( ・∀・)ラストダンスを君とのようですζ( ー* ζ
- 1 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:41:13 ID:Wc5pGAcI0
- 「ねぇ聞いた?」
「うん聞いた聞いた!」
練習が終わった後、着替えを終わらせ帰ろうとした時そんな声が聞こえてきた。
- 2 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:42:13 ID:Wc5pGAcI0
- 練習が終わった後、着替えを終わらせ帰ろうとした時そんな声が聞こえてきた。
「あれからずっと出るんだってさ」
「本当なのかな~?」
「本当だって! 実際に見た人がいるんだって!」
「それがね~! やっぱりあの子だったんだって!」
「え~!? こわ~い!」
- 3 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:42:53 ID:Wc5pGAcI0
- 馬鹿らしいと思いその場を立ち去ろうとする。
そうしたら
_
( ゚∀゚)「おい! お前ら! もう閉めるからさっさと帰り支度しろ!」
今度はそんな声が聞こえてきた。
「え~でも先輩~噂を知ってるんですよね? だったらこのまま残って確認しましょうよ~」
大学生になってまで何を馬鹿な事を……
_
( ゚∀゚)「お前ら大学生になってまで何を言ってるんだ。もう子供じゃないんだから幽霊を見る為に閉める時間を遅くしてくださいなんて頼めるわけね~だろ」
_
( ゚∀゚)「分かったらさっさと帰れ!」
「え~でも、その噂の幽霊ってあの子なんですよ?」
「先輩とカップルを組んでいた…」
- 4 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:43:23 ID:Wc5pGAcI0
- _
( ∀ )「いいから帰れ」
声だけだったけど先輩から有無を言わせない雰囲気が出ていた。
「「は~い」」
話しの種になればいいとくらいしか考えてなかったのだろう。
特に抵抗もせずさっさと出て行ってしまった。
_
( ゚∀゚)「モララー」
僕も帰ろうとしていたのに先輩に呼び止められる。
( ・∀・)「何ですかジョルジュ先輩?」
_
( ゚∀゚)「ちょっと付き合え」
( ・∀・)「? はい」
先輩と一緒に鍵を返しに行き大学から出る。
- 5 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:44:41 ID:Wc5pGAcI0
- もう結構時間が遅いっていうのにまだジメジメと暑さが残っている。
まだ夏なんだよな……
それにしてもジョルジュ先輩、何か用があるのだろうか。
でもさっきから黙ったままで何も言ってこない。
どうしようか? 自分から話を切り出した方がいいのかな?
_
( ゚∀゚)「なあモララー」
( ・∀・)「はい」
ずっと黙ってた先輩が重々しく口を開いた。
_
( ゚∀゚)「なあ。あの噂って知ってるか?」
( ・∀・)「噂って…さっきあの子らが話してたっていう?」
_
( ゚∀゚)「ああ。それだ」
さっき話を振られたときは無理矢理切り上げてたのに……
( ・∀・)「それがどうしたんですか?」
_
( ゚∀゚)「ああ。それなんだがな」
- 6 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:45:22 ID:Wc5pGAcI0
_
( ∀ )「あの噂って本当なんだ」
(; ・∀・)「……は?」
- 7 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:46:04 ID:Wc5pGAcI0
- いきなり何を言い出すんだろうこの人は……
僕をからかっているのだろうか?
_
( ゚∀゚)「お前が驚くのもよくわかる」
(; ・∀・)「いやいや……なに言ってるんですか?」
(; ・∀・)「噂って幽霊が出るとかどうとかのよくあるやつですよね?」
この人は幽霊でも見たとでも言うつもりか?
_
( ゚∀゚)「でもな、その噂の幽霊ってデレなんだ」
( ・∀・)「え…」
( ・∀・)「でも…デレはもう…」
_
( ゚∀゚)「そうだ一ヶ月前に死んでいる」
( ・∀・)「そうですよ。そんな不謹慎な…」
_
( ゚∀゚)「でもな、俺は実際にあいつ……デレに会っている」
(; ・∀・)「そんな馬鹿な」
_
( ゚∀゚)「一目でわかったよあいつだってな」
( ・∀・)「そんな…」
.
- 8 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:46:31 ID:Wc5pGAcI0
- デレは僕が入ってる競技ダンスサークルの一員だった。
大学に入ったら何かサークルに入ってみようかなって考えてた僕だったがどれに入ろうか悩んでる時に大学に入ってから出来た友達が競技ダンスに興味があるから一緒に見学に行こうって誘われたのが始まりだった。
ダンスは全くやった事の無い僕だったけど、見学だけなら…という軽い気持ちで行ったんだ。
その時にジョルジュ先輩と………デレに会ったんだ。
ある程度話すようになった後に聞いたんだけどデレも僕と同じで友達に誘われて見学に行ったんだって。
見学に行った時は新入生にせっかく見学に来たんだからダンスを披露してくれたんだ。
その披露してくれた先輩が、ジョルジュ先輩と部長だったんだ。
その時はあまりの迫力に言葉も出なかったんだ。
その後先輩たちの強引な誘いに流されてそのまま入ってしまったんだけど……
僕はダンスなんてやった事が無かったから毎日が本当に大変だった。
ステップを覚えたり、姿勢を直したりで……
そんな素人ばかりの新入達の中でひと際目立っていた子がいたんだ。
それがデレだった。
- 9 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:46:56 ID:Wc5pGAcI0
- 彼女には華があり見る人を引き付けるって言うのかな。なんていうか彼女が踊ると目が離せなくなるんだ。
だからなのかな。彼女周りにはいつも人がいて誰でも笑顔になってったんだ。
デレにはダンスの才能があったのかもしれない。
僕が必至で覚えてた基本を一番早く覚えてしまい、一番最初に先輩と組んでダンス練習を始めたんだ。
その一緒に組んだ先輩ってが今僕の目の前にいるジョルジュ先輩。
先輩も大学からダンスを始めたらしいんだけど二年生なった頃は大会に出場するぐらいの実力者になってたらしい。
基本競技ダンスは男女ペアになってそのペアの事をカップルって言うんだけど、本当の恋人同士のように仲の良い二人だった。
みんなからは本当に恋人同士だろうって噂されてたっけ。
僕は専攻が一緒だったから少しずつ話すようになっていったんだ。
デレは一年生の時にはもうジョルジュ先輩と大会に出ることになったんだ。
その時は入賞は出来なかったけど、次は勝つって息巻いてたっけ。
それで練習にも付き合わされたんだよな。
なんでもジョルジュ先輩と僕の体の大きさとかが似ているから丁度いいんだって言ってたっけ。
でもデレに比べれば僕はまだまだ大した事なかったからよく足を踏んだりしちゃってたり迷惑ばっかりかけちゃって…
いつも謝ってる僕に"気にしてないよ。"って言って微笑んでくれてたっけ。
最近ではジョルジュ先輩よりも僕と練習している時間の方が多いんじゃないかってぐらい一緒にやってたっけ。
そうして僕もちょっとずつだけど上手くなっていったんだ。
- 10 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:47:19 ID:Wc5pGAcI0
僕はそんなデレの事が……
.
- 11 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:47:47 ID:Wc5pGAcI0
- それで僕らも二年生になって夏が来た時悲劇が起きたんだ。
彼女が大学に来る途中に事故に遭ったんだって。
よくあるよそ見運転ってやつさ。
信号無視をして突っ込んできたトラックにたまたま歩いてた彼女が巻き込まれたんだとさ。
大した出血は無かったんだけど打ち所が悪かったらしくてそのまま……
みんな泣いていた。
僕も泣いてたと思う。
ジョルジュ先輩も泣いてったけ。
そりゃそうだよね。カップルの片割れ兼恋人が急にいなくなったんだから。
それが一ヶ月程前の事だった。
- 12 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:48:11 ID:Wc5pGAcI0
- _
( ゚∀゚)「確かにあいつはもういない」
_
( ゚∀゚)「俺達全員で葬式にも出た」
_
( ゚∀゚)「あいつの棺が焼かれるのを見た」
_
( ∀ )「でも見間違うはずがない!」
_
( ∀ )「あいつは…あいつは体育館にいた」
(; ・∀・)「なんで、そんなところに…」
_
( ゚∀゚)「分からない。分からない…が」
_
( ゚∀゚)「あいつは誰かを待ってるように見えたんだ」
( ・∀・)「誰かってジョルジュ先輩じゃないんですか?」
普通に考えたら恋人を待っているものだと思うんだけど……
- 13 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:48:54 ID:Wc5pGAcI0
- _
( ゚∀゚)「いや。俺じゃなかった」
_
( ゚∀゚)「あいつは大会用のドレスを来てただ立っていたんだ」
_
( ゚∀゚)「まだ踊りたかったのかと思ってな。ダンスを申し込んでみたんだが……何も反応しなかったよ」
_
( ゚∀゚)「だから分かったんだ」
_
( ゚∀゚)「ああ。こいつが踊りたいのは俺じゃあないってな」
( ・∀・)「ジョルジュ先輩とじゃ…ない?」
( ・∀・)「だって他に適役がいないじゃないですか」
( ・∀・)「カップルを組んで、恋人同士だったんでしょう? 二人は」
そこで一旦会話が途切れた。
重苦しい沈黙があたりに流れる。
- 14 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:49:24 ID:Wc5pGAcI0
_
( ∀ )「モララー」
しばらく無言で歩いていると重苦しく搾り出すような声で沈黙を破ってくれた。
( ・∀・)「はい」
_
( ∀ )「みんな勘違いしてるが……」
_
( ゚∀゚)「俺とデレは恋人同士ではない」
(; ・∀・)「…え?」
誰もがお似合いだって言われてた二人だったのに?
_
( ゚∀゚)「俺達はプライベートではそんなに深い関係じゃあなかった」
_
( ゚∀゚)「第一に俺は……部長の事が好きなんだ」
( ・∀・)「え…」
_
( ゚∀゚)「デレもな、好きな人がいるって言ってたんだ」
( ∀ )「そう…だったんですか……」
( ∀ )「デレに好かれるなんて、羨ましい人がいたものですね」
_
( ゚∀゚)「そうだな…」
そこでまた会話が途切れてしまう。
それにしても二人が恋人同士じゃあなかっただなんて……
- 15 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:49:58 ID:Wc5pGAcI0
- _
( ゚∀゚)「本当はな、俺も言う気はなかったんだ」
_
( ゚∀゚)「でもな、デレの奴。次の大会は、俺とじゃなくてそいつと組みたいって言ってたんだ」
( ・∀・)「その…好きだったって人とですか?」
_
( ゚∀゚)「ああ。でもな、実力がない奴は大会には出せない。分かってるだろ?」
( ・∀・)「はい」
_
( ゚∀゚)「だからな、あいつ言ったんだ。"自分がそいつの練習に付き合って大会に出れるぐらいの実力を付けさせる"って」
_
( ゚∀゚)「俺もな、あいつの気持ちを知ってたから断る気にはならなかったよ」
_
( ゚∀゚)「好きな人とは一秒でも長く一緒にいたいって思うからな」
( ・∀・)「そんな……事が………」
_
( ゚∀゚)「もう…分かってるだろモララー?」
_
( ゚∀゚)「あいつが俺以外に一緒に練習していた奴なんて一人しかいなかったろ?」
そんな……
だって……
- 16 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:50:31 ID:Wc5pGAcI0
- _
( ∀ )「あいつが…デレが好きだったのは……」
( ∀ )「やめてください……」
今更知ったってどうにもならない真実。
今頃気が付いたってどうしようもない気持ち。
_
( ゚∀゚)「お前だったんだよモララー」
( ∀ )「そんな……そんな………!」
知らなかった。
知ろうともしなかった…
ずっと二人が恋人同士だと思ってたから…
僕が入り込む隙間なんて……
( ∀ )「今更知ったってどうしようもないですよ……!」
_
( ゚∀゚)「ああ。俺もそう思ってたんだ」
_
( ゚∀゚)「でも…でもな」
_
( ゚∀゚)「さっきも言ったが、あいつがあの場所に出るって聞いた時、ただ踊り足りないだけだ思って満足するまで付き合ってやろうって思って行ってみたんだ」
_
( ゚∀゚)「でもな一人だけ思い当たる奴がいたんだ。あいつが最後に踊りたいって思っただろうって奴が」
_
( ∀ )「モララー」
_
( ∀ )「頼む。行ってやってくれ。」
- 17 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:51:00 ID:Wc5pGAcI0
- _
( ゚∀゚)「あいつの顔を見たんだ」
_
( ∀ )「………見てしまったんだ」
_
( ゚∀゚)「悲しそうな顔をしてたよ」
_
( ゚∀゚)「ただただ悲しそうな顔をしてた」
_
( ゚∀゚)「あいつはいつも笑っていたのに。いくら練習が辛くても最後には笑っていたあいつが…だ」
_
( ∀ )「俺じゃ、あいつを笑顔にしてやれない」
_
( ∀ )「未練を晴らしてやれないんだ」
_
( ゚∀゚)「あいつの最後の願いを叶えてやってくれないか」
- 18 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:51:29 ID:Wc5pGAcI0
何も言えない。
何も言えなかった。
でも…先輩が嘘をついてるようには感じなかった。
……本当に待っているのは僕なのか?
………幽霊になってまで僕と踊りたいってのか?
- 19 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:52:36 ID:Wc5pGAcI0
- ( ∀ )「は…ははは……」
_
( ゚∀゚)「モララー?」
思わず渇いた笑い声をあげていた。
( ∀ )「ははは…馬鹿だなあ。僕」
( ∀ )「勝手に勘違いして、勝手に身を引いた気になって」
( ;∀;)「本当の気持ちも伝えられずに……」
_
( ゚∀゚)「モララー」
( ・∀・)「先輩」
_
( ゚∀゚)「どうした?」
( ・∀・)「すいません。ちょっと体育館に忘れ物したみたいなんで取りに行ってきます」
_
( ゚∀゚)「そうか」
( ・∀・)「はい。先輩は先に帰っていてください」
_
( ゚∀゚)「わかった」
- 20 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:53:09 ID:Wc5pGAcI0
- そう言って先輩とは逆方向に向かおうとしたら
_
( ゚∀゚)「ああ。モララー」
呼び止められた。
( ・∀・)「何ですか?」
_
( ゚∀゚)「俺のロッカーに新品の衣装がビニールに包まれてるんだ」
_
( ゚∀゚)「何かあったら使ってくれ」
( ・∀・)「……ありがとうございます」
それだけ言って走り始める。
今日は彼女がいないかもしれない。
本当は先輩が嘘を言ってたのかもしれない。
でも………もう一度……もう一度だけデレに。
- 21 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:53:33 ID:Wc5pGAcI0
大学に戻ってくる。
汗で纏わりつく服が鬱陶しい。
でもそんな事は気にしない。
忘れ物をしたと言い、非常に大切な物だと言って鍵を借りる。
体育館までまた走る。
息がきれる。
こんなんじゃあまともに踊れないかもしれない。
そんな事は関係ない。
体育館の鍵を開ける。
薄暗い中に入って行く。
デレは……!?
目を凝らし周囲を見渡す。
- 22 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:53:57 ID:Wc5pGAcI0
………いない。か。
.
- 23 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:55:10 ID:Wc5pGAcI0
- ( ∀ )「そりゃ…そうだよな」
当り前だよな。
所詮はただの噂なんだから。
でも、ただ…なんとなく、更衣室に入る。
ジョルジュ先輩のロッカーの前に立つ。
(; ・∀・)「しまった…」
普通ロッカーは鍵をかけてるだろ…
そんな事にも気が付かないのか僕は…
(; ・∀・)「開くわけないよな…」
ダメ元でロッカーに手をかける。
(; ・∀・)「え…?」
大した抵抗もなく開く。
そして中に入っているそれを見つける。
( ・∀・)「これが…」
先輩が言ってたようにビニールがけされている衣装一式が掛けてある。
( ・∀・)「これが…」
意味は無いとは思いながらも中身を取り出し着替える。
そして、着替え終わった後、更衣室から出てみる。
- 24 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:55:43 ID:Wc5pGAcI0
- ( ∀ )「何やってるんだろ僕…」
思わず俯いてしまう。
勝手に先輩の衣装を借りて、一人で踊るつもりかってんだ。
そしてなんとなく顔をあげるとそこには……
( ・∀・)「え……?」
今まで誰も着てるのを見た事が無いオレンジ色のドレスが見えた。
( ・∀・) 「……デレ?」
- 25 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:56:21 ID:Wc5pGAcI0
ζ( ー* ζ
悲しそうに俯いてる彼女の姿がそこにあった。
(; ・∀・)「デレ!!」
思わず声をあげながら彼女に駆け寄る。
でも彼女は何も反応しない。
(; ・∀・)「デレ…僕だよ! モララーだよ!!」
彼女の前に立って必死で声をかけるが反応してくれない。
( ・∀・)「デレ!!」
彼女の肩をつかもうとするが…
(; ・∀・)「うわっ!?」
すり抜けてしまい触ることすらできない。
- 26 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:57:04 ID:Wc5pGAcI0
- (; ・∀・)「そんな…」
今、君は目の前にいるのに…!
どうしたらいいんだ!?
デレのあんな悲しい顔を見ていたくない!!
その時デレの声が聞こえてた気がした
ζ(゚ー゚*ζ「モララー君。私をダンスを誘うときは"Shall We Dance?"って言ってね」
いつも練習に付き合わされる時に言わされてたんだ。
だったら!!!
- 27 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:58:38 ID:Wc5pGAcI0
( ・∀・)「デレ。Shall We Dance?」
ζ(゚、゚*ζ
- 28 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 19:59:05 ID:Wc5pGAcI0
- 僕の言葉が届いたのだろうか。
デレは顔をあげ僕の顔を見てくる。
今度は彼女の前に右手を差し出しもう一度言う。
- 29 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 20:00:17 ID:Wc5pGAcI0
( ・∀・)「Shall We Dance?」
ζ(^ー^*ζ
- 30 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 20:00:53 ID:Wc5pGAcI0
今度は届いたようだった。
笑顔になった彼女の右手がゆっくりと僕の手に重なる。
今度は触れる事が出来る。
その手を離さないようにしっかりと握りしめる。
- 31 名前: ◆bEtoll2Vds 投稿日:2017/08/19(土) 20:01:20 ID:Wc5pGAcI0
さあ。始めよう。
音楽も無い。観客もいない。他に一緒に踊る人もいない。
でもそんな最高の舞台で
僕と君との最高のペアで
ラスト
最後のダンスを君と。
(* ・∀・)ζ(^ー^*ζ
終
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