著:ラ・ファヴル
- 1 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:02:09 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
ギシギシと家がきしむ音で目が覚めた。
すっかり木の痛んだベッドから体を起こし、ドアを開ける。
ぎ、ぎ、ぎという音を立てて、ドアが開いた。
ここは、私の家。
廊下に出ると、コッチ、コッチと柱時計の振り子の音がした。
柱時計は廊下の中腹の、電話機の前に置かれている。
私は、そちらに歩き出した。
ここは、私の家。
向かって右側に、両親の部屋がある。
扉は閉まっている。
私は、電話機の前に立った。
電話機の横に両親の写真が飾られている。
電話機が鳴る気配はない。
コッチ、コッチと柱時計の音がする。
私は電話機を見ている。
ここは、私の家。
いつまで待っても電話機が鳴る気配がないので、私は廊下を歩き始めた。
廊下の突き当りにはドアが、その手前左側にはバスルームがある。
バスルームの扉は閉まっている。
コッチ、コッチと柱時計の音がする。
廊下の突き当りにたどりついたが、電話機は鳴らない。
私はドアを開けた。
- 2 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:05:15 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
ドアを開けると、廊下に出た。
向かって右側に扉があって、その中はマネキンの安置所になっている。
この部屋に入ることは、両親から禁止されている。
扉は閉まっている。
その向こうは私の部屋だ。
ここは、私の家。
歩くたびにギシギシと床がきしむ。
私は、私の部屋の前を通り過ぎた。
コッチ、コッチと柱時計の振り子の音がする。
柱時計は廊下の中腹の、電話機の前に置かれている。
私は、そちらに歩き出した。
ここは、私の家。
向かって右側に、両親の部屋がある。
扉は閉まっている。
私は、電話機の前に立った。
電話機の横に両親の写真が飾られている。
電話機が鳴る気配はない。
コッチ、コッチと柱時計の音がする。
私は電話機を見ている。
ここは、私の家。
しばらく待っても電話機が鳴る気配がないので、私は廊下を歩き始めた。
廊下の突き当りにはドアが、その手前左側にはバスルームがある。
バスルームのドアが、少し開いている。
コッチ、コッチと柱時計の音がする。
- 3 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:08:30 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
バスルームのドアを開ける。
切れかけの電球がちかちかと、薄汚れたタイルを照らしている。
古びた便器と、水垢で汚れた風呂桶。
ピチョン、ピチョンと水が落ちる音。
――誰もいない。
蛇口が壊れて緩くなっているため、水音は止まらない。
私はバスルームを出た。
ここは、私の家。
向かって左側のドアを開けると、廊下に出た。
右側に扉があって、その中はマネキンの安置所になっている。
この部屋に入ることは、両親から禁止されている。
扉は閉まっている。
その向こうは私の部屋だ。
メリメリと廊下がきしむ。
大分痛んでしまっている。
ここは、私の家。
私は、私の部屋の前を通り過ぎた。
コッチ、コッチと柱時計の振り子の音がする。
柱時計は廊下の中腹の、電話機の前に置かれている。
私は、そちらに歩き出そうとした。
ドンドンドンドン。
ふいに、後ろからドアを叩く、音。
私の部屋からではない。
音は、それより遠く――マネキンの安置所から聞こえる。
- 4 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:10:41 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
安置所の前に戻ってきた。
ドアは閉まっている。
鍵がかかっている。
先ほどの物音が嘘であるかのように、廊下には柱時計の音しかしない。
コッチコッチ、規則的に、継続的に。
部屋の鍵は両親が持っている。
私は再び電話機に向かって歩きだした。
ここは、私の家。
電話機の前で、私は電話機を眺める。
電話はかかってこない。
右側の両親の部屋からは物音は一切しない。
もう眠っているのだろう。
私はまた廊下を歩き始めた。
ここは、私の家。
ちらりとバスルームの扉を見た。
今度はちゃんと閉まっていた。
私は再び廊下の突き当りにあるドアに手をかけた。
- 5 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:14:37 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
みしり、と床が軋む。
床が濡れて腐っている。
ギーィギーィと軋む音が継続的に聞こえる。
まるで振り子の音のようだ。
ギーィギーィ、規則的に、継続的に。
向かって右側の扉が開いている。
ドアから飛び出すように倒れこんだマネキンの姿が見える。
ここは、私の家。
マネキンの安置所をのぞき込む。
チカチカと点滅する明かりの中で10体ほどのマネキンが、おのおのポーズをとっている。
マネキンは、両親が作ったものだ。
材料は、先の戦争で死んだ人々の遺体だと聞いている。
私はマネキンの安置所をあとにした。
ここは、私の家。
私は、私の部屋の前を通り過ぎた。
ギーィギーィという音は、廊下の中腹の電話機の前からする。
なにか、大きいものがぶら下がって、揺れているようだった。
私はその下に立つ。
”それ”は、私の母だった。
首にロープが巻かれていて、母は天井の梁からぶら下がっていた。
首が長くなっていた。
ギーィギーィという音とともに、母は左右に揺れている。
ポタポタと体液を垂らしながら右へ、左へ
ギーィギーィ
私は電話機の横に飾られている両親の写真を見た。
父の顔が破り取られていた。
- 6 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:20:33 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
左右に揺れる母の下で、私は電話機を眺める。
電話はかかってこない。
私は、腐った廊下を歩き出した。
ここは、私の家。
廊下の突き当りにはドアが、その手前左側にはバスルームがある。
バスルームの扉の下、その隙間から水が流れているのが見えた。
廊下が腐っているのは、どうもこの水が原因らしかった。
私はドアノブを回す。
ドアは鍵がかかっている。
父が入浴しているのだろう。
ここは、私の家。
私は突き当りのドアを開けた。
- 7 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:23:07 ID:Kt1keQ/U0
- ここは、私の家。
向かって右側のドアが開いている。
ドアの中をのぞき込む。
チカチカと点滅する明かりの中で10体ほどのマネキンが、おのおのポーズをとっている。
マネキンたちの真ん中で、父がいた。
じっとポーズをとったまま、マネキンのように動かない。
きっと気に入られたのだろう。
ここは、私の家。
ぼんやりとした明かりに照らされた廊下は、ドックドックと脈動している。
廊下の壁には太い血管が浮かび上がり、中を流れる血流が透けて見える。
廊下の中腹には天井からぶら下がった母がいて、その前に電話機がある。
私は電話機の前に立ち、眺める。
ジリリリリリリリリリ
ふいに電話機のベルが鳴った。
私は電話機をとり、言った。
「今度は、お父さんを独り占めしないでね」
相手は無言だった。
私は満足し、受話器を置くと自分の部屋に戻り、赤く汚れたベッドに入った。
ベッドは、父の匂いがした。
- 8 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:23:42 ID:Kt1keQ/U0
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- 9 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:24:16 ID:Kt1keQ/U0
『マイホーム』という表題の作品は、ここで終わっている。
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- 10 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 00:24:51 ID:Kt1keQ/U0
「赤い紙で窓を目張りせよ、さもなければ悪魔がやってくる」
――ラ・ファヴル
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- 14 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 21:20:27 ID:tO9OiOHI0
- そのリモコンが落ちてきたとき、これは天啓に違いないと私は思った。
「これは、なんという素晴らしいものだ!」
それの見た目は、どうみても一般的なテレビのリモコンのそれであったが、
私の目にはそのリモコンにしがみついた小さな悪魔の姿が見えた。
片目を失った醜い悪魔は、いやに赤くてらてらと光る唇をもって私にこう囁きかけてくるのだった。
「然るべきを成せ、然るべきを成せ、貴方様にはその権利が与えられる」
私は選ばれたのだと、そう思った。
悪魔に選ばれ、”然るべきこと”を与えられた私は素晴らしい人間なのだと感じた。
それは全身の血液が沸騰し、思わず叫び出したくなるほどの愉悦であった。
歓喜であった。
私はリモコンを取り、迷わずリビングに向かった。
リビングでは父と母がテレビを見ているところだった。
「思い通りにしなさい、貴方様の思う通りになさい」
手の中で悪魔が言った。
なんと素晴らしいことだろう! と私は思った。
この、どうにもならないと思っていた忌まわしき両親さえ、私の前ではもはや思うがままだというのか!
私は、両親にリモコンの先端を向けてボタンを押し、そして命じた。
「私の前に跪け!」
- 15 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 21:22:00 ID:tO9OiOHI0
- 両親は、きょとんとした顔で私を見た。
この息子は、ついにおかしくなってしまったのだと憐れむようでもあった。
私の中で羞恥の感情が生まれ、私はなんということをしてしまったのだ、
まったく恥ずべき行為だった、と両親に謝罪の言葉を述べようとした。
「その必要はない、その必要はない、貴方様はもはや何者にも詫びる必要など御座いません」
また、悪魔が言った。
そして、それは起きた。
相変わらず両親は私に向けて憐れんだ目を向けてくる。
しかし、そのまま両親は――まるでそれ自体に気づいてないとでもいうように――
腰かけたソファーから立ち上がり、私の目の前に跪いたのだ。
私は、胸にある感情が沸き上がるのを感じた。
それは例えようのない幸福感であった。
自分こそが全知全能の神であるかのような、そうなったかのような。
絶対感とでも呼ぶべきもの、それが私の胸のうちから湧き上がってくるのであった。
私は喜びの余り、両親の頭をリモコンをもって叩いた。
発狂したように、何度も、何度も。
気付けば私は笑っていた。
声を出して、笑っていた。
なんということだろう、永い間私を押さえつけていた両親を、私は今日ついに征服したのだ。
もはや何者も私のことを縛れはしない。
私は自由なのだ!
「何者にも詫びる必要など御座いません。何者にも頭を下げる必要も御座いません。
そして何者も、貴方様の思い通りになるでしょう」
- 16 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 21:28:53 ID:tO9OiOHI0
- 高らかに笑った私は、リモコンを両親に向けた。
「おい、何をするつもりだ、バカな真似はやめろ」
「やめてちょうだい、私の可愛い坊や、ねえ」
私は手始めに、両親に互いの衣服を脱がし合わせ、そして私の目の前で性交させた。
明かりの中に、醜く、皺の寄った老体がまぐわう姿はまったくもって滑稽であった。
緊張のせいか勃たぬものを、母の、脂肪の塊が醜く寄った太腿の間で振る父の姿。
ああ、なんと滑稽なことであろうか!!
かくも面白き喜劇が他にあるだろうか! 嗚呼!!
父が私に罵声を浴びせる。
お前など生むのではなかったといったような、そんな意味の言葉を思いつく限りの汚い修飾で私にぶつける。
母がわんわん泣いている、若さを失った、皺の寄ったような声でわんわんと獣のように。
それすら私の耳には心地よい、ポップスの音楽のようであった。
まったく愉快であった。
「貴方様、貴方様、全く満足されたでしょうか」
リモコンについた悪魔が言う。
「全く満足だ! いったいどうして君は、私にこんな楽しいことをさせてくれるのだろう」
「貴方様、貴方様、貴方様にそれをさせているのは、私めではない。それはあの方で御座います」
言われて悪魔が指さした方向に目を向けて、私は凍り付いた。
そこには私と同じリモコンを私に向けて下品に笑う、弟の姿が――
- 17 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 21:31:51 ID:tO9OiOHI0
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- 18 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 21:33:21 ID:tO9OiOHI0
『リモコン』という表題の作品は、ここで終わっている。
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- 19 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/19(土) 21:34:50 ID:tO9OiOHI0
- 51
「悪魔は片目を失っている。両の眼で世界を視る事を神に許されないからだ」
――ラ・ファヴル
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- 22 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:15:52 ID:cw0bas/U0
「書を読むということは、その内容に同調し、
やがては『それ』そのものに成り替わることに等しい」
――ラ・ファヴル
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- 23 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:18:07 ID:cw0bas/U0
- 葬儀は粛々と執り行われた。
父の入った棺桶を、私と母と弟と叔父で運んでいる。
シュコーシュコーとガスマスクごしに息をする音が、いやに耳についた。
私たちは皆ガスマスクをつけているのだから、それは当然だった。
ここから離れた墓場に、私たちは父の棺桶を運ぶ。
道端でばたり、ばたりと人が倒れていく。
私たちはそれを無視して道を進んで行く。
父は悪魔になってしまった。
酒ばかり飲んで、窓を赤い紙で目張りすることも怠けていたから、それは当然だった。
片目が腐り落ち、毒気を放ち始めた父を私と母が殺し、棺桶に詰めた。
弟がそれを見て愉快そうに笑っていた。
私たちは叔父を呼び、そして棺桶を運び始めた。
父の毒気に当てられぬよう、ガスマスクをつけて。
道行く人々が、父の毒気に当てられてばたりばたりと倒れていく。
嗚呼、なんと無意味で無意義な人生だろう!
たった一人の、ただの飲んだくれの死体によって命を奪われる連中の、なんと哀れなことだろう!
私はガスマスクの下で笑いながら、神に祈った。
嗚呼、主よ、この無意味な命たちを私と共に憐れみ給え!
道の向こうから、年端もいかない少女が花束をもって歩いてくる。
おそらくはこの葬列を見て、憐れみ、献花をしてくれる心づもりなのだろう。
殊勝な心掛けだ! 嗚呼、善意! なんと素晴らしく美しいものだろう!
私は少女を止めない、このガスマスクを見てなお、こちらに近づいてくるあいつが愚かなのだ。
- 24 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:20:09 ID:cw0bas/U0
- 少女は私たちの手前で足を止め、泡を噴いて苦しみ出した。
その綺麗な顔立ちが、醜く歪む瞬間の滑稽なこと!
倒れた少女が、叫ぶ
「お助けください、ああ、お願いです! 私をお助けください!」
最後に血を吐いて、少女は動かなくなった。
私たちはその死体を踏みにじって進もうとした、が、そこで弟が大きな声を上げた。
「嗚呼、なんと哀れな魂だ! 僕が救済しなくては!!」
弟は服を脱ぎ、少女の死体に駆け寄った。
「浄化! 僕が穢れた魂を浄化! 浄化するのだ!!」
少女の死体から下着を剥ぎ取り、弟は一心不乱にその昂った物を少女の秘部に打ち付ける。
「浄化! 浄化だ! 僕は善意からこの少女の魂を浄化している! 嗚呼、僕は素晴らしい人間だ!」
弟は数秒と経たぬ内に絶頂に達した。
そしてそのまま倒れ、動かなくなった。
父の毒気に当てられた人間に、自らの秘部を打ち付けたのだから、それは当然だった。
嗚呼、なんと愚かで可愛い我が弟! 可哀そうに!
私と母は棺桶を道端に置くと、弟の体を掴み、なお弟の物を咥えて離さぬ少女の身体を蹴って引き抜いた。
棺桶の蓋をとると、白い花に囲われた父の死体が姿を見せた。
私はそっと、その父の隣にガスマスクをつけている以外は裸の弟の身体を投げ込んだ。
- 25 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:22:18 ID:cw0bas/U0
- 葬列は進んだ。
人数は三人になり、重りは二倍になったが、まだなんとか進める距離だった。
道行く人が何人も何人も死んでいった。
何人も何人も何人も何人も……
「もうたくさんだ!」
前から年端のいかない男児がきたとき、叔父が叫んだ。
「全くお前たちときたらいかれている! 人の命をなんだと思っているんだ!!」
叔父は自らのガスマスクを取り、少年に駆け寄るとそれを被せた。
「義兄さんは悪魔になったといわれたが、お前たちこそ悪魔だ! この悪魔め!!」
私たちの方に向かって叫ぶ叔父。
私はガスマスクの下で、それを不思議そうに見ていたと思う。
一体この男は何を言っているのだろう、私たちは葬儀をしているのだ。
葬儀とは命を尊ぶ行為に他ならない。私たちは悪魔などではない。
悪魔になってしまったのは父の方だ。
「この悪魔め!!」
もう一度同じことを叫んで、叔父は事切れた。
苦しみ、泡を噴く哀れな最期だった。
私たちは棺桶を置き、怯えた様子の男児からガスマスクをはぎ取った。
これは我が家の物だ、返してもらわなければならない。
もがき苦しむ男児を道端に蹴やって、私たちは叔父の体を棺桶に入れた。
蓋は閉まらなくなってしまったが、仕方がない。
葬列は進んだ。
死体は三つ、人は二人。
葬儀は粛々と執り行われた。
- 26 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:23:15 ID:cw0bas/U0
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- 27 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:23:50 ID:cw0bas/U0
『ガスマスク葬列』という表題の作品は、ここで終わっている。
.
- 28 名前: ◆7sDC7O1MLw 投稿日:2017/08/20(日) 22:24:36 ID:cw0bas/U0
「我を受け入れよ、我は悪魔なり」
――ラ・ファヴル
.
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