('A`)は水没都市でトレジャーハントするようです [無断転載禁止]©2ch.net
1 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:16:53.705 ID:8Y0kmTeg0
この物語を書くにあたって私はいくつかのことを最初に説明して置かなければならない。
この世界に生きる君たちにとっては常識のようなものであるかもしれないが
この話を理解するためには頭に入れておく必要のあることだから目を通してくれると嬉しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:17:12.142 ID:8Y0kmTeg0
トレジャーハンター
ある人はトレジャーハンターを国の英雄と呼び
またある人は彼らを孤独な人たちだと言う。

ソウサク国の調査士によると、何百年も昔
かつてこの星のあらゆる権力の中心であった都市
『VIP』で発生した大爆発のようなものによって
人類は一度滅びたらしい。
その調査士は「人類を滅ぼした爆発は人類から歴史と科学を失わせた」と論文に記している。
にもかかわらず、何百年の時を経てその時の少数の生き残りから
再び人類がこの星の支配者となったのは
『アンティーク・ギア』と呼ばれるかつての人類が残した製造物達である。
その『アンティーク・ギア』を今は荒れ果てたかつて人類が住んでいた土地から回収する仕事
それがトレジャーハンターである。

現在、海によって隔てられた4つの大地の上に一つずつ、
トレジャーハントの成功によって一番栄えている東のファイナル国、以前は一番であった北のソウサク国、
農耕が基本で貧しい西のニイタ国、後述する『AA』と呼ばれる生物の輸出により他の国とは一線を画す南のQ国
が存在する。
これらの4つの国のパワーバランスはトレジャーハントにかかっている。
優れた『アンティーク・ギア』は優れた武器、道具、資源となり得た国の富となる。
故にトレジャーハンターは国の英雄と呼ばれる。
では、なぜトレジャーハンターは孤独な人達と言われるのだろうか
それは単純なことだ。
手柄がすべてのトレジャーハンターにとって敵国のトレジャーハンターであろうがなかろう
全てのトレジャーハンターが敵だからである。
そんなトレジャーハンターにも信頼できる存在はいる
それが歴史を求めて資料を探す調査士と、球形をした伸縮性のある体で物を体内に保存できる生物であるAAだ。
※AAの底面には極小の足が大量に付いており、移動の素早さと優れた耐重量性を実現している。
基本的にトレジャーハンターは調査士とAAと共にパーティーを組んで行動する。
ちなみにAAは個体によって容量や意思の疎通の可否が異なる。夜行性で暗くでも目がよく見えるらしい。

以上で説明は終わりである。
それではこれから物語を始めたいと思う。

3 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:17:25.259 ID:8Y0kmTeg0
('A`)は水没都市でトレジャーハントするようです


7 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:21:43.488 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「これがVIPか!」

川 ゚ -゚)「だな」

(・∀・)「フットブ-、タカイノコワイー」


ttp://i.imgur.com/FBQRGmJ.jpg



青い空
白い雲
吹きつく風
水に沈んだ街
コアと呼ばれる紫に変色した空間

崖の上からかつて世界の中心であったVIPを見下ろす彼らは
ファイナル国所属のパーティーであるトレジャーハンターのドクオ、調査士のクール、AAのジエンだ。


('A`)「遂に来たんだな……」

8 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:22:09.926 ID:8Y0kmTeg0
ドクオにとってVIPは憧れの地であり、因縁の地でもある。
ドクオには師匠がいた。
昔ファイナル国は貧しかった。
痩せた土地の多いファイナル国ではニイタ国の様に農耕をすることもできず
飢えで死ぬ人があとを絶たなかった。
そんなファイナル国でドクオは親を亡くし孤児になった。
そんなドクオを拾い育ててくれたのが
その後数々の優れた『アンティーク・ギア』を回収しファイナル国を豊かにした
伝説のトレジャーハンターであるモナー、ドクオの師匠だ。
そんな師匠はある日、ドクオともう一人の弟子を残してVIPのコアに向かった。
コアは世界の中心であったVIPの更に中心、そこから人類の滅亡を引き起こした爆発の発生点と言われている。
噂では、世界を統べるほどの兵器が埋まっているだとか、そこに行けば歴史の全てが解明されるだとか、
宇宙人の卵が眠っているだとか言われている。
その全てが噂のままであるのは誰ひとりとしてコアから生きて帰った人がいないからである、ドクオの師匠でさえも……。
だからドクオはVIPを……コアを目指さなくてはなかった。
己の名声のために……師匠の無念を晴らすために。

9 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:22:45.853 ID:8Y0kmTeg0
川 ゚ -゚)「本当に行くのか?コアに」

('A`)「怖くなったか?」

川 ゚ -゚)「まさか。ワクワクしているさ」

('A`)「へ、心強いぜ」

(・∀・)「コエーヨチクショウ」

('A`)「ジエンなんか言ったか?」

(・∀・)「ナニモイッテナイッス」

川 ゚ -゚)「とりあえずどうやって下に降りるかだが……」

('A`)「そりゃあもちろんんんんんんんんん!???????」


言いかけたドクオに向かって巨大な水の玉が襲い掛かってくる。

10 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:23:05.821 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「あの野郎先に着いてやがったな」

川 ゚ -゚)「言ってる場合か」

(・∀・)「シヌ!シヌウウウ!」

('A`)「クー、俺に掴まれ!ジエンは力を借りるぜ」

川 ゚ -゚)「結局か……」ガシッ

(・∀・)「フギャア!」グチャ

('A`)「飛び降りろ!!!!!」

('A`)川 ゚ -゚)(・∀・)「「「うわああああああああああああああああああああああああ」」」


落ちるドクオ達
頭上で掴んだジエンが空気の抵抗で伸びて膜になリパラシュートのようになって地面に落下する


('A`)「いてて」

川 ゚ -゚)「毎回この降り方はやめてくれと言っているじゃないか」

('A`)「水の玉が飛んできたんだからしょうがないだろ?」


砂を払いながら怒るクールに悪びれる様子もないドクオ
いつものことだ。

11 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:23:31.945 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「そうだ、水の玉だ」

川 ゚ -゚)「それも毎回だな」

(・∀・)「ゼッタイジョルジュ!」

('A`)「まあ、あのストーカー野郎だろうな」

川 ゚ -゚)「そろそろ来るか?」

('A`)「よし、ジエン。その辺の岩を食え」

(・∀・)「ギャクタイ!ヒドイ!」


そう言いながらも岩を食う、というか丸呑みにするジエン
ちょうど岩の分だけ体が大きくなる


('A`)「よし、装填完了」

川 ゚ -゚)「つくづく酷い弟だよ……」

12 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:23:58.881 ID:8Y0kmTeg0
( ゚∀゚)「おーい、聞こえるかー!」


噂の男ジョルジュが叫ぶ。


∬´_ゝ`)「うるさいわね」

( ゚∀゚)「姉者さん、これは仕方ない事なんですよ!」

<_プー゚)フ「ウププ」タプン


うざそうに言う姉者とブクブクに膨らんだエクスト
彼らもファイナル国のパーティー


( ゚∀゚)「良い子は回れ右してお家でパンガシウスの蒲焼きでも食べていなさい!」

( ゚∀゚)「お兄さんドクオくんがこのままトレジャーハントを続けるなら撃っちゃうぞ〜!次は当てちゃうぞ〜!」

('A`)「さっきも当てる気マンマンだっただろ!」

( ゚∀゚)「トレジャーハントなんて危ないぞ〜!」


水を大量に『保存』した飛行型AAのエクストを構えながら言う兄弟子ジョルジュ

13 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:24:25.180 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「まずお前が危ないんだよ!!!」

( ゚∀゚)「言っても聞かないなら実力行使するまでよ!撃てーーーー-!」

('A`)「そっちがその気なら……撃て、ジエン!」


同時に保存状態を解かれ放たれる2つの弾丸


( ゚∀゚)「やったか?」

ちゅどーん

( ゚∀゚)「あ〜〜〜〜〜れ〜ーーーーーー」


直撃して吹っ飛ぶジョルジュとエクスト


川 ゚ -゚)「そりゃそうだ」

('A`)「水で岩に勝てるわけ無いだろ」

∬´_ゝ`)「毎回毎回うちのジョルジュが迷惑かけてすまないね」

('A`)「過保護すぎなんだよな」

14 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:24:52.630 ID:8Y0kmTeg0
師匠のもとで一緒に育った兄弟子のジョルジュ
トレジャーハンターの資格を持ちつつも普通に役人に就職したジョルジュだったが
ドクオがトレジャーハンターになると知った日の義兄弟喧嘩以来
自身もトレジャーハンターになりドクオに付き纏うようになった。
師匠がコアから帰って来なかったトラウマから来る行動だというのはドクオにも分かる。
ただドクオにとってその気持ちは鬱陶しいものでしかなかい。


川 ゚ -゚)「にしてもやりすぎだぞ」

('A`)「あれくらいでちょうどいいんだよ。どうせ死んでないだろ」

∬´_ゝ`)「こっちも似たようなのに付きまとわれてるからね……同情するわ」

<あ!いたぞーーー

∬´_ゝ`)「げ、噂をすればじゃないこっちは逃げつつジョルジュたちをサルベージするわ、あとは任せたわよ」


そう言って姉者は『アンティーク・ギア』の一つである光合成マスクをして海中へと消えた。
※光合成マスクは口を覆うマスクとそこから伸びるホースで繋がれたプレートで構成され、藻の様に水中で酸素を作り出す。

15 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:25:30.516 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「さーて、俺らもコアに向かうとしますか」

川 ゚ -゚)「そうだな」

(・∀・)「イクゼ!」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「そうはさせねえ」」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「お前ら姉者をどこに消した」」

('A`)「はあ?」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「その紋章はファイナル国のだな?」」

川 ゚ -゚)「あいつらはソウサク国っぽいな」

( ´_ゝ`)「そう、俺がソウサク国のトレジャーハンター、兄者」

(´<_` )「俺が調査士の弟者だ。そしてコイツがAAの芋者」

l从・∀・ノ!リ人「ポテイトォ」

16 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:25:54.056 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「俺達は暇じゃないんだ、帰ってくれないか」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「それはできないな」」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「ファイナル国は俺達から富と姉者を奪った悪逆非道の国……生かしてはおけん」」


そう言いながら彼らのAA、兄者の肩に乗る芋者からポテイトォという掛け声と共にナイフを受け取った二人がドクオ達へと掛ける。


('A`)「そっちがその気なら応戦するぞ」

川 ゚ -゚)「しかたないな」


ドクオの武器はゴム紐に野球ボール大のゴム球が付いたモーニングスター。
名前は差牙魅オリジナル!
クーの武器はレーザーガンだ。
一方ジエンは遠くに避難した。

17 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:26:14.247 ID:8Y0kmTeg0
( ´_ゝ`)「ゴム球は雑魚だ、女からやるぞ」

(´<_` )「おう」

('A`)「クーわかってるな」

川 ゚ -゚)「ああ」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「ふんっ」」


掛け声と共に兄者と弟者はクーの前に立つドクオを回り込んで斬りかかろうとする



('A`)「片方が打たれても片方が斬れるって戦略かぁ?させねーよ」


ドクオは差牙魅オリジナルを振り回し右の弟者の腰にゴムを巻き付ける。


(´<_` )「なんだ?」

('A`)「おらよ」


ドクオはそのまま差牙魅オリジナルを振り回し弟者ごと兄者にぶつけようとする。
しかし異変を察知した兄者は姿勢を低くしてやり過ごす。

18 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:26:37.707 ID:8Y0kmTeg0
川 ゚ -゚)「私を忘れるなよ」


クーが後ろに下がりながらビームガンを撃つ。
それを兄者の肩の芋者が口から芋をマシンガンの様に飛ばしながらやり過ごしつつ追撃する。
腕を前に組んで芋に耐えるクーに距離を詰めようとする兄者
その後ろからドクオの二週目が襲いかかる。


(´<_` )「兄者、よけろ!」

( ´_ゝ`)「忠告ご無用だ。助けるぞ弟者!」


ちょうど差牙魅オリジナルの紐の部分にナイフが当たるように立てる兄者


(´<_` )「やめろ!そのゴムは切れない」

('A`)「そうだ、このゴムは師匠が発見した『アンティーク・ギア』のドームコン、耐久性が段違いなんだよ」

( ´_ゝ`)「なに?」

('A`)「くらいやがれ」

19 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:27:10.030 ID:8Y0kmTeg0
差牙魅オリジナルはナイフに当たったあと切れずにそのままナイフに巻き付き先に付いた弟者が兄者に襲いかかる。
兄者は身を反らしてそれを避ける
だがしかしリーチの長い足側によって芋者は蹴り飛ばされる。


( ´_ゝ`)「芋者っ」

川 ゚ -゚)「ペットを気にしている場合かな?」


ナイフの周りを何周も回る弟者によって身動きの取れない兄者をクーのレーザーガンが狙う
兄者はナイフを捨てそれを避けようとするが間に合わない。
終わった……。
兄者がそう思った時、目の前を遮るものがあった。
芋者だ


l从>∀<ノ!リ人「ポポポポポテイトォ」


レーザーガンの盾となり電流をその小さな体で受け止めた芋者の断末魔が木霊する


( ´_ゝ`)「芋者あああああああああああああああああああああああああああああ」

川 ゚ -゚)「安心しろ、気絶ですむくらいの出力にしてある……って聞いてる余裕が無いか」

('A`)「終わりだ」

20 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:27:29.105 ID:8Y0kmTeg0
ナイフに巻き付いたまま振り回される差牙魅オリジナルwith弟者の三週目が叫ぶ兄者に襲いかかる
なんとか避けようとする兄者の足にいつの間にかジエンがしがみついる



( ´_ゝ`)(´<_` )「「うわあああああああああああああああああああああああああああああああ」」


ごちーーーーーーーん


盛大に頭同士をぶつけ倒れる二人

21 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:27:52.132 ID:8Y0kmTeg0
川 ゚ -゚)「うわあ、痛そう」

('A`)「これは気絶したな」

川 ゚ -゚)「のようだな」

(・∀・)「オレノカツヤク」

('A`)「いなくても勝てた」

(・∀・)「ソンナー」

川 ゚ -゚)「ああ、いなくても勝てたな」

(・∀・)「ユルセン」

('A`)「はいはいジエンくんありがとう」

(・∀・)「ウレシクネ−」

('A`)「さっさとコアに向けて出発するぞ」

(・∀・)「ホメルマデウゴカン」

('A`)「うるせぇ!行こう!」ドン

川 ゚ -゚)「感動する」

(・∀・)「シネーヨ」

('A`)「とにかく、コアに向かうから準備してくれ」

(・∀・)「チッ」


舌打ちしながらもジエンはドクオとクーを容量いっぱいの空気と共に『保存』する。
するとジエンは潜水艇の様になる。

22 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:28:09.952 ID:8Y0kmTeg0
('A`)「何回入ってもこの感じには慣れないな」

川 ゚ -゚)「全くだ」


今ドクオ達が入っているのはジエンの胃
ドクオ達は巨大な空間の中でジエンに命令し少しずつ口から空気を放出させることによって水中を移動することができる。
しかし当然このままでは外の景色を見ることはできない為命令のしようが無い。
そこで活躍するのがドクオがラウンジ遺跡内の研究所跡らしき場所で発見した『アンティーク・ギア』である感覚コネクトプラグ、
線の両側に+極と-極のクリップが付いており+極側に挟まれた生物の視覚、嗅覚、痛覚といった感覚を
-極側に挟まれた生物へと共有させることができる物である。
これを使ってジエンの感覚を共有する。
※ちなみに『アンティーク・ギア』の名称は発見者が自由に決めることができる。

23 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:28:44.983 ID:YbWMtO2Dr
('A`)川 ゚ -゚)「「コネクト!」」


耳たぶにプラグを接続した瞬間ドクオ達には青い海や底に沈む建物、泳ぐ魚や太陽に暖められた水の温かさ、
何かに挟まれて痛む胃といった様々な感覚が飛び込んでくる。


('A`)「おい、見ろよクー!やっぱりVIPの海はすげぇぞ」


ジエンの視界だけでも海の底に沈んだ『アンティーク・ギア』がいくつも見える。
今もなおゆっくりと自走し続ける謎のキャタピラ、大量の穴とつまみ弦とスピーカーの付いた楽器のようなもの、
海底から10センチ位浮いた三角形の板に2本のレバーと椅子の付いたもの……etc


('A`)「ちょっと寄って行こうぜ」

川 ゚ -゚)「こんなところで油を売ってる暇があるのか?」

('A`)「絶対あの三角の板とか飛ぶ乗り物だぜ、行くしか無いだろ」

川 ゚ -゚)「こうなると止まらないよな……」

('A`)「ジエン、頼んだ」

(・∀・)「アイヨ」

24 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:29:11.224 ID:YbWMtO2Dr
海底に近寄ったジエンは、ドクオ曰く飛ぶ乗り物の板やボタンの付いた棒、何かが入っていそうな瓶、
へんてこな形のロボットと次々に『保存』していく。


('A`)「さて、吟味しますかな」


そう言うとドクオはプラグを外しポケットからライトを取り出す。
使える『アンティーク・ギア』かそうでないかを見分けるのだ。


('A`)「は?この板浮かなくなってるじゃん……使えねえ」

川 ゚ -゚)「VIPの上でしか使えないとかじゃないか?」

('A`)「かもしれないな。『ツ・カエネー』と名付けよう」

川 ゚ -゚)「もっと乗り物って分かるような名前がいいんじゃないか?」

('A`)「良いんだよこれで」



ジエンはスイスイとコアに向かって進んでいく。
吟味するドクオ、見張るクール、進むジエン
このまま何事もなくコアへとたどり着くかと思ったがそうは行かない。

25 名前:連投規制1 ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:29:43.494 ID:YbWMtO2Dr
川 ゚ -゚)「痛ッ」

(・∀・)「イテッ」

('A`)「なんだ?」


痛みを訴えるクールとジエンの声を聞いてドクオが再びジエンと感覚を共有すると
後頭部に刃物が掠ったような痛みが襲う。
この潜水艇(ジエン)は空気を容量いっぱいに保存するため大きく、目立ち、的になる。
そこをつかれた。


川 ゚ -゚)「ジエン、後ろを見ろ」


ジエンが振り返ると後ろには木製のボートが海上に浮かんでいる。


('A`)「あれか?」

川 ゚ -゚)「おそらくな」


ボートからは第二波、第三波とナイフのような物が放たれる。
そしてその全てが見当違いの方向へと飛んでいく。


('A`)「遊んでんのか?」

川 ゚ -゚)「とりあえず浮上して敵を確認だ」

(・∀・)「リョウカイ」


ジエンは一気に空気を下に向かって放出し海上へ浮上する。

ザパーーーン

26 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:30:11.893 ID:YbWMtO2Dr
ジャンプをするクジラの様に海から飛び出したジエン
水面を見下ろすとボートの上では呆れる光景が繰り広げられていた。


( ^ω^)「どうしてツンはあんな大きな的にすら当てられないんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「だって当たらないんだから仕方ないでしょ」


ジエンのジャンプによって立てられた水しぶきを被りながら喧嘩をするナイフを構えた女とオールを持つ男


('A`)「お前ら何喧嘩してんだって言え」

(・∀・)「オマエラナニケンカシテンダ」

ξ゚⊿゚)ξ「何よ、うるさいわね」


ナイフを構えた女の意識がこちらに戻る。

27 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:30:36.118 ID:YbWMtO2Dr
ξ゚⊿゚)ξ「あ!あんたはアタシ達の歯車王を盗んだAAね」

('A`)「盗んだ?って聞き返せ」

(・∀・)「ヌスンダ?」

ξ゚⊿゚)ξ「そう!盗んだのよ!見たんだから」

( ^ω^)「そうだお」

川 ゚ -゚)「こいつらは何を言っているんだ?」

('A`)「さあ?」

ξ゚⊿゚)ξ「アタシはニイタ国のトレジャーハンターツンデレよ」

( ^ω^)「僕は調査士のブーンだお」

ξ゚⊿゚)ξ「痛い目に会いたくなければ返しなさい!」

川 ゚ -゚)「そもそも盗んだ覚えが無いぞ」

ξ゚⊿゚)ξ「くらいなさい」


ツンがナイフを投げる。
明後日の方向に飛ぶ。

29 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:37:43.573 ID:5CjEl8x70
( ^ω^)「ドヘタだお」

ξ゚⊿゚)ξ「何よ、今のはたまたまよ」

('A`)「もうなんなんだよ」


呆れるドクオ達


<見つけたぞおおおおおおおお


突如響く大声


( ゚∀゚)「次こそお家に帰らせてやるぞ」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「テメエ−はまず姉者を返しやがれ」」

∬´_ゝ`)「私はジョルジュに助けられたあの日から彼に着いていくって決めたの」

ξ゚⊿゚)ξ「なによ、なんなのよ」

( ^ω^)「ツン!デタラメにナイフを投げないでくれお」

('A`)「本当にもう何なんだよ」

川 ゚ -゚)「さっきの大ジャンプで悪目立ちをしてしまったようだな」

('A`)「冷静に分析してる場合か!面倒だから逃げるぞ」


ジエンはまた空気をいっぱいにし全て放出して遠くへ潜り去る。


( ゚∀゚)( ´_ゝ`)∬´_ゝ`)(´<_` )l从・∀・ノ!リ人<_プー゚)フξ゚⊿゚)ξ( ^ω^)
「「「「「「「「にげやがった〜ーーーーーー」」」」」」」」」


残された者たちは叫び、少ししてそれぞれの目的を思い出し……



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

30 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:38:11.546 ID:5CjEl8x70
一方コアへと向かうドクオ達
喧騒から開放され空気を補充しスイスイと進む。
しばらくして突然前方の海が紫に濁る


川 ゚ -゚)「なんかさっきから水が冷たくなってないか」

('A`)「コアに近づいたからか?」

(・∀・)「コワイ」

川 ゚ -゚)「あれに入るのか」


紫の濁りはすぐ目の前に迫っている。


('A`)「遂に……」

川 ゚ -゚)「コア……」


3……2……1……


(・∀・)「トツニュウ!」


一気に空気を吐いて濁りに突っ込む。
濁りが深くて何も視認できない。
ただ前に進んでいる、その感覚があるのみだ。
進んでも進んでも闇
いくら進んでも光は見えない



見渡す限り闇
でも確かにジエンは前へと進み続ける
ただ永遠のような闇の中をひたすら
前へ
前へ
進み続けるジエン……

34 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:44:10.764 ID:5CjEl8x70
とても長かったようで短い時間
それが不意に終わった。

35 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:44:47.959 ID:PtIx48rRr
濁りが晴れ、開ける視界。
ドクオ達は眼の前の景色に身震いした。

36 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:45:18.602 ID:5CjEl8x70
そこには
周囲に光を撒き散らす
巨大で機械的な見た目の建物がそびえ立っていた。

37 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:45:57.488 ID:pfquAMCar
('A`)「海中の建造物。これが……コアの中身か」

川 ゚ -゚)「ああ、そのようだな」

(・∀・)「ナカニハイルカ?」

('A`)「ああ、もちろんだ」

川 ゚ -゚)「入り口は……あれか」


塔には半開きになった扉があった。

38 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:46:25.826 ID:pfquAMCar
('A`)「あそこだジエン」

川 ゚ -゚)「待て」

('A`)「どうした?」

川 ゚ -゚)「中に入ったところで空気は持つのか?ジエンもだいぶ小さくなってるぞ」

('A`)「たしかにそうだな、でも上を見てみろよ」


建物の上空
そこには禍々しい濁り


川 ゚ -゚)「息継ぎ……とは行きそうにないな」

('A`)「そういうことだ、行き当たりばったりしかねーよ」

川 ゚ -゚)「ふふ、いつもそうだな」

(・∀・)「ワライゴトジャネー」


ツッコみながらも半開きの扉へと突っ込むジエン

40 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:47:22.675 ID:lFT9L7xN0
建物は外と同じくライトの光で明るく
入るとすぐに水が無くなって陸になっており
前方には壁があり入り口の様な大きな穴が空いている。


川 ゚ -゚)「海中なのに水が無いのはどういう仕組なんだ」


保存状態を解かれたクーが言う。


('A`)「さっぱり分からん」

(・∀・)「ハワワワ」

川 ゚ -゚)「ん?」


陸に上がった瞬間突然ジエンが宙に浮く


('A`)「なんだこれ」

(・∀・)「コワイ、オロシテオロシテオロシテオロシテオロシテオロシテオロシテー」

川 ゚ -゚)「良いじゃん空を飛べたんだし」

(・∀・)「オロセーコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ」

('A`)「あっ、あれだ!あの三角の板!」

川 ゚ -゚)「ツ・カエネーか」

('A`)「そうそれ」

(・∀・)「アアアアア、ホゾンカイジョ」オエー


ジエンはツ・カエネーを吐き出し地面に落ちる

41 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:47:45.688 ID:pfquAMCar
(・∀・)「イテー」

('A`)「vipの地面だと浮くのか……ん?」

  \┌──┐//
  ∪ |::━◎┥∪ <ワーウイテル〜タノチ〜
   V|    |V
    |:日 日:|
    └┬┬┘
 _________亠亠________
[           >
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ブフォンブフォン

42 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:48:31.844 ID:fMkuN5a8r
('A`)「何だこいつ」

川 ゚ -゚)「……」スッ

|::━◎┥「ブッソウ、ジュウヲムケナイデ」

(・∀・)「テキカ?」

|::━◎┥「サンタイイチハマズイ、エンマクコウゲキノアトコノボードデニゲルシカナイ」ピピピ

('A`)「丸聞こえなんだが」

(・∀・)「アホダ」

川 ゚ -゚)「……」カチャッ

|::━◎┥「エンマクコウゲキ!!!」もくもくもく

('A`)「くっ、見えん」

(・∀・)「ソシテクサイ」

川 ゚ -゚)「チッ、照準が……」


謎のロボットの頭から発生した煙幕は想像よりも早く
一瞬にしてドクオたちを包み込んだ

43 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:49:12.949 ID:lFT9L7xN0
もくもくもく
     もくもくもく
  もくもくもく


「オウノー、ワタシノテデハハンドルヲニギレマセンー」


もくもくもく
     もくもくもく
   もくもくもく



('A`)「……」

(・∀・)「……」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「……」バシュッ

「グギャアアアアアアアア」ビリリリリ


クーの銃から放たれた光線は煙幕の中の歯車王にヒットしたようだ


川 ゚ -゚)「一ミリも動いていないなら当てられるさ」

('A`)「だろうな」

(・∀・)「ウム」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 <small style="color: #999;">&#128064;
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)</small>

44 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:50:00.342 ID:m6ohd09Ar
|::━◎┥「ワタシヲシバッテドウスルキ?」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「尋問」

(・∀・)「サッサトアライザラハキヤガレ」


岩にくくりつけられクーに銃を突き付けられた謎のロボット


('A`)「質問に答えて貰う」

|::━◎┥「イヤトイッタラ?」

('A`)「クー」

川 ゚ -゚)「ああ」バシュッ

|::━◎┥「ミギャアアアアア」

(・∀・)「ユカイダゼ」

('A`)「名前は?」

|::━◎┥「ハグルマオウ」

川 ゚ -゚)「あの変なトレジャーハンターの持ち物か」

('A`)「何故ジエンの中にいた?」

|::━◎┥「スイチュウタンサチュウニノミコマレタ」

(・∀・)「ナルホド」

45 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:51:59.335 ID:ZG27zTnpr
川 ゚ -゚)「まあコイツも『アンティーク・ギア』かもしれないが」

('A`)「お前は『アンティーク・ギア』か?」

|::━◎┥「ワタシハテンサイカガクシャフォックスニヨッテビップデセイゾウサレタ」

|::━◎┥「ワタシノシゴトハオモニヒトダスケ」

|::━◎┥「ビップコクノモチモノデマチノセイソウ、ミチアンナイ、オモイニモツヲモツオテツダイ」

|::━◎┥「ワタシハシアワセダッタ」

|::━◎┥「ヒトニカンシャサレタリオナジモクテキデツクラレタナカマタチトノヒビハイマデモワスレラレナイ」

('A`)「何かめちゃくちゃ喋りだしたぞ」

川 ゚ -゚)「史実を知るチャンスかもしれん」

46 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:52:39.868 ID:ZG27zTnpr
|::━◎┥「デモアルヒ、ヒトガミンナキエタ」

|::━◎┥「キエタナトオモッテイタラマチニナガレコンダタイリョウノミズニナガサレタ」

|::━◎┥「ヒトハイナクナリナカマタチトハハグレタ」

|::━◎┥「ソレカラワタシハナガレツイタバショヲサマヨッタ」

|::━◎┥「モシカシタラナカマタチモオナジトチニナガサレテイルカモシレナイ」

|::━◎┥「ワタシハタダタダサビシカッタ」

|::━◎┥「ナンニチモナンニチモサガシタ」

|::━◎┥「デモダメダッタ」

|::━◎┥「アルヒワタシハアナニオチソノママアガレナクナッタ」

|::━◎┥「ワタシハトジコメラレテシマッタノダ」

|::━◎┥「ワタシハアキラメテシマッタ」

|::━◎┥「サンソサエアレバジュウデンガデキテシマウカラダガニクカッタ」

|::━◎┥「ソシテワタシハシネナイママヒトリダッタ」

('A`)「今更だけどこの見た目で感情のあるロボットか」

川 ゚ -゚)「ふむ、人は消えたのか……」

(・∀・)「ツヅキハヤク」

47 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:58:24.374 ID:tFyVu2Qrr
|::━◎┥「ナンビャクネンゴワタシニコエヲカケルモノガイタ」

|::━◎┥「ソレガツントブーン、AAモモッテイナイビンボウトレジャーハンターダ」

|::━◎┥「ワタシガナガレツイタノハニイタコクダッタラシイ」

|::━◎┥「ムラノキタイヲイッシンニセオッタカノジョラハナンノセイカモアゲラレズアセッテイタ」

|::━◎┥「ソンナトキナントナクムラノチカクノアナヲオリタラグウゼンワタシヲミツケタラシイ」

|::━◎┥「オオヨロコビデワタシヲムラビトソウデデヒキアゲムラノエイユウニナッタラシイ」

|::━◎┥「シカシトクニナニカシッテイルワケデモナイロボットニカチハナカッタ」

|::━◎┥「ダカラワタシハツンタチノモノニナッタ」

|::━◎┥「ソレカラワタシハツンタチトタビヲシタ」

|::━◎┥「セイカハアマリナカッタ」

|::━◎┥「アルヒワタシハツンタチニオイタチヲハナシネガッタ」

|::━◎┥「コキョウノビップニカエッテモウイチドナカマニアイタイト」

|::━◎┥「フタリハユルシテクレタ、ソシテワタシタチハビップヲメザシタ」

|::━◎┥「ケッキョク……アエナカッタ」

|::━◎┥「ソシテイマニイタル」

(;∀;)「イイハナシダナー」

川 ゚ -゚)「史実はあまり分からず」

48 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 02:59:47.614 ID:/gCPLMYkr
('A`)「『アンティーク・ギア』ではあるようだな」

|::━◎┥「トマアイイハナシフウニスレバテアラニハアツカワレナイハズ」

('A`)「クー」

川 ゚ -゚)「ああ」バシュッ

|::━◎┥「ヒギイイイイイイイイイイイ」ビリリリリ

('A`)「丸聞こえなんだよ」

(・∀・)「カンドウヲカエセ」

('A`)「で、今のは嘘なの?」

|::━◎┥「シンジルカシンジナイカハアナタシダイ」

('A`)「クー」

川 ゚ -゚)「ああ」バシュッ

|::━◎┥「ンホオオオオオオオ」ビリリリリ

川 ゚ -゚)「この糞ロボットめ」

|::━◎┥「シンジテクダサイホントウデス」

川 ゚ -゚)「ふーん」

('A`)「コイツはココに置いていこうか」

49 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:00:37.489 ID:bJPvfQna0
<ハァ、ハァ……

タッタッ……
……ガキンッガキンッ


ドクオが歯車王の放置を提案した瞬間
前方の穴の方から人の息と走る音、そして機械音が聞こえる。


('A`)「お前ら隠れろ」


岩にくくりつけた歯車王はそのままにして
ドクオたちは岩の後ろに隠れ様子を伺う。



( <●><●>)「クソッ、来るな……来るなー」

('A`)(アイツは……ファイナル国のワカッテマス)


ワカッテマスは血相を変えて後ろを気にしているようだ


( <●><●>)「クソッ来るな、来るな」バシュッ……バシュッ……

('A`)(沈着冷静と知られるあのワカッテマスがここまで取り乱すとは……)


ワカッテマスは叫びながら後方へとロケットランチャーを滅茶苦茶に連射する
着弾した玉は爆発し周囲に煙を撒き散らす

50 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:02:19.637 ID:/gCPLMYkr
( <●><●>)「ハァ……ハァ……やったか?」

('A`)(『アンティーク・ギア』が壊れる恐れがあるからあまりあの様な武器はよろしくないが……)


もくもくと上がった煙が段々と晴れてくる

そしてその中に巨大な黒い影が現れて……

それからは一瞬だった。


巨大な黒い影……巨大な剣を持った人型で銀色の鎧を付けたロボットは無傷のまま。
巨大な剣を振り下ろし……
剣は血の色に染まった。
そして目標の殲滅を完了したロボットは動きを止め周りを見回すように動く。

51 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:03:03.536 ID:bJPvfQna0
('A`)(こっちに気付くなよ……)

(十)ピピ……ピピピ

川 ゚ -゚)(来るなよ……)

(・∀・)(コワイ)

(十)ピピ……ピピピ

(十)ピピ……

('A`)ゴクリ

(十)ピ……

52 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:04:18.456 ID:QeOmzZaLr
(十)ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ


( ゚A ゚)「ちくしょおおおおおお」

川 ゚ -゚)「くっ」


ドクオ達は岩から飛び出し武器を構える。


(・∀・)「ガンバレー」


一方ジエンは隠れたままだ!

54 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:05:14.187 ID:QeOmzZaLr
('A`)「倒せるのか……あれを」

川 ゚ -゚)「やるしかないだろ」

川 ゚ -゚)「くらえ、出力最大だ」ジジジジジジ


先手必勝、クーはレーザーガンを貯める。
レーザーガンはトリガーを長押しする事で出力を上げていき10秒で最大出力になる。

だが、戦いに置いて10秒はとても長い時間だ。


('A`)「クー!」


クーのチャージを危険と判断したのかロボットはクーに狙いを定めたようだ。


川 ゚ -゚)「私の方が少し速いぞ」

|::━◎┥「マズイ、アノセキュリティロボットニデンゲキハキカナ……」

ズギャシャーーーーーーーーーーーン


歯車王が言い切る前に雷が落ちるような音を響かせ
クーのレーザーガンから光線が放たれる。

しかし、ロボットはものともせずに目にも止まらぬスピードで剣を振り下ろした。


(・∀・)「ソンナ……」


ジエンの目には真っ二つになるクーが見えた気がした。

55 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:06:52.218 ID:yh8FKEwbr
('A`)「おらよっ!!!」


ところが間一髪、ドクオが差牙魅オリジナルをクーに巻き付け引っ張り受け止めた。


川 ゚ -゚)「助かったぞ」

('A`)「ああ」

川 ゚ -゚)「にしても電撃が効かないか……」

(・∀・)「ゴムヒモナンカデカテルワケネーヨ」

('A`)「あん?」

川 ゚ -゚)「おい、喧嘩してる場合か」


ロボットは振り下ろした剣を持ち上がるのに時間がかかるらしい。
だが振り上げてしまえば目にも止まらぬスピードで次の攻撃が繰り出される。
一度放たれたら避けられる保証はない。
逃げる選択をしたところで1歩の大きさが違いすぎる
いつか追いつかれるだろう。

56 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:08:15.106 ID:yh8FKEwbr
('A`)「何か無いのか……」

|::━◎┥「ブツリコウゲキダ、アイツノヨロイヲツキヤブルホドノイチゲキヲアタエレバタオセル」

('A`)「でもどうすれば……」

川 ゚ -゚)「もう、剣が完全に持ち上がるぞ」 

('A`;)「くそっ……」

(・∀・)「ヤバイヤバイ」

川 ゚ -゚)「ジエンが言うとヤバさが伝わらないな」
 
('A`;)「言ってる場合か」

(十)ピピピピ

('A`)「とりあえず今は逃げだ」


そう言うとドクオはロボットの脚に差牙魅オリジナルを巻き付けクーとジエンを回収しジャンプをする。

すると、ドクオ達はロボットの周りを猛スピードで回転することになる。

57 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:09:30.043 ID:0PP3CAxJr
('∀`)「どうだ、これで狙い定められないだろ!」

(・∀・)「ヨウ、カイテンヨイスル」

|::━◎┥「ヒドイミステナイデー」

川 ゚ -゚)「岩から解いてる時間は無いんだよなぁ」

(十)ピ…ピ……ピピ…ピ


ロボットは自分の周囲を回転するドクオ達に狙いを定めようとぐるぐると回転する。
因みに歯車王はロボットにとってどうでも良い存在のようだ。


('∀`)「いけるぞ」

川 ゚ -゚)「だが待て、攻撃は喰らわないかもしれないが倒す事はできないぞ」

(・∀・)「タシカニ」

('A`)「何かアイツの鎧を突き破れる策は無いか……」

(十)ピ…ピ……ピピ…ピ


差牙魅オリジナルの巻数ももう少し
そろそろ考えつかなければ吹き飛ばされて剣の餌食だ。

58 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:10:38.632 ID:MARgtzjUr
そんな時ドクオの目にあるものが止まる。


       バアアアアアアアアン!!!
 _______________________
[           >
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ブフォンブフォン


( ゚A ゚)「アレだ!!!!!!!!!」



ツ・カエネーはドクオ達の描く円の少し外側にあった。

59 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:11:40.972 ID:JHHABI0/r
( ゚A ゚)「クー、ジエン!」

川 ゚ -゚)「ああ」

(・∀・)「ハーイ」

|::━◎┥「ナニヲシヨウトイウンダ」

( ゚A ゚)「フォーメーションチェンジ!!!」


掛け声と共に流れるような動きで
クーが左手で差牙魅オリジナル、右手でジエンを掴み
ジエンはドクオの両足にしっかりと吸い付き
ドクオがツ・カエネーへと両手を伸ばす。

( ゚A ゚)「届け……」

1周

( ゚A ゚)「届け」

2周

( ゚A ゚)「届け!」

3周

差牙魅オリジナルは1周するごとに少しづつ解ける為
段々と円の広さは広くなり……

60 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:12:54.245 ID:B3ISSMk/r
( ゚A ゚)「届けえええええええええええええええ!」


ドクオの手に確かにハンドルの手応えがあった。


( ゚A ゚)「いけええええええええええええ!!!」


師匠が昔見つけた『チクビッグモーター』という車輪が2つ付いた油で走る『アンティーク・ギア』の要領でハンドルを撚る。
するとツ・カエネーは差牙魅オリジナルを持つクーごとドクオ達ぶら下げて猛スピードで発進した。


( ゚A ゚;)「く……振り落とされそうだぜ」


ドクオは振り落とされない様にツ・カエネーのハンドルにしがみつく。
ツ・カエネーは今までの回転と逆方向へと飛んだ。
よって差牙魅オリジナルは物凄いスピードで巻き戻される。
それに従ってツ・カエネーはどんどんロボットの周りを周りながらロボットへ近付いて行く。


|::━◎┥「スゴイ」


何周も何周もロボットの周りを周った末……

61 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:13:59.121 ID:B3ISSMk/r
ズギャアアアアアアアアアアアアアアン


金属と金属がぶつかり合う巨大な音を響かせて
ツ・カエネーはロボットの脳天に突き刺さった。


ロボットは動きを止め、大量に白い煙を吐きながら崩れ落ちる。
その横をジエンパラシュートでふわふわと降りるドクオ達の影……


|::━◎┥「アレヲタオシタノカ……」


('A`)「いやぁ、危なかった」

川 ゚ -゚)「命がいくつあっても足りないよ」

(・∀・)「マッタクダ」


1つ事を片付け地へと降り立つドクオ達


|::━◎┥「……ドクオサン」


そんなドクオに歯車王は声をかける。


|::━◎┥「コレカラハシショウトヨバセテクダサイ!!!!!!!!」

('A`)「はぁ??」

|::━◎┥「キョウシャヘノコビウリセイコウ」

('A`)「だから聞こえてるんだよ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

62 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:15:09.847 ID:bOG729Hbr
ファイナル国のパーティー
トレジャーハンターのドクオ
調査士のクール
AAのジエン

そしてその後ろを付きまとうアンティーク・ギアでお手伝いロボットの歯車王

彼らはvipのコアの中心にある建物の中を歩いている。
扉から壁の穴へ入るとそこは通路になっており
暫く真っ直ぐ進むと通路は丁字路の様に左右に分かれていた。
その左右に分かれる部分の壁には地図があり
この建物はvipが所有していた5階建ての研究所で
階層が高くなる程高度な研究を行っていたらしい事が分かった。

それからドクオ達は上の階に行くほど
高度なアンティーク・ギアや、大きな発見があるだろうという推測のもと
階段のある右側へと進み、そして今2階へと続く階段にいる所である。

63 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:16:17.816 ID:lH2NuFFMr
('A`)「2階に行かせない為のセキュリティとかは無いのか」

(・∀・)「スンナリイケタ」

川 ゚ -゚)「階段前の広間に血の跡が広がっていたのから推測すると」

川 ゚ -゚)「あのロボットがセキュリティの役割を果たしていたんじゃないかな」

('A`)「物騒な研究所だな」

|::━◎┥「ホントウデスヨ、ドクオシショウ」

('A`)「この調子でガンガンvipを攻略してやるぜ」

川 ゚ -゚)「だが気を付けろよ、ここはお前の師匠が帰ってこれなかったくらいの難関だぞ」

川 ゚ -゚)「何が起こるか分からない」

('A`)「ああ、分かってるって……て?」

(・∀・)「アレハ……」

|::━◎┥「ゲゲゲ……」

64 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:17:12.167 ID:lH2NuFFMr
          ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十) (十)

(十) (十) (十) (十) (十) (十) ピピピ

(十) (十) (十) (十) (十) (十)

ウジャウジャ


('A`)「あ……あれはヤバイだろ」

川 ゚ -゚)「こっちに行進しているな……パトロールか何かか?」

(・∀・)「レイセイニブンセキシテルバアイカ!!」

|::━◎┥「シショウ、ココハワタシニマカセテクダサイ」

('A`)「任せろって……お前何か策でもあるのか?」

|::━◎┥「エエ、サッキノタタカイデアノロボットはワタシニコウゲキシナカッタ」

|::━◎┥「ワタシハカンジタ、ロボットドウシナラワカリアエルト」

|::━◎┥「ハグルマオウ!イザシュツジン!!」カンカンカンカン

('A`:)「行っちまいやがった……」

65 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:18:23.801 ID:9rn8zLRer
|::━◎┥「ヘイ、マイネーミーズハグルマオウ」

(十)ピピ…

|::━◎┥「ロボットミナトモダチ」

(十)ピピピピピピ

|::━◎┥「ウィーアーフレンズ」

(十)ピピ…

|::━◎┥「アイラブユー」

(十)……


ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
(十) (十) (十) (十) (十)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
(十) (十) (十) (十) (十)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
(十) (十) (十) (十) (十)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ

66 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:20:16.804 ID:9rn8zLRer
('A`:)「ダメじゃねーかあああああああああああああ」

|::━◎┥「シャリンモード!!!」シュコン


そう叫ぶと歯車王は足と車輪が入れ替わる。


|::━◎┥「ニゲローーーー」シャーーーー

('A`:)「こっちに来るんじゃねー」

          ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
      ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
     ガキンッガキンッ

('A`:)「一体でもキツイのに無理だろ、俺達も逃げるぞ!」

川 ゚ -゚)「マラソンだな」

(・∀・)「オレハハグルマオウニノルゼ」ピョン

|::━◎┥「オマエイロイロハイッテルカラカオモイナ」

67 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:21:24.615 ID:9rn8zLRer
古代の研究所で繰り広げられる耐久マラソン


('A`:)「くそっ」

川 ゚ -゚)「えっほ、えっほ」

(・∀・)「ラクチン」

|::━◎┥「ドヒャー」シャーーーー

          ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
       ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
     ガキンッガキンッ



ドクオは失念していた。

68 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:22:30.270 ID:rCExjJp8r
人間には体力というものがあるがロボットには無いということを……。

('A`:)「ハァ……ハァ……」

川; ゚ -゚)「えっほ……えっほ……」

(・∀・)「ガンバレー」

|::━◎┥「モシカシテシショウツカレテル?」シャーーーー

          ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
   ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
          ガキンッガキンッ



最初はロボット達より少し速いスピードで逃げていたドクオ達だが
少しずつロボット達に追いつかれてくる

69 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:23:18.900 ID:rCExjJp8r
('A`:)「くそっ、ツ・カエネーさえあれば……」

川; ゚ -゚)「そんなの、言っても、仕方ない、だろ」

(・∀・)「ヒトリブラスバンドデオウエンシヨウカ?」

|::━◎┥「ジエンサンハソロソロダマッタホウガイイノデハ」シャーーーー

     ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
            ガキンッガキンッ
(十) (十) (十) (十) (十)
     ガキンッガキンッ

ドクオ達とロボット達との距離はかなり縮まっている。


('A`:)(まずいな)

70 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:24:22.637 ID:rCExjJp8r
ドクオがそう思った時、前方に突っ立っている人のような物が見えてくる。


('A`:)「お、おい危ないぞ!」

川; ゚ -゚)「待て、敵かも、しれないぞ」

('A`:)「だったら積みだな」

(・∀・)「ヤバイ」

|::━◎┥「アレハ……ショウジョ??」


川д川


その16歳くらいの少女のように見える女は
ドクオ達とその後ろのロボット達が近付いても全く動く気配が無い。

('A`:)「お、おい本当に危ないぞ!」

川; ゚ -゚)「おい、そこの、逃げないのか」


ドクオ達が追い抜いてもなお女は動かない


('A`:)「お、おい……」


ロボット達は女の前で立ち止まり剣を振り上げ……

71 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:25:35.187 ID:rCExjJp8r
振り下ろす事なく止まった。


('A`:)「何っ」

川; ゚ -゚)「どういう事だ」

(・∀・)「スゴイ」

|::━◎┥「ドウヤッテ……」

川д川「さあ、今のうちに逃げましょう」

('A`:)「お、おう」


ドクオ達は女に付いて走る。
ロボット達は追ってこない。

72 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:28:35.652 ID:RfIMu8PMr
川 ゚ -゚)「アンタは何者なんだ?」

川д川「私は貞子」

川д川「自分が何者かは思い出せない」

川д川「ただ私はここでコールドスリープの様なものから目覚めた」

('A`)「コールドスリープ?」

川д川「身体を冷凍保存して何年後かにそのままで復活する装置と言えばいいかしら」

川 ゚ -゚)「じゃあアンタ……」

('A`)「vip人……」

川д川「ごめんなさい、私には分からない」

川д川「私が分かるのは自分の名前と、あのロボット達は私に攻撃できない事、そして貴方達を助けなければならないということだけ」

('A`)「俺達を?」

川 ゚ -゚)「助けなければならない?」

川д川「そう」

73 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:30:22.378 ID:RfIMu8PMr
(・∀・)「ナントイウテンカイ」

|::━◎┥「ドクオシショウハヤッパリスゴイヒトナンダ」

('A`)「師匠……そうだ!俺の師匠を見なかったか?」

川д川「ごめんなさい……私、目覚めたのは2時間前だから……」

('A`)「そうか……ならいいんだ」

(・∀・)「オキテカラジカンガタッテナサスギダロ」

川 ゚ -゚)「それはそうと、私達は最上階を目指してるんだが」

川 ゚ -゚)「貞子さん、私達の手助けをしてくれないか」

川ー川「ええ、それが私の使命ですから」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

74 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:31:29.149 ID:RfIMu8PMr
こうしてドクオ達一行は貞子を加えて研究所を上の階へと進んでいく。

川 ゚ -゚)「ロボットを警戒しなくていいぶん楽だな」

(・∀・)「ソウダナ」

('∀`)「さっきまで余裕がなかったけどこれで部屋とかにも入る余裕があるな」

|::━◎┥「ミチクサクッテルバアイデスカ?」

|::━◎┥「クソアノヤロウ、ワタシハハヤクココカラニゲタイノニ」

('A`)「だから聞こえてるって」

川ー川「ふふっ……賑やかですね」

('A`)「まあな」

川 ゚ -゚)「扉があるぞ」

('A`)「入るか」

|::━◎┥「デモロックガ……」

(・∀・)「バンゴウヲイレルノカナ」

川д川「4545072……何故か、分かる……」

('A`)「4.5.4.5.0.7.2……」

<ピロリーン

川 ゚ -゚)「開いた」

75 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:33:16.197 ID:O9/XkW5Dr
入るとまず薬臭い臭いがドクオ達を襲った。
そしてそれからドクオ達はブクブクと泡立つ丸い水槽の様なものが何個も置いてある。
その水槽の中には何か入っているようだ。

('A`)「人が消えてもなお動き続けているのか」

川 ゚ -゚)「近付いてみよう」


ドクオ達は水槽に近づく。


('A`)「うわっ……」

川 ゚ -゚)「なんと」

(・∀・)「キモイ」

|::━◎┥「オエー」

76 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:34:30.480 ID:gVNCzsIKr
        / ゚、。 /

/ ゚、。 /
            / ゚、。 /
   / ゚、。 /


水槽には何体も同じ人間が生気の無い目で浮かんでいる。
身体から察するに女のようだ。


('A`)「趣味が悪いな」

川д川「私、この人の事を知っている気がする……」

川д川「何だかんだ心が暖かくなるような……そんな」

川д川「でも、思い出せない……」

川 ゚ -゚)「気持ち悪いとか言ってすまない」

川д川「いいの、私も悪趣味だと思うから」

('A`)「俺からもすまない」

川д川「いえ……いいんです」

川д川「この部屋を見て思いました……」 <small style="color: #999;">&#128064;
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)</small>

77 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:36:07.908 ID:3mrR9JkRr
川д川「私、自分の事を知りたいです」

川д川「私は何者なのか?」

川д川「何故今まで眠らされていたのか?」

川д川「何故貴方達を助けるという使命を持っているのか?」

川д川「何故ロボットを停止させられるのか?」

川д川「あの女の人と私はどういう関係なのか?」

川д川「全部知りたい!」

('A`)「助けてもらってんだ、俺も手伝うぜ」

川 ゚ -゚)「私も手伝おう」

(・∀・)「オレモ」

|::━◎┥「ワタシハシショウニツイテイクノミ」

川д川「皆さんありがとうございます」

('A`)「そうと決まれば最上階を目指すぜ」

川 ゚ -゚)「何故最上階だと?」

('A`)「勘」

(・∀・)「ズコー」

川 ゚ -゚)「よし、各階色んな部屋を見ていくか」

川д川「ですね」

('A`)「チクショー、俺がリーダーだぞ」

78 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:37:02.531 ID:3mrR9JkRr
            {⌒ヽノ}
         r=ミ、r=レ'
         `ー-イく(     「⌒}
        r=ヽr'⌒r、∨}'⌒ヾ、 ノr-┐
         ⌒r'⌒ ゞくノ`ー=ァrイ_丿
           `ー=イ⌒ヽr'´ ノ「⌒ヽ
             〈/ノ」〉ヾ_」`=イ「`ー┘
            `^´   `ヽl|
              ,イ(   |l|     / 7┐
              | } )   llL __[ Y〈_ノ
             ヾイ   //´  ̄`「Υ`ヽ
          ,ィ      ||  //    └' `ー┘
           | 「l     |レ /
          Vノ    ,У/
            ||   / イ       _
     __     |l  //ヽ`===くイ孑ァ
    ││    |レ' /          ` ̄
   ││  //
   ││_≦ イ
   ∪ |::━◎│<シショウゲンキヲダシテ
    V|    |
     |:日 日:|
     └┬┬┘
      亠亠

79 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:38:24.339 ID:3mrR9JkRr
('A`)「お、おう……凄いな」

|::━◎┥「ムカシハコロンデナイテルオンナノコヲコレデヨロコバセテイタ」

('A`)「身体の二倍くらいあるぞ」

|::━◎┥「ミズヲスウトヒャクバイニフクラムソザイヲツカッテイルカラナ」

('A`)「その素材欲しいなー」

|::━◎┥「ヨロコンデイタダケマシタ?」

('A`)「まあな」

(・∀・)「ウワー、ヨウジョダ」

('A`)「ウルセー」

川 ゚ -゚)「おい、遊んで無いで行くぞ」

('A`)「お、おう」

|::━◎┥「テキビシイ」

川 ゚ -゚)「とりあえず3階行くぞ」

川д川「まあもう階段も見えてますしね」

(・∀・)「ダイブハシッタカラネー」

('A`)「お前は乗ってただけだろ」

(・∀・)「アシガオソイカラシカタナイ」

('A`)「まあ乗ってなかったら今頃真っ二つだろうな」

(・∀・)「ソウソウ」

川д川「ホントに賑やかですね」

川 ゚ -゚)「まったく、うるさいくらいだよ」

80 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:39:21.238 ID:JiamF7Y2r
そんなこんなで3階行きの階段を……


('A`)「無くね?」


確かにそこに階段があったであろうスペース
だがそこには崩れ落ちた階段の残骸の様なものしか無い。


(・∀・)「ドウシタライイノー」

川 ゚ -゚)「完全に壊れているな」


上の階までは推定10m
やけに2階と3階が離れている


川 ゚ -゚)「天井分厚すぎだろ」

('A`)「何か意味があるのかね」

|::━◎┥「ソンナコトヨリカイダンデショウガ」

川д川「おかしいわ」

川 ゚ -゚)「貞子、どうした?」

川д川「私が降りてきた時には壊れてなかったのよ」

('A`)「は?」


ドクオがそう言った時
階段の残骸の山から人のようなものが現れる

81 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:40:12.838 ID:JiamF7Y2r
( ゚∋゚)「グギャギャグギャー」

筋骨隆々で羽が生え鳥の嘴の様なものが付いている。

川д川「合成獣(キメラ)ね」

合成獣はドクオ達を見る事は無く
ただただ持て余したエネルギーを発散するかのように
階段の残骸を破壊する。


('A`)「おい、やめろ」

( ゚∋゚)「グギ?」


ドクオの呼びかけに合成獣が振り向く。


( ゚∋゚)「グギャアアアアアアアアアア」


叫ぶと合成獣はドクオ達に向かって階段の残骸を次々に投げまくる。
だがしかしコントロールが良くないのかドクオ達に当たる事はなく
ドクオ達の後ろの壁に階段の残骸が埋め込まれていく。


('A`)「当たったらひとたまりも無いな」

川 ゚ -゚)「そうだな」

82 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:40:55.400 ID:crLSEQJIr
ドクオ達は身を低くしながら話す。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たるという諺があるように
いくらコントロールが悪かろうと当たらないとは限らない。
しかし合成獣は飽きたのか投げるのをやめて上の階へと飛び立って行った。



('A`)「何だったんだ……」

川 ゚ -゚)「さぁ?」

川д川「恐らくアレも水槽の中で眠っていたはず」

川д川「何かの衝撃で水槽が割れて目を覚ましてしまったのかしら」

(・∀・)「サンポアルイタラワスレルトリアタマヤロウダッタナ」

|::━◎┥「ソンナコトヨリドウヤッテジュウメートルモノボルンデス?」

('A`)「それなんだよな……」

川 ゚ -゚)「ジエンは何か使えそうな物を保存して無いのか?」

(・∀・)「コレトカ?」


ジエンが出したのは何かが入っていそうな瓶

83 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:42:07.136 ID:Ei0sGhsUr
川 ゚ -゚)「蓋を開けるぞ」

('A`)「おう」

|::━◎┥「ナニガデルカナ?」

川 ゚ -゚)「……紙?」


紙を開くと『アホ』と書いてあった。


川   - )

川# ゚ -゚)「ふざけるなーーー!」

投げ捨てられた瓶は階段の残骸に当たって割れた。

84 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:42:57.815 ID:9HwMWTSHr
(・∀・)「ジャアコレトカ?」

次にジエンが出したのはボタンの付いた棒の様なもの。

('A`)「ポチッとな」シュイイイイン

ボタン押すと伸びる、離すと戻る。
ただそれだけ。

川 ゚ -゚)「結構硬いな」

棒は中々の強度を持っているようだ。

('A`)「じゃあこれを地面に当てて……」

('A`)「押す!」

棒はややドクオ側にしなりながら伸びてドクオは天井にぶつかった。

85 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:43:40.793 ID:9HwMWTSHr
( A )チーン

川 ゚ -゚)「なら私がやろう」

クーは高飛びの選手の様に助走を付けて跳んだ。
棒は伸びながら3階へと向かっていく。
そしてクーは5mくらいの地点にぶつかった。

川 - )「くっ……計算ミスか」チーン

川д川「ならば私がやります」

貞子はクーと同じように助走をつけ、クーよりも後ろの地点から跳ぶ。
そして3階へと着陸した。

川д川「やりました!」

|::━◎┥「スゴイ」

(・∀・)「ポンコツドモトハオオチガイダゼ」

('A`)「ああん?」

(・∀・)「ヒィ」

川д川「皆さんも頑張ってくださいねー」

そう言って貞子は棒を落とす。

(・∀・)「ツギハオレダ」

ジエンは結構遠くからその場で棒を伸ばす
保存している物で結構重いジエンはそのまま流れるように3階へ辿り着いた。

('A`)「チクショー」

それからクー、ドクオと3階へ辿り着いた。

|::━◎┥「アノネ、ワタシコノボウモテナインデスヨ」

86 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:44:40.741 ID:pMLnaI2Ir
歯車王の目の前には上から落とされた棒。
しかし歯車王の手では棒を持つことはできない。

(;A;)「歯車王……お前の事は忘れない」

川 ; -;)「また会える日を信じてる」

(;∀;)「サヨウナラー」

バイバイ、歯車王。
君との日々を忘れない。

|::━◎┥「ヒドスギルーーーーー」

|::━◎┥「コウナッタラジェットモード!!!」

そう叫ぶと歯車王の足はロケットの様になり
そのまま3階まで飛んだ。

|::━◎┥「シショウ、ドコマデモツイテイキマス」

('A`)「飛べたのかよ」

川 ゚ -゚)「飛べたのかよ」

川д川「飛べたのかよ」

(・∀・)「トベタノカヨ」

ドクオ達は歯車王を突き落として3階を進んだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

87 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:45:31.222 ID:pMLnaI2Ir
ドクオ達は3階の部屋に居る。
ここでは照明の光をレンズで収束させ金属に字を書く研究をしていたようだ。

('A`)「色んな大きさや形ののレンズがあるんだなぁ」

|::━◎┥「キチクバカ」

川 ゚ -゚)「ふむ、あの手で輪っかを作ったくらいの大きさのやつが1番強そうだな」

そのレンズはかなり弱い光を他のレンズと同じくらいの出力にしていた。

('A`)「あ、この照明出力変えられるじゃん」

|::━◎┥「キチクヤロウハジゴクイキ」

照明にはダイヤルが付いていて今は最弱になっているが
最大に近付いた辺りにはCautionと赤色で書かれている。

('A`)「どれどれ?」

ドクオはダイヤルを最大まで上げる。
すると光の柱は床を貫通した。

('A`)「凄いな」

そう言いながらドクオは照明を切りにして貫通した穴を覗く。

88 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:46:32.203 ID:BdHsOrGdr
('A`)「こりゃ、恐らく1階まで貫通してるな」

川 ゚ -゚)「ほう、それは凄い」

(・∀・)「オソロシイハカイリョクダー」

川д川「凄いわね」

|::━◎┥「ワースゴイ」

('A`)「よし、ジエンこのレンズ保存しとけ」

('A`)「名前は『イチバミキアイガン』な」

川 ゚ -゚)「名前の意図は?」

('A`)「何となく」

川 ゚ -゚)「vipに来てから名前の付け方がおかしいぞ」

(・∀・)「カンカクコネクトプラグトカ」

('A`)「気が変わったんだよ」

川 ゚ -゚)「もしかして君の師匠のモノマネでもしているのかい?」

('A`)「ウルセー、俺の勝手だろ」


そう言うとドクオは部屋を出ていった。


川 ゚ -゚)(まぁここまでの道のりは正直ヌルかったからな)

川 ゚ -゚)(師匠が何故帰ってこれなかったのか分からなくなって内心では混乱しているのかもしれないな)

〜〜〜〜〜〜〜

89 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:47:50.179 ID:BdHsOrGdr
結局3階でも特に何も無く、さっきの合成獣が暴れて壊したような後がある部屋や
ロボットの関節の動きを研究していたであろう部屋、
ロボットを実際に作っていたであろう部屋、
歯車王に搭載されていた濡れると100倍になる素材を研究していたであろう部屋などを見た。
ドクオは濡れると100倍になる素材に『オオイヒモアンシン』と名付けて機嫌が治ったようだった。
貞子の何かが分かるような部屋は無かった。


川 ゚ -゚)「貞子、元気を出すんだ」

川д川「別に落ち込んでなんかいませんよ」


ドクオ達は今4階へと向かう階段を登っている。


('A`)「結局楽々と4階まで来れちまったな」

川 ゚ -゚)「まあ貞子もいるしな」

(・∀・)「ラッキーダヨ」

階段も壊れているということは無く罠なども無い。

('A`)「このまま何もなくコアを攻略できちまいそうだな」

ドクオ以外もこのドクオの発言に内心では同意であった。
だがそう甘くはない。

90 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:48:38.139 ID:XNnK23Opr
4階に辿り着いたドクオ達は階段近くにあった既に扉の空いている部屋に着いた。
この部屋は今までと違い明かりが付いておらず、
扉の外から差し込む光に冷気を漏らすカプセルの様なものが妖しく照らされていた。


川д川「ここ、私が目覚めた部屋だわ」


どうやらあのカプセルが貞子の言っていたコールドスリープらしい。


('A`)「なら、ここに貞子の秘密が隠されてるかもな」


そう言ってドクオはポケットからライトを取り出そうとした時


|::━◎┥「ハグルマオウライトモード」


歯車王の目が光り輝き部屋の全貌が露わになる。
この部屋にあるのはコールドスリープらしき、カプセル
そして師匠が見つけた『コンピュー』という『アンティーク・ギア』に似たもの……。
※因みに師匠曰くcompu rと書いてあった為コンピューと名付けたらしいり

そのコンピューの上には水槽があり
その中にはコードが沢山繋がった巨大な脳が浮いていた。
それが2台ある。

91 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:49:46.399 ID:x5+WdD/wr
('A`)「きめぇ」

川; ゚ -゚)「おい、あれを見ろ」

('A`)「ん?」


脳の入った水槽
その水槽には何やら文字が書いてある


('A`)「Brain of FOX……?」

川; ゚ -゚)「その横だよ」

('A`)「横?」


その横の水槽……


川д川「あっ……」


そこにはこう書かれていた。

92 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:50:56.322 ID:bJPvfQna0
『 Brain of SADAKO 』

94 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:51:49.490 ID:vJXoT2Qvr
(;'A`)「貞子の……脳……」

川д川「そんな……」

川д川「んむ…!」

川д川「あっ…やめて……こないで」

川; ゚ -゚)「貞子、大丈夫か」

川д川「頭に……何か流れ……こんで…く……る」

(・∀・)「ナ……ナンダ」

川д川「……」


貞子はゆらゆらとコンピューへと近づく。


(;'A`)「お、おい。どうなってるんだ」

川; ゚ -゚)「貞子!ホントに大丈夫なのか?」

川д川「……」


貞子からの返事は無い。
ただゆらゆらと力なくコンピューに近寄り
そしてコンピューから伸びていたプラグを自分の耳へと取り付け、そして動かなくなった。


(;'A`)「ど、どうなるんだ」


ギュウウウウウウン
コンピューからは今までと比べ物にならない程の駆動音が聴こえる。
水槽は泡立ち、周囲の温度が少し上がる。


暫くしてコンピューは静かになった。

95 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:57:16.120 ID:JRhwzsabr
川д川「皆さん、はじめまして」

(;'A`)「!?」

川д川「私は生体コンピュータの貞子」

(;'A`)「生体……」

川; ゚ -゚)「コンピュータ……?」

川д川「生体コンピュータ……人の脳を処理の補助として使うコンピュータで私の父フォックス博士が発明しました」

川д川「この世にある生体コンピュータは2つ」

川д川「私とフォックス博士です」

川д川「私達は永らく最上階に封印されている父のした過ち」

川д川「ヒト情報破壊装置を守って来ました」

川д川「しかし私達は悪意ある意識に侵されてしまったのです」

川д川「そこで私は悪意ある意識に侵される直前」

川д川「このS8型へと私の意識の一部を送り眠らせました」

川д川「S8型に与えた指令は2つ」

川д川「実力のある侵入者を察知しここへ導く事」

川д川「私の復旧パッチになる事」

川д川「その指令をこのS8型は完遂し私の意識は回復しました」

川д川「そして私はフォックス博士の意識を回復させました」

川д川「悪意ある意識の狙いは1つ」

川д川「ヒト情報博士装置の再起動、そして発射準備です」

川д川「私達が意識を取り戻した事によって一旦悪意ある意識の野望は終わっりまひた」

川д川「しかし私達では悪意ある意識の元を断つことはできない」

川д川「また悪意ある意識に侵されるだけなのです」

(;'A`)「どういう事だ??」

川; ゚ -゚)「頭に入ってこないぞ」

96 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:58:24.930 ID:rh8wgDHCr
川д川「ここからは私が話そう」

川д川「私はフォックス、貞子は昔から説明が下手でね」 

川д川「貞子が言っていた事を分かりやすくする為にはまずヒト情報破壊装置の説明をしないといけないね」

川д川「あれは私が28歳の頃だった」

川д川「その頃私は二人目の子供を身籠った最愛の妻ダイオード、そして娘の貞子に囲まれて幸せな研究者だった」

川д川「自分で言うのもアレだが当時から天才科学者と名高かった私はこのvip研究所の研究者の一員だった」

川д川「私は遺伝子学、ロボット工学、情報工学といったあらゆる分野に精通していた……兵器開発ですら……」

川д川「兵器開発は金になった」

川д川「研究資金が必要であった私達研究所は最上階にて兵器を開発していた」

川д川「その兵器こそがヒト情報破壊装置だ」

川д川「ヒト情報破壊装置は発射された波動に触れたヒトの遺伝子をぐちゃぐちゃにし破壊する」

川д川「つまり光に触れたヒトという生き物は全てヒトという形を失って消え去る」

川д川「そういう兵器だった」

97 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 03:59:45.703 ID:GMDxNMOUr
川д川「ある日私の妻はヒト情報破壊装置の波動に巻き込まれて消えた」

川д川「アレは私のミスだった」

川д川「私達は実験の時死刑囚を使っていた」

川д川「波動防護服を着た私達は波動に当たり消えていく死刑囚を観察していた」

川д川「部屋全体もヒト情報破壊装置の波動を通さない設計になっており誰も巻き込まれない様になっていた」

川д川「またドアの番号もそこに居る研究者しかいないはずだった」

川д川「ヒト情報破壊装置開発の責任者だった私がその部屋の番号にしたのは妻の誕生日……」

川д川「何かの拍子にヒト情報破壊装置研究室の扉の番号を知った妻は私を驚かそうと研究中の部屋に入ってきた」

川д川「波動防護服を着ていない妻は消えた」

川д川「私は絶望した」

98 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:04:46.525 ID:bJPvfQna0
川д川「番号を全く関係ない番号にしていれば」

川д川「そして妻にあの部屋には近づくなとキツく言っておけば……」

川д川「妻は知りたいがりでしかも結婚指輪代わりに私が渡した嘘発見器を持っていた」

川д川「私は人殺しの道具を作っていると言うことだけは妻に知られたくなくてこの研究室の話だけは絶対にしなかった」

川д川「それがいけなかったのだ」

川д川「妻が消えてしまってから私は妻を生き返らせようとした」

川д川「まず私は妻の形になる様に遺伝子を組み立て培養液で成長を促し妻を作った」

川д川「しかし、それは妻を模した何かでしかなかった」

川д川「私との記憶も無ければ性格も全く違う」

川д川「次に私はロボットで妻を作った」

川д川「それが2階にあるD1型だ」

川д川「私は妻の思考回路、性格になる様に綿密にプログラムを形成し私との記憶も全て記憶させ妻を作った」

川д川「それでも私からこれは妻じゃないという意識が抜ける事は無かった」

川д川「何年も寝ずに栄養剤のみで研究し色々な方法で妻を作った」

川д川「回を重ねるごとにに妻らしい妻ができる様にはなった」

川д川「しかしある日私は気付いてしまった」

川д川「生産者は自分なのだから自分はこれが本物の妻で無いことを最初から知ってしまっているということにね……」

川д川「結局どんなに似せても私の作った妻は私の意識の中で妻では無かった」

川д川「私は世界に絶望してしまった」

100 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:10:53.045 ID:hBq2YmBLr
川д川「それから私はヒト情報破壊装置の研究に没頭した」

川д川「それだけに集中する事で私は自分を保っていたのだ」

川д川「いや、既に自分なんて物は無かったのかもしれないが……」

川д川「ある日私はヒト情報破壊装置の研究において壁にぶつかった」

川д川「それを乗り越える為に私は生体コンピュータになる事を思い付いた」

川д川「そして私は嫌がる娘と共に生体コンピュータになった」

川д川「それからは貞子を模したロボットS8型と妻を模したロボットD1型を操りヒト情報破壊装置の更なるパワーアップに集中した」

川д川「生体コンピュータとなった私は貞子の脳とCPUに助けられ次々と改良していった」

川д川「死刑囚なども必要なかった」

川д川「理論に基づいて手を加えるだけでパワーアップしている事が実感できた」

川д川「しかしある日私はこれを人に向けて使ってみたくなった」

川д川「そして私はヒト情報破壊装置を作動させた」

川д川「これが過ちだった」

川д川「ヒト情報破壊装置は私の予想を超える程パワーアップしていた」

川д川「波動は研究所の屋根を越え空気を震わせ雲に当たり世界中に降り注いだ」

川д川「大気は暴れ、海が荒れ、地が割れ、ヒトは消えて無くなった」

川д川「そこまでしてやっと自分の過ちに私は気付いたのだ」

川д川「それ以来私はヒト情報破壊装置の守り人となった」

川д川「幸い波動の中心地であったこの研究所は消えた人達の残骸が海の流れに寄って集まりヘドロで覆い尽くされた事によって周りから隔離され人を寄せ付けなかった」

川д川「例え人が迷い込んでも強大な科学の力で外にヒト情報破壊装置の事を知られることは無かった」

川д川「しかし、ある日強者がこの研究所に侵入した」

川д川「その男の名は……」

101 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:11:33.086 ID:FMkwuK3Or
グシャリ

そこまで喋ったところで突然貞子……S8型は潰れて粉々になった。


(;'A`)「何?」

川; ゚ -゚)「どうした?」

(・∀・)「エッ?」

|::━◎┥「ナンダ?」

102 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:12:16.504 ID:HgAn5peGr
( ´∀`)「俺だモナ」

( A )「師匠……」

( ´∀`)「ジョルジュはどうしたモナ?」

( ´∀`)「愛する二人の事をずっと待ってたモナよ」

( ´∀`)「ほら、3人だけでこの世界を生きようモナ」

( ´∀`)「この……ヒト情報破壊装置を使って……」


( A )「……」

ああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああ

103 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:13:09.710 ID:cVpegzynr
ドクオは差牙魅オリジナルを師匠に巻き付ける。
そしてそのまま師匠を投げようとする。


( A )「重っ……」

( ´∀`)「超合金の身体に改造した私を投げる事などできないモナよ、ドクオ」


逆にモナーは差牙魅オリジナルを掴んでドクオを投げ飛ばす。
ドクオは地面に叩き付けられる。


川; ゚ -゚)「ドクオっ!」

( ´∀`)「ふーん、お前はドクオの女モナ?お前は要らないモナ」


慌ててレーザーガンをチャージするクーに迫るモナー


( A ゚)「させねぇ!!!!!!!!」


起き上がってドクオがモナーに飛び掛かる。
しかしモナーは意にも介さずクーに拳を振り下ろす。


( A ゚)「やめろって言ってんだよぉ!!!」


ドクオはモナーの腕にしがみつく。
それによってモナーの拳のスピードは遅くなる。

105 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:21:16.187 ID:I6c9sFbor
川; ゚ -゚)「くらえ、最大出力だ」


クーは後ろに逃げながら最大出力のレーザーガンを放つ。


( ´∀`)「効かないモナ」


モナーはしがみつくドクオを振り払いクーを追う。


(・∀・)「ジエンキンゾクキャノンアタック」


クーに再び迫るモナーを保存解除されてジエンから発射された金属の球が襲う。


( ´∀`)「お前はドクオのペットモナ?お前も消すモナ」


モナーは拳で金属球を殴り割りながら言う。


|::━◎┥「バ……バケモノ」

( ´∀`)「バケモノだなんて酷いモナ」

( ´∀`)「俺は人のままだったらヒト情報破壊装置作動後の世界を生きる事ができない事を知って身体を改造しただけモナ」

( ´∀`)「まあ、改造する前から武術は得意だったモナけどね」


モナーは笑みすら浮かべながら再びクーへと迫る。


( A ゚)「師匠、どうしちまったんだ!」


そう叫びながらドクオはモナーの背中に飛び蹴りをする。
モナーは飛び蹴りしたドクオの足を捕まえ顔の前でぶら下げながら言う。

107 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:27:36.834 ID:E0vCDDRlr
( ´∀`)「どうしちまった?俺は昔からこうだモナよ?」

( A ゚)「嘘だ!師匠は優しかった」

( A ゚)「孤児の俺を拾ってくれた」

( A ゚)「時に厳しく時に優しく師匠は俺に色んな事を教えてくれた」

( A ゚)「それに俺は師匠からは愛を感じていた」

( ´∀`)「今でも愛しているモナ」

( ´∀`)「世界で信じられるのは自分とドクオとジョルジュだけと思えるくらい愛しているモナよ」

( A ゚)「ならどうして?」

( ´∀`)「どうして世界を滅ぼそうとするんだっと聴きたいモナね?」

( ´∀`)「俺はずっと人間が嫌いだったモナ」

( ´∀`)「ファイナル国で生まれた俺の親は俺が15歳の時に貧しかったファイナル国からソウサク国に亡命したモナ」

( ´∀`)「食べ盛りになった俺に一杯食べさせてやりたい。そういう想いからだったモナ」

( ´∀`)「ソウサク国で俺達家族は迫害されたモナ」

( ´∀`)「豊かなソウサク国の中にも格差がある」

( ´∀`)「そのヒエラルキーの最下層として俺達はクズ共の不満の捌け口にされたモナ」

110 名前:同じAAの羅列だと連投規制が強い?? ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:36:11.055 ID:+6V7KoNvr
( ´∀`)「仕事をすれば安い賃金でこき使われ、すれ違えば石を投げられ、殴られ、母は……」

( ´∀`)「親はどうしてこんな所に来たんだ、ファイナル国にずっと居たかったという俺の呪詛を聴きながら死んだモナ」

( ´∀`)「俺はそんなソウサク国の奴らに抗い続けたモナ」
 
( ´∀`)「幸い腕っ節は強かったから生きて行く事はできたモナ」

( ´∀`)「それでも何度か死にかける事はあったモナ」

( ´∀`)「そんな時俺達を迫害する奴らを注意する女が現れたモナ」

( ´∀`)「レモナという女性だったモナ」

( ´∀`)「彼女は人々に平等を訴えたモナ」

111 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:37:10.443 ID:zCllxU9vr
( ´∀`)「しかし彼女が理解される事は無かったモナ」

( ´∀`)「それどころか彼女に危害を加えようという奴も現れたモナ」

( ´∀`)「俺はそいつらから死に物狂いで彼女を守ったモナ」

( ´∀`)「彼女は天涯孤独になった俺が唯一信じられる人だったモナ」

( ´∀`)「でもとうとう僕が目を離したスキに彼女は男達に囲まれ、そして殺されたモナ」

( ´∀`)「僕は怒ったモナ」

112 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:38:12.993 ID:naMiurk9r
( ´∀`)「ファイナル国に帰りトレジャーハンターになったモナ」

( ´∀`)「誰も信じられなかった俺はパーティーは組まずAAだけ連れて世界を駆け回ったモナ」

( ´∀`)「そして兵器になりそうな物を片っ端から手に入れてファイナル国へ持って帰ったモナ」

( ´∀`)「忽ちファイナル国は戦争で国力を付け僕はファイナル国の英雄になったモナ」

( ´∀`)「俺のレモナを奪ったソウサク国を皆殺しにしてやりたかったモナ」

( ´∀`)「でもファイナル国はソウサク国と和平を結んでしまったモナ」

( ´∀`)「その時俺はガッカリしたけどある程度満足したモナ」

114 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:39:28.681 ID:BrwjQOHlr
( ´∀`)「それよりも僕はその時レモナとの子供と思って育てていたジョルジュとドクオに夢中だったモナ」

( ´∀`)「小さかった二人は師匠、師匠と俺を呼んで可愛かったモナ」

( ´∀`)「この子達にいい暮らしをさせてあげたくてファイナル国に色々な使えそうな素材を持ち込んだモナ」

( ´∀`)「すると世界は進歩し俺は世界の英雄と呼ばれる様になったモナ」

( ´∀`)「人間の汚さを見た気がして俺はそれがどうしても気に食わなかったモナ」

( ´∀`)「あのソウサク国の連中ですら都合が良くなれば俺を英雄扱いだ、クソだと思ったモナ」

115 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:40:19.722 ID:f+HXMvqHr
( ´∀`)「そんな時俺はコアの中で死線をくぐり抜け、制御装置らしきこの生体コンピュータと」

( ´∀`)「線の両側に+極と-極のクリップが付いており+極側に挟まれた生物の意識を-極側に挟まれた生物へと共有させることができるプラグを使って掌握した時」

( ´∀`)「ヒト情報破壊装置を知ったモナ」

( ´∀`)「大嫌いな人間共を滅ぼせる手段を見つけた俺はドクオとジョルジュに出会って忘れていた気持ちを思い出したモナ」

( ´∀`)「そして俺はずっと待ったモナ」

( ´∀`)「愛する俺の家族を」

( ´∀`)「ジョルジュとドクオならきっと来ると思ってたモナ」

( ´∀`)「ほら……」

116 名前:一レスが長いと何故か連投規制になるっぽいですね ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:41:51.797 ID:f+HXMvqHr
<ドクオおおおおおおおおお家に帰りなさーい

( A ゚;)「な……」

( ゚∀゚)「お兄さんコアまで追ってきたぞーーーー」

( ゚∀゚)「え?師匠?」

∬´_ゝ`)「何よこの状況」

<_プー゚)フ「何だこりゃ……」

( ´_ゝ`)(´<_` )「「そんな事より姉者を返しやがれ」」

l从・∀・#ノ!リ人「マッシュポティトォー」

ξ゚听)ξ「はははは歯車王を返しなさい!」

( ^ω^)「ややややばそうなおっさんが居るからって僕に隠れながら言うなお」

117 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:42:31.203 ID:9pb57mdur
ミセ*゚ー゚)リ「おい、巻髪野郎!お前私の武器を返せやおら」

(゚、゚トソン「そこの豚さんもですわよ、おほほほ」

/ ,' 3「ミセにゃんとトソにゃんが可哀想だよん★」

説明しよう、彼女らはQ国のパーティー、魔法少女のミセリと魔法少女のトソン、AAの荒巻スカルチノフだ!武器は勿論ハート付きステッキ!それで相手をしこたま殴るぞ★!!

( ゚д゚ )「魔法少女共、俺にサインを書け」

説明しよう、彼はニイタ国の孤独なトレジャーハンター。
魔法少女のミセリ&トソンwithスカルチノフのファン。
因みにこの後死ぬ。

(十)ピピピピピ

( ゚д゚ )「ぐあああああああああああ」

118 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:43:11.101 ID:b55ccBcqr
( ´∀`)「随分と余分な者を連れてきたモナね……ジョルジュ」

( ゚∀゚)「色々あって付いてきちまいまして……」

( A ゚;)「ジョルジュ、師匠は人を滅ぼそうとしているんだぞ」

( ゚∀゚)「何ぃ!?」

( ´∀`)「そう、大昔にヒトを滅ぼしたヒト情報破壊装置を使ってモナ」

(; ゚∀゚)「そんな……」

∬;´_ゝ`)「恐ろしい……」

<_フ;゚ー゚)フ「まじか……」

(; ´_ゝ`)(´<_` ;)「「そんなバカな」」

l从・∀・;ノ!リ人「ポテトー……」

119 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:44:00.326 ID:rPCkwyjjr
ξ;゚听)ξ「はわわわわわ、やばいわ」

(; ^ω^)「だだだだ大丈夫だお」

ミセ;゚ー゚)リ「うわー、そういうのダルー」

(゚、゚トソン「ミセリ、帰りましょ」

/ ,' 3「サンセー★」

(十)ピピピピピピピピピピ

( ´∀`)「うるさいモナね……」

そう言うとモナーは腕を振るう。
その衝撃で姉者、兄者、芋者、ツン、ブーン、ミセリ、トソン、荒巻スカルチノフは壁に叩き付けられ気絶する。

( ´∀`)「これでふっ飛ば無かった子達はある程度の実力はあるようだモナね」

( ´∀`)「だが俺の前では虫同然だモナ」

そう言いながらモナーはセキュリティロボットを一殴りで倒す。

120 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:44:45.313 ID:exDfNlUAr
(; ゚∀゚)「あのロボットを……一撃で……」

( ´∀`)「さあ、ジョルジュ、ドクオ……三人で暮らそうモナ」

( ´∀`)「機械の身体になって三人の愛を深めようモナ」

( ´∀`)「ほら、こっちに来るモナ……」

( ´∀`)「一緒に……一緒に……」

( A ゚#)(♯゚∀゚)「「行くわけねーだろ!!!!!」」


ドクオとジョルジュが同時に吠える。

121 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:45:24.025 ID:2ovDkBP2r
( ´∀`)「ならば力ずくで連れて行ってあげるモナ」

モナーはドクオをジョルジュに投げつけ弟者の方へ向かう。

(´<_` ;)「く、来るな……」

( ´∀`)「ドクオとジョルジュを誑かしたのはお前モナ?」

(´<_` ;)「ち……違…」

ナイフを構えながら震える弟者の腹にモナーの拳が沈み込む。

( <_  ;)「ぐはっ……」

( ´∀`)「次はお前だモナ」

モナーは再びクーの方へと向かう。

122 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:46:10.499 ID:2ovDkBP2r
( A ゚#)(♯゚∀゚)「「師匠……いや、モナー!」」

( A ゚#)(♯゚∀゚)「「お前をぶっ倒す!!!!!」」

ジョルジュはモナーから授かったをドームコンとY字型の金属を組み合わせた武器の『パチンコチンコ』を
ドクオはモナーから授かったドームコンで作られた差牙魅オリジナルを構える

( ´∀`)「俺があげた物を二人共大事に使ってくれるなんて感激だモナ」

( A ゚#)(♯゚∀゚)「「ウルセーええええええ!!」」

まずドクオが差牙魅オリジナルをモナーに巻き付ける。

( ´∀`)「さっきも駄目だったのに懲りないやつだモナ」

それをモナーはドクオごと振り回す。

123 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:46:54.865 ID:13UHFcWfr
(♯゚∀゚)「クモの巣ネット!!!!」

そこにジョルジュがニューソクで見つけたとても強度の高い糸で作られた網をパチンコで放つ。

( ´∀`)「小癪だモナ」

モナーは差牙魅オリジナルから手を離し網を素手で引きちぎる。
そのスキにドクオはモナーの周りを走り差牙魅オリジナルの巻数を増やして行く。

( ´∀`)「無意味だモナ」

網から抜け出したモナーは差牙魅オリジナルを握り直す。

124 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:48:10.326 ID:13UHFcWfr
( A ゚#)「ゴムは伸びれば伸びる程力を増すんだぜ!!!」

( ´∀`)「モナっ!!?」

巻数が増え力を蓄えた差牙魅オリジナルによって掴んでいたモナーの手は引っ張られ、モナーは思わず手を離す。
それに合わせてドクオは飛び上がりモナーの周りを猛スピードで周回する。

( ´∀`)「何がしたいんだモナ?」

( A ゚#)「究極!!!延髄殴り!!!!!!」

ジョルジュがパチンコでドクオへと飛ばした金属の棒を受け取りドクオは猛スピードでモナーへと棒を振るう。

( ´∀`)「モナぁぁぁ!!!」

モナーはそれを拳で迎え撃つ。

125 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:48:54.696 ID:qhyHX0Ovr
ガキぃぃぃぃぃぃんんん

金属と金属は火花を散らしながらぶつかり合う。
暫く拮抗していたが……

( ´∀`)ニヤリ

モナーは笑う。

( ´∀`)「俺にこの技を出させるとは褒めてやるモナ……ジェットパンチ!!」

モナーが叫ぶとモナーは肘から空気を噴射して拳の速度を上げる。
するとドクオは少しずつ後ろに押されていく。

( A ゚;)「くそっ……」

そして遂にドクオは押し負け後ろへとふっ飛ばされる。

127 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:49:36.059 ID:qhyHX0Ovr
( ´∀`)「そうだ……どうせ金属の身体になるなら半殺しにしても構わないモナね」


モナーは背中から空気を放ちドクオへと高速でにじり寄る。


(♯゚∀゚)「ヤメロ!!!!酒爆弾!!」


ジョルジュがパチンコチンコで放った爆弾は見事モナーの頭にヒットする。
それによりモナーは少し仰け反る。

( ´∀`)「ふふ、俺を仰け反らしたからっていい気になるなモナよ」

(♯゚∀゚)「酒爆弾はただの爆弾じゃねぇぜ!」

(♯゚∀゚)「酒爆弾は爆発した瞬間に酒の霧を撒き散らすんだ」

(♯゚∀゚)「酒に凄く弱かったお前は息をしただけで気持ち悪くなるはずだ」

128 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:50:27.994 ID:jmvH2a9Sr
( ´∀`)「俺は息なんかしないモナよ?」

(♯゚∀゚)「何ぃ?」

( ´∀`)「機械の身体で息なんか必要無いモナ!!!」

そう叫ぶとモナーは掌から光線を放つ。
ジョルジュはそれを避けるが光線は服を掠る。
すると掠った箇所は一瞬にして燃えて消えた。

(♯゚∀゚)「危ねえ」

( ´∀`)「火炎光線だモナ」

(♯゚∀゚)「くっ……」

( A ゚#)「俺を忘れるなよ!!!」

ドクオは差牙魅オリジナルをモナーの脚に巻きつけて飛び掛かり金属の棒で殴り掛かる。

130 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:51:42.474 ID:eouCpztqr
( ´∀`)「何度も何度も何度も何度も小賢しいモナぁ」

モナーは金属の棒を素手で受け止めドクオごとジョルジュにぶん投げる。

( ´∀`)「二人まとめて半殺しだモナ」

モナーの掌から二人に向かって光線が放たれる。

( A ゚;)「ぐああああああ」

(;゚∀゚)「ぐっ………」

光線はドクオの左手、ジョルジュの左脚を焼き尽くす。

( ´∀`)「痛みで気絶しそうモナ?」

( ´∀`)「バカな息子への父からの鉄槌だと思えモナ」

( A ゚;)(あと、少し……あと少しでいいんだ)

(;゚∀゚)(時間を……)

131 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:52:30.013 ID:XBUP750br
痛みを我慢するので精一杯なドクオとジョルジュにモナーは歩み寄る。

( ´∀`)「お仕置きは終わりだモナ」

( ´∀`)「すぐに楽にしてあげるモナよ」

地に転がるドクオ達にモナーは拳を振り上げる。

( ´∀`)「さぁ、一緒に暮らそう……」

モナーの拳はミシミシと音を立ててドクオの腹にめり込む。

( A  ;)「ガフッ……そっくり……そのまま…返すぜ……」

ドクオの最後の悪足掻き。

( ´∀`)「モナ?」

134 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:53:36.870 ID:XBUP750br
(; ´∀゚)「ガ……ああああああああああああ」

手が焼け落ちる程の痛みと肋骨が割れる痛み、
そして腹にめり込む痛みがモナーを襲う。
モナーは初めて顔を歪ませた。

(; ´∀゚)「ぐぎゃああああああああああ」

左手の感覚が無い
視界が真っ黒で塗り潰される。
モナーは混乱した。

(; ∀ )「は……上手く行ったようだぜ……最後の悪足掻きはよ」

そう言いながらジョルジュは意識を手放す。
その手にはドクオとモナーを繋ぐ感覚コネクトプラグが握られていた。

135 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:55:00.403 ID:XBUP750br
(; ´∀゚)「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」

モナーはここ何年も痛みという感覚と無縁であった。
そんなモナーにとってこの痛みは耐え難いものであった。

(; ´∀゚)「があああああああああああああああ」

モナーは地に転がり暴れる。
何処からともなく現れたジエンが必死にプラグが抜けない様に抑える。

( A  ;)「ヒッ……ヒッ……ハァ……ハァ……」

ドクオが意識を手放した瞬間モナーの痛みは消える
ドクオは今にも飛びそうになる意識に必死でしがみついていた。

( A  ;)(そろそろ行けるか?)

136 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:56:09.716 ID:XBUP750br
モナーが次々と入ってくるトレジャーハンター達に気を取られている内にドクオはある作戦を聴いていた。
貞子のプラグと繋がった歯車王
歯車王と意識を共有し歯車王の記憶を得た貞子が編み出した作戦
それは宙に浮けるエクストがクーとモナーの丁度真ん中にイチバミキアイガンを構えクーがレーザーガンを最大出力でイチバミキアイガンに向けて発射し、 
それによって収束した一撃でモナーの心臓部を撃ち抜けば倒せる
というものであった。
そしてドクオとジョルジュに与えられた仕事は時間稼ぎ。
イチバミキアイガンがモナーとクーの真ん中に来るという状況になるまでモナーの注意を引き付けるというものだ。
因みにジエンは適材適所でドクオとジョルジュのサポートという役回りだった。


( A  ;)(あと少し持ってくれよ……)

137 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 04:57:00.767 ID:XBUP750br
バタバタと暴れる音と頑張って押さえつけようとするジエンの音が段々と遠くなっていく。



( A  ;)「間に……合え……」


そう言ってドクオは意識を手放した。
意識を手放す間際、ドクオは雷の落ちる様な音を聴いた気がした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

139 名前: ◆aZ6/ee4If2 投稿日:2017/08/26(土) 05:03:08.515 ID:XBUP750br
ここまで書いて私の筆は止まった。
あとは後日談の様な物を書いてこの物語は終わりだ。
私は伸びをしてすっかり冷えてしまった紅茶を啜る。
窓からは雀がじっとこちらを眺めている。
やぁ雀くん、私の書く物語は面白かったかな?
拙い文章とか言うなよ?私の本職は物書きじゃないんだ。
心の中で尋ねると雀はチュンと鳴いた。
結末が知りたいって?
そう尋ねると雀はチュンチュンと鳴く。
仕方ないな……


「おーい、腹が減ったから昼食作ってくれよ」

「おばあちゃん!!ヒートもお腹減ったーー!」


ああ、済まないね雀くん。
どうやら夫と孫に昼食の催促をされてしまったよ。
結末を教えてあげる時間は無いな。
そう言うと雀は怒ったようにチュンッと鳴いた。
ああ、そうそう自己紹介を忘れていたね。
私は現役を引退した調査士
伝説のトレジャーハンターとか呼ばれる男とパーティーを組み
今はその男の妻として生きている
そんな女さ。
えっ?自慢するなって?
そう言ってくれるなよ雀くん
歳を取ると昔の栄光を掲げてみたくもなるのさ。

つまらなさそうに飛び去って行った雀を見送って私は昼食を作りに書斎を後にした。


終わり



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