ζ(  *ζ人の形をしているようです

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:06:07.14 ID:1quU7GYQO
私は昔から人形が好きだった。

幼い頃は、リカちゃん人形やバービー人形が好きだった。
しかし家にあるものはところどころ傷んでいたり、足の付け根やら腕の付け根やら
首から上やらがやたらと欠損していて、あまり状態が良いとはいえなかった。
今では古い骨董屋で見つけた日本人形やアンティーク・ドールは私の大のお気に入りだ。
見てくれこそ汚らしいが、その内に潜む輝きは新品のそれを遥かに凌駕している。
やはり本物の職人が造る作品には、たとえ人形でも、魂が込められているように思えた。

マトリョーシカも、良い。
あの独特な入れ子構造は、私の思春期特有の過敏な想像力を心地よく刺激した。
大きなものに、小さなものを入れる。それはまるで、赤ちゃんを包み込むお母さんのようだ。
では、そのお母さんを包み込むものは何か? それはまたそのお母さん? それともお父さん?
では赤ちゃんが包み込んでいるものは? 何もない? それとも見えないだけで何かを包んでいるのだろうか。
想像するのは、楽しかった。

知り合いの腹話術師から、つとむ君を借りたこともあった。特に感動はなかった。
「君はおしゃべりが上手だね」 でも、彼が私に反応することはなかった。きっと照れ屋さんなのだろう。
近所のお姉さんから、藁人形を借りたこともあった。どんな用途があるのかは、当時の私は知らなかった。
でもなんとなく怖い感じがしたので、私はあんまり好きになれなかった。
私はそんな風に、色々な人形を出会い、触れ合うのが大好きだった。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:07:45.11 ID:1quU7GYQO
私は小学校に入学して、六歳になった。
私のお母さんが、お兄さんに向かって、何かを話していた。楽しそうだったから、きっと良いことなのだろう。
お兄さんは、今度は私に話しかけてきた。

( ´_ゝ`)「今日からツンちゃんの担任になります、流石兄者といいます。よろしくね」

そう言って、頭をなでてくれた。頭をなでられるのは好きだ。
私は一気にそのお兄さんのことが好きになった。


それから私は毎日お兄さんを眺めた。
国語や算数や図工の時間も、ずっとお兄さんを見つめ続けた。
やがてお兄さんは私に気づいたらしく、たまににっこりと笑顔を見せてくれた。
その笑顔がとても嬉しかった。私は自分が一番かわいいと思える笑顔を作ってみせた。

放課後になって、私は毎日お兄さんのところへ通った。
「あ」が上手く書けなくて、相談しにいったら、お兄さんは優しく教えてくれた。
すぐにできるようになって、勉強がとても楽しくなった。
次に算数。わからないことは少なかったが、私はわざとわからないふりをして、教えてもらった。
お兄さんは私がとっくに理解しているところでも丁寧に教えてくれて、本当に本当に嬉しかった。
毎日学校にいくのが楽しかった。放課後が待ち遠しかった。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:09:27.09 ID:1quU7GYQO
そのうち、お兄さんが直接私のところへ遊びに来た。

( ´_ゝ`)「今度、ツンちゃんの家にお邪魔してもいいかな」

ある日、家に行くと、お兄さんがリビングで、お母さんと話していた。
楽しげに談笑しながら、私のことについて話しているみたいだった。
お兄さんが帰ったあと、私はお母さんにめいっぱい褒められた。
きっと、お兄さんが私の良いところを言ってくれたのだと思うと、お兄さんがとても愛おしく思えた。

それは家庭訪問というもので、教師側の義務であることが後にわかった。
だから私は聞いた。「えらいおじさんに行けって言われたから、私の家に来たの?」
するとお兄さんは、微笑みながら答えた。

( ´_ゝ`)「それもあるよ。でも、僕はツンちゃんの家にも行きたかったんだ。
      今度、お部屋を見せてくれるかな?」

私は満面の笑みでうなずいた。

( ´_ゝ`)「これはお母さんには内緒だよ。先生と、ツンちゃんだけの、約束」

その言葉が何よりも嬉しくて、私は絶対にお母さんには言わないと、心の中で固く誓った。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:10:35.35 ID:1quU7GYQO
当日が楽しみで仕方なく、夜も眠れない日が続いた。
ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも、宿題をしているときも、テレビを見ているときも、
ずっと、ずっと、ずっとお兄さんのことを考えていた。
考えれば考えるほど、お兄さんが私に近づいてくる気がして、ますます嬉しくなった。

お兄さんが家にくる予定の日の前日、私は告白した。
そのときの私は、恋愛感情に近かったものの、そのつもりであったわけではない。
単純に、当時の私の気持ちを、ただただ、純粋に、言葉として紡いだだけだった。
だから、緊張もしなかったし、辺りに人がいるにも関わらず大声で言った。

( ´_ゝ`)「こらこら、そんな大声で……」

周りからくすくすと笑い声が聞こえて来た。
でもその声には一切の不快感はなく、むしろ祝福のそれに近いものだったように思える。
顔を赤くして照れるお兄さんは、周りの人に身振り手振りをしながら何やら弁解をしていた。
よくわからなかったけど、みんなが笑顔になっていたから、きっと良いことなのだろう、と私は思った。

そして当日はやってきた。予定通り、お父さんは出張、お母さんは用事で出かけている。
私はお母さんに信頼されていたから、ひとりで留守番を任されていた。
待ちきれなくて電話をしようとすると、インターホンが鳴る。
ドアを開けると、お兄さんがいた。

( ´_ゝ`)「こんにちは、ツンちゃん」

お兄さんはいつものようなとびきりの笑顔を見せてくれた。
私は心から暖かくなるように感じた。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:11:45.97 ID:1quU7GYQO
部屋へ案内すると、お兄さんは感嘆の声をあげた。

( ´_ゝ`)「凄いお人形さんの数だね。全部ツンちゃんのかい?」

私はこくんと頷くと、その中でも特にお気に入りの、アンティーク・ドールをお兄さんに渡した。

( ´_ゝ`)「いいのかい? 触っても」

お兄さんになら、何を触られてもいい。私はそう思い、笑顔でうなずいた。

( ´_ゝ`)「へぇ、凄いなぁ。よくできてて……とってもきれいだよ」

私の大切なお人形を、優しく丁寧に扱ってくれるお兄さん。
気づくと、私はお兄さんに抱きついていた。
お兄さんの匂いが鼻腔いっぱいに広がって、幸せに包まれた。
お兄さんも、今までに一度も見せたことがないほどの笑顔を見せてくれた。
そして、痛いぐらいに私の体を抱き締めてくれた。
何秒も、何分もずっとずっと、そうしているうちに、お兄さんはすぐに家に帰った。
もしかして、何か気に障ったのだろうか? 嫌われたのだろうか? 私はとても不安になった。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:14:02.63 ID:1quU7GYQO
その不安は翌日にはすっかりと消えうせた。

今度は、私がお兄さんの家に行くことになった。
私は電車の乗り方がよくわからない。
だから、毎週日曜日、待ち合わせ場所でお兄さんの車がくるのを待った。
私はすぐに車に乗った。とてもきれいな車だった。きっと家もお金持ちなんだろう。
一般的にお金持ちといわれている私の家の車よりも、立派だった。
私は当然助手席に乗って、お兄さんの横顔をずっと見ていた。
凛凛しくて、格好良かった。

家に着くと、案の定そこは大きな家だった。
西洋風のうちとはまた少し違った、ログキャビン風の、どちらかといえばペンションのような家。
一度だけペンションに泊まったことがある私は、まるで旅行に来ているみたいで、気持ちが高揚した。
まるで、お兄さんと二人っきりで旅行をしているような気分だった。

私は家の中を一通り案内してもらった。
どこもホコリ一つなく、とても清潔だった。
最後にお兄さんが自分の部屋に案内してくれた。
初めて見るお兄さんの部屋。私ははしゃぎ、ベッドに飛び乗った。
きゃっきゃ、と騒いでいると、突然お兄さんは私に抱きついてきた。
私は嬉しくなり、顔を近づけてくるお兄さんに向かって口づけをした。
私は唇をぎゅっとつぐみ、お兄さんの唇に強引に押し当てた。

( ´_ゝ`)「違うよ、ツンちゃん。キスはね……」

お兄さんは舌で私の唇を器用に開いていった。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:15:06.23 ID:1quU7GYQO
長い口付けが終わったあと、私は暗い地下へと案内された。
豆電球が寂しく光を放ち、用途不明な物が乱雑に置かれている。何をする場所なのか見当もつかなかった。
でもそこにあるもので唯一知っているものがあった。それはカメラだった。

( ´_ゝ`)「そうそう。もうちょっと足を開いて……」

私はお兄さんに言われたとおり、服を脱いだ。
最後のパンティを脱ぐとき、お兄さんが手伝ってくれて嬉しかった。
少し恥ずかしかったけど、相手がお兄さんだと思うと、すごく楽しい気持ちになった。
現にお兄さんはすごく楽しんでいるようだった。お兄さんが楽しいことは私も楽しかった。
私はいろいろなポーズを指定され、それに従った。
できあがった写真を見ると、なんだか少し照れくさかった。
でもお兄さんは“二人だけの秘密”と言ってくれた。

それからひと月に一度、撮影会が行われることになった。
時には知らないおじさんが、カメラを持ってくることもあった。
私は少し怖かったけど、お兄さんが「大丈夫だよ」と言ってくれた。
でも、おじさんの言うことを素直に聞く気にはなれなかった。
私が信用できるのはお兄さんの言葉だけだったから。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:16:12.91 ID:1quU7GYQO
中学校に上がるころには、頻繁に家に行くことはできなくなっていたが、
それでも私はできる限りお兄さんの家に行くようにしていた。
撮影会はほとんど行われなかったが、代わりにお兄さんの部屋で遊ぶことが多くなった。

私は初めてお兄さんとエッチをしたときのことを覚えている。
膣に異物が入ることに関しては、それほど衝撃を受けなかった。
驚いたのは、お兄さんの表情だった。
恍惚とも甘美とも思えるような、それでいて強い怒気を含んだ複雑な表情。
喜怒哀楽の究極がその表情すべてに現れているように思えた。
かつてないほどお兄さんは喜んでいた。
お兄さんが喜ぶことを、私は喜んできた。
でも、そのときは何故か、私は喜べなかった。
少なくとも私が知る中で最も喜んでいたお兄さんを見て、私は喜べなかった。
湯気が出るかと思うほど火照った体を激しく揺り動かすお兄さん。
私の体と心の中に、お兄さんの淀みが溜まっていくのを感じた。
そしてその淀みは、野獣のような呻りと白い液体と共に爆発し、放出された。
私のお腹にかかったその白いねばねばとした液体を口に含む。熱い生命のほとばしりを感じた。
喉に絡み付いて引っかかるのと、予想以上に味が悪いのとを我慢して一気に飲み込んだ。
お兄さんはそれまでの表情とはうってかわって、とても弱弱しい表情で微笑んだ。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:17:51.98 ID:1quU7GYQO
高校にあがるころ、私はすっかりお兄さんの家には行かなくなった。
受験のことや、その他いろいろな問題が私の頭を悩ませていて、
お兄さんとじっくりと話をする機会が失われたためだった。
悩みの種は、妊娠したこと。
お兄さんとは三度セックスをした。
一度目は先ほどの、二度目はゴムをつけて行った。
二度目のセックスのあとはしばらく、お互いの大事なところを触ったり、舐めあったりしていただけだった。
でも、中学卒業間近のころ、お酒に酔っ払ったお兄さんは私を強引にベッドに押し倒した。
私は成すがままに、お兄さんを受け入れた。
それがいけなかった。
私は子を授かり、お兄さんは酷く落胆した。

でも日が経つにつれて、私は前向きに考えるようになった。
子を授かったのなら、産めばいい。
お兄さんの子供なのだから、大切に育てたい。
でもお兄さんのほうには不都合があったみたいで、頑なに出産を拒んだ。
直接口には出さなかったけど、子供を下ろすことを暗に訴えかけていた。

それだけは、できない。
私はマトリョーシカの人形を思い出した。
大きなものと、小さなもの。どちらが欠けてもいけなかった。
いくらお兄さんの頼みでも、それだけは聞けない。
私は強く拒んだ。
初めてお兄さんを否定した瞬間だった。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:20:38.60 ID:1quU7GYQO
すると、お兄さんはみるみるうちに顔が紅潮していった。
それは、今までに見せた歓喜による意味のものではないことを、私はすぐに理解した。

(#´_ゝ`)「……もう一度言ってみろ」

私は、子を産みたい。
そう言いかけた瞬間だった。

私は横に吹き飛ばされた。
正確には、私は殴られて、横に突き飛ばされた。

(#´_ゝ`)「ふざけるなよ、なあ、子供産むだって? そんな簡単に決めちゃっていいわけ? あぁ?」

お兄さんは夢に出て来る悪魔のような姿で、私に怒鳴りつけた。
糸を引いた口から、唾が飛び散る。私はそれを顔面で受け止める。
胸倉を掴まれながら、がくがくと前後左右に揺さぶられる。
体を持ち上げられると、そのまま食器のある戸棚にたたきつけられた。
上から食器が落ちてきて、私の頭を強く叩いた。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:23:10.83 ID:1quU7GYQO
お兄さんは私の服を乱暴に引きちぎり、私の秘部に指を入れた。

(#´_ゝ`)「ここから餓鬼を捻り出すだけでどれだけの金がかかると思ってるんだ?
      ん? 働いたことのないクソガキのてめえには想像もつかないかもしれねえがな。
      今まで散々いい思いをさせてきたのは誰だと思ってる?
      てめえは恩を仇で返すつもりか? なあ? ん? てめえはいつからそんな糞女に成り下がったんだ?
      また撮影会でも開くか? 今度はあんな小さいところじゃなく、もっと大きな会場に連れていってやるよ」

お兄さんは私の髪の毛を強引に掴み、引っ張る。
何度も、何度も、私の顔を引っぱたく。
煙草の火を手の甲に押し付けられてからは、ほとんど覚えていない。
ただ、ぼんやりと闇の中に浮かぶお兄さんの顔が、まるで別人のようだったことだけは、鮮明に記憶していた。

翌日、私は親に全てを話した。
いくら泣かれても、私はお兄さんの名前は明かさなかった。
ますますお母さんは泣いて、疲れ果てたら、寝た。
お父さんは何もいわなかった。まるで私など最初からいないかのように。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:24:20.71 ID:1quU7GYQO
無人の廃墟と化した我が家に、私はひとりぽつんと佇んでいた。
昔、ひとりで留守番をしていたときを思い出した。
インターホンが鳴った。
ドアを開けると、お兄さんがいた。

( ´_ゝ`)「こんばんは、ツン」

お兄さんは昔のようなとびきりの笑顔を見せてくれた。
私は心から暖かくなるように感じた。

( ´_ゝ`)「ようやく決心してくれたんだね」

部屋に案内すると、昔のように、にっこりと微笑んだ。

( ´_ゝ`)「前のことは、すまなかった。あのときは僕もどうかしていた。
      これからは、僕と君は一心同体だ。ともに歩んでいこう」

お兄さんがそう言いながら、ズボンを下げてあれを取り出した。
私はそれを口に含み、思い切り噛み潰した。
お兄さんは絶叫した。お腹の中にいる怪物が飛び出して来たかのようだった。
口いっぱいに広がる血と肉と精液の味。私はすぐにそれを吐き出した。
それからそっと家を出て、私はしばらく夜風に吹かれて散歩した。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:26:41.73 ID:1quU7GYQO
1時間ほど公園でのんびりしたあと、家に戻って来ると、
玄関先で血まみれになって倒れているお兄さんの姿があった。
ずるずると体を引きずってここまでたどり着いたのだろう。赤い線が向こうから伸びていた。
激痛と恐怖に歪み、泡を吹いた凄みのある顔も、露出した下半身のせいでなんだか可笑しなものに思えた。
私は部屋までお兄さんを引きずっていき、そのあと、玄関先の掃除をした。

掃除を終えたあと、私はお兄さんを部屋の真ん中に置いた。
酷く歪んだ顔を、なんとか元に戻す。昔のような、優しい表情に戻る。
私は家中のお人形をかき集めた。
思ったよりも少なく、手にいっぱい持てるか持てないか、程度しかなかった。
それらをお兄さんの周囲に並べた。
素敵だった。

完璧な人形は何かと、私は考えたことがある。
マネキン? こけし? だるま? ぬいぐるみ?
つとむ君? 藁人形? マトリョーシカ?
骨董屋で見つけた日本人形?
大のお気に入りのアンティーク・ドール?

どれも違う。
それらはいかに魂が込められていようと、所詮は人の手によって作られたもの。
完全なる人形は、やはり人間にしか成り得ないのだ。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/12/30(金) 23:28:09.52 ID:1quU7GYQO
私はお兄さんを見た。
当時のあの優しかったお兄さんの姿がそこにはあった。
声をかけようとしても、反応はない。それはまさしく私の求めていた人形そのものだ。
私はそっと人形を抱き締めた。
──私は気づいてしまった。
その瞬間、がっくりと私の腰は抜け、地面にへたりこんだ。
まるで何か見えない手によって動かされた操り人形の、糸が急に切れたように、私の精神は崩壊した。
その人形には、魂が込められていなかった。
それに気づいたとき、私は自然と涙を流していた。
それはお兄さんの形をしたただの抜け殻に過ぎなかった。
私はお人形さんの横に静かに横たわる。

かつて夢にまで見たお兄さんの横顔を、ちらりと見やり、微笑んだ。

26 名前: ◆udl6JPxrj2 投稿日:2011/12/30(金) 23:29:05.01 ID:1quU7GYQO
おわり


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