、名を内藤ホライゾン。
 しかし名前に反して二人称はブーンである。この矛盾には誰しもが目を伏せているが、きっと恐ろしい真実があるのだろう。
 準じてブーン系七不思議の一つと言えば、内藤ホライゾンの呼び名であるのは間違いないだろう。


 ボロ布で身を包み、木の棒を支えに歩き続ける極普通の世紀末スタイル。
 食料を含む彼の所持品の多くは、道中運悪く鉢合わせた野党にごっそりと奪われていた。
 そうして唯一残ったものと言えば、首から下げたロケットペンダントだけ。

(;´ω`)(ちくしょー……もう足疲れたおー……)

(;´ω`)(目が……霞むお……)


7 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:37:06.64 ID:qv7zfsCQ0

(;´ω`)「もうだめ」

(; ω ) バタッ



(; ω )「……」






( ^ω^)「おい誰か助けに来いよ。今のフラグだろ」


 荒野で倒れた程度のフラグ一本立てたところで助けが来るほど世の中甘くない。
 ましてや愛想など絶無なピザデブ野郎を誰が助けるものか。

 読者諸君、こんな世紀末に対して一抹の期待を抱いたピザデブーンをどうか笑わないでくれ。
 彼も必死なのだ。このどうしようもない肉団子っぷりに反して中々頑張っているのだ。

 どうか慈悲深く、優しく彼に接してあげてほしい。

9 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:38:25.16 ID:qv7zfsCQ0

(#^ω^)「クソッたれ! カロリーメイトだけじゃ腹が減るじゃないかお!」 モサモサ

 ブーンはその場に座り込むと、汚らしい汚パンツの中から程良く温まったカロリーメイトを取り出し、それを頬張った。
 水分無しのカロリーメイトが当ても無い憤慨を否応無しに駆り立てる。
 どうしようもなくムカつくと何にでも八つ当たりするのを見る限り、彼もまだ少年なのである。





(#^ω^)「おい地の文! 何か食べ物よこせお!」

 申し訳ないが八つ当たりはNG。金輪際私に話しかける事無かれ。

(#^ω^)「じゃあ目的地までの距離は!?」

 空は灰色。私の心も曇り空。スイーツ()

(#゚ω゚)「テメェ最近自分の出番多いからって調子乗るんじゃないお! 地の分は地の文らしく説明しろグズ!」







12 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:40:15.42 ID:qv7zfsCQ0


 内藤ホライゾンの冒険はまだまだこれからだ!

 沢山のご声援、ありがとうございました!

 >>1先生の次回作にご期待下さい!

                                          ( ̄ ̄ ̄ ̄)
                                              \__/←第四話
            ___  ┗( ^ω^)┛        ( ̄ ̄ ̄ ̄)
            |完結→|   ┃ ┛            \__/←第三話
              ̄|| ̄  //  ( ̄ ̄ ̄ ̄)
              ||  /     \__/ ←第二話
  _,,..-―'"⌒"~⌒"~ ゙゙̄"'''ョ
゙~,,,....-=-‐√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ
T  |   l,_,,/\ ,,/l  |
,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/
,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /
_V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/         

13 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:43:09.76 ID:qv7zfsCQ0


【第二話】

二人の出会いはスパイシー!?

ブーンとドクオのワーストコンタクト!



16 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:45:59.36 ID:qv7zfsCQ0

 ブーンはスイングドアを颯爽と抜け、周囲の視線を一身に受けつつ酒場のカウンター席に腰掛けた。


(;^ω^)(ふぅ……何とか打ち切りエンドは免れたお。地の文は敵に回したらアカンでぇ……)

(゚д゚)「お客人」

(;^ω^)(にしても疲れたお……足がパンパンだお……)

 既に全身が贅肉でパンパンなのは秘密である。


(゚д゚)「……お客人!」

(;^ω^)「……お? ああ、この近くに『何でも屋』があるって聞いたんだけど――」

(゚д゚)「お客人、ここは酒場ですぜ。何か注文してもらえませんかね」

( ^ω^)「おっ。これは失礼したお。……それじゃあチャイを頼むお」

(゚д゚)「酒場だって言ってんだろ。何でインド式に甘く煮だしたミルクティーなんて頼むんだよ」


( ^ω^)「……出せない、とでも?」

(゚д゚)「……ったく、出来には期待するなよ」



18 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:50:22.47 ID:qv7zfsCQ0

 マスターはブーンに背を向けると、インド式に煮出したミルクティー(チャイ)を作り始めた。
 そのダンディズム溢れるマスターの背中を眺めるのも吝かでないが、この酒場の只ならぬ雰囲気がそれを阻害した。

 ブーンは横目に酒場の中を見回す。
 すると案の定それっぽい恰好をしたゴロツキ達がブーンの方に視線を向けているのが確認できた。


( ^ω^)(ピザデブの 敗者の宿命 これ如何に)

 常日頃 節制怠る その報い


(゚д゚)「……お客人、さっきの『何でも屋』の話なんですが」

( ^ω^)「おっ、何か知ってるのかお?」

(゚д゚)「……いや、その前に店の事情を話しときましょう……」

( ^ω^) ?


20 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:54:03.05 ID:qv7zfsCQ0

(゚д゚)9m「ほら、今、店の中の奴らは全員こっち見てるじゃないですか」

m9(^ω^)9m「ああ、確かにこっち見てるお。こっち見んな」


(゚д゚)「彼らもね、別に皆で寄って集ってアナタを襲おうと狙ってる訳じゃないんですよ」

(;^ω^)「えぇッ!? どう見ても店出た瞬間ボコられるフラグ――」




(;゚ω゚)「――ハッ!? まさかここはガチホモ♂の集会場!? ハッテン場!?」

(;゚ω゚)「通りで薄暗くて陰気な酒場だと思ったお! これが所謂――場末の世の淫夢!?」


(; ω )「ぐぅぅぅぅ!!! 肛門閉鎖ァ! 全力でケツ締めろ内藤ホライゾンンンンン!!!」 ギュゥゥゥン!!

21 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 00:57:00.29 ID:qv7zfsCQ0

(゚д゚)「……あれですよね、お客人。結構一人で盛り上がるタイプですよね」

( ^ω^)「まぁ、ぼっちには必須スキルみたいな所あるからね。しょうがないね」


(゚д゚)「……それで話を戻しますと、彼らがこっち見てるのには理由があるんです」

( ^ω^)「ほうほう」


(‐д‐)「――『ある人物』から目を逸らして――あ、まだ探さないで――」

(‐д‐)「そいつはここいらじゃ結構名のある有名人でして……いやだから探すなって」

(゚д゚)「ちょ……、……名前はドクオ。何でも変な力を持ってるって話ですが、その真偽の程は……あのさぁ――」



(゚д゚)「――まだ探すなって言ってるだろ。いい加減にしろ――」

( ^ω^)「――好奇心は止まらない――」

(゚д゚)「そうであっても――人の話は――最後まで聞くもんだ」

( ^ω^)「――それも――そうだな――」


22 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:00:38.70 ID:qv7zfsCQ0

 『――』の乱用の末、マスターの言い分に納得したブーンは彼の話に耳を傾けた。
 そしてインド式に煮出したミルクティー(チャイ)が出来上がる頃には、侃々諤々のマスターの話も終わりに差し掛かるのであった。

 ちなみに侃々諤々は『かんかんがくがく』と読む。
 別にカンカンと言う名前のパンダが膝ガクガクという意味では無いのだ。


(゚д゚)「で、ここいらで何でも屋と言えばドクオなんですよ。もっとも、依頼なんて滅多に無いので誰も覚えてないですが……」

(;^ω^)「……マスターの話でドクオさんが超変人なのは分かったお」

(;^ω^)「基本的に変質者。男だろうと構わず食っちゃうと言う噂があるから、みんなドクオとは目を逸らしてるんだお……」


(゚д゚)「……事情は知りませんが、俺は考え直した方がいいと思いますぜ。
     何なら他の何でも屋を紹介しても構いませんよ」

(;^ω^)「……その提案には感謝するけど、残念ながら事情が事情でドクオさんにしか依頼出来ないんだお……」


27 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:05:52.39 ID:qv7zfsCQ0

 マスターの反応を待たず、ブーンはチャイを一気に飲み干すと同時に席を立った。
 彼らの話を盗み聞きしていたゴロツキ達にとって、その行動が何を意味するか想像するのは容易だった。

(;^ω^)

 ブーンの足音とゴロツキ達のざわめきは同調し、ドクオのテーブルへ接近する程にその音は大きくなっていく。

 喧騒。どよめき。予感。既にこの場に居る全員が、この先起こりうる最悪の展開を予期し、動き始めている。
 そしてゴロツキの大半は咄嗟に席を飛び退き、ブーンと肩を擦れ違わせ酒場を飛び出して行った。

 やがて酒場に残ったのはブーン、マスター、野次馬根性で居残ったゴロツキ数名。そして――




 ――クリスマスを全力で楽しむ、ドクオ――



28 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:07:56.75 ID:qv7zfsCQ0
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          ※ クリスマスを全力で楽しむドクオの図 ※


33 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:11:53.04 ID:qv7zfsCQ0


(;^ω^)「――あの、『何でも屋』のドクオさん……ですよね?」

..。。。
..|||||
('∀`)「あぁ〜! デブちん来るの遅いゾ〜。もうパーチー始まってるよぉ?」


( ^ω^)「……」





(善^ω^)( 殴り飛ばせ )

(悪^ω^)( 蹴り飛ばせ )


 時に善意と悪意は同一のものとして存在する。
 いわゆる紙一重というヤツである。

34 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:15:06.05 ID:qv7zfsCQ0


 〜〜〜事後〜〜〜



( ^ω^)「……」

  ..   ..   プルプル
 : (ノ'A`)>:。。。
 : ( ヘヘ:: |||||


(;゚д゚)(どうしてこうなった……)



【今回の反省】━━━━━━━━━━━━━━━┓
                               ┃
 例えクリスマスが寂しいからといって        ┃
                               ┃
 人を不快にしちゃ                   ┃
                              ┃
 いけないんだなぁ            どくを   ┃

37 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:16:39.10 ID:qv7zfsCQ0

 【次回予告】

 俺の名前は佐々木カラマロス大佐……でもヤバい事になっちまった!

 仲間との絆の力で悪の帝王『クックル・フライドチキン』を倒した俺達。
 そんな中、全世界の悪意を集約した魔の権化――≪シャケおむすび≫の封印が解かれてしまった!

 はっ! 分かったぞ! クックルの最期の言葉はこれを意味していたんだ!

 早く最後の敵≪シャケおむすび≫が町のみんなを傷付ける前に倒さないと!


 ……でも、それはもう無理なんだ……


 次回! 【――裏切り者はこの俺さ――】で、また会おう!

39 名前: ◆nVuyqYGgkQRd 投稿日:2011/12/26(月) 01:19:58.83 ID:qv7zfsCQ0



  ――これが物語の始まり――          ヘ(^o^)ヘ
                                |∧
                            /  /
                        (^o^)/
                      /(  )
          (^o^) 三      / / >
   \      (\\ 三
   (/o^)   < \ 三
   ( /                 ――終わりへの序曲――
   / く

                                        【つづく】



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