(*゚ー゚) いつでも一緒のようです(゚Д゚,, )

4 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 19:56:58.49 ID:+50H6Wmm0
(*゚ー゚)


私の始まりは、彼だった。

物心つく頃には、彼がいつも隣にいた。

隣にいることが、当然のことのようにすら感じていた。

家が近所だったせいか。

それとも、親が友達同士だったせいか。

とにもかくにも、私はいつも彼と一緒にいた。

一緒にいることが必然だった。

別々に歩む道なんか、想像したことすらなかった。

私にとって彼は、体の一部であったし、

彼にとって私も、そうであったと思う。


( ,,゚Д゚)

6 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 19:58:55.55 ID:+50H6Wmm0
(*^ー^)


私たちが成長し、学校に通うようになってもその関係は崩れなかった。

いや、崩れようがなかったの方が正しいかな。

小学校、中学校、高校。

全て同じ学校に通った。

通算十二年、全部同じクラスだった。

そしてその十二年を、私たちは共に歩んできた。

大学だって同じところを受けたよ。

驚くべきことに受験番号も隣同士だったし、

入学してからの学籍番号だって隣同士だった。

これは一種の呪いだ、なんて彼は少し怯えてたのが面白かったなぁ。


(;,,゚Д゚)

8 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:00:40.95 ID:+50H6Wmm0

(*^ー^)


もちろん、大学に入ってからもことごとく同じ講義を受けていたよ。

示し合わせたわけでもなく、本当に偶然の一致の連続だったんだ。

サークルも一緒、ゼミだって一緒。

就活の時期が来て、私はいろんな会社を受けたよ。

それだって、必ずどの会社の説明会も隣の席には彼が座っていたんだ。

その度に私たちは驚いて、でもそれが面白くもあって。

運命の赤い糸どころじゃないよね。

鎖だよ、鎖。

そんな会話を交わしたりしていたんだ。


( ,,^Д^)

9 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:02:14.65 ID:+50H6Wmm0

(*;ー;)


大学を出て、私たちは社会の荒波に揉まれはじめたよ。

何も知らない私たちは、周りの人の仕事ぶりに圧倒されて。

それでも必死に仕事を覚えようと頑張っていた。

毎日二人で出社して、毎日二人で退社して。

たまには二人で安い居酒屋に行ったりしてね。

その安い居酒屋でだよ。

彼は言ったんだ。

結婚しよう。

って。

私は嬉しくて涙が止まらなかった。


( ,,//Д//)

10 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:04:08.86 ID:+50H6Wmm0
(* ー )


そんな彼のプロポーズから数ヶ月。

二人の新居も決まり、共同生活がはじまって間もなくのこと。

今日はクリスマス・イブ。

初めて私たちが別々の道を歩む時が来た。

病院のベッドで眠ったままの彼。

それを呆然と見続ける私。

急な心筋梗塞って何?

一昔前に流行った物語のヒロインなんかになりたくない。

ケータイ小説だとか、泣ける映画だとか、そんなの絶対に嫌だ。

そんなことをいくら考えても。

彼との時間をいくら思い出しても。

彼はもう目を覚まさない。


( ,, Д )

11 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:05:34.12 ID:+50H6Wmm0
.


 






                (*゚ー゚) いつでも一緒のようです(゚Д゚,, )









.

12 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:08:10.02 ID:+50H6Wmm0
( ;ω;)「おーん! ギコー! ギコー!」

ξ )ξ「そんな……」

私たちとよく一緒に遊んだ友達も、彼の安らかに眠るベッドを取り囲んでくれている。
ギコの一番の男友達だったブーンは顔中の穴という穴から液体を出しているし。
私の一番の女友達なツンは、どんな言葉も見当たらないのか呆然としている。

(* ー )

私だって、何も言えないよ。
こんな突然の別れ、理解できるほうがおかしいよね。

あんなにも愛おしかった人との、ギコ君との。
残酷で冷酷で、優しさのひとかけらもない別離を、
どうして映画では感動の物語に仕上げられるんだろう。

朝はあんなに元気だったのにね。
ギコ君。

(*;ー;)

14 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:12:30.28 ID:+50H6Wmm0
( ;ω;)「ギコ……。ギコォ……」

ξ ゚听)ξ「とにかく、これから何かつらいことがあったら私たちがしぃの支えになるから」

病院からの帰り道。
ブーンは相変わらず顔中汁まみれ。
ツンだって目を真っ赤に腫らしながらも、私を気遣ってくれた。

ξ ゚听)ξ「だから、何かあったらすぐに連絡して。私たちじゃギコ君……」

ξ ;;)ξ「ギコ君の代わりにはなれないけど」

( ;ω;)「ギコ……」

結局、二人して涙を流しちゃうんだね。
二人の優しさは嬉しいよ。
だけどさ。

どんな優しさに触れても、ギコ君はもう戻ってこないんだよね

(*;ー;)

15 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:14:41.04 ID:+50H6Wmm0
ξぅ;)ξ「じゃあ、本当にちょくちょく連絡してよね」

ξ ゚听)ξ「私たちは、友達なんだから」

( ;ω;)「おーん! おーん!」

(*゚ー゚) 「うん、ありがとう」

二人との別れ道。
ツンは最後まで私のことを気にかけてくれていた。
ブーンだって、ずっと彼に涙してくれていた。

(*^ー^) 「じゃあね」

二人の前でめそめそしていたら、なんだか申し訳なく感じたんだよね。
この悲しみは、一人で持ち帰ろう。
私たちの家で、ゆっくりと悲しみと向き合おう。

ブーンとツンの小さくなりつつある後ろ姿を、
昨日までの私たちと重ね合わせてしまい。

(*;ー;)

零れ落ちる涙を一人で受け止めながら、私は家への道を歩んでいる。

16 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:16:49.43 ID:+50H6Wmm0

「今日はしぃ休みだったよな」

「寝てるようだし、それじゃ仕事行ってくるわ」

「なるべく早く帰るようにする」

「帰ったら二人でクリスマスパーティだぞ」

(*;ー;)

今朝交わしたメールを読み返しながら、一瞬思ったんだ。
この携帯の中には、まだ彼が生きている。
でも、そんなのまやかし。

メールを彩る文字が、彼の命を擬態しているだけなんだよね。

悲しくなって、携帯から目を上げる。
私たちの家が、もう見えてきた。

17 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:19:06.36 ID:+50H6Wmm0
本当に小さな、ボロボロのアパート。
それでも、私たちにとってはかけがえのない、ただ一つのお城。

二人の安い給料で、必死に家具をそろえて。
これからもいっぱい思い出を増やそうと思っていた矢先のこと。

(*;ー;)

この家は、私一人だけの家になってしまった。

(*;ー;) 「ギコ君……」

やけに悲しみを帯びた光が、私の家を照らし出すように見えた。
心なしか、地響きを感じる。

(*;ー;)

いったい、私はどこまで弱っているんだろう。

鍵を通して、ぬくもりを感じないノブを掴んだ。
返事を期待することもできない「ただいま」と共に、私は家に入る。

18 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:20:59.81 ID:+50H6Wmm0



      ( ,,゚Д゚)    「おぉ、おかえり!」
    /⌒'   ~ `)
    (  く ノ | イ
    ヽ,_'ァ   , .|
      ノヽ ._λ_ )
     ./   ノ|  ノ
     ( -く  |ー(
     \ └,.| .)
      ,┘/ (__)



(*;ー;)

(*゚ー゚)

(*゚−゚)

(*゚−゚*)

22 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:23:22.55 ID:+50H6Wmm0


                            .,,,、
  今までのくだりはなんだったんだよ!  _,-''  )
                        , -' (.__,-'' 
       , - #゚ー゚)_        .,-'~ ,- '
      /   )ヽ(w i      .,-'~  ,-'~      
     .,/  /   ヽヽヽ   ,-/'~  ,ノ        Σ(#);゚Д゚)  俺何か悪いことした?
     / ^)'    _ l ゝ _)-'~   ,-'~         /⌒      ⌒ヽ
    / /'  ヽ    ^ ̄   ,-'~        /         i  ヽ
   (iiiiリ∫ ヽ     /     (⌒`──'  /i  ノ     ノ\ ヽ
       ヽ─|〜' ノ/      ゙────  |        /  `- '
            l、_  /                 |     /
             |   |               /    /
             |   |                  /   、 ヽ
          |  |              |    l  l
             |  '、                 |   /  ノ
           |   l                |  / |  /
              |  |            |  /  .| .|
            |  |            | .ノ   | )
         ,- |  |     .....     | .|    ||
         `ヽ   );;;::::::::'''''      ||     | .|
           ゙ - '''''''       ,- 、| | ,,,,,;;;;;;;;と__>''
                      \__>;;;;;;;''''''


24 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:25:22.41 ID:+50H6Wmm0
(;゚ー゚) 「え、えぇ? ちょ、なんでギコ君が普通にいるの? 全裸で」

( ,,゚Д゚) 「むしろ全裸でいることを否定される意味がわからない」

(;゚ー゚) 「開き直るなよ。いや、ていうかもう、えぇ……?」

わけがわからなかった。
ついさっきまで私は、ツンやブーンと一緒にギコ君の亡骸を見ていたんだよ。
なのに、ギコ君は颯爽と全裸で私を出迎えた。
 _,,_
(*゚ー゚) 「いや本当に納得いかない」

(;,,゚Д゚) 「しぃさんすっごい顔してはりますね」

( ,,゚Д゚) 「というか……」

(*゚ー゚) 「あ?」

(;,,゚Д゚) 「いやなんでもないですすみません」

死んだはずの者が、全裸で私と対面している。
そう、ギコ君は死んでいる。

(*,,゚Д゚) 「な、なんだよ。俺の肉体美をそんなにまじまじと見るなよ。興奮するだろ」

じゃあこの全裸で勃起しているギコ君っぽいものは何?

25 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:28:22.46 ID:+50H6Wmm0
(;゚ー゚) 「もしかして……幽霊?」

( ,,゚Д゚) 「」

ふと私が発した単語に、全裸のギコ君がピタリと動きを止めた。
そして、彼の顔色が変わっていく。

( ,,゚Д゚)

(;,,゚Д゚)

( ,,;Д;)

(;゚ー゚) 「ど、どうしたの?」

( ,,;Д;) 「幽霊どこ? 怖い」

(;゚ー゚)

(*゚ー゚)

(*゚−゚)

何だこいつ。

29 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:30:29.63 ID:+50H6Wmm0


( ,,;Д;) 「人あらざる者がここにいるの? どこなの?」

(*゚−゚)

こんなの私の知っているギコ君じゃない。
私の知っているギコ君は(夜の生活以外)全裸で勃起しないし、
こんなにすぐ泣き喚くような弱虫じゃなかった。

強くて、かっこよくて。
私をいつも守ってくれるスーパーヒーローだったんだ。

( ,,;Д;) 「ふぇぇん」

じゃあ、このギコ君の姿をしたやつは誰?

( ,,゚Д゚) 「え、ギコだけど」

地の文にすら反応するのかよ。

31 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:33:40.00 ID:+50H6Wmm0


(;゚ー゚)

まぁ、とりあえずこのギコ君(らしきもの)を幽霊だと仮定しよう。
それはそれで、色々と疑問が残るんだけど。

(*,,゚Д゚)

まず、何故彼は全裸なのか。
生前はそんな性癖持っていなかったはずなのにな。

次に、何故五体満足で血色良好な健康体なのか。
幽霊って違うだろ。
足がなくて顔が青ざめているべきものだろ。

そしてなにより。

(*,,゚Д゚) 「なんかさっき蹴られたところが気持ちよくなってきた」

何故私は幽霊である彼をがっつりと蹴飛ばせたのか。
実体を持った幽霊?
わけがわからないよ。

33 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:37:33.56 ID:+50H6Wmm0
まぁ、難しいことは後にして、まず私にはやるべきことがあるんだ。
それは単純にして、重要なこと。

(*゚ー゚) 「まず服を着ろ」

( ,,゚Д゚) 「無理」

(#゚ー゚) ビキビキ

もう冒頭のような物悲しい空気や、シリアスな空気にすることは到底不可能。
それでもだよ?
一応婚約者であるはずの彼が全裸なのはやっぱり納得いかないよね。

(#゚ー゚) 「さぁ、着ろ」

( ,,゚Д゚) 「無理」

(# ー ) 「なんで服を着たくないのかな?」

( ,,゚Д゚) 「俺、服を着ると死にそうな予感がするんだよね」

34 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:38:31.25 ID:+50H6Wmm0



 _, -=''"" ̄ ̄""=-―,.、
  _,=、            ̄=.、
   彡             "" - ,
    >                ヽ
   :"  .__=__  ̄=.、   \
  /  彡⌒  | |    ̄=--,、    ヽ       .'  , ..
  /彡" /~ニ | j|        "ヽ     ヽ    .∴ '     (*,,゚Д゚)  あひん
 /   ( /_/  |(#゚ー゚) もう死んでるだろうが!・,‘ r⌒>  _/ /
     ヽ ミ  .|ヽ,-  ⌒ヽ. ,_   ミ   ,i      ’| y'⌒   ⌒i
       ̄| ミ   ノ|ヽ Y|三)  ヽ  .|       |  /  ノ |
       |  |   / \_ノ    |ミ  ij       , ー'  /´ヾ_ノ
       ヽ ヽ  |         |  |i       / ,  ノ
        "ー、  |        |   ノ     / / /
           ヽ ヽ      ノ / /     / / ,'
            ヽ ヽ    // /   /   /|  |
            /   )    / /    !、_/ /   〉
           / /    /           |__/
          |  |
          \_|


36 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:42:23.51 ID:+50H6Wmm0
(#゚ー゚) 「いい加減にしてよ! ギコ君は服を着ても着なくてもすでに死んじゃってるの!」

( ,,゚Д゚) 「……え?」

( ,, Д ) 「……そっか。なんか変だと思ってたよ」

(*゚ー゚) 「……ギコ君?」

( ,, Д ) 「急に目の前が真っ暗になったかと思ったら全裸で家にいるんだもんな」

( ,,;Д;) 「それで俺わけわからなくなって変なことを……。ごめんな、しぃ」

(;゚ー゚) 「そ、そんな。むしろこっちがごめんだよ。ギコ君は混乱してただけなんだね」

( ,,;Д;) 「そうなのか。俺はもう死んでたのか。そんなこと……。そんなこと……」

やっぱり、ギコ君はギコ君のままだった。
混乱して、わけわからない行動をとっちゃっただけなんだね?
さすがに、全裸はどうかと思うけどさ。

ただただギコ君の瞳から溢れる涙。
さっと拭い、ギコ君は私を見つめた。

37 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:44:09.86 ID:+50H6Wmm0


( ,,^Д^) 「もう知ってますけどねwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

(*゚ー゚) 「……は?」

( ,,^Д^) 「どうだった? どうだった俺の演技力?」

( ,,^Д^) 「冒頭のようなふいんきになれるとでも思った?」

\(,^Д^,)/ 「残念、させません」

( ,,゚Д゚) 「いやぁ、しぃの心配そうな顔はかわいいなぁ」

( ,,゚Д゚) !「そうだ」

(,゚Д゚,) 「しぃ、乳首舐めさせて!」

40 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:46:36.16 ID:+50H6Wmm0

            ~、 :. ' ・ ∵
            _,_ '.、゛‘ ( ,,゚Д゚)    あれこれ俺首取れてね?
│││    │ .{々 |  |   ヽ       てかしぃも顔の向きおかしくね?
│││ │ │ .`ヽ |  |    |  |_    首折れてね? やばくね?
  ││ │ │   |  |   |  /   |    このパターンも多くね?
  ││ │ │   |  |   | |   ||    やばくね? 多くてやばくね?
│  │ │      } }     | |  ||   略しておばくね? 意味わからなくね?
│││  │      .|      | |  ||    さらにAAずれすぎてしぃの体もわけわからなくね?
│││  │  (#゚ー゚) |      | |  ))   というか死者に容赦なくスカイアッパーって戦闘力くね?
  │    │   〉  ^|    〈ムイ. | |    僕の婚約者怖くね?
  │││__ /   .|   |   |  | |     いやもう本当に二回目の死を味わいそうじゃね?
│││〈´ム〉|     |   |   |  | |    それってやばくね? ってかパなくね?
│││ ヾ、`|  |   |      |  | |
│││   \" |    \     |  | |
│  │ . │\/  人_ .⊥   | `))
││       |   | |  |  |   し'´´
│││  │ ..|  | |__ |  |
  ││││  |  | / _.{
  ││││ │  |  | \__|  
│││  │  |   |
│││  │  |  .|
│││     }"__〉
│││  │ .|__/

44 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:50:52.53 ID:+50H6Wmm0

(;゚ー゚) 「何こいつ……」

殴られてる間に何行喋るつもりだよ。
というか喋り方が五、六年昔のギャルだよ。

( ,,゚Д゚) 「しぃパねぇ」

ギコうぜぇ。

(;゚ー゚) 「……はぁ。もう寝よう」

今日は色々とありすぎた。
ギコ君の死。ギコ君(?)の復活。

とにかく最低なクリスマス・イブ。
私も混乱してよくわからないや。
さっさと布団に入って寝よう。

46 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:52:39.53 ID:+50H6Wmm0


_________
| _ (*゚ー゚)(,,゚Д゚)| おやすみ〜
|\ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
|  \           \
\  |⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
  \ |________|













(;゚ー゚) 「お前もここで寝るのかよ!」



49 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:57:32.98 ID:+50H6Wmm0
そんなわけで迎えたクリスマス。
今までは、毎年楽しみに待っていてさ。
恋人たちを妬む人の気持ちなんてわからなかったけど。

( ,,゚Д゚) ←全裸で三点倒立してる

(*゚ー゚)

( ,,゚Д゚) ←全裸で後天倒立してる

(*゚ー゚)

( ,,゚Д゚) ←全裸で倒立してる

(*゚ー゚)

今なら言ってもいいよね。

(*゚ー゚) 「クリスマスは去年やったし今年は中止だろ」

51 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 20:59:07.90 ID:+50H6Wmm0

( ,,゚Д゚) 「え? ないの?」

ギコ君がきょとんとした顔でこっちを見てる。
でもさ、考えてみてよ。

(*゚ー゚) 「何が悲しくて全裸で逆さまの世界を楽しんでいる
     実体持ちの幽霊とクリスマスを祝わなくちゃいけないの?」

クリスマス・イブに最愛の人を亡くして。
さらにはその最愛の人がわけのわからない形で復活して。

そんな中でクリスマスなんか祝えるほどの精神力、私は持ち合わせていない。

(*゚ー゚) 「だから今年のクリスマスは中止ー」

( ,,゚Д゚) 「解せない」

53 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:00:46.90 ID:+50H6Wmm0
まったく、世のカップルたちは皆が皆、いちゃこいてるだろうに。
なんで私だけこんな目にあってるんだろう。

(*゚ー゚) 「あ、そうだ」

カップルといえば、ツンとブーンがいた。
昨日、確かに別れ際に言ってたよね。
何かあったらすぐ電話して、って。

何かあっちゃったから電話してみよう。

(*゚ー゚) 「とりあえずギコ君は存在感を極限まで薄めていてね」

( ,,゚Д゚) 「俺の美しさが世界中に知れ渡っちゃうから?」

(*゚ー゚) 「死ね」

(;,,゚Д゚) 「眉一つ動かさずに……」

受話器をとって、ツンの元へと電話をかける。
だけど。

(;゚ー゚) 「でないかぁ……」

無機質に、ツー、ツーという音だけが返ってくる。
まったく。
メリーデスクリスマス。

54 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:02:33.99 ID:+50H6Wmm0
ツンたちはあてにできない。
つまり、私一人で結局はこの状況を打破しなくちゃいけないんだよね。
クリスマスなのにね。

(*゚ー゚)

( ,,゚Д゚) 「ん?」

(*゚ー゚) 「なんかギコ君見てると無性に殺意が沸く」

(;,,゚Д゚) 「えぇー」

本当は二人で出かけるはずだったんだよ?
なのになんで私たちは家にこもってるの?
しかも男は全裸で。

(*゚ー゚) 「そうだ、やっぱり全裸がいけないんだ」

( ,,゚Д゚) 「ゼン・ラー? そんな中国人ここにはいないぞ」

(*゚ー゚) 「ここは私が用意したあれで……」

( ,,゚Д゚) 「全力スルーもかなしいけれど」

d(,^Д^,)b 「それでも少し気持ちいいね!」

56 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:05:49.13 ID:+50H6Wmm0

(*゚ー゚) 「うん、やっぱり無理やりにでも着せよう!」

(;,,゚Д゚) 「え」

昨夜の私はどうかしてたんだ。
拒まれたって関係ない。

(゚ー゚) 「さぁ、私からのクリスマスプレゼントだよ」

(;,,゚Д゚) 「しぃさん目が怖いです」

(゚ー゚) 「ほら、着ようか」

彼に渡すつもりだった、プレゼントのコート。
まさかこんな形でのプレゼントになるとは思わなかったけど、
渡せないよりかはマシかな。

(゚ー゚) 「さぁ」

( ,,;Д;) 「ひぃ」

57 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:08:29.62 ID:+50H6Wmm0

(;,,゚Д゚) ←しぃの顔に怯えて逃げられない

(;;,゚Д゚) ←しぃに捕まり、むりやりコートを羽織らせられる

(;;;゚Д゚) ←ギコ、着衣のピンチ!

( ,,゚Д゚) ←コートがギコの体をすり抜けていく

(*,,゚Д゚) ←全裸のままでいられて一安心








( ゚ー゚) ←ショックすぎて瞳孔が開いている

60 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:10:53.92 ID:+50H6Wmm0

(;゚ー゚) 「ダメ、だっただと……?」

なんで普段は実体あるくせに、こういう時だけ都合よく幽霊してるんだよ。

( ,,^Д^) 「まぁ、次があるさ」

( ,,^Д^) 「ギコ的にもドンマイだな。略してギコンマイwwwwwwwww」

(*゚ー゚) 「滅すぞ」

(;,,゚Д゚) 「すいませんでした」

(*゚ー゚) 「……はぁ」

もうどうしても服を着たギコ君を見ることはできないんだね。
残念すぎるよ。

( ,,゚Д゚) 「……」

うな垂れた私の肩を、ギコ君は優しく叩く。
俯けていた視線をそっと上げてみると。

61 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:13:05.50 ID:+50H6Wmm0



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        /ニ)l                          |(ニヽ
        |人|                          |へ|   
.        |( 7ヽ            ,,゚Д゚          |
        | |て|                        / )ソ|
        |ゞ、|                       /ノ イ
        >-、_)                        (_,/ |
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      ノ  :::::::|  ´"''‐ゝ、          /-‐'''´   |::::::.. .|


(*゚ー゚) 「うわきもい」

66 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:16:23.98 ID:+50H6Wmm0

( ,,゚Д゚) 「いいじゃんせっかくのクリスマスだし出かけようよー」

(*゚ー゚) 「誰が? 誰と?」

( ,,゚Д゚) 「しぃが俺と!」

(*゚ー゚) 「服を着れ」

( ,,;Д;) 「それだけはご勘弁を」

泣いて前転倒立をきめるギコ君。
もう、なんだか疲れたよ。

(*゚ー゚) 「もうどうでもいいや。良いよ。出かけよう」

( ,,゚Д゚) 「え? 全裸でも良い?」

(*゚ー゚) 「うん、どうでもいい」

( ,,゚Д゚) 「い、い、い……」

68 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:18:57.48 ID:+50H6Wmm0


        ┏┓                ┏┓         巛 ヽ.                     ┏┓      ┏┳┓
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  * | 〒  /⌒ヽ | 〒  ||| ,.へ´_|_ヽ  ,-r、,r/」  f  |||  ∧ ∧,.へ,    〒 ! /⌒ヽ 〒 !
     |  |  ( ,,゚Д゚)  |   人l ァ'`・ω・)〉/_ュヘ〈|7  | *   (゚∀゚ `ァ ノ +   |  | ( 个  ) |  |
 +  |  {  |   .|   {  .(__)、   ○〈_}ノ :   |  +  O    /:-一;:、 / /. |    | ./ /*
    ヽ ヽ |   .|.ヽ ヽ (___)  、 〈   く/ ヽ__,」 +    )   ミ;;★:;:;:;ミ/ /   |    |/ /
     ヽ  ヽ,, ´∀`) ヽ  ヽ ´∀`)__ノ ヽ__) /  ,ヘ   | __,, '´ ̄`ヽ__ (・ω・´/ /  (・∀・ / /
 ,.へ ■ヽ ヽ     ー、 ヽ     ー、     /  / |.  | ★((ハヾヽ,.べ, ミ三彡 f  ,-     f+
 l ァ'^▽^) i     ,rュ ', i     rュ ', |||  (   〈  .|  .|  ハ^ω^*`ァノュヘ    |  / ュヘ    |
 ヽ    ○.|    /{_〉,.へ∧ ∧{_〉  << \ ヽ .|  .|   O☆゙ _ノ_,} )   | 〈_} )   |
  |  、 〈 |    〈   l ァ';・∀・)        \ノ |_,,|   ノ´ ̄ゞ⌒'ーァ    ! |||  /    ! |||
||| l__ノ ヽ__)|   ,ヘ. ヽ  ヽ    ○ヽ  +    |__ノ|  )  `7゙(´〈`ー''´     |   /  ,ヘ  |   ガタタタン!!!!


(;゚ー゚) 「誰だこいつら!?」

(;゚ー゚) 「てかセンターお前じゃないのかよ!」

69 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:20:14.59 ID:+50H6Wmm0
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               〜そんなこんなで街中〜









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74 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:24:42.19 ID:+50H6Wmm0


( ,,゚Д゚)〜♪

(;゚ー゚) 「何? 何故なの?」

街中を全裸の男が歩いてるんだよ?
なのに何故?

( ,,゚Д゚)〜♪

何故誰もこの鼻歌交じりの全裸を見て驚かないの?

( ,,゚Д゚) 「それは幽霊だから〜♪ 周りからは見えないのさぁ〜♪」

幽霊なら陽気に歌いながら答えるなよ。

というか。

(;゚ー゚) 「何で私にだけ見えるんだよ……」

こんな全裸で勃起しながら歌いつつ街中を倒立で歩くギコ君の姿。
見たくなんかなかったよ。

78 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:29:41.98 ID:+50H6Wmm0

( ,,゚Д゚) 「あ、あそこ行こうぜ!」

(;゚ー゚) 「もうなんでもいいや」

ギコ君が指差したのは、電信柱。
どこにでもある、普通の電信柱。

(;,,゚Д゚) 「やべぇ、この電信柱ぱねぇ」

(;,,゚Д゚) 「すっげぇ灰色。これすっげぇ灰色だよこれ」

(;,,゚Д゚) 「マジテクいわぁ〜」

電信柱に脇をこすらせつつ、ギコ君のテンションが見る見る上がる。
もうなんかコレをギコ君って認識するのもいやだな。
煮干でいいかな。煮干で。

( ,,゚Д゚) 「あ、僕はギコですんで」

こんな時にだけいきなり自己主張するなよ。

79 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:32:41.79 ID:+50H6Wmm0
今日はクリスマス。
季節は冬。

(*゚ー゚) 「……はぁ」

冬だから当然日が暮れるのも早いわけで。

(#,,゚Д゚) 「お前マジどこ中よ? あ?」

何故かギコ君が電信柱にガンつけてる間にも、空は真っ暗になる。
ホーリーナイトだよ、ギコ君。

(;,,゚Д゚) 「え、マジで?」

( ,,;Д;) 「すいませんでしたぁ」

なんでそんな聖なる夜に、君は電信柱に負けてるの?
全裸で倒立しながら土下座って、すごい器用だね。

ギコ君。

82 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:38:33.05 ID:+50H6Wmm0
ギコ君……。

(*;ー;) 「うっ……」

本当は違うよね。
こんなところで電信柱に何時間も足を止められるようなクリスマスなんか望んでないよ。

綺麗なところでなくて良い。
高いご飯が出なくても良い。

ただ、ギコ君と二人で、あの安いアパートで。
安いお酒と安いケーキを二人でつついて。

(*;ー;)

それで、二人で笑えてただけでよかったんだ。

( ,,゚Д゚) 「しぃ……」

それが、私の何よりの願いだったんだ。
もしサンタがいるなら、元の二人の生活をプレゼントしてよ。
それだけでいいんだよ。

85 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:43:25.84 ID:+50H6Wmm0


(*;ー;) 「変なことばかり言っても良い! わけわからない行動をとっても良いよ!」

( ,,゚Д゚) 「……」

(*;ー;) 「だけど何で全裸なの? なんで死んでるの?」

(*;ー;) 「昨日の朝に戻りたい! あのギコ君にまた会いたいよ!」

( ,,゚Д゚) 「そんなに全裸が嫌か? 死んでるのが嫌か?」

(*;ー;) 「やだよ! 生きてて服を着てるギコ君がいいよ!」

真っ暗な空に、私のヒステリックな叫びが響く。
ギコ君の姿は周りの人には見えない。
だから、私が一人で喚いているように見えるんだろうな。

だけど、周りの人は私を見ることすらしない。

( ,,゚Д゚) 「だけどな、しぃ」

ギコ君が、生前の頃の声色に戻る。
その眼差しは、少し悲しみの色が滲んでいた。

(*;ー;) 「何?」

86 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:46:15.01 ID:+50H6Wmm0
( ,,゚Д゚) 「お前もずっと全裸だったぞ」



            /⌒丶         /⌒\
           /´    ヽ       /、   ヽ
           | /    |     /  /    |
       .    |     .|,___, | ,/ .    |
           |      |  *゚ー゚ヽ/ ノ    ,|   ……え?
       .    |     |     |      丿
           ノヽ`   ノヽ      `   /
          /   ,/ソ         \ /
         (       ,/    `´   |
          \   イ  ´         |
           \  ヽ \  ★ 八★ノ
             ヽ    ` ー ´人` /
              \     / ´,、ヽノ
             ノ⌒    /      |
            /            ノ_
            | ノ     ヽ    丿 \
         /⌒l |.          /     \
         /  l,丿 ,       ●     .  \
        |  /  ´      /⌒`l        \
       丿 /   ,     ./   ヽ   ヽ    |
      /  |,   |    /      )\      ヽ
      ヽ ノ    ヽ__,/      . (  _\_     |
      (_)__)|___,/          (__)_)_)ヽ、__/

89 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:47:57.88 ID:+50H6Wmm0
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               〜一方その頃〜










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92 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:53:20.52 ID:+50H6Wmm0

ξ;゚听)ξ「え、これって……?」

(;^ω^)「マジかお……」

ギコとしぃの新居の前に、私たちはいた。
昨夜しぃと別れてからも、ずっと私は彼女のことが心配だった。

そんな中、昼に私の携帯に知らない番号から着信が入っていた。
しぃの番号でも、ましてやギコの番号でもない。

留守電が入っていたので再生してみても、
ザー、という砂嵐のような音しか聞こえない。

嫌な予感がした。
そして、思わず私たちは彼らの新居に駆けつけたんだ。

ξ;゚听)ξ「何よこれ……」

(;^ω^)「トラックが家に突っ込んでるお」

嫌な予感は、当たってしまっていた。

94 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 21:58:33.92 ID:+50H6Wmm0
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               〜場面は戻って〜









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95 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:00:43.10 ID:+50H6Wmm0
(;゚ー゚) 「え? 何で私が全裸? え? え? いやいつから?」

( ,,゚Д゚) 「いやもう>>22のAAでは裸ですね」

(;゚ー゚) 「あれってデフォルメされたとかそういうんじゃなくて本当に裸だったの? えぇ?」

(;,,゚Д゚) 「全裸のしぃに着衣を強制されるときの恐怖ときたら」

(;゚ー゚) 「いやもうそういうの良いから! なんで私全裸なの?」

(;゚ー゚) 「てか全裸のカップルが歩いて騒がれないとかこの街スルースキルたけぇな!」

(;゚ー゚) 「いやそれもどうでもいい! だから何で私まで全裸なの!」

(;,,゚Д゚) 「いや、なんていうかその……」

ギコ君が言いづらそうに私のほうを見る。
いや、全裸であることをさらっと告げたんだからさ。
それ以上に何が言いづらいのさ。

( ,,゚Д゚) 「お前は、俺と一緒なんだよ」

97 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:04:31.88 ID:+50H6Wmm0
(*゚ー゚) 「ギコ君と……一緒?」

確かに私たちは今までの人生全て一緒だった。
生まれたときから、今日に至るまで。

でもたぶん、そういうことを言いたいわけじゃないんだと思う。

今、私は何がギコ君と一緒なんだろう。

まず、認めたくないけど全裸。
一緒に歩く道。一緒に過ごす時間。
他には、一緒の可能性があるとすれば。

他の人には見えていないのに、私にだけ見えるギコ君。
服は通り過ぎたのに、私だけ殴れたギコ君。
そして、泣き叫んだのに周りの人は私を見ていなかった。

それって、もしかして。

(*゚ー゚) 「死……」

( ,,゚Д゚) 「……」

98 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:08:29.97 ID:+50H6Wmm0



何も語らないギコ君。
だけど、その瞳はまっすぐで。

(*゚ー゚) 「そっか……」

色々と納得がいったよ。
そういえば、昨晩ギコ君何か言いかけてたよね。
たぶん、それを伝えたかったのかな。

伝えたくて、伝えられなくて。
それでギコ君、不器用だから変な行動しちゃっただけなのかな。

( ,,゚Д゚) 「いや、死んで社会のルールから解放されただけです」

マジかよ。

(*゚ー゚) 「でもさ、なんで私は服とか電話を持てたのかな?」

( ,,゚Д゚) 「それはポルターガイスト」

あぁ、あっさりと矛盾点を消し去ってくれるのね。
ご都合主義でありがとう、ギコ君。

100 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:15:07.91 ID:+50H6Wmm0

( ,,゚Д゚) 「お前が帰ってくるとき、ちょうどトラックが突っ込んできたんだ」

( ,,゚Д゚) 「感じなかったか? 前照灯の光と地響き?」

( ,,゚Д゚) 「ものすごい衝撃だった。なのにお前は平然と部屋に入ってきたんだ。全裸で」

( ,,゚Д゚) 「すぐにわかったよ。お前はトラックに巻き込まれて死んだんだって」

( ,,゚Д゚) 「ぶち抜かれた扉も、飛び散ったお前の体も、こっちの世界には関係ない」

( ,,゚Д゚) 「しぃ自身が気付かなければ、普段通りの家のままだ」

( ,,゚Д゚) 「だから俺はなかなか言えなかったよ。悪かった」

死んでまだ二日目だとは思えないほど、死後の世界についての博識ぶりを発揮するギコ君。
でも全裸で、勃起しながら。

(*゚ー゚) 「なんか本当に残念だな」

(*,,゚Д゚) 「あひん」

103 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:19:14.18 ID:+50H6Wmm0



(*^ー^) 「ふふっ」

(;,,゚Д゚) 「え……? また俺殴られるフラグ?」

なんだか、面白くなってきた。
本当に私たちはなんでも、いつでも一緒なんだね。

(*゚ー゚) 「ううん、なんでもない」

死後の世界だって、ギコ君は隣にいる。
かなり残念な感じになったけど、隣にいるんだ。

(*゚ー゚) 「ギコ君」

(*^ー^) 「メリークリスマス」

なんだか色々とあったけど、私も死んじゃってたけど。
それでも良い。
全てのもやもやが取っ払われて、すごい晴れやかな気分だ。

(;,,゚Д゚) (やべぇよ……。こいつ死んでるのわかった瞬間笑い出した……。こいつやべぇ……)

105 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:21:52.28 ID:+50H6Wmm0


(*^ー^)


私の始まりは、彼だった。

物心つく頃には、彼がいつも隣にいた。

隣にいることが、当然のことのようにすら感じていた。

彼が全裸になって。

私も全裸になって。

とにもかくにも、なんでもかんでも、私はいつも彼と一緒だった。

一緒にいることが必然だった。

生きてても死んでても、関係ない。

私の始まりが、彼ならば。

私の終わりだって、彼であるはずなんだから。


(;,,゚Д゚)

107 名前: ◆MDwirT8eZU 投稿日:2011/12/26(月) 22:27:00.99 ID:+50H6Wmm0
           
     (*゚ー゚) いつでも一緒のようです(゚Д゚,, )        〜おわり〜



                   _
                  / jjjj      _
                / タ       {!!! _ ヽ、
               ,/  ノ        ~ `、  \        _
               `、  `ヽ.            ノ      /  `j
                 \  `ヽ( ,,゚Д゚ )" .ノ/    /  /`ー'
    (*゚ー゚ )  ̄"⌒ヽ   `、ヽ.  ``Y"   r '      〈  `ヽ
   / ) ヽ' /    、 `、   i. 、   ¥   ノ       `、  ヽ
  γ  --‐ '      λ. ;    `、.` -‐´;`ー イ         〉    ´・ω)    ,-、、
  f   、   ヾ    /   )    i 彡 i ミ/         / ノ    ̄⌒ヽ   「  〉
  !  ノヽ、._, '`"/  _,. '"     }    {         ノ  ' L     `ヽ./  /
  |   ̄`ー-`ヽ 〈  < _ ヽ.    /     `\      / , '    ノ\  ´  /
   !、__,,,  l ,\_,ソ ノ   /   /ヽ、  ヽ.     (     ∠_   ヽ、_, '
       〈'_,/ /   /   /  ノ    ヽ.   )     i  、      ヽ
           | |  イ-、__  \  `ヽ    {   f  _,, ┘  「`ー-ァ   j
        l.__|   }_  l    \ \   |  i  f"     ノ   {  /
        _.|  .〔 l  l    ノ  _>  j  キ |  i⌒" ̄    /  /_
        〔___! '--'     <.,,_/~  〈   `、ヾ,,_」       i___,,」
                          `ー-‐'



(;゚ー゚) 「いや右のやつ誰だよ!」


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