- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:09:13.77 ID:uS17Olo00
「お前ってさあ、なんか気持ち悪いよなあ」
「えっ、アニメがすきなの? やだ〜オタクじゃん!」 「おい、こっち寄るなよ」
「2ちゃんねる?何それー、モララーくんって変なの」
「その鬱陶しい前髪どうにかしたら?」 「うわっ、モララー菌が移るwwww触んなwww」
「お前なんか、どっか行けよ」
「えっ……、ちょ、ちょっとまってよ……、そんな……そんな……」
( ;∀;)「そんな風に言わなくてもイイダロォーー!」
(;・∀・) ハッ
(;-∀-) ……フー
(;・∀・)「い、嫌な夢見たぁ……」
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:10:28.09 ID:uS17Olo00
( ・∀・)は隠れ2ちゃんねらのようです
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:12:13.77 ID:uS17Olo00
額にへばりついた髪を払うと、じっとりとした汗が手についた
薄い朝日が差し込んだ部屋の中、僕は逸る心臓を押さえてゆっくりと起き上がる
(;-∀-)「久々に見たぁ……あの頃の夢……」
ダサイ、キモイ、オタクと罵られたいつかの現実を見るのは、打ち切られたアニメを見るよりつらいものだ
隣を見ると、等身大の鏡があり、その中には汗をかいてはいるが、すらりとした体躯の僕が映っていた
大丈夫、僕はかっこいい、かっこいいんだ、決してオタクと言われるような外見じゃあない
むしろイケメン、超イケメン
ブツブツ
(;・∀・)「僕はかっこいい、もうすごいかっこいい、超かっこいい、マジイケメン……世界中の女の子が僕の虜……」
そうとも、僕はかっこいい!
自他共に認めるイケメンだ!だからもう二度とあんなことは繰り返さない!
右手で汗をぬぐうと、ベッドから降りて一階に向かった
寝覚めは悪いけど、それはそれ、ポジティブにいこう
今日もイケメンな僕でありますように
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:13:14.10 ID:uS17Olo00
*
「モララー! ギコくん来てるわよー!」
( ・∀・)「今いくー!」
一階に下りると、すでにギコは居間のソファの上に座っていて、携帯を弄っているのが見えた
ツンツンと立てた青い髪が、ソファの上で揺れている
友達とはいえ、他人の家でくつろぎ過ぎではなかろうか、といつも僕は思うのだが、いかんせん
ギコは喧嘩が強いので、何もいえない
( ・∀・)「オーッス、ギッコおはよー」
( ,,゚Д゚)「よー、今日もおっせえなお前は」
( ・∀・)「いい男は支度に時間がかかるのさぁ」
( ,,゚Д゚)「寝てただけだろ」
( ・∀・)「バレたかwwww」
( ,,゚Д゚)「早くしろよ低血圧、遅刻は確定だけど、2時間目現国だろ、次休んだら単位なくなるぞ」
( ・∀・)「わかってるって、母さんご飯はー?」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:14:30.68 ID:uS17Olo00
「そこのテーブルの上においてあるわ!母さんもう仕事行くからね、あんまりサボるんじゃないわよ!」
( ・∀・)「はーい」
テーブルの上にはトーストと目玉焼き、あとウインナーに軽くちぎったレタスが添えてあった
目玉焼きの目玉をつぶして、上から醤油をたらし、かき混ぜる
そのなかにパンを浸して食べるのが僕流だ、たまごかけご飯の次に好き
( ・∀・)「ギッコもなんか食べる?」
( ,,゚Д゚)「いらね、テレビ見ていい?」
( ・∀・)「いーけどこの時間はニュースしかやってないよ」
( ,,゚Д゚)「いーんだよ、俺はニュース博士と呼ばれる男だからな」
( ・∀・)「呼ばれてるとこ聞いたことねえよwwww」
ピッ
( ,,゚Д゚)つ□「うるせー」
テレビをつけると、最近出てきたアナウンサーが、路上で真剣な面持ちのまま、実況していた
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:15:41.22 ID:uS17Olo00
『昨夜未明、この通りに現れた通り魔、ジャック・ザ・スモークは、若い女性を襲った後――』
( ,,゚Д゚)「またこのニュースかよ」
( ・∀・)「多いよねぇ」
最近ニュースでは、巷を騒がせている連続通り魔についてばかり放送していた
その名も『ジャック・ザ・スモーク』夏だというのに真っ黒いコート、シルクハットを被った男が
道行く人に質問を投げかけ、斬りつけては、突然煙のように消えてしまうという事件だ
まったく荒唐無稽も甚だしいが、それが世間を賑わせているのはどうしようもない事実だった
僕は二次元にちょっとした憧れを抱いてはいるが、三次元とごちゃごちゃにはしない
( ・∀・)「捕まればいいねー」
( ,,゚Д゚)「どうだろうなあ、そういやモララー知ってるか?」
( ・∀・)「何を?」
( ,,゚Д゚)「二組のタバコ」
( ・∀・)「タバコ?」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:17:28.74 ID:uS17Olo00
( ,,゚Д゚)「なんだよ、知らないのか、転校生だよ、転入初日の段階で煙草咥えて登場したから
タバコって呼ばれてる奴」
( ・∀・)「なんだそいつwww頭悪ぃwww」
( ,,゚Д゚)「案の定停学くらってたけどな、最近そいつがこの通り魔なんじゃないかって、学校で噂がたってるんだよ」
( ・∀・)「なんでだよwwタバコだから?」
そういうと、急にギコの顔が真剣味を帯びた
その視線に僕は軽く顎を引くと、こんがりと焼けたトーストへと手を伸ばす
( ,,゚Д゚)「……それもあるらしいけどよぉ、なんかこう、突然ふっと消えちまうんだってさ」
( ・∀・)「……消える?」
つ□
( ,,゚Д゚)「おう、そいつ停学あけてからも煙草咥えながら歩いてたりするんだけどさ、
で、もちろん先公も追いかけるんだけど、それが突然消えちまうんだと」
( ・〜・)「なんだよそりゃ……、マジック?」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:18:29.82 ID:uS17Olo00
( ,,゚Д゚)「俺だって詳しいことは知らねえよ、ただ、聞いただけだ」
( ・∀・)「ふぅーん」
( ,,゚Д゚)「最近じゃ先公も気味悪がって、タバコが煙草咥えてても注意しないって話だぜ」
( ・∀・)「弱っww」
( ,,゚Д゚)「まっ、確かに先公ってのは弱いよな、飯食い終わったか? そろそろ行くべ」
横においてあったスクールバッグを担ぎ、ギコは立ち上がる
僕は慌てて制服を着て、洗面所に走って行った
(;・∀・)つ「待って!まだ最重要の顔のチェックがまだだ!」
( ,,゚Д゚)「早くしろナルシストが」
( ・∀・)「おう!今日もまたこの僕のイケメンぶりを学校に知らしめてやる!」
( ,,゚Д゚)「お前って結構幸せな頭してるよなあ」
呆れ気味に呟くギコの言葉を、僕は無視することにした
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:20:14.07 ID:uS17Olo00
*
学校につくと、なんとか二時間目には間に合ったようで、休み時間の騒がしさにまぎれ
僕達はこっそりと席についた
すると隣の席のデレが可笑しそうな顔で近付いてくる
ゆったりとしたウェーブは自慢の髪らしく、以前1時間ほど髪の手入れの話に付き合わされたことは
まだ記憶に新しい
ζ(゚ー゚*ζ「モララーくんおはよぉ!」
( ・∀・)「よっ、デレおはよう」
ζ(^ー^*ζ「もう2時間目だよー」
男を喜ばせることを知ったような可愛らしい笑顔で、そのふくよかな胸を押し付けてくる
こんな堂々とした彼女を、僕は嫌いじゃないけど、ちょっと怖い
別に女の子に免疫がないわけではないけれど、やはり現実の女は怖い、と2ちゃんねる脳になっているのかもしれない
だってデレは典型的なスイーツ脳だもの
( ・∀・)「えっ、マジで? うっそ1時間目と勘違ってたわ」
ζ(゚ー゚*ζ「wwwwww」
(*゚∀゚)「あっ、モラララララー!オッス!」
( ・∀・)「オッス、ラが多いよつー」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:23:05.20 ID:uS17Olo00
後ろから、軽い音とともに頭を叩かれた
振り向くと、そこにはショートカットの少女が八重歯を覗かせながら微笑んでいた
デレのあからさまな舌打ちを聞いたが、それを無視して彼女は続ける
(*゚∀゚)「アヒャヒャー! ワザとだぜ! それより今日カラオケいかね? 半額なんだってー」
( ・∀・)「んー、でも今僕金欠なんだよね」
(*゚∀゚)「サイフがあるじゃん!なっ」
(;'A`)「え、え……」
そういうと、近くにいた地味目の男子生徒をとっつかまえた
彼女は友達としてはイイヤツだけど、時々こういうDQNっぽい行動をするから困る
(*゚∀゚)「アヒャヒャ! 超きょどってやんの!」
(;・∀・)「…………」
(;・∀・)「ギ、ギッコはどうすんの?」
( ,,゚Д゚)「俺もパース、用事あるわ」
( ・∀・)「つーことで、僕もパース」
(*゚皿゚)「なーんだよ、つまんねーなっお前ら!」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:25:38.10 ID:uS17Olo00
ζ(゚ー゚*ζ「つーちゃんが嫌われるんじゃない?」
(*゚∀゚)「……は? 喧嘩売ってんの?」
ζ(^ー^*ζ「別にぃ?」
(*゚∀゚)「…………」
(;'A`)「あ、あの、僕はもう行ってもいいでしょうか……?」
(#゚∀゚)「うるせえおらっ!あっちいけ!」
(;'A`)「はいっ!」
興味を失ったつーの手によって、男子生徒は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った
これだから、現実の女は怖い
今もデレと二人で、火花を散らしていた
これはもう、触らぬ神になんとやら、だろう
(;-∀-)(やれやれ……)
僕はなるべく彼女達に近寄らないようにして、立ち上がった
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:26:54.07 ID:uS17Olo00
( ,,゚Д゚)「そういやモララー、お前、3時間目の数学、あれ、予習した?見せろ」
( ・∀・)「命令かよ、たまには自分でやれっての」
( ,,゚Д゚)「数学なんて知らなくても生きていける」
( ・∀・)「バカの理屈じゃないか」
( ,,゚Д゚)「うるせえ」
(;・∀・)「まったく……僕ちょっとトイレ」
( ,,゚Д゚)「うんこか?」
( ・∀・)「ギッコ、イケメンはうんこしないんだよ」
( ,,゚Д゚)「あ、そう、早く戻れよ」
あきれ果てたギコの声は、相変わらず無視して、僕は教室を出て行った
授業開始まであと5分、まあ、間に合うだろう
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:28:04.15 ID:uS17Olo00
- *
しかし授業が始まる数分前にもなると、もう廊下にいる生徒の数も少なくなってきている
というか、皆教室に入り始めていて、僕の足音が妙に廊下へ響いた
( ・∀・)(ちょっと急いだ方がいいかなあ……)
人気の少なくなった廊下を、走っていくと、階段のところで誰かとぶつかった
( ×∀×)「……だっ!」
「っ……と」
(;・∀・)「あ、す、すみません、大丈夫ですか!?」
爪'ー`)y「………………」
慌てて見上げると、目の前に立っていたのは、一年にしては背の高い、小奇麗な顔をした男だった
男はへたりこんでいる僕の顔をにやつくように眺め、その口にはチョコレートの香がする煙草を咥えていた
爪'ー`)y
(;・∀・)(…………タバコ、だ)
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:30:13.54 ID:uS17Olo00
直感的に、僕はこいつが今朝ギコが話していた奴だと感じた
だって、授業が始まる前の休み時間に、こんな風に堂々と煙草くわえて廊下歩いてる奴なんていない
緊張した空気が、ぴんと張り詰めるのを感じた
(;・∀・)「え、えっと……」
タバコは何も言わない
ただ僕をみてにやつきながら笑っている、いや、僕には笑っているように見えるだけで
実際は笑っていないのかもしれない
爪'ー`)y「いる?」
しかし、唐突に、タバコが僕に一本煙草を差し出してきた
ふわりとチョコレートの香が漂う
僕はそれを無言で首を振って断ると、彼は残念そうな顔をしたが、すぐにどうでも良くなったのかくわえていた煙草を
壁に押し付け、僕に差し出そうとした煙草へ火をつけた
再び甘いチョコレートのような香りが周囲に広がる
これはいったいなんて名前の煙草なんだろう、柄にもなく、どうでもいいことを考えてしまった
(;・∀・)「……それ、なんて奴なの?いい匂いだね」
爪'ー`)y「……キャビン・プレステージ、俺、甘党だから」
(;・∀・)「そ、そーなんだ」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:31:53.73 ID:uS17Olo00
爪'ー`)y「ああ」
( ・∀・)「………………」
(;・∀・)「じゃあ、僕はこれで」
爪'ー`)y「なあ」
(;・∀・)「な、何?」
嫌だな、と僕は感じた
こういう奴には関わらない方がいいんだ、変に目立つやつと関わると
ろくなことにならないと言うことを、僕は知っている
だから、ここも何も言わないで立ち去った方が無難……
爪'ー`)y「ぬるぽ」
( ・∀・)「ガッ!」
爪'ー`)y「…………」
(;・∀・) ハッ
(;・∀・)「あ、じゃ、じゃ、じゃあね!」
僕は立ち上がると、彼の顔も見ないで走って行った
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:35:06.79 ID:uS17Olo00
チャイムが鳴ったが、構うこともせず、トイレに駆け込んだ
心臓が早鐘を鳴らしている
ばれた、ばれた、ばれた、僕が実は2ちゃんねらで、もしかしたアニメオタクって
思われたかもしれない!
どうして彼はあんなことを言ったのだろう、僕が2ちゃんねるを見てるってし思ったのだろうか
2ちゃんねるを見てて、しかも結構オタクだなんて知られたら、僕はまた苛められる
苛められる!そんなの嫌だ!
(;・∀・)(ど、どうしよう……)
便座に座って頭を抱え、冷たい汗を流していた
*
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:36:57.20 ID:uS17Olo00
結局2時間目も、トイレで時間をつぶしてしまい、帰ってきたのは2時間目が終わった後のことだった
戻ってきた僕を、ギコが目を細めて見ていた
(ヽ・∀・)「やぁ……」
( ,,゚Д゚)「お前……どんだけでかいウンコひねり出してんだよ……」
(ヽ・∀・)「イケメンはうんこしないんだってば」
( ,,゚Д゚)「じゃあなんでサボるんだよ、お前現国の単位やばいだろ」
(ヽ・∀・)「美少年だから許されるよ」
( ,,゚Д゚)「お前のそのポジティブはどっからくるんだ?」
(ヽ・∀・)「はは、ギッコも見習え」
( ,,゚Д゚)「だが断る、……つーかお前なんか顔やつれてない? どうした?」
(∩・∀・)「いや、別に……」
ギコは心配そうな視線を投げかけたが、僕はそれを無視して、席についた
頭の中はもうあいつにもしかしたら僕がねらーだということがバレたかもしれない
ということで一杯だった
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:38:52.21 ID:uS17Olo00
( ・∀・)(タバコか……)
あいつ、今頃他の誰かに喋っていたりしないだろうな
一組のモララーってやつ、ぬるぽっつったら「ガッ!」って言ったんだぜwww
とか笑ってないだろうか
ああ、嫌だ嫌だ、そんなことになったら絶対バカにされる
(;-∀-)(胃が痛い……)
結局、数学の授業はまったく頭に入らず、散々な一日となった
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:41:17.13 ID:uS17Olo00
- *
家に帰ると、僕は一目散にPCを開いた
つーにしつこくカラオケを誘われたけれど、そもそも僕はカラオケはあまり好きじゃない
自分磨きの一貫として普通の、いわゆるリア充が歌う歌も覚えたが、どちらかといえばアニソン祭りとかしたい
( ・∀・)(今日つーに絡まれてた奴、オタクっぽかったな……、ああいう奴ならカラオケでアニソン歌っても
違和感ないんだろうなあ……)
羨ましいとは思わないけど
立ち上がるウインドウズ画面、デスクトップにあるインターネットアイコンをクリックし
2ちゃんねるへと飛ぶ
行くのはもちろん『ニュー速VIP』だ
というか、家に帰ったらVIPくらいしかすることがない
( ・∀・)「今日はどんなスレがたってるかなー」
1: この画像に一番しっくりくるセリフを入れた奴が優勝 (36) 2: ポケモン金銀リメイク (440)
3: 色塗りに自信あるやつこいや。 (61) 4: 妹を妊娠させてしまった (90)
5: 芳一「んっ…そんなところに経を書いたらダメぇ…っ」(3)
6: 仮面ライダースレの笑顔を護れないと、姉さんが笑ってくれない! (118) 7: ジッポの魅力 (1)
8: Wiiが値下げ、20,000円(税込) (231)
9: ポケモン世界大会優勝者が改造および割れ疑惑2 (789) 10: エロい文学教えて …………
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:42:35.12 ID:uS17Olo00
( ・∀・)「立ってる立ってる、今日もこいつらは絶好調だな」
相変わらず、一覧にはよくわからないが不思議と誘い込まれる魔力をもつスレタイがずらりと並んでいて
僕はそれを順々にクリックしていく
この瞬間が、たまらない
カチ
( ・∀・)「クッソスレ」
カチ
( ・∀・)「これは良スレwwwww」
カチ
( ・∀・)「ゆとり乙、と」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:44:46.03 ID:uS17Olo00
カチ
( ・∀・)「駄スレ」
そうこうしているうちに、時間はあっという間にすぎていく、帰ってきたときはまだ明るかったのに
気がつけば陽は落ち始め、薄い夕闇が空を包み始めていた
( ・∀・)「…………」
そんな夕闇を見ると、僕はいつも思い出す
こっちの学校に転校する前のこと、あの日もこんな夕闇の中、一人で歩いてた
オタクだなんだと罵られて、苛められた苦い記憶が蘇る
それからは、オタクっぽい、と思うようなことをしなくなった、外見に磨きをかけて
誰にも、自分の趣味とか、休日に何してるとか、話せなくなった
というか、バレたら終わりだと思うようになってしまったのだ
( ・∀・)「…………タバコ」
だから、どうしようか、あいつのこと
いっそのことVIPらしく安価でもとってみるか?
16歳DKだけど、変な同級生にオタがバレたから安価、とか
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:45:55.57 ID:uS17Olo00
(;・∀・)「……ないな、うん」
これはない
あいつも2ちゃんねる見てそうだったし、ばれたらもっと悲惨なことになりそうだ
そうなったら今度こそ僕は終わりだ
そろそろお腹もすいてきたし、次開くスレで最後にしよう
しばらく一覧を眺めていると、僕はその中から一つ、興味深いスレタイを見つけた
・俺の親友になれる奴を探しているんだが(3)
( ・∀・)「ちょっwww何ぞこれwwww」
どうせまた自意識過剰のゆとりスレだろうが、僕はあえて騙される気でスレを開いた
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:46:35.03 ID:uS17Olo00
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:20:53.20 ID:3arGmsuu0
俺の親友になれる奴を探している
相応しいのは、2ちゃんねる好きなイケメン
そう、>>18、お前だ
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:21:49.42 ID:h5khTNjCO
なんだ俺か
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:22:13.73 ID:zSfCqRqKP
今だ!2ゲットォォォォ!!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∩ ∩
〜| ∪ | (´´
ヘノ ノ (´⌒(´
((つ ノ⊃≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
ズズズズズ
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:25:13.56 ID:EA52Vr4R0
きゅ、急にそんなこと言われても……///
( ・∀・)「なんだ、僕のことか」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:49:08.34 ID:uS17Olo00
次々と書き込まれていくスレに僕もひとつ乗ってやることにした
イケメンといわれては仕方がない、夕食が終わるまでに落ちてなければいいんだけど
キーを叩いて文字を打ち込み、書き込む
( ・∀・)「仕方ねえな、頼むぜ相棒、と……」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:40:43.14 ID:KkrNtWm8O
おい>>1、言っておくけど俺は親友でも容赦しねぇぜ?
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:42:50.23 ID:/WCfeiIJO
はいはい、俺のことだろ
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:43:37.24 ID:morara+m0
仕方ねえな、頼むぜ相棒
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:44:19.56 ID:h5khTNjCO
今日の相棒スレ
( ・∀・)「ちょwwww安価とれちゃったwww」
まさかの安価ゲットにちょっとだけwktkしてきた
F5を押すと、再び>>1からの書き込みがある
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:55:43.71 ID:uS17Olo00
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:46:21.20 ID:3arGmsuu0
>>18おめでとう、お前は俺の親友に選ばれた、よろしく頼む、親友
俺とお前で、この世界を支配するんだ
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:46:46.80 ID:AxI+LenV0
( ;∀;)イイハナシダナー
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:47:13.29 ID:XWwq7AZHO
厨ニ乙
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:47:30.54 ID:ID:Ygu3Yj8NO
なんという黒歴史……
( ・∀・)「こいつやべぇwwwww」
「モララー、ご飯よー!」
(・∀・ )「今いくー!」
:( ・n・):「もう一度書き込んでおくか……」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:44:19.56 ID:morara+m0
おう!任せろ親友!
( ・∀・)「よし、っと」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 17:58:34.86 ID:uS17Olo00
書き込んだのを確認すると、僕は一回へ向かった
やっぱりVIPはいい、さっきまで落ち込んでいた気持ちが、どこかに行ってしまったようだ
( ・∀・)「今日のご飯はなんだろな〜〜♪」
なんだか知らないが、ネット上で親友ができた(笑)なんて話、誰にも出来ないけど
自然と浮き足立ってしまう
タバコのことはとりあえず置いておくとして
ひとまずこの空いたおなかを満たすことに専念するとしよう
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 18:05:33.57 ID:uS17Olo00
- *
次の日、僕は珍しく遅刻しないで学校についた
昨日のスレが気づけばdat落ちしていて、なんだか拍子抜けしてすぐ寝てしまったからかもしれない
普段は夜遅くまでネサフしているから、起きる時間も自然と遅くなってしまうのだ
( -∀-)「あー、今日もいい天気ー」
( ,,゚Д゚)「お前今最高にマヌケ面してるぞゴルァ」
( ・∀・)「おっといけない、僕のイケメンフェイスが」
( ,,゚Д゚)「今日も今日とてナルシストだなお前は」
ζ(゚ー゚*ζ「あー、モララーくんが遅刻してない!めずらしー!」
(*゚∀゚)「おーっすモララー!おはよう!」
そのとき、教室から同時にデレとつーが入ってきた。僕は軽く挨拶を……
( ・∀・)「あ、おはよう二人とも」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょっとつーちゃん、寄らないでくんない?邪魔」
(*゚∀゚)「は?それこっちのセリフだし」
(;・∀・)「………………」
( ,,゚Д゚)「女は怖いな」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 18:10:46.03 ID:uS17Olo00
呟いたギコのセリフに、僕は無言で同意した
まったく、現実の女の子は怖い人ばかりだ
( ,,゚Д゚)「そういやモララー知ってるか? また出たんだってよ、"煙魔"」
( ・∀・)「なにその煙魔って」
( ,,゚Д゚)「いちいちジャック・ザ・スモークとか長くて面倒だろ、略した」
( ・∀・)「略っていうか和訳だね」
( ,,゚Д゚)「どっちでもいいっつの、今度は俺らと同じ学校の奴らしいぜ」
(;・∀・)「うおっ、マジで!?」
( ,,゚Д゚)「マジマジ、五組の田中っているだろ?あいつらしいぜ」
(;・∀・)「うわ〜流石に身近に起こると怖いわ……、田中君はどうなったの?」
( ,,゚Д゚)「なんか斬られて今入院中らしい」
(;・∀・)「こえー!」
煙、と効くとあいつを思い出しそうだが、今はこの通り魔の話に、ただ僕は震えていた
自分がターゲットになったらどうしようという恐れと
そんな非日常が近くで怒っているwktk感の混ざったもので
巻き込まれたくないけど、でも近くで見て見たい、そんな複雑な心境だった
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 18:56:31.48 ID:uS17Olo00
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、煙といえばタバコなんだけどさー!」
(;・∀・) ビクッ
ζ(゚皿゚*ζ「昨日の放課後、あいつニヤニヤしながら屋上で歌ってたんだよね、チョーきもくない!?」
( ,,゚Д゚)「こえーなそりゃ」
ζ(゚ー゚*ζ「あいつと友達になる奴とかいたらマジびっくりだよねー」
(*メ∀゚)「なー」
(;・∀・)「………………」
うわ、これは不味い
もしも昨日僕がタバコと話していたなんてこいつらに知られたら、僕は別に2ちゃんねらであることが
ばれてもばれなくてもハブられるかもしれない
ζ(゚ー゚*ζ「ねっ、モララーくんもそう思うでしょ?」
(;・∀・)「う、うん、そうだね……怖いな」
( ,,゚Д゚)「次の授業なんだっけ」
(*゚∀゚)「えっとー…………」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 18:58:10.19 ID:uS17Olo00
やばいやばい、やっぱりもう二度とあいつには関わらないで置こう
そう、考えた次の瞬間、ものすごい勢いで、教室の扉が開いた
耳を劈くような扉の音に、全員が固まる
爪'ー`)y
扉の向こうには、タバコが煙草をくわえたまま立っていた
背の高いシルエットは皮肉にも絵になっており、まるでなにかのワンシーンのようだった
教室の四方からひそやかな囁き声が聞こえてくる
ヒソ ヒソ
「タバコだ……」 「なんでこのクラスに……」
ヒソ ヒソ
「何しに来たんだあいつ……」 「やっぱり煙草くわえてるよ……」
( ,,゚Д゚)「なんだあいつ……」
ζ(゚ー゚*ζ「こわ〜何しにきたのあいつ」
(;・∀・)「………………」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:01:04.52 ID:uS17Olo00
爪'ー`)y キョロキョロ
タバコは教室内をぐるりと見回して、誰かを探しているようだった
僕はギコの背中に隠れ、見つからないように縮こまる
( ,,゚Д゚)「何やってんのお前」
(;・∀・)「シィー! 静かに!」
爪'ー`)y「あれ〜?いないな〜」
(;・∩・)「………………」
あいつはもしかしたら、僕が2ちゃんねらーだって、オタクだって
ばらしにきたのかもしれない、だったら絶対に見つかるわけにはいかなかった
じっと息を殺してギコの背中に隠れていたが、突然ふっと目の前が暗くなる
太陽が雲の中に隠れたみたいだった
(;・∀・)「…………?」
顔を上げると、上にはタバコが煙草をくわえながらにやにやと笑んでいる
爪'ー`)y「よっ」
(;・∀・)「ひぃっ……!」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:02:48.15 ID:uS17Olo00
ζ(゚ー゚;ζ「や、ちょっとなにっ……?」
(;゚∀゚)「なんか用かよお前」
爪'ー`)y「言いたいことがあってさ〜」
(; ∀ )「っ…………!」
やめろやめろやめろ!
間違えても僕に話しかけてくれるな!どっかいけよ!
ああ、でもだめだ、きっと教室まで来たんだから、僕が昨日言ったことをばらすに決まってる
終わりだ、僕はこの学校でも苛められる
また罵られる生活が始まるんだ!
( ∀ )「や…………!」
しかし、タバコの口からでたのは、予想外の一言だった
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:03:35.79 ID:uS17Olo00
爪'ー`)y「おはよう、今日は最高の天気だな、迎えに来たぞ、親友!」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:04:48.72 ID:uS17Olo00
( ,,゚Д゚)「…………は?」
ζ(゚ー゚*ζ「は?」
(*゚∀゚)「は?」
(; ∀ )「………………」
(;・∀・)「……は?」
爪'ー`)y「俺とお前は親友だ、そう昨日決まっただろう? さぁ親友、立て、歩け、行こう」
ニヤニヤとした笑いを引っ込めることもせず、口にくわえていた煙草を捨てると
タバコは僕の手を引っ張ってきた
こいつは突然何を言っているんだろう?
電波なのか? それともそっち系なのか?
とにかく僕は奴が引っ張ってくる手を振り払うと、呆けているみんなの前で怒鳴り散らす
(#・∀・)「な、何すんだよ! 僕はお前のこと全然知らないし! 親友でもない! 変なこというな!」
その声に周りも我に返り始めているのか、再びざわめきが戻ってきた
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:07:39.65 ID:uS17Olo00
ヒソヒソ ヒソヒソ
「タバコが親友って……」 「モララーくんと仲良かったの〜?」
ヒソヒソ ヒソヒソ
「でもちょっと危なそうだよな……」 「なんかコワーイ……」
ヒソヒソ
「モララーって……」
ああ、今まで僕が積み上げてきたイケメンリア充のイメージが
ちょっと悪くて、不良と友達で、さぼるけどでも頭は結構良くて
運動神経もいいモララーくんのイメージが音を立てて崩れていくっ……!
冗談じゃない、冗談じゃないぞ!
しかしタバコは何も言わない
ただ、満足そうに笑っている
爪'ー`)「お前は俺を知っているさ、そして俺もお前を知っている……」
爪'ー`)「それだけで俺たちは親友さぁ!」
タバコの手が、再び僕の肩へと伸びてきた
煙のように突然現れた右手に、僕の動きは一瞬硬直する、その隙を狙ってか
今度は左の手が僕の肩を掴んだ
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:10:11.86 ID:uS17Olo00
(;・∀・)「ちょっ……な……!」
爪'ー`)「さぁ行こうか親友、世界が俺らを待っている」
(; ∀ )「うわあああああああああ!」
そのまま、教室の外に放り投げられると、壁にぶちあたり痛みに目から火花が散った
何するんだこいつ!
(;,,゚Д゚)「モ、モララー!」
ギコの声がやけに遠くから聞こえる、これってやばいんじゃないのか?
教室の外に放りだされると、上からタバコが僕の襟首を掴んだ
( ×∀×)「っ…………何っ……!」
爪'ー`)「俺とお前は一蓮托生、2ちゃんねらーとして、戦って戦って戦って死のうぜ」
すると、彼は胸ポケットに入っていたらしい煙草を取り出した
チョコレートの香が辺りに満ち満ちて、白い煙が僕らを覆う
僕の目の錯覚なのだろうか、なんだか、タバコの体も煙になって消えているように見える
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:13:08.00 ID:uS17Olo00
そして
(;・∀・)「て、手がっ……僕の手が……!?」
僕の手も、彼の煙と一緒に、消えかかっているように見える、いや、実際消えかかっていた
痛みも何もないが、煙突から立ち上がる煙のように、ふわふわとその身が空に溶けていく
何?何なんだこれは?
僕はこのまま死んでしまうのか?
冗談じゃないぞ、おい!
(;・∀・)「離せ!離せぇえ!!」
爪'ー`)y「慌てるなって、大丈夫、死なない死なない、dat落ちしない限りは死なないさ」
(;・∀・)「お前何言ってるんだよ! 頭おかしいんじゃないのか!?」
爪'ー`)y「そうとも、おかしい、狂っているのは俺かもしれない、だがそれが楽しいだろう? お前も楽しいだろ?」
(;・∀・)「楽しくねえ! 何いって……!」
爪'ー`)y「俺の名前はフォックス、よろしくモララー、いや」
爪'ー`)y「"親友"」
にぃっと口元が歪んだ瞬間、タバコの、フォックスの長めの髪が一瞬で煙に変わった
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:16:43.57 ID:uS17Olo00
いや、髪だけじゃない、全身が煙となって消える
そして、僕の足から先もみるみるうちに煙に変わっていった
まるで悪役がやられるときのように、キレイサッパリ消えてしまう
頭の片隅でそんなことを考えている余裕があったことに、僕は驚いた
(;・∀・)「うわ、うわ」
爪'ー`)y「動き出した歯車は止められない……ってか、カッコイイなあ、カッコイイだろ」
(; ∀ )「う、うわああああああああああああ!!」
爪'ー`)y「書き込み開始、ってな」
最後に聞いたのは、小麦粉を大量に床に落としたような、ばふっ、という擬音
そして
いかにも楽しそうに笑う、フォックスの笑い声だった
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:22:18.74 ID:uS17Olo00
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・
「……だから、つれてきたのか?」
「そうとも、俺の親友だからな」
「お前は思い込んだら一直線の恋する乙女か、現実を見ろ、理性的に動け、軽はずみな行動をするな、死ぬぞ殺すぞdatへ落とすぞ」
「俺にはあんたの考えがわからないなあ、わからない」
「同意しよう、愚弟」
「ああ、親愛なる姉よ、俺も同意しよう」
…………なんだ?
誰かが僕の近くで話している
一人は良く知っている声、さっきまで聞いていた、のんびりとして、それでいて嫌な声だ
もう一人は誰だろう、女性の声に聞こえるけど、僕には聞き覚えがない
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:27:22.15 ID:uS17Olo00
「モララーって言うんだぜこいつ、いい名前だろう」
「ああ、いい名前だ、少なくともフォックスよりはな」
「違いない、それは違いない、ははは」
「で、モララーはいつ目を覚ますんだ?」
「すぐに覚ますさ」
というか、もう覚めているのだけど、なんとなく、口を挟む気にはなれなかった
むしろ、起きたくなんてなかった
今、僕の身には一体何が起こっているんだ?
僕はあれからどうなったんだろう?
タバコ……フォックスに襟首をつかまれて、煙になって消えてしまったことは覚えているけれど……
布団の中で手を動かしてみた
どうやら、今はちゃんと僕の体は存在しているようだ
その事実に少しだけ安堵する
……死んでしまうかと思った
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:33:13.55 ID:uS17Olo00
「なあ姉さん、俺の親友をどう思う?」
「可哀相だな」
「ははは、最もだ、しかし俺が選んで、こいつも進んで選ばれたから仕方ない」
「そうだな、仕方ない、世の中とはそういうものだ」
「違いない」
フォックスが煙草に火をつけたのか、甘いチョコレートの香が漂ってきた
「そんな子供騙しな煙草、まだ吸っていたのか」
「好きなのさ、甘いのが、どうせ吸うなら甘いほうがいい」
「そうか、ところで……」
瞼の奥で、誰かが動く気配がした
僕が寝ているであろうベッドの軋む音がした
頬に、髪の毛のようなものがかかる感触
思わず目を開けてしまいそうになったけど、必死でタヌキ寝入りを決め込んだ
ここで起きたら、何をされるかわからない
ていうか、こんなところで寝かされている時点で何されてるんだ僕、といった感じでもある
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:39:07.76 ID:uS17Olo00
(;-∀-)(来るな〜〜来るな〜〜、あっちに行け〜)
念じていたにも関わらず、僕の耳に軽く息が吹きかけられた
(;・∀・)「ひぃいい!!」
ゾクゾクとしたその感覚に、僕は飛び起きた
川 ゚ -゚)「やぁ、お早う、モララーくん」
すると、目の前にはとんでもない美人が、僕の顔を見つめて微笑んでいた
まるでアニメから飛び出してきたような、完璧な八頭身に、長い黒髪
薄い唇に切れ長の目
黒いタートルネックに、足元が隠れるくらいの黒い服は、どこか魔女を連想されたが
肝心の肌の色は驚くほど白い
(*・∀・)「あ、あの……?」
爪'ー`)y「よう、起きたか親友」
後ろから、フォックスが覗き込んできた
そのことで一気に現実へと引き戻されていく
(#・∀・)「っ!お、お前!」
爪'ー`)y「おいおい、怒るなよ親友」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:44:26.96 ID:uS17Olo00
(;・∀・)「!?」
フォックスの襟元を掴んだ瞬間、それは煙となって掻き消えた
爪'ー`)y「怒ったところで、どうにもならないんだからさ、それともこんな時どんな顔をすればいいのかわからないか?
笑えばいいと思うよ」
(;・∀・)「僕は綾波か! 笑えるか! バカヤロウ!」
爪'ー`)y「ははは」
(#・∀・)「笑うな!」
再び拳を振り上げるが、またもフォックスの体を通り抜けた
( ・∀・)「お、まえ……」
爪'ー`)y「なんだ?」
(;・∀・)「吸血鬼だったのか!?」
爪'ー`)
y
川 ゚ -゚)「…………クッ」
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:48:59.24 ID:uS17Olo00
僕の前に立っている二人は、一瞬固まったかと思うと、すぐさま吹き出すようにして笑った
爪'ー`)y「はは、流石だ親友、非常にユニーク」
(;・∀・)「長門か!」
爪'ー`)y「落ち着けよ」
(;・∀・)「落ち着けないよ!落ち着けるわけないだろう!?ここはどこだよ!ていうかお前はなんなんだよ!
何で体が煙になるんだ!?吸血鬼じゃなかったらなんだってんだよ!
説明しろ!」
川 ゚ -゚)「それについては私が説明しようか」
まくし立てていると、後ろから凛とした声が響いて、背中にやわらかな感触と、首元に巻きついてくる白い腕が
目に映った
川 ゚ -゚)「だからそう、熱くなるな、熱いのは嫌いではないが、理性的じゃないのは嫌いだよ」
(*・∀・)「あ、あ、あの!?」
胸が、胸が僕の背中にあたっている!
大きい!いや、そうじゃない!今はそんなこと考えている場合じゃないだろう!僕!
爪'ー`)y「親友、その顔に騙されたらいけないぜ、そいつは結構怖い女だからな」
川 ゚ -゚)「褒め言葉として受け取ろうか、弟よ」
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 19:55:57.62 ID:uS17Olo00
川 ゚ -゚)「申し遅れたね、私の名前は素直クール、この不貞の姉だ」
爪'ー`)y「年齢19、彼氏はいないし出来ないぜ」
川 ゚ -゚)「datに落ちるか?」
爪'ー`)y「冗談だよお姉サマ……はは」
淡々と話す素直クールさんとやらに、僕は何も言えずにいる
というか、いい加減首に巻きついた腕を離して欲しい、いや、嬉しいんだけど、こんなところで
胸を延々とおしつけられるのはちょっとたまらないわけで……
(*・∀・)「あ、あの、手……」
川 ゚ -゚)「ああ、すまない」
するりと解かれた腕を名残惜しんでいる暇もなく、今度はフォックスに手を引かれて
僕は部屋の隅にある椅子の上に座らせられた
よく見ると、ここは誰かの部屋らしい、生活観がわりと溢れる、服や人形が散らばっている
机の上には大量のチョコレート
もしかしたらフォックスの部屋なのかもしれない
爪'ー`)y「まあ座れ、親友」
(;・∀・)「ていうか、その親友って呼び方、止めてくれない? 僕は……」
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:00:03.57 ID:uS17Olo00
君の親友じゃない、という言葉は、目の前に映っている画面によって封じられた
爪'ー`)y「認めただろう? 昨日、いや、もう一昨日か」
(;・∀・)「………………」
画面には、昨日僕が書き込んだあのスレ、>>1が親友を探すスレが映っていた
dat落ちしているので、ミラー変換したもののようだ
しかし、問題はその最後、>>1の書き込みだ
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:46:21.20 ID:3arGmsuu0
それじゃあ、明日また学校で、モララーくん
これから頑張ろうね
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:46:46.80 ID:AxI+LenV0
モララーくんテラシカトwww
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:47:13.29 ID:XWwq7AZHO
モララー……お前ってやつは……
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/23(水) 21:47:30.54 ID:ID:Ygu3Yj8NO
sage
(;・∀・)「…………」
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:42:21.10 ID:uS17Olo00
( ・∀・)「これ、君が立てたスレだったんだ……」
爪'ー`)y「ああ、親友を……、つまりお前を探すためにな」
(;・∀・)「…………なんだそりゃ」
僕が安価をとるかどうか、いや、それどころか僕がこのスレを開くかどうかも解らないってのに
まるで、僕が開くことを予想していたようにいいやがって
( ・∀・)「……とりあえず、このスレのことはいいよ、僕もたまに安価スレ立てるし……偶然で片付けるには
アレだけどまだ納得できる
それより、さっきの煙について知りたいんだけど……」
体が一瞬にして消えたことは、どうしたって忘れられない
すると、クーさんが妖艶に笑いながら、言った
川 ゚ー゚)「あれはな、黒丸というものだ」
( ・∀・)「……黒丸?」
爪'ー`)y「人によってはモリタポとも言う」
( ・∀・)「モリタポって……」
川 ゚ -゚)「先に、私たちの存在を教えておこうか、私たちはな、実は人間じゃあないんだ」
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:43:41.97 ID:uS17Olo00
( ・∀・)「…………」
それはもう、なんとなくわかっていた、十分すぎるほどに伝わっていた
どこの世界に、人を煙にして拉致する人間がいるんだ
それが人間なら、僕は人間をやめるよジョジョ
川 ゚ -゚)「私たちはね、2ちゃんねる、に仕える2ちゃんねらとでも、言うべきか」
( ・∀・)「…………」
(・∀・ )「……帰る!」
爪'ー`)y「おいおい親友、まだ話は終わってないぜ?」
逃げようと思ったが、そもそも逃げられるはずがなかった
首根っこ捕まえられて再び椅子の上に沈められる
(;・∀・)「嫌だー! 離せー! もう僕の脳内はキャパシティ越えてるんだよ! おうち帰して!」
突然2ちゃんねるに仕える者とか言われてもどう答えていいのかわからないんだよ!
厨ニ乙とでも言えばいいのか!?言ったらその瞬間殺されそうで怖いんだよ!
川 ゚ -゚)「もとは一つの掲示板、巨大なコミュニティとして有名になった2ちゃんねるだが、それは仮の姿で」
(;・∀・)「いやー!帰してー! そういうのは自分達だけでやってください!」
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:45:09.75 ID:uS17Olo00
川 ゚ -゚)「2ちゃんねるというのはだな……」
(;・∀・)「離せー離せー!」
川;゚ -゚)「き、聞いてる? ねぇ」
爪'ー`)y「続けろって、抑えてるから、そのうち嫌でも聞くよ」
川 ゚ -゚)「わかった、2ちゃんねるというのはな、モララーくん」
(;・∀・)「ちょっ、痛いイタイイタイ! フォックス! お前!」
爪'ー`)y「名前で呼んでもらえるなんて、感動だよ」
川 ゚ -゚)「…………」
川 ゚ -゚)「2ちゃんねるというのはだな、二人とも聞け」
殴られた
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:46:15.62 ID:uS17Olo00
川 ゚ -゚)「2ちゃんねるというのは、この世界に生きる人ならざるものが住むための、もう一つの世界だ」
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:48:23.28 ID:uS17Olo00
(;・∀・)
(;・∀・)「…………はぁ?」
な、なんだってー!?というやつらが頭の中をよぎったが、僕はその考えを振り払い
呆けた顔で彼女を見た
彼女に冗談を言っているような感じはなく、至極真面目に語っている
川 ゚ -゚)「彼らは人々が書き込む文字の中に、巧妙にその身を隠しているんだが」
川 ゚ -゚)「最近、2ちゃんねるに棲んでる奴らが現実世界で暴れ出してね」
(;・∀・)「ちょちょちょ、ちょっと待って」
爪'ー`)y「質問か親友?」
(;・∀・)「質問すべきことが多すぎてわからないよ!」
人ならざるものって何?もう一つの世界?
何それ漫画?キモーイキャハハハハハ、妄想が許されるのは小学生までだよねーー!
(;・∀・)「か…………帰っていい?」
爪'ー`)y「だぁめ」
切実な思いで告げたのに、帰ってきたのは、相変わらずのゆるい笑顔だった
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:51:12.57 ID:uS17Olo00
爪'ー`)y「ま、その人じゃないモンが現実世界で暴れてるから、俺はひろゆきに頼まれて
そいつらを粛清、削除、規制するっつーことをやってるわけなんだが」
( ・∀・)「はぁ……」
もういいや、こいつらの言っていることは、どうせ僕には理解できない
そろそろ諦めて、大人しく話を聞くことにした
川 ゚ -゚)「詳しいことは後々説明していくが、まずは君に黒丸をあげようと思う」
( ・∀・)「はぁ……」
( ・∀・)
(;・∀・)「はぁ!?」
爪'ー`)y「おいおい、そんなに喜ぶなよ」
(#・∀・)「ええい、お前の目は節穴か!喜んでねえ!」
爪'ー`)y「やれやれ、俺の親友は短気だな」
のんびりというフォックスの言葉が、いちいち勘に触る
(#・∀・)「あのなあ、君たちが人間じゃあなくて、2ちゃんねるには人じゃないものが棲んでいて
それらが僕らの世界で暴れだして、それを退治しているのが君たちだったとするよ!」
(#・∀・)「けどな!それを信じたとして、どうして僕が黒丸を与えられなくちゃいけないんだよ!」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 20:57:02.16 ID:uS17Olo00
そうとも、仮にそれが全部本当の話だったとしても、妄想だったとしても
僕がその巻き込まれるいわれはない
するとフォックスは待ってましたといわんばかりに僕の手を引き寄せた
……なんだこいつ、実はやっぱりそっち系の人間なのか、いや、人間じゃあないのか
なんだこいつ、なんだこいつ!
(;・∀・)「離せ」
爪'ー`)y「よく聞いてくれた、親友」
(#・∀・)「親友じゃない」
爪'ー`)y「さっき俺はひろゆきに頼まれて、現実に出た奴らを退治しているって言ったけどな
それはさ、本当は俺の中では建前なんだよ」
(#・∀・)「はぁ……?」
川 ゚ -゚)「…………」
爪'ー`)y「俺はな、もう2ちゃんねるでせこせこ働くのはうんざりなんだ、だから、ここらでいっちょ
……反乱をおこそうと思ってな」
(;・∀・)「……な……」
何を言っているのか、よくわからない
こいつはさっきから一人で何を言ってるんだ?記憶容量がもう限界の限界を超えている
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 21:02:22.32 ID:uS17Olo00
爪'ー`)y「雑用仕事はもう飽きた、2ちゃんねるの奴隷はもう沢山だ、面倒だ、だから俺はな親友」
爪'ー`)y「2ちゃんねるを、乗っ取ろうと思う」
( ・∀・)「は」
あいた口が塞がらない、とはこのことだ
こいつのさっきまでの話が本当だとしたら、2ちゃんねるはこいつの世界なわけだろう
それを乗っ取るっていうのは、つまり世界征服みたいなもんなんじゃなかろうか
(;・∀・)「お前……」
爪'ー`)y「だけど、それは俺一人じゃ無理だ、隣にいる姉がいても無理、そもそも2ちゃんねるの住人の一人や二人が
はむかった所で、削除人、ジェンヌに消されちまうからな」
爪'ー`)y「そこで」
爪'ー`)y「俺はパートナーを探すことにしたんだよ」
( ・∀・)「…………」
なんか、嫌な予感がする
爪'ー`)y「それは2ちゃんねるに住まう者じゃないほうがいい、現実世界の人間で、でも2ちゃんねるに入ることを
憧れていない、見目のいい人間」
爪'ー`)σ「……それがお前だよ、親友!」
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 21:09:36.64 ID:uS17Olo00
嫌な予感こそ、的中するというのは、良く言ったもんだ
(;・∀・)「おおおお、お断りだあ! お断りします!」
爪'ー`)y「いいや、お断りするのはお断りする、お前はもう選ばれたし、進んで選ばれることをした、決定事項だ」
(;・∀・)「なんで安価とったくらいでこんなことに巻き込まれなくちゃいけないんだ!」
爪'ー`)y「運命ってやつじゃねえの? なあ姉さん」
川 ゚ -゚)「そうだな」
(;・∀・)「認めたくない!認めたくなーーーい!」
爪'ー`)y「ははは、これからよろしくな、親友」
ふぅ、と煙草を吹きかけられ、僕はチョコレートの海に沈んだ
くらくらと周る頭を必死に抑える
( ;∀;)「親友って言うな! 大体お前の言ってること変だよ! 見目のいい人間ってなんだよ! 確かに僕はイケメンだけど!」
爪'ー`)y「一緒に乗っ取ろうって奴の容姿がブサイクなんて、俺の美学が許さないからな」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 21:15:05.60 ID:uS17Olo00
( ;∀;)「どうして僕なんだよ!」
爪'ー`)y「ぬーるーぽ」
( ;∀;)「ガッ!」
( ;∀;)
(;・∀・)「あ」
僕がそう答えると、フォックスは愉快でたまらないというように、煙草を僕に差し出した
爪'ー`)y「ククク……」
(;・∀・)「た、煙草はいらないよ!」
爪'ー`)y「まあいいから」
無理やり口の中に煙草を突っ込まれると、初めてのことに喉がむせかえる
甘い香りに胸焼けがしそうになっていた
川;゚ -゚)「お、おい」
クーさんが何故か焦ったように止めてきたが、ソレを制するように、フォックスがもう一本僕の口に
煙草をくわえさせた
( ;∀;)「ゲェッホ!ゲェッホ!」
爪'ー`)y「2ちゃんねらとして、これからも一緒に頑張ろうな、これはそのプレゼント、だよ」
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 21:20:25.97 ID:uS17Olo00
ゆっくりと掌になにか玉のようなものを握らされた
ずっしりとした重さのあるそれは、ビリヤードの玉に似ている
(;う∀・)「何……これっ……ゲホッ……」
爪'ー`)y「そのうちわかるさ、ところで親友、俺はお前のうちに電話を入れておいた、感謝するように」
(;・∀・)「で、電話……?」
爪'ー`)y「親友の家に泊まりますって」
( ・∀・)「…………今日何日?」
爪'ー`)y「24日」
( ・∀・)「……僕、お前に拉致られてから一日寝てたの? もしかして」
爪'ー`)y「なぁに、感謝はしてほしいが礼はいらないぜ、親友!」
無言でそのにやつく面にさっき貰った玉をぶつけると、僕はさめざめと泣いた
そりゃもう、泣いた
どうしてこんなことになってしまったんだろう、そもそも反乱を起こす側ってそれ悪役じゃないの
巻き込まれるならせめて正義側にありたかった
川 ゚ -゚)「善悪は他人が決めることじゃない、自分が決めるのさ」
( ;∀;)「うるさいですよ……」
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/09/24(木) 21:24:28.84 ID:uS17Olo00
窓の向こうではせせら笑うように三日月が光っている
2ちゃんねら?なんだよそりゃあ
僕はただの男子高校生だってば
だけど、そんな言葉も、彼らには届いていないようだった
( ;∀;)「うわーーーん!家に帰るー!」
爪'ー`)y「泣くほど嬉しいのか、俺も嬉しいよ親友」
川 ゚ -゚)「ご飯作るけど、何がいい?」
爪'ー`)y「甘めのカレーがいい」
( ;∀;)「お前ら人の話聞けよぉお!」
僕はモララー、心に昔オタクと罵られた傷を持つ16歳
そんな僕ですが、本日、なんだかわけのわからにことに巻き込まれてしまいました
一話 終わり
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