セピア色の記憶、のようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:02:02.88 ID:oRRrsgsY0
>>1 代理ありがとうございます。


皆さんは子どもの頃、絵本やテレビ、紙芝居などで昔話を楽しんだ方がほとんどかと思われます。
勇敢に鬼を退治する桃太郎、悲しい別れをするかぐや姫、夢一杯の浦島太郎など、それらのタイトルを挙げるとがありません。


しかし時は残酷なものです。
あれだけ楽しみにしていた昔話のあらすじが、まるで霞がかかったかのように思い出せなくなってしまっていることでしょう。


そこで今日は皆さんのセピア色の記憶に、再び色をつけるため、AAを用い昔話を再現していきたいと思います。
桃太郎のくだりを除き、ながらです。ごゆっくりお楽しみ下さい。

(作者の記憶力により、作品の内容が若干変更になる可能性があります)

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:04:17.87 ID:oRRrsgsY0
【一休さん】

('A`)
あるところに頭が聡いことで有名な坊主がいました。
彼の名は一休宗純、現在では「一休さん」という通称が有名です。

円周率の50桁目までそらで言えるほどの、賢さです。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:05:49.40 ID:oRRrsgsY0
('A`)
ある日彼が歩いていると、橋の前に人だかりが出来ていました。
不審に思い、一休が耳を澄ますと、

「町一番の大金持ちが、この橋を買い上げて封鎖したんだ」

「ちくしょう、なんて野郎だ」

「このはしわたるべからずだと、あっちにわたれないじゃないか」

などと説明口調の会話が聞こえました。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:07:34.72 ID:oRRrsgsY0
('A`) 諸君、案ずることはありません


鶴の一声のようによく通る一休の声で、辺りは水を打ったかのように静かになりました。


それから一間隔あって野次が飛び交いました。

当然です。ただでさえ頭に血が上っているというのに、
皮も剥けていないような小坊主が、クソ生意気な態度をとったので皆怒ったのです。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:09:07.31 ID:oRRrsgsY0
しかし、それに怖気づく一休ではありません。

('A`) 皆さん、落ち着いてください。

('A`) 私が今からこの橋を渡って見せましょう

一瞬場が騒然となりました。
しかしあまりにも堂々な一休の態度を見て、観衆は皆黙り、彼の一挙一動に注目し始めました。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:10:52.86 ID:oRRrsgsY0
('A`) 立て札をご覧下さい。

('A`) このはしわたるべからず と書かれていますね

('A`) つまり、こうすればいいのです


そう言い放つが速いか、一休は颯爽と橋を渡り始めました。

('A`) 分かりましたか?

('A`) 橋を渡っていけないのであれば、端を渡ればいいのです

('A`) さぁ、皆さんも渡りましょう


それを聞いた大勢の人々が、橋の端へと殺到しました

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:11:58.87 ID:oRRrsgsY0
ボカ( ⌒( ⌒ )ーン  
 (   ⌒ ⌒  ⌒ ); 
  ( ( ⌒( ⌒ ) 

無論、倒壊しました。


おしまい

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:14:12.24 ID:oRRrsgsY0
【白雪姫】

むかしむかしのことでした。
信濃国、現在でいうところの長野のある寒村に大変美しい女性がいました。

イ从゚ ー゚ノi

彼女は透き通るような白い肌をしていたことから、白雪、と呼ばれました。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:16:41.29 ID:oRRrsgsY0
ミ,,゚Д゚彡

彼女には夫がいました。名をフサギコといいます。

彼は大変勇猛果敢な性格の持ち主で、村に狼や虎が襲ってきたときも自慢の鉈で追い返していました。
腰まで伸びる立派な髭を蓄えていたことから、彼は美髭侯とも呼ばれました。


イ从゚ ー゚ノiミ゚Д゚,,彡
そして夫婦はとても仲睦まじいことで知られていました、
夫婦が共同で作る竹細工は非常に精巧で、村の特産品になるほどでした。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:20:03.20 ID:oRRrsgsY0
/ ,' 3

そんなある日、夫婦の家に村長が訪れました。

彼は山に非常に獰猛な人食い虎が出たので、フサギコにその退治を願い出たのです。


ミ,,゚Д゚彡

フサギコはそれを聞くや否や、すぐさま鉈を片手に飛び出しました。
彼はまだ雪が残る山を一気に駆け上っていきました。


……しかし、何日経っても彼は山から帰ってきませんでした。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:21:06.89 ID:oRRrsgsY0
イ从゚ -゚ノi

いつまで経っても帰ってこない夫を心配した白雪は、村人が止めるのも聞かず単身で山へ向かいました。


しかし彼女もまた、二度と帰ってはきませんでした。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:23:58.30 ID:oRRrsgsY0
そのことを大変嘆いた村人たちは、二人を弔う碑を建て、その御霊を鎮めました。

そして彼らが死んだことを理解できない子ども達には、「二人は竹の化身になって、この村を見守ってくれているんだよ」
と優しく教えました。


……その地方ではその二人が遺した、竹細工の技術が途切れることなく伝承され続けたそうです。


おしまい

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:25:56.84 ID:oRRrsgsY0
【桃太郎】

(^o^)

昔々、あるところに若者が住んでいました。



(^o^)

でも死にました。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:27:49.93 ID:oRRrsgsY0
('、`*川 

おじいさんは山へ竹を切りに、


/ ,' 3

おばあさんは川に洗濯に行きました。


/ ,' 3

しかし溺れました。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:29:01.07 ID:oRRrsgsY0
('、`*川 

おじいさんが山で竹を切っていると、


('A`)

竹の中から玉のように可愛らしい子どもが出てきました。


('、`*川 

おじいさんはその子どもが出てきた日が3月3日、すなわち桃の節句であったことから、


('A`)

桃太郎と名づけました。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:30:15.56 ID:oRRrsgsY0
('、`*川 

それに対して特に感動もなく竹を切っていると、まだまだたくさんの子どもが出てきました。



ミ,,゚Д゚彡( ^ω^)|  ^o^ |

最終的には桃太郎のほかに三人の元気な子どもが出てきました。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:31:14.20 ID:oRRrsgsY0
ミ,,゚Д゚彡( ^ω^)('A`)
その子どもたちは、何を思ったかおもむろに酒宴を催しはじめました。


( ^ω^) 我が力は天下無双、ブーンと申す

その男は自身の紹介の通り、豹頭環眼、威風堂々たる容貌をしていました。
そのぎらぎらとした目は、虎が竦みあがるほどの威を放っていました。



ミ,,゚Д゚彡 鉈の扱いは右に出るものはござらん、関羽と申す

次に名乗り出た男は、まさに偉丈夫とよべる程の体躯、そして腰まで伸びる美しい髭を蓄えていました。
大人三人でようやく持てるほど重い大鉈を、片手で軽々扱うほどの怪力の持ち主です。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:33:14.80 ID:oRRrsgsY0
('A`) 竹から生まれた桃太郎です

脇が臭いこの男が最初に生まれたので、長男となりました。


すっかり意気投合した三人は義兄弟の契りを結び、生死を共にすることを誓い合いました。
これがかの有名な、「桃園の誓い」です。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:35:19.54 ID:oRRrsgsY0
三兄弟は自らの国を興し、天下を治めんと欲しました。
それには軍隊が必要です。

そこでまず彼らは武器を集めました。長刀、弓、槍、鉄鞭……。
そして桃太郎は特別に、張飛には鋼鉄の矛を、関羽には規格外の大鉈を、そして自身には竹槍を用意しました。


十分に武器を集めてから、騎馬隊を編成するため馬を商人から五百頭買い上げ、最後に立て札を用い義勇兵も募りました。

そうして集まった義勇兵の数は千人にのぼりました。
血気盛んな若者、精強な壮年たちが桃太郎の掲げる旗の下に集いました。

(^o^) (^o^) (^o^) (^o^) (^o^)  ワーワーワー

こうしていよいよ旗揚げの準備が出来たのです。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:37:13.29 ID:oRRrsgsY0
しかし時代は高度経済成長期の真っ只中でした。

そこで三人は現代人には癒しが必要と感じ、たくさんの馬たちと触れ合える牧場を経営。
その取り組みは時代のニーズに見事合致し、大成功を収めたそうです。


おしまい

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:42:09.21 ID:oRRrsgsY0
【かぐや姫】

あるところにおじいさんとおばあさんが居ました。

/ ,' 3  ('、`*川


/ ,' 3

おじいさんは山へ虎刈りに、

('、`*川

おばあさんは山へ竹を切りに行きました。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:47:03.60 ID:oRRrsgsY0
('、`*川

おばあさんが山で竹を切っていると


イ从゚ ー゚ノi

竹の中から雪のように肌が白い、美しいおなごが出てきました。


('、`*川 

おばあさんは清楚で可愛いらしいおなごを一目見て気に入り、


イ从゚ ー゚ノi

家に持ち帰って養育することにしました。


おじいさんは山に行ったきり帰ってきませんでした。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:51:22.23 ID:oRRrsgsY0
('、`*川 

帰宅したおばあさんはおなごに、名前を授けようと考えました。

('、`*川 

彼女はおなごが大変かぐわしいことから、

イ从゚ ー゚ノi

かぐわ姫、と名付けました。


現在、かぐや姫と呼ばれているのは音便変化したためです。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/28(土) 01:56:39.87 ID:oRRrsgsY0
イ从゚ ー゚ノiミ゚Д゚,,彡

その後、さらに美しく育ったかぐわ姫は牧場主の男性と結婚、幸せに暮らしたそうです。



おしまい

end


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