- 1 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:07:14 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「そこらへんに座ってくれお」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、はい」
( ^ω^)「紅茶とコーヒーは?」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、ええっと……じゃあ紅茶で」
( ^ω^)「ミルクか砂糖かレモンは?」
ミセ*゚ー゚)リ「レモンと砂糖をお願いします」
( ^ω^)「どうぞ」
ミセ*゚ー゚)リ「(早っ……)あ、ありがとうござ……」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー゚)リ「(アップルティーにレモン入れやがった……)」
- 2 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:08:10 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「お、そうだそうだ」
ミセ*゚ー゚)リ「なんですか?」
( ^ω^)「さっき、駅前のケーキ屋さんでケーキを買ったんだお」
ミセ*゚ー゚)リ「へぇ、そうなんですか」
( ^ω^)「よかったらおひとつどうかお?」
ミセ*゚ー゚)リ「いいんですか?」
( ^ω^)「アップルパイと、レモンシフォン」
ミセ*゚ー゚)リ「(紅茶とダダ被りやん)」
( ^ω^)「フォークは3股と4股、どっちがいいかお?」
ミセ*゚ー゚)リ「(心底どうでもいい)」
- 3 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:09:12 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「ええっと……ミセリさん?」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
( ^ω^)「ほう……なかなかな学歴と資格を……」
ミセ*゚ー゚)リ「いえいえ……」
( ^ω^)「僕の……秘書を希望と?」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
( ^ω^)「よかったらその理由を教えてくれるかお?」
ミセ*゚ー゚)リ「はい!単純に職が無かったからです!」
( ^ω^)
ミセ*゚ー゚)リ
( ^ω^)「ちょっとは大人の都合で動こうぜ」
- 5 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:11:02 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「まあ正直な事はいい事だお」
ミセ*゚ー゚)リ「はい!それが取り柄です!」
( ^ω^)「今まで生きてきた中でのデメリットは?」
ミセ*゚ー゚)リ「企業秘密を外に漏らしてクビに」
( ^ω^)「……ミセリさん」
ミセ*゚ー゚)リ「はい!」
( ^ω^)「…………」
ミセ*゚ー゚)リ「…………?」
( ^ω^)「……いや、なんでもないお」
ミセ*゚ー゚)リ「(こいつ秘書にしても大丈夫かなとか思ったな絶対)」
( ^ω^)「(こいつ秘書にしても大丈夫かな)」
- 6 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:11:42 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「知っての通り」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
( ^ω^)「僕はこのVIP市の市長として立候補しているお」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
( ^ω^)「この治安もへったくれもないこの街だお」
ミセ*゚ー゚)リ「心得ております」
( ^ω^)「君は……この街の出身で?」
ミセ*゚ー゚)リ「いえ、出身はロンドンです。ロンドン」
( ^ω^)「ああ、ロンドン……(ドヤ顔うぜぇ)」
ミセ*゚ー゚)リ「ですが、一応はこの街について調べてきたつもりではいます」
( ^ω^)「ほう」
- 7 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:12:44 ID:BAOKM9MI0
- ミセ*゚ー゚)リ「VIP市……人口は6万人、面積は30平方キロメートル」
ミセ*゚ー゚)リ「『人にやさしい街づくり』をコンセプトにし、名産物はなまず」
( ^ω^)「基礎知識は心得ているようだおね」
ミセ*゚ー゚)リ「ちなみにブーンさんはなまず食べた事あります?」
( ^ω^)「ないお」
ミセ*゚ー゚)リ「私もないです」
( ^ω^)「正直、食べたいとも思えない」
ミセ*゚ー゚)リ「同感です」
ミセ*゚ー゚)リ「……それと、市を守るVIP警察署は何故か隣町のラウンジ市にあり」
ミセ*゚ー゚)リ「市を東西に挟んだ2つの川が氾濫した場合、9割が水没します」
ミセ*゚ー゚)リ「あと、市民アンケートで市の良いところを聞くと、ディ○ニー○ンドまで乗り換えなしで行けるとこ……」
( ^ω^)「あ、それ以上言うとモチーフにした地名が割れるから止めて」
- 8 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:13:27 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「この市についてよく調べてきたおね」
ミセ*゚ー゚)リ「はい……他にも」
( ^ω^)「……他とは?」
ミセ*゚ー゚)リ「今現在、この街の治安は荒れに荒れています」
( ^ω^)「……」
ミセ*゚ー゚)リ「強盗、強姦、窃盗、殺人、麻薬、放火……検挙される事例は跡を絶ちません」
( ^ω^)「警察署が三郷市にあるしね」
ミセ*゚ー゚)リ「三郷じゃないですラウンジ市です」
( ^ω^)「おっと失礼」
ミセ*゚ー゚)リ「そして……つい先日」
ミセ*゚ー゚)リ「前市長……タカラ市長が何者かによって射殺されました」
- 9 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:14:32 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「……」
ミセ*゚ー゚)リ「そして、今回彼の後釜となる人物を決めるべく、市長選が行われます」
( ^ω^)「正解だお。正確にはまだ公示されてはいないけれども、まあ間も無く決まるお」
( ^ω^)「……僕が立候補している市の現状は腐りに腐っているお」
( ^ω^)「僕の事務所でも数人のスタッフが撃たれたお」
ミセ*゚ー゚)リ「……」
( ^ω^)「そして、前秘書を始め、多くのスタッフが辞めてしまったお……」
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、しょうがないでしょう」
( ^ω^)「それで欠員を募ったら」
ミセ*゚ー゚)リ「私が来たと」
( ^ω^)「そうだお」
- 10 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:16:35 ID:b9bO1Um20
- ( ^ω^)「こんな現状の街で、いつ死ぬかもわからない状況で」
( ^ω^)「知っていても、どうして応募したんだお?」
ミセ*゚ー゚)リ「決まってます」
ミセ*゚ー゚)リ「職にありつけるからです」
( ^ω^)「潔いね」
ミセ*゚ー゚)リ「それに……そういう類いのは慣れてますから」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「君はモララーという男を知ってるかお?」
ミセ*゚ー゚)リ「ええ。市長選に立候補したもう一人の男……」
( ^ω^)「そう。今回の市長選で僕のライバルとなる存在だお」
- 11 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:17:46 ID:b9bO1Um20
- ( ^ω^)「僕は前市長が受け継いできたこの街の伝統や、風習を守りながら、この街を変えようと公約したお」
ミセ*゚ー゚)リ「なるほど」
( ^ω^)「『人にやさしい街づくり』……特に僕はバリアフリーや公園の設置……いわゆる福祉に力を注ぐつもりだお」
( ^ω^)「対するモララーは、20代にして市長選に立候補した男だお」
( ^ω^)「彼は今までの市営を全て根本的に改革をしようとしているお」
ミセ*゚ー゚)リ「改革……」
( ^ω^)「モララーはこの街の治安だけでなく、この街を都市にまで発展させる計画を組んでいるそうだお」
ミセ*゚ー゚)リ「随分と野心家ですね」
( ^ω^)「僕の考えは年老いた層から、モララーは若い層からの支持が強いお」
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、どちらが勝つかはまだ分からないわけですね」
( ^ω^)「いや、この街高齢化だから。60以上が6割以上占めてるから。勝つのは確実」
ミセ*゚ー゚)リ「なんという限界集落」
- 12 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:18:27 ID:b9bO1Um20
- その後、私の面接はグダグダと進み、気が付けば雑談をしていた。
カップの中のアップルレモンティーはすっかり冷めてしまった。
( ^ω^)「んん……ミセリさん」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
( ^ω^)「人柄や、経歴、仕事に対する熱意は十分に伝わりました」
ミセ*゚ー゚)リ「(敬語?)……ありがとうございます」
( ^ω^)「僕としては、あなたを雇ってもいい」
ミセ*゚ー゚)リ「本当ですか!?」
( ^ω^)「気がはやり過ぎだお」
( ^ω^)「確かに素質は問題ないお。ただし……」
( ^ω^)「最後に……テストをしてもらうお」
ミセ*゚ー゚)リ「テスト……?」
- 13 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:19:07 ID:b9bO1Um20
- ( ^ω^)「大した事ないお。簡単なものだお」
ミセ*゚ー゚)リ「何ですか?それは……」
( ^ω^)「このテストに受かれば、君は晴れて僕の秘書だお」
ミセ*゚ー゚)リ「ですから、その内容は…………」
ミセ;*゚ー゚)リ「!!」
その瞬間、窓から無数の銃弾が無差別に襲ってきた。
私は、脳が状況を把握するよりも前に素早くテーブルの下に隠れ、身を守る。
ティーカップは割れ、食べかけのケーキは床に落ちた。
ほんの一瞬ではあったが、窓の外に数十人もの黒い服を着た男達が事務所を囲んでいたのを確認した。
- 14 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:19:59 ID:b9bO1Um20
- ミセ;*゚ー゚)リ「なっ……一体何が……!?」
( ^ω^)「襲撃を喰らったお」
ミセ*゚ー゚)リ「し、襲撃?」
いつの間にか、ブーンさんもテーブルの下に避難していた。
( ^ω^)「最近良くあるんだお。僕の首を狙う連中が」
ミセ*゚ー゚)リ「そんな……」
( ^ω^)「さあ、ここでテスト内容の発表だお」
ミセ*゚ー゚)リ「は?」
( ^ω^)「あそこにいる連中から……」
僕 を 守 り な さ い
- 15 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:21:22 ID:b9bO1Um20
- ミセ*゚ー゚)リ「……」
( ^ω^)「時間制限は無いお。強いて言えば僕が死ななければ……」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、あの……」
( ^ω^)「なんだお?」
ミセ*゚ー゚)リ「話の意図がよく読めないんですが……」
( ^ω^)「ん?話?」
ミセ*゚ー゚)リ「なんで私があの人達の相手をしないといけないんですか?」
( ^ω^)「それがテストだお」
ミセ*゚ー゚)リ「いや、なんでそんな……」
( ^ω^)「とぼけるのが上手いおね」
( ^ω^)「………『ディナー』」
ミセ*゚ー゚)リ「!!」
- 16 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:22:54 ID:b9bO1Um20
- ( ^ω^)「僕を守れと言われたら真っ先に逃げることを考えるお」
( ^ω^)「でも君は彼らと戦うことを考えた」
ミセ;* ー )リ「……それが理由で私を雇ったんですか?」
( ^ω^)「まあ厳密に言えば君が応募してきたんだけれども」
( ^ω^)「上手く面接に誘導したのは認めるお」
ミセ;*゚ー゚)リ「……もうこの仕事はしないと思ってました」
( ^ω^)「テーブルの上にある道具で標的を狙う、パーティ専門の殺し屋」
( ^ω^)「数年前に忽然と行方を眩ました、伝説の超一流の殺し屋」
( ^ω^)「『ディナー』」
( ^ω^)「君の実力を見せてもらうお」
この人は……初めから殺し屋としての私を秘書として迎え入れようとしていたのだ。
- 17 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:23:59 ID:b9bO1Um20
- マドラーは男の目に深く刺さった。
とりあえず、1人。
残る人数は12人。
私はケーキ用のフォークとナイフを握り、テーブルの陰から飛び出す。
ミセ*゚ー゚)リ「もし、私があなたを守れたら……採用ですか?」
飛び交う弾丸を素早く避け、少しずつ間合いを縮める。
( ^ω^)「もちろんだお」
ミセ*゚ー゚)リ「それを聞いて安心しました」
男の喉元にフォークを突き刺し、一気に引く。
真っ赤な水が霧のように噴出した。
男は体のバランスを崩し、よろめきながら地面に寝転がった。
( ^ω^)「素晴らしい命中精度だお」
ミセ*゚ー゚)リ「それで生きてきたんで」
- 18 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:24:55 ID:b9bO1Um20
- 右から散弾が飛んできた。とっさに屈み、脅威から身を守る。守るだけでは味気ないので、すぐに応戦。
対するのは一方では無い、四方八方一斉にだ。
まずは右へフォークを投げつける。フォークは綺麗に敵の頸動脈をかっ切った。
それと同時に反対方向の敵へナイフを投げつける。
こちらももちろん首筋へ。
敵の安否を確認する間など無い。しなくとも、頭蓋骨が床に叩きつけられる音さえ聞ければいい。
さて、同じ位置にはいられない。
直ぐに立ち上がり、寝そべった死体から散弾銃を取り上げ、目の前の敵に数発程、撃ち込んだ。
7人、6人、5人。
どんどんと敵の数が減っていく。
やはり、寄せ集めただけの素人集団か。あるいは指揮の問題か。
( ^ω^)「あ、言い忘れていたお」
ミセ*゚ー゚)リ「何ですか?」
( ^ω^)「あの男には気をつけるお」
そう言うと、ブーンさんはテーブルの陰から集団の中の一人を指さした。
( ゚д゚ )
その男は瞳孔が開いたように大きく目を開け、
何もせずただじっと直立していた。
2mくらいはあるであろうその体格を見せつけるかのように、ただただじっと立っていた。
- 19 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:29:18 ID:SwIiyaa60
- ミセ*゚ー゚)リ「あの人がどうかしたんですか?」
( ^ω^)「アイツは何度かここに来てるお。僕の部下をナイフでザクザクに切り刻んだ男だお」
ナイフ使い……面白い。
気が付けば、散乱した事務所の室内には12個の死体が転がっていた。
残す相手はあの巨体男のみ。
ミセ*゚ー゚)リ「あなた……ナイフを使うんですって?」
( ゚д゚ )「…………ああ」
男は呟くように返事を漏らすとゆっくりナイフを構えた。
こっちには銃があると言うのに、なんて余裕だろうか。
それだけ自身があるのだろう。
私は躊躇うことなく引き金を引く。
男はその体からは連想できないような俊敏なフットワークで銃弾をかわす。
かわしながらも、私の傍までしっかりと寄ってきていた。
ミセ*゚ー゚)リ「!!」
想像の範疇を超える速度だった。
私は急いで後方に向かって地面を蹴り、距離を稼ぐ。
しかし男は間合いなどお構いなしに大きく振りかぶり、ナイフを私に向けた。
- 20 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:30:45 ID:SwIiyaa60
- 敵のナイフから我が身を守る為、私は銃を捨て、フォークで応戦した。
もちろん、こっちは戦闘用のフォークでもなんでもない。
ナイフと競り合った時、どっちが勝つかなんて明白だ。
フォークは弾き飛ばされ、壁に突き刺さる。
気付けば私は丸腰の状態で壁に追い詰められていた。
( ゚д゚ )「…………終わりだ」
そう言いながら、男は握りしめたそのナイフを私の顔面に向ける。
終わりと判断するには充分と思えるほどの状況だった。
( ゚д゚ )「逃げればよかったものを……」
ミセ*゚ー゚)リ「いや私も就職が掛ってるもんで」
( ゚д゚ )「……意味がわからん」
- 21 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:32:34 ID:SwIiyaa60
- ミセ*゚ー゚)リ「面接中だったんですよ。ほら、それ」
私はテーブルの側に落ちていた履歴書に指をさす。
男はその方向へと目をやった。
その瞬間を、私は見逃さない。
( ゚д゚ )「!!」
私は床に落ちている皿を高く蹴りあげる。
皿は男の顔面に当った。
皿の上にはケーキが乗っていた。
それはパイ投げのワンシーンを切り取ったような光景になってしまった。
笑いをこらえ、私は男の足を蹴り払う。
バランスを崩した男は頭から床に倒れた。
ミセ*゚ー゚)リ「足元には気をつけなくちゃ駄目ですよ」
(; ゚д゚ )「ぐっ……しまった!!」
私はテーブルの上にあるもう一つのフォークを掴み、倒れた彼の元へ飛びかかった。
男が顔についたケーキを掃うのと、私が飛び上がるの瞬間はほぼ同時であった。
彼も、ナイフを構え、私に向かって思い切り投げつける。
(; ゚д゚ )「馬鹿が!上空では避けられまい!」
- 22 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:34:35 ID:SwIiyaa60
- それは彼が生前最後にした驕りであった。
私は手に持っていたケーキ皿で向かってくるナイフを防ぐ。
ケーキ皿にナイフが突き刺さり、彼の手に武器は0に。
ミセ*゚ー゚)リ「あなた……あんまり強くないですね」
( ;゚д゚ )「なっ……!!」
ミセ*゚ー゚)リ「……さよなら」
私は全体重を、手に握られたナイフに込め、そのまま彼の体にのしかかった。
フォークは左の胸に深く突き刺さった。
血が、どくどく、どくどくとじんわり流れてゆく。
男はしばらく私の腕をつかんだりしていたが、間も無く絶命した。
- 23 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:38:51 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「……………合格だお」
その時、背後からブーンさんが拍手をしながら歩いてきた。
見事なまでに無傷。
スーツはシワ一つ付いていなかった。
こんなに血まみれになったのだ。合格しないと困る。
ミセ*゚ー゚)リ「もしかして……これからもこれが続くんですか?」
( ^ω^)「続くお……ってか仕事の半分はこれになるお」
ミセ*゚ー゚)リ「マジすか」
( ^ω^)「ごめんね。でもこれ書くと求人しても来ないから」
ミセ*゚ー゚)リ「(野郎……)」
( ^ω^)「でも君以外にも雇っている人間はたくさんいるお。だから君一人が戦うわけではないお」
ミセ*゚ー゚)リ「他にも人がいるんですか?」
( ^ω^)「まあ。でも秘書は君だけだお」
ミセ*゚ー゚)リ「へぇ……」
- 24 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:39:35 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「僕が勝つことはもう既に確定しているお」
ミセ*゚ー゚)リ「そうなんですか」
( ^ω^)「後は妨害行為から身を守るだけ。それだけだお」
ミセ*゚ー゚)リ「守る……」
( ^ω^)「世界中から、僕を守れる人間を探しているお。君も、その一人」
ミセ*゚ー゚)リ「……」
なんだか、照れくさくなり、頭をポリポリとかいた。
ともかく、私の就職活動はピリオドを向かえたらしい。
( ^ω^)「改めて歓迎するお。秘書、ミセリさん」
ミセ*゚ー゚)リ「……採用されたからには、頑張りますよ」
( ^ω^)「人を殺す仕事に抵抗は?」
ミセ*゚ー゚)リ「殺しは引退したんですけど……まあ3週間なら」
( ^ω^)「期待してるお」
- 25 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/07/02(月) 22:40:25 ID:BAOKM9MI0
- ( ^ω^)「ようこそ、僕の事務所へ」
ミセ*゚ー゚)リ「よろしくお願いします。先生」
内藤ホライゾン、……市民からは親しくブーンと呼ばれている。
私は3週間の間、この人を……ブーンさんを守らなければならない。
当確まであと 21 日
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