j l| ゚ -゚ノ|天使と悪魔と人間と、のようです Part2



614 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:12:07 ID:KemMUMjY0

 自分の行為を正当化するつもりはないが、山科狂華の認識では男子高校生なんてものは基本毎日抜いてて常にヤリたがってる生物だ。
 ついでに女子高生も結構な割合で色狂いで頭の中では何考えてるか分かったものじゃなく、まあ例外はなくはないと思うが、多分少数派だろう。
 外面をどう取り繕うとも内面では人間は誰しも何処かで堕ちたがっていて、これは確かに救世主が十字架に磔にされないと許されようがない。
 まあ狂華は神を信じてないし、淫行を悪いことだとも思っていないが。

 する必要のない言い訳をしいてするなら狂華は自分の性欲を完璧にコントロールしている自信がある。
 ついでに一度死にかければ誰だって本能的にセックスしたくなるはずだと思う。


「……そう言えば、先輩も死にかけたことがあるんですよね」

「んー?」


 狂華は目を閉じたまま自分を抱き寄せている先輩――水無月ミセリに問いかけた。
 頭はちょうど彼女の豊かな胸の辺りで、ブラを付けていない故の柔らかさが頭と首にモロに伝わって物凄く気持ち良い。
 深く呼吸をすればミセリの甘い匂いが鼻腔と脳を犯すようだった。


「そんなに大したことじゃないけど、すっごく危なかったことはあったよ」


 ベッドにリラックスして腰掛け、大きなぬいぐるみを抱き締めるような姿勢で狂華を抱いたミセリは、女の子のようにサラサラした髪の毛に顔を埋めて言う。
 体格差や性別を考えれば二人の位置は反対の方が普通なのかもしれないがミセリにとって狂華はお気に入りの玩具みたいなものなのでこれが正しい。

615 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:13:51 ID:KemMUMjY0

 ちなみに狂華の方はと言えば、餌付けされている猫という認識である。
 一般的にはセフレになる。
 しかしお互いにまるっきり恋人として意識してないかと言えばそうではなく、説明するのは難しいが、なんにせよ爛れた関係なことだけが確かだった。

 ミセリの手を取り、指を絡めつつ狂華は訊く。


「……すみません、やっぱり一度死にかけると人生観変わりますよね」

「確かにねー。私の知ってる人は皆そう言うかなー」


 交友関係の中に「死にかけたことがある人」が何人もいるんですか。
 そうツッコむか悩んでいるうちに、ミセリは続けて、


「でもしょっちゅう死にかけてる人は全然変わらないらしいよ。会長さん曰くだけど」

「あの人は何者なんですか」

「化物でしょ?」

「言い得て妙ですね」

616 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:15:05 ID:KemMUMjY0

 仮にも自分の友人を化物呼ばわりはどうかと思うが、我等が生徒会長高天ヶ原檸檬は確かに化物みたいな奴だし本人も否定しないので狂華も指摘はしない。
 常時命懸けらしい血に塗れたの天使の姿を思い浮かべ「そう言えば」と狂華は再度訊いた。


「生徒会長は思春期男子にはたまらないえろーい身体付きですけど、あの役員はもう堪能したんですかね。すみません、だとしたらファンが黙っていません」

「私は逆に堪能され尽くされたと思うけどなー。多分あの子童貞だったから、楽しかっただろうねぇ」


 ミセリはその様を想像しているのか狂華の頬を空いている手で触りつつニヤニヤと笑い、本当に楽しそうだ。


「すみません、やっぱり女子も相手が初めてかどうか気にするんですか?」

「攻めなら確実に気にするよ。だって、一生モノだし。その子が誰かとえっちする度に基準にする為に私のこと思い出すんだよ? もうたまんなーいっ」

「穢れなきものを穢したい処女好きとは若干違って、しかもよりタチが悪いですね」

「男の子はイかせやすいからねぇ、楽しくてしょうがないよ、ホント。特に童貞は簡単にイッちゃうし、反応も可愛いし、言いなりだし……良いことばっかり」

「生徒会長が先輩と同じだとしたら良いように開発されてそうですね」

「あの会長さんが攻められてる姿なんて想像できないし、きっとそうだよ。例えばさ―――」

617 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:16:05 ID:KemMUMjY0

 ―――どうしてこんなことになっているのか分からない、というのが正直な感想だった。


|゚ノ ^∀^)「ふん、ふんふん、ふ〜ん♪」
  _
( * ∀)「う、ぁ……! 会長サン、ちょっと待っ……!!」

|゚ノ ^∀^)「んー? もしかして、他の曲が良い? 僕は水樹●々好きなんだけどなあ」


 そういうことじゃないとジョルジュは否定の言葉を紡ごうとするも、全身が震えるような快楽の中では満足に声を出すこともままならず、ただ呻く。
 口から漏れた情けない声に気を良くしたのか、レモナは手の動きをより淫らに変えていく。

 夕刻、自分の部屋で。
 レモナが家に遊びに来て、何か調子の良いこと(例えば「男の部屋に一人で来るなんて襲われにきてるようなもんだわ」)などと言ってしまい――案の定。
 後先考えない台詞で生徒会長の闘争心に火を点けてしまったジョルジュは襲うどころか逆に襲われていた。

 ベッドでへたり込むようにして足を広げた彼の股間にレモナが顔を埋めようにして、遊んでいる。
 嘲るような微笑を浮かべた天使は大気に晒された陰茎を愉しそうに扱く。
 性器を女子に見られたことは初めてで、当然触られた経験があるはずもなく、初めて他人から与えられる刺激にジョルジュは身を捩る。

  _
( * ∀)「あっ……ぐ、ぁ……!」

618 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:17:06 ID:KemMUMjY0

 レモナは鼻歌交じりに右手の動きのリズムを変え、左手で肉茎の周辺を愛撫する。
 半泣き顔になっているジョルジュに見えるように胸元を開けさせ、深い谷間が見えるようにしてやる。

 淳高一と言っても過言ではない美少女が、自分の性器を弄んでいる――そんな状況で我慢が効くほどジョルジュは達観していなかった。

  _
( * ∀)「がっ、うぅ、ああ―――」


 身体の奥底からドロドロとした感覚が込み上げてくる。
 もう何も考えられやしない。
 勃起した陰茎が、憧れの少女の手の中で、更に膨らみ震えた。

 その瞬間。


|゚ノ ^∀^)「何勝手にイこうとしてるの?」
  _
(;* ∀)「え、うぁっ――いあぁっっっ!!」


 レモナは握り潰しかねないような力で熱り立った肉棒を握り、同時に左手で陰嚢をベッドにすり潰すように押し付けた。
 彼女としては絶頂を止める為の行為だったのだろうが限界だったジョルジュにはそれがトドメとなった。

619 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:18:07 ID:KemMUMjY0

 これ以上ないほどみっともなく――射精した。

  _
( * ∀)「くッ――あぁ……。あっ……!」


 痛みと快感が入り混じった絶頂。
 情欲と同じくドロドロした精液が飛び、レモナの頬から首筋、肌蹴た胸を穢す。

 天使の手から開放された肉茎は震えて射精を続ける。
 今まで見たこともないような量が吐き出され、尿道を精液が通る度に声も出せないような快感が襲う。
 やがて身体中の力が抜け、ジョルジュは脱力感と共にベッドに崩れ落ちた。


|゚ノ*^∀^)「痛くされてイッちゃうとは思わなかったよ。変態さんだね」


 頬に付いた精液を手で拭い、舌で舐め取る。
 首や胸の分も同じように処理していく。
 堪らなく淫らな仕草。

 そうしてレモナは四つん這いで倒れたジョルジュに近寄り覆い被さり、頬を撫でた。
 だらしなく開いた口から涎が垂れているのを見つけると、まるでキスでもするかのように、それを舌で掬った。

620 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:19:08 ID:KemMUMjY0

「―――萌えるでしょ?」

「萌えるというか、奴の行く末が心配になりますね。高二からM調教なんてロクな大人にならないですよ」


 ミセリの妄想にそんなひねた感想を述べた狂華だったが、内心はイメージ通りだと思っていたし、何より興奮した。
 別に羨ましいとは思わないが……こう、ムラっと来たのだ。

 だがよく考えると速過ぎる気もする。


「すみません、けどあの二人って出会って数日じゃないですか。それでそんなAやらBやら飛ばした展開はちょっと早過ぎると思います」

「愛に長さは関係ないよ、大事なのは中身だよ」

「良いこと言ってる風ですが、実際数日でベッドインとかただのビッチです」

「でもエロマンガとかじゃお互いに知らなかったけど二人が好き同士で、放課後の教室で片方がオナニーしてるの目撃して、そのまま……みたいなの多いじゃん」

「マンガと現実を一緒にしないで下さい。しかもエロマンガを」


 しかしそうは言ったものの、見るからに攻めに弱そうなあの少年なら生徒会長が少し押したら簡単に攻略できそうなのも確かだと思い、狂華は笑った。

621 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:20:07 ID:KemMUMjY0

 ―――さて一方、現実。


「お、パンチングマシーンがあるわ。良い機会だし会長サン、俺の実力を見てくれ」

「ふ〜ん?」


 淳中高一貫教育校に程近い場所にあるゲームセンターの片隅、百円でプレイできるパンチ力測定ゲームの前でジョルジュは意気込んだ。
 傍らには淳高でも有数の美少女である生徒会長と風紀委員長がいるが、別にデートではなく、生徒会で使う備品を購入しに行った帰りだった。

 ガヤガヤと五月蝿い店内でも天使と悪魔は人の目を惹くようで近くを通り過ぎる学生は皆一様にジョルジュ達を見る。
 注目されてるのが自分でないことは分かっているものの、なんだか良い気分だ。
 ここで良いスコアを出せば今よりももっと良い気分になれることだろう。


「貴様はこういったゲームは得意なのか? 一応訊いてみたいのが私だ」

「よくやるわけじゃねぇが、得意な方だわ」

「じゃあ、勝負する?」


 筐体にコインを入れ、グローブを嵌めたジョルジュに話しかけたのはレモナだった。

622 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:21:05 ID:KemMUMjY0

「お互いに一回ずつやって、スコアが高かった方が勝ち。勝った方は負けた方の身体の好きな部位を、ちょっとだけ触っていいの」

「好きな部位……?」

「おっぱいでも良いよ? ただし触るのは右手か左手かのどっちかだけね。足や頭でも良いケド……」

「やる!やるわ会長サン!!」


 ルールを聞くや否や二つ返事で了承したジョルジュに溜息を吐きつつハルトシュラーは言う。


「だから、何故貴様は相手の土俵で戦おうとする。呆れを隠し切れないのが私だ。あの鞍馬兼などは極力有利な状況で戦うことで勝利をより確実なものに……」

「大丈夫だわ委員長サン。俺だって学習してないわけじゃない。大体、今回は明らかに俺が有利だわ」


 確かに通常ならば男子であるジョルジュの方が有利だっただろう。
 パンチ力測定ゲームなどという力主体のもので常識的に考えて負けるはずがないのだ。

 そう思って、彼は勝負に応じた。


「じゃあ行くわ――せぇぇぇぇええええいっっ!!!」

623 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:22:12 ID:KemMUMjY0

 気合の入った声と共に放たれたのはややフック気味のストレート。
 流石は不良と言うべきか、兄がボクシング部のお陰か、人形の形をしたパッドは勢い良く後方へと吹き飛び大きな音が響いた。
 叩き出された数値は127。
 とんでもなく高い数値ではないが中々のものだ。


「くっ、ちょい力んじまったわ……!」

「じゃあ次は僕の番だね♪」


 ジョルジュと交代したレモナは制服の上着を脱ぐと右手首をぐるりと回し、二度三度手を握ったり開いたりする。
 そうしてグローブを装着すると、ファイティングポーズを取る。

 そして―――。



「僕のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ! 爆裂ッ!!ゴッド――フィンガァァァーッ!!!」



 凄まじい音と共に、まさに爆裂の如き勢いで放たれた拳が悪漢(をイメージした人形)を吹き飛ばした。

624 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:23:20 ID:KemMUMjY0

 スコアは152。
 本日のハイスコアである。


「はい僕の勝ちね」

「なん……だと……?」

「じゃあ約束通り、僕は『右脚』で『君の股間』を――蹴り飛ばします」

「聞いてねぇ!そんな非道な罰ゲーム聞いてねぇわ!! 触れるってそういうのもアリか!?」


 腕力で男子に勝てる少女の蹴りを股間にまともに食らえば去勢ものだ。


「僕もこんなことはしたくないケド、いい加減ジョルジョルには自身の行い(セクハラ)について反省してもらわないといけないから……」

「嘘吐け顔笑ってるぞ!!」


 しかも満面の笑みだった。
 述べた内容が建前であることは誰がどう見ても丸分かりである。
 本音は、単純にジョルジュを苛めたいだけだ。

625 名前:オマケA「女は強し」※エロ注意:2013/03/09(土) 04:24:08 ID:KemMUMjY0

 二人がそんなやり取りをする傍らで、何を思ったかハルトシュラーも硬貨を入れ、ゲームを始めた。
 グローブを装備するとレモナとは違い拳法か武術のような構えを取る。

 そして―――。



「シャイニングフィンガーとは、こういうものだ――ッ!!」



 傍からすれば訳の分からない台詞と共にレモナの一撃に匹敵するような速度で拳を叩き込んだ。
 スコアは140、平然とジョルジュを超えている。


「……なるほど。思いの外面白い」


 グローブを外しての一言。
 それはパンチングマシンをプレイしてみての感想だったのか、笑顔で後輩を甚振っている親友との日常に対しての感想だったのか。
 その真実は誰にも分からない。

 しかし、こういう普通の放課後が過ごせることは幸せだと。
 耳に届く悲鳴を無視しながらハルトシュラーがそう思っていたのは確かだった。

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