- 56 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:40:13 ID:GyVA1Z1w0
乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない!
途切れ途切れで申し訳ないのですが、あまり待たせるのもアレなので……。
『天使と悪魔と人間と、』と同じく時間もないので区切りごとに投下していきたいと思います。
随時、続きは投下します。
本編は来週中に。
- 57 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:41:19 ID:GyVA1Z1w0
【オープニング代わりの「ちょっとした内輪ネタ・楽屋裏トーク」】
(-、-*トソン「改めまして皆さん本当にお久しぶりです。いつもニコニコあなたの隣に這い寄る妖精、トソンです」
( ^Д^)「主人公と見せかけてそうでもないツッコミ役、プギャーです」
(゚、゚トソン「しかし本当に間が空いてしまいましたね。パロディを使い尽くせない内に番組編成が変わってしまいました」
川 -ー-)「もう読者諸君は内容忘れてしまったんじゃないか? この作品は私が可愛いという、ただそれだけの話だ。私の美技に酔うが良い」
(;^Д^)「久しぶりだからって当たり前みたいに嘘吐かないで下さいよ、まったく……」
川*゚ -゚)「特に、性的な技に!」
( ^Д^)「いい加減通報しますよ」
(゚ー゚*トソン「この話辺りでアニメで言えば一期も最終回ですから、次回からはクーさんの話でいいんじゃないですかね? “二クール目”だけに!」
(;^Д^)っ「ドヤ顔の割にそんな上手いこと言えてねぇ!!」
(#^;;-^)「皆さん、これからも幾久しく――それでは、すたーと、ですっ!」
- 58 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:42:05 ID:GyVA1Z1w0
【コーナースタート】
川 ゚ -゚)「――第二回のパーソナリティーは私ことクールだ」
川 -ー-)「時間もないことだし早速裏話に入ろう」
Q.女性キャラのスリーサイズを教えて下さい。
川 ゚ -゚)「…………ふむ。吝かではない」
(;-Д-)「いやそこは吝かであってよクーちゃん……」
川;゚ -゚)「先輩、どうして?」
(,,^Д^)「ギコハハ。モララーちゃんに頼まれちゃってね」
川* -)「ふぅ、ん……。そ、そうですか……。まったく、アイツは心配性だ」
- 59 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:43:07 ID:GyVA1Z1w0
(,,^Д^)「――クーちゃんがセクハラ発言しないようにって」
川;゚ -゚)「あ、あれ!? 私の心配じゃなくてっ!?」
(,,-Д-)っ「だからスリーサイズはだーめっ」
川 ゚ -゚)「なるほど……なら仕方ないか」
川 ゚ -゚)「……メタ的な話をして良いならばキャラのスリーサイズなどはあまり決めていない。声や外見などもそうだな」
川 ゚ -゚)「『どんな風であるか』は描写するが、それが『具体的にどうか』は読者の想像にお任せしたいのだ」
川*゚ー゚)「えっちな想像でも良いぞ!」
(,,-Д-)「まあそれは置いておくとして、想像する楽しみがあるっていうのは良いことだよね。マンガのキャラクターの声を想像したりさ」
(,,゚Д゚)「アニメ化して良い声優さんが良い演技をしてくれるのも楽しいと思うけど……やっぱり小説みたいなものはある程度読者の想像の余地がないと」
川 ゚ -゚)「この作品はその余地が少ない作品なので空白のままにしておけるところは空けておきたいな」
- 60 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:44:12 ID:GyVA1Z1w0
川 ゚ -゚)「では次のお便り」
(;-Д-)「お便り?」
Q.どれくらいの話数を予定していますか?
川 ゚ー゚)「特に予定なし。以上!」
(;゚Д゚)「いや、あるから。嘘を言わないように」
(,,^Д^)「ギコハハ。今やってる十三話のエピソードが起承転結の“承”の部分になるから、もう後は七転八倒して終わるだけだね」
川 ゚ -゚)「必要な設定はほぼ出し切った形だな。要らない話も多かったが……」
(,,゚Д゚)「今日は久々だし、ちょっと纏めておこうかな?」
- 61 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:45:07 ID:GyVA1Z1w0
(,,-Д-)「基本的な設定や人間関係は言うまでもないけど……何気にトソンちゃんの人格破綻設定が大事だよね」
(,,゚Д゚)「彼女が『人を殺さない殺人鬼』であるという話はバトル展開の伏線じゃなくて、『何か箍が必要な存在である』って意味だよ」
川 ゚ -゚)「登場する人物の大半が何かしらズレを抱えているが、それが具体的にどうなのかもこれから明かされる予定だ」
(,,^Д^)「メンバーがメンバーだけに全滅エンドもありえるから怖いよね。黒●野的なさ」
川;゚ -゚)「縁起でもないことを言わないでくれ……」
(,,-Д-)「とりあえず、この話より時系列が後の作品に何人かが出てきているから、最低限その人達は死なないんじゃないかな?」
川 ゚ー゚)「生存フラグだな!」
(,,^Д^)「ギコハハ、そうだね〜。じゃ、余計なネタバレをしない内に今日はこの辺で」
【コーナー終了】
- 62 名前:作者。 投稿日:2013/02/17(日) 17:46:06 ID:GyVA1Z1w0
川 ゚ -゚)「――これ見てて面白いか?」
(;^Д^)「だから! だからそういうことは思っても言わないでって言ってるじゃねぇですか!!」
川 ゚ー゚)「ワイルドだろ?」
(;^Д^)「いや別にワイルドじゃねぇし!」
(-、-トソン「まあまあそう熱くならずに。ほら、私と今期のアニメで何を見ているかを話し合いましょう」
(;^Д^)っ「何が“ほら”ですか! 前後の流れをガン無視しないで下さい!!」
(゚ー゚トソン「では次にジャンプで何が打ち切られるかを予想し合いましょうか?」
(;^Д^)「いや“では”もないから!!」
(-、-*トソン「……じゃあ、私が次にどんなコスプレをするかについて意見を出し合いましょうか?」
(;*^Д^)「その“じゃあ”は…………いいかもなあ」
リパ -゚ノゝ「…………男の人は単純ですね、」
(#^;;-^)「――何はともあれ、みっしょんすたーと、ですっ!」
- 66 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 03:58:36 ID:WwPN1hZA0
13‐Call I can't hear you very well.
川 -)「…………嘘つき」
……すたーとっ
- 67 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:00:11 ID:WwPN1hZA0
【そして、冒頭に戻って――マンション『Que sais-je』五階、505号室】
( ・∀・)「――んで結局書けたのかよ。小説」
(;-_-)「それが……どうにもね。上手くいかない感じかな」
ζ(-、-*ζ「(それはそうだよ。素人さんにいきなりじゃあ、ねえ……?)」
( -∀-)「はー。ほんッと駄目だな、ヒッキー先輩は。アンタは後輩に迷惑かけに来ただけか」
(; _)「そこまで言わなくても……でも、ごめん」
(う、;トソン「――もららーっ!慰めてくださいよぉ、モラえもぉん!!」
( *-∀-)っ「いやー、ホント迷惑だわー。先輩の所為でトソンは泣くし、あー迷惑だなー」ナデナデ
(;^Д^)「…………全然迷惑そうじゃなく、むしろ嬉しそうに見えるのは気のせいですか?」
- 68 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:01:08 ID:WwPN1hZA0
( *-∀-)っ「俺が迷惑してないって? 迷惑してるに決まってんだろ」ギュー
(うー;トソン「えへへー」
( ・∀・)っ゛「大体なんだよ、素人の小説載せるって。っつーか雑誌のコーナーってそんな適当に決まってるもんなのか?」モフモフ
(、 *トソン「耳、あっ……ん……。くすぐったいですよぉ……」
( -∀-)「あー、本当に迷惑だなー」
(;*^Д^)「――迷惑振ることでハードボイルドさ演出したいのは分かりましたから、そういうイチャイチャは家に帰ってやってくれませんかねぇ!!?」
( ・∀・)「俺等の家はここだ」
(;^Д^)「そうでしたね!すいませんでしたね、まったくッ!!」
ζ(-、-*ζ「(この子達はいつもこんな漫才みたいな調子で会話してるのかしら……)」
- 69 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:02:10 ID:WwPN1hZA0
(-_-)「正直な話をすると、この間まで契約してた作家さんが辞めちゃってさ。空きが出ちゃったんだよね」
( ・∀・)「ああ。埋まらなかったら云々って言ってたのは、そういうことか」
(-_-)「そう。埋まらなかった場合は僕かデレさんの負担が増えることになるからさ……どうにかして欲しいなって思ったんだけど……」
(゚、゚トソン「……あ、そうですよ」
ζ(^ー^*ζ「回復?」
(-、-トソン「おかげ様で。――それで、プギャーさんも書いてみてはどうでしょうか」
(;^Д^)「……小説をですか?」
(゚ー゚トソン「Tes(テス)!」
(;^Д^)「ヤですよ。そんないt――あっいや……そんな、俺なんかが小説を書くなんて恐れ多くてできません」
( ・∀・)「今お前素で『そんな痛いこと』って言いかけただろ」
- 70 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:03:14 ID:WwPN1hZA0
(-、-トソン「ですが、古来よりツッコミ役というのは語り手も兼任していることが多いですし……」
(゚ー゚トソン「ほら文才ある設定のツッコミキャラって多いじゃないですか!」
(;^Д^)っ「何処のデータですか! ソース、マジソース!」
(-、-*トソン「かの有名な語り手ワトスンだってツッコミみたいなものじゃないですか」
(;^Д^)「そりゃ部屋ン中で射撃の練習する探偵に比べりゃ誰だってツッコミですよ!!」
( -∀-)「そうカッカすんなよ、後輩。お前も医者の資格があって知識が豊富で社会的地位が高く人生経験に富んでいたらワトスンに似てるぞ?」
(;^Д^)「それワトスンじゃねぇよただの俺です!!」
(-、-トソン「あ、今のは神●モのナルミ君のパロディですね。プギャーさんも知識豊富じゃないですか」
(;^Д^)「サブカルの知識なんて人生になんの役にも立たないんですよ!」
(;-_-)「(……大変そう)」
ζ(^ー^*ζ「(馬鹿だなー、プギャー君は)」
- 71 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:04:08 ID:WwPN1hZA0
( -∀-)「まあ後輩は特徴がないのが特徴だからなー」
(;^Д^)「俺はジ●かなんかですか!!」
( -∀・)+「――残念、ジム・●スタムです」
(;^Д^)っ「どっちでもいいんですよンなことは! 究極的に分かりにくいネタを使わないで下さい!!」
(゚、゚トソン「アツクナラナイデ、マケルワー」
(;^Д^)「お願いですからちょっとボケるの止めてくれませんかねぇ!!」
( -∀-)「…………そこまで言うならボケるの止めてやるよ」
( ^Д^)「え?」
( ・∀・)「――まあ多分一つもボケなかったらただでさえグダグダなやり取りがよりグダグダになると思うけどな」
( ^Д^)「あ、いや適度にはボケて下さい」
ζ(-、-;ζ「(折れるの早いでしょ……)」
- 72 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:05:07 ID:WwPN1hZA0
(;-_-)「――ま、まあまあ。もういいよ」
( ・∀・)「あ?」
(-_-)「君達も忙しいだろうしさ……空きの件はこっちでどうにかするよ」
(-_-)「最悪、僕が何か書けば良いだけの話だし」
(゚、゚トソン「ですけど……」
(-_-)「僕が悪かったんだよ。自分の仕事を後輩に押し付けるなんて。流石のモララー君でも……ほら、流石に無理でしょ」
( ∀)「ほう……?」
(;-_-)「あ、アレ?」
( ∀)「つまり先輩は、俺が普段大口叩いてるクセに意外と大したことないって言いたいのか……」
- 73 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:06:11 ID:WwPN1hZA0
(;-_-)「いや別にそんなことは言ってないんだけど……」
( ∀)「くくく――見くびってもらっちゃあ困るな」
( #・∀・)「――――短編小説なんて朝飯前に書けるに決まってんだろうが! そんなもん、余裕で今すぐ仕上げてやるぜ!!」
(;^Д^)「挑発ですらないやっすい挑発に乗るんだなあ!」
(-、-トソン「負けず嫌いですから」
ζ(゚ー゚;ζ「負けず嫌いっていうか、子供っぽい……?」
(゚、゚トソン「子供ですから」
( ^Д^)「あ、そこも普通に認めるんですね」
- 74 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:07:08 ID:WwPN1hZA0
( -∀-)「……オッケェ。短編を書くというその仕事、この俺が請け負った」
(;^Д^)「(かつてないほどモラ先輩が知能低そうに見える……)」
(;-_-)「書いてくれるなら良いんだけどさ……。ま、まあ“短編”というより“掌編”が適切な凄く短い話で良いから」
( ・∀・)「任せろ、全米が泣き映画化間違いなしな傑作書いてやるよ」
(-、-トソン「最近は結構なんでも映画化しますけどね」
ζ(゚ー゚;ζ「(というか順序、逆じゃないかな……?)」
( ・∀・)「よし、じゃあポンコツアドバイザー――じゃなかった、先輩は俺と一緒にプロットの相談だ」
(;-_-)「いや、君ね……」
(・∀・ )「三人は寛いでて良いから」
(-、-トソン「(というか厳密にはここ私達の部屋ですけど……)」
- 75 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:08:15 ID:WwPN1hZA0
【――その後】
(-、-トソン「……妥当なところに落ち着きましたね」
( ^Д^)「ですね」
ζ(-ー-*ζ「んー……」
( ^Д^)「どうしたんスか? デレさん」
ζ(゚ー゚*ζ「さっき(ルカちゃんと話していた時)までは、彼凄く不機嫌そうだったのになって」
(゚、゚トソン「それはとってもおかしいなって?」
( ^Д^)「あの、別に無理にボケなくても良いですからね? どうせ伝わらないんだから」
(-、-トソン「……私って、ほんとバカ」
- 76 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:09:11 ID:WwPN1hZA0
ζ(^ー^*ζ「あの……ごめんなさいね、私も勉強するから」
( ^Д^)「いやしなくて良いですよ? 単なるアニメの話ですからね?」
(゚、゚トソン「それで話の続きですが、遂にあのプリズマ●リヤがアニメ化するということで、ZEROに引き続き最近●月は絶好調ですね」
(;^Д^)「そんな話は一言たりともしてねぇよ!何処から続いた話題ですか!!」
(-、-トソン「……こういう話ではなかったですか? おに●いってご愁傷さま●ノ宮くんと同じ作者さんだと知らなくて驚いたって話でしたっけ?」
(;^Д^)「いつからの続きですか! 『お兄●ゃんだけど●さえあれば関係ないよねっ』の話題を出したのは俺の妹が来てた時でしょ!!」
(゚ー゚トソン「そう言えば私の大好きな入●人間さんがデビュー五周年ですよ!」
(;^Д^)「知ってるよ!!」
(;^Д^)「……まったく、いい加減にしないと俺も本気で怒りますよ」
(゚、゚トソン「海より広い私の心も?」
(;*^Д^)「ここらが我慢の限界よ――って何言わせるんですか!」
- 77 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:10:06 ID:WwPN1hZA0
(-、-トソン「……プギャーさん、お客さんの前でふざけ過ぎですよ。困っていらっしゃるじゃないですか」
(;^Д^)「誰の所為ですか誰の!!」
(゚、゚トソン「――そう。私の彼の話でしたね」
(;^Д^)「何しれっとさも最初から私は真面目に話をしようとしてましたよアピールしてるんですか、まったく……」
(-、-トソン「彼は確かに子供ですが……いえ、私もクーさんも、多分先輩も子供なんですが、それは単純に無邪気だということではないんでしょう」
ζ(-ー-*ζ「“大人になった子達”ね……」
(゚、゚トソン「良い読解力をお持ちのようで」
ζ(^ー^*ζ「ふふ、ありがとう」
( ^Д^)「??」
- 78 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:11:06 ID:WwPN1hZA0
(゚、゚トソン「あなたには……何か『已むに已まれぬ事情』がありますか?」
ζ(゚ー゚*ζ「どういうこと?」
(-、-トソン「どうしようもない致命的な歪みや淀みのようなモノ。自分から切り離せない黒く冷たい“何か”。そういうものです」
ζ(-、-*ζ「……どうだろう。それなりには……あったんじゃないかな、昔は」
(゚、゚トソン「“昔は”?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう。ずっと昔はね」
ζ(-ー-*ζ「何もかもが嫌で、全部投げ出したくなって、分かっているのに無意味なことを繰り返すことって……あるじゃない?」
(-、-トソン「あるかも……しれませんね」
ζ(、 *ζ「でもね……」
- 79 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:12:06 ID:WwPN1hZA0
―――『好きです。』
ζ(゚ー゚*ζ「そういう時に言われた、誰でも言えるようなとっても些細な一言が私を救ってくれたの」
―――『あなたがいなくなったら俺は悲しいです。』
ζ(-、-*ζ「誰にでも言えるような言葉なのに――誰も私には言ってくれなかった一言が、その一言で、何もかもがね」
―――『だから、あなたがどう思おうとも、あなたは俺にとって……』
ζ(^ー^*ζ「順序は無茶苦茶だし、タイミングは意味不明だし、昔のトレンディドラマみたいだったけど……」
ζ(-ー-*ζ「そんな言葉が、嬉しかったなあ……」
- 80 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:13:06 ID:WwPN1hZA0
( ^Д^)「…………」
ζ(^ー^*ζ「……私って、単純かな?」
(-、-トソン「そうですね……」
(゚、゚トソン「単純かそうでないかと言えば、まあ単純な部類になると思います」
(;^Д^)「はっきり言わないで下さいよ……」
(゚ー゚トソン「でも、単純で良いじゃないですか」
(-、-トソン「誰かの些細な言葉で誰かが笑顔になって、その幸せが他の誰かに伝わって……。まさに幸せスパイラル理論です」
(゚、゚トソン「だから幸せなのは良いことです」
(-、-トソン「誰かを想い、その誰かを幸せにしたいと願う気持ちは、とても良いものだと思います」
ζ(-ー-*ζ「……そうですね」
( ^Д^)「俺も、そう思います」
- 81 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:14:08 ID:WwPN1hZA0
(゚ー゚トソン「――あ、私今良いこと言いましたよね? よね!」ドヤァァ
(;^Д^)「その一言で台無しです!!」
(-、-*トソン「いやぁやっぱり私ってセンス良いですよねぇ、我ながら惚れ惚れします!」
(;^Д^)「なんなんですか、まったく……」
ブルブルブル…
(゚、゚トソン「――と、どうやら時間のようです。女の子は皆大好き、私のバイブがあそこで震えています」
(;^Д^)「言い方!言い方おかしいです!! 震えてるのは携帯だし、“あそこ”ってポケットでしょ!?」
(-、-*トソン「この震動が生きるってことですよね……」
(;^Д^)「意味分からねぇよ!! なんですか、今日のトソさんテンションおかしいですよ? 酔ってるんですか!?」
- 82 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:15:09 ID:WwPN1hZA0
(゚ー゚トソン「はい、酔ってますよ――自分にね!」ドヤァァ
(;^Д^)「もうドヤ顔はいいですから! やっぱ酔ってるでしょアンタ!!」
(-、-トソン「ええ、酔ってます――自分n(;^Д^)「もういいですから!!」
(゚、゚トソン「おっとこうしている間にも時間が……。もう行かないと」
(-、-トソン「お二人共、どうぞお寛ぎ下さい。では私はこれで……」
(;^Д^)『……え?』ζ(゚ー゚;ζ
(;^Д^)「…………え?何処行くんスか? てか、俺等残して?」
(゚、゚トソン「しばらく戻って来れないと思うので安心して下さい」
(;^Д^)っ「何がですか! え、ってか、マジでトソさんどっか行っちゃうんですか?」
(-、-トソン「しつこいですね、何か不都合でもあるんですか?」
- 83 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:16:08 ID:WwPN1hZA0
(; Д)「いやっ、不都合なんて……ないですけど……」
(゚ー゚トソン「そうですよね! じゃあ、後はお若い二人にお任せということで……」
(;^Д^)っ「あっ――ちょっとっ!!」
ガチャ… バタン!
(;^Д^)「…………」
ζ(゚ー゚;ζ「…………」
(; Д)『あの……っ!』ζ(ー ;ζ
ζ(゚ー゚;ζ「……君からどうぞ?」
(;^Д^)「いやデレさんから……」
ζ(-、-;ζ「いやいや君から……」
- 84 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:17:06 ID:WwPN1hZA0
【――帝都、某所】
从*゚ーノリ「はにゃーんさんって、」
(,,-Д-)「ん、何かな?」
从*-ーノリ「悪ぶってるだけで……実は、凄く良い人ですよね?」
从*゚ーノリ「わざと変なことを言ってるだけで」
(,,^Д^)「ギコハハ。それはどうだろうね〜。この世界の善悪がゼロサムであるならば、誰かの善意は必ず誰かを傷付ける悪意になるから」
从*゚ -ノリ「それは、そうかもしれませんが……」
(,,-Д-)っ「はい、ソフトクリーム。ご希望通りバニラとチョコのミックスを買ってきたよ」
从;*-ーノリ「こういうところが優しいって言ってるんですよ……、ありがとうございます」
- 85 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:18:13 ID:WwPN1hZA0
从*^ーノリ ペロペロ…
(,,^Д^)「美味しい?」
从;*゚ーノリ「はい、とても――あっ、勘違いしないで下さいよ! ソフトクリーム一つ貰ったくらいで心を許す私じゃありませんからね!美味しいですけど!!」
(,,-Д-)「可愛いなあ、ルカちゃんは」
从;*゚ -ノリ「別にそんなこと言われても嬉しくは……」
(,,-Д-)「いや――心を許し始めてる君が可愛いって言ったんだ。今の『可愛い』を容姿や仕草のことだと思ったのなら、それこそ可愛いよね」
从;*゚ーノリ「!!」
从;*゚ーノリ「そんな、人の心が……読めるわけでもないのに……」
(,,-Д-)「言ったでしょ? あまり自分を特別だと思うな、ってさ」
(,,゚Д゚)「原理と精度こそ違えど俺の甥も、俺の妹も、俺の敵も……みんな心が読める人だよ。無論、俺もね」
- 86 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:19:11 ID:WwPN1hZA0
(,,-Д-)「そもそも人間は誰だって他人の心を読む――心境を想像し、心情を察している。多寡はあっても誰だってそうなんだよ」
(,,^Д^)「心の理論ってやつだね」
(,,゚Д゚)「心を読む能力が低い人間も、高い人間も、色々いる。脚が速かったり勉強ができたりするのと一緒だよ」
从;*゚ -ノリ「でも、でも対人関係に直接的な影響があることと脚が速いみたいな能力を一緒にするのは……!」
(,,-Д-)「脚が速いことで人気者になる子もいれば、勉強ができるという理由でいじめられる子もいる。だから、一緒なんだ」
从; -ノリ「でも――」
(,,゚Д゚)「――大事なのはね、ルカちゃん」
(,,-Д-)「本当に大事なのは“今どうであるか”じゃなくて――“どう考え、どうするか”なんだよ」
从* -ノリ「…………」
(,,-Д-)「脚が遅くても人気のモデルさんはいる。当たり前のことでしょ?」
(,,゚Д゚)「問題はどう捉えるかであり、どう生きていくかなんだ」
- 88 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:20:14 ID:WwPN1hZA0
(,,-Д-)「君がどう考えようとも――心が視えるなんて、とても些細なことでしかない」
(,,゚Д゚)「自分が特別だとか不幸だとか、思うのも烏滸がましい」
(,,゚Д゚)「大体君は人の心が完全に理解できるわけじゃない。ただちょっと、人の意思を拾うアンテナが高性能ってだけだ」
从;* -ノリ「でも……私は……」
(,,-Д-)「君が俺のことを嫌うのは、俺の人間性じゃなく――単に俺の心がよく視えないから、だよね?」
从;゚ーノリ「それは……」
(,,^Д^)「心が視える自分の能力を迷惑そうに言う割には頼り切りで、平気で心を偽る周囲の人間を軽蔑する割には自分は結構普通に嘘吐くんだねぇ、君は」
从; -ノリ「だって……だって、私……」
(,,^Д^)「俺がどう思ってるか“視える”かな? 視えないとしても分かるよね?」
(,,-Д-)「俺は君のことが嫌いだよ。例えその能力がなくたって、俺の口調で、言葉で、身振り手振りで、視線で……分かるよね?」
- 89 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:21:13 ID:WwPN1hZA0
(-、-トソン「――そこまでです、先輩」
(,,^Д^)「ギコハハ。遅かったね、トソンちゃん。お陰で可愛い女の子を必要以上に傷めつけちゃったよ」
(゚、゚トソン「らしくないですよ。弱い者の味方である先輩らしくない」
(,,-Д-)「俺は弱い者の味方でありたいと思っているけど、怠惰な奴や唐変木の味方ってわけじゃないんだよ。君の時もそうだったでしょ?」
(-、-トソン「……そうでしたね」
(゚、゚トソン「あなたは正しいかもしれませんが、優しいわけでも、甘いわけでもない」
(,,^Д^)「ギコハハ。分かってるなら後は任せたよ。ちょっと用事があるし……その子はもう、僕と一緒にいるのは懲り懲りだろうしね」
(-、-トソン「…………そうですね」
从* -ノリ「…………」
- 90 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:22:17 ID:WwPN1hZA0
【――その頃】
( ^Д^)「……あ。お茶淹れますね……。それとも酒、は昼間だから……」
ζ(-、-*ζ「他人の家なのに何が何処にあるとか分かるんだね」
ζ(゚ー゚*ζ「もしかして、恋人?」
(;^Д^)「トソさんはモラ先輩の恋人です! 俺がよく知ってるのは、単に先輩の家に遊びに来るからですよ」
( ^Д^)「(うちのハードは古いからここに来ないとエ●バができないし……)」
ζ(゚ー゚*ζ「そう。そうだよね、あの子じゃ……ね」
ζ(-、-*ζ「あのクールさんならまだ分かるけど……」
(;^Д^)「いやっ、そういうことじゃねぇですよ!マジで!!」
- 91 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:23:17 ID:WwPN1hZA0
(;^Д^)「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「…………」
(;^Д^)「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「…………」
(; Д)「(帰りたい……)」
ζ(-、-*ζ「……ねえ」
(;^Д^)「は、はいっ! なんですか?」
ζ(゚、゚*ζ「私と一緒にいると、疲れる?」
(;^Д^)「あー……。いや、そんなことは……」
ζ(-、-*ζ「本当に?」
- 92 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:24:08 ID:WwPN1hZA0
(;^Д^)「疲れるとかじゃなくて、どう接すれば良いか分からないっていうか……色んな意味で……」
(; Д)「(俺は『別れた彼女』とか言っちゃったし、デレさんはデレさんで『もう俺の彼女じゃない』って……)」
(; Д)「(前はどんな風に話してたんだっけ……)」
ζ(゚ー゚*ζ「ねえ」
(;^Д^)「……なんですか」
ζ(^ー^*ζ「“二人きりの時は俺様口調”って約束はどうしたの?」
(;^Д^)「もうその話は良いですから!! 過去です!全て過去のことですッ!!」
ζ(、 *ζ「過去のことなんだ。ふーん……そうなんだ」
(;^Д^)っ「いやっ、過去とは言っても……。別に……アレですよ、今一緒なんだから過去は別にいいってことで……」
(; Д)「嫌いになったとか、どうでも良くなったとかそういうんじゃなくて……」
- 93 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:25:13 ID:WwPN1hZA0
ζ(^ー^*ζ「……一緒にいるとえっちな気分になる?」
(*; Д)「そりゃ、昔と同じく可愛いですし、でも昔よりムチムチで胸も大きくて誘うような変なこと言うし――って、」
(;^Д^)「何言わせるんですか!!」
ζ(゚、゚*ζ「君が勝手に答えたんじゃない」
(;^Д^)「そうなんですけどね!」
( ^Д^)「でも……。やっぱり、また会えて……こうして一緒に過ごせて、嬉しいです」
( ^Д^)「モラ先輩がトソさんが再会した時はこんな気分だったのかなって……。はは、分かんないですよね」
ζ(-、-*ζ「分かるよ。君にまた会えて、私も嬉しかったから」
(;^Д^)「デレさん……」
ζ(^ー^*ζ「当たり前でしょ? 私も君のこと、好きなんだから」
- 94 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:26:06 ID:WwPN1hZA0
イヤ,デモソンナ…
マタイッショニナレテ,ホントウニウレシイ…
チ,チカイデスッテ…
(-_-)「……僕が言うのもなんだけど、彼等他人の家にも関わらずラブラブだね。僕達が隣の部屋にいること忘れてるのかな」
( -∀-)「さて二人の恋の炎は再燃するのか否か。デレ氏の同僚でもある解説者ヒッキーさん、どう見ます?」
(;-_-)「君は君でなんで楽しそうなのさ……」
(-_-)「僕は恋愛のことはよく分からないけど、『私も君のこと、好きなんだから』って言葉は気になる……かな」
( ・∀・)「そう、俺もそこが気になってた」
( -∀-)「普通こういう場合って『好きだったんだから』って言うはずだよな。なのに過去形を使わず、『好きなんだから』と言ってるわけで……」
( ・∀・)「(しかも“私も”という口ぶりから後輩も……。薄幸美少女の恋路に最大の危機か?)」
- 95 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:27:08 ID:WwPN1hZA0
【――同時刻、帝都、自然公園内】
(゚、゚トソン「…………落ち着きましたか?」
从;*゚ーノリ「なんとか……ですけど」
(-、-トソン「先輩は人の心が分かるのに、分かるからこそ心に土足で踏み込むタイプですからね……。言い方は悪いですが」
从;*゚ーノリ「それ、良い言い方ってあるんですか?」
(゚、゚トソン「子供はみんなニュータイプって感じでしょうか」
(-、-トソン「その理論でいけば私もあなたもニュータイプです」
从*^ーノリ「……トソンさんもまだ子供なんですか?」
(゚、゚トソン「むぅ。私はまだまだピチピチですよ? あなたに比べればちょっとロートルですが、まだガラスの十代ですから」
- 96 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:28:07 ID:WwPN1hZA0
(-、-トソン「それにしても……。ルカちゃん、あなたはやっぱり私を怖がらないんですね」
(゚、゚トソン「客観的に考えれば先輩よりも私の方がよっぽどヤバい奴ですよ? オブラートに包まず言えば私ってキチ●イですから」
从*゚ーノリ「私は、その人の全てが分かるわけじゃありませんから」
(-、-トソン「そうですか」
(゚、゚トソン「一言で言えば、先輩は人でなしと呼ばれることが多いですが――私は人殺しですよ?」
从;゚ーノリ「え……?」
(-、-トソン「冗談です。愛のままに我が侭に私は君だけを傷付けません」
从;*^ーノリ「もう、おかしなこと言わないで下さいよ」
(゚、゚トソン「今の子には通じないんですかね、こういうネタは」
- 97 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:29:10 ID:WwPN1hZA0
从*^ーノリ「……でも、さっきので分かっちゃった気がします」
(゚、゚トソン「何がですか?」
从*゚ーノリ「私は人の心が視えるけど、その人の全てが分かるわけじゃないんだって。全然、特別なんかじゃないんだって」
从*-ーノリ「実際はにゃーんさんのことは全然分からなかったですし……」
(-、-トソン「先輩のことは心が読めるくらいじゃ理解できませんよ。あの人は心ではなく志で生きる人ですから」
从*゚ーノリ「上手いこと言ったつもりですか?」
(゚ー゚トソン「はい。上手いこと言えていませんか?」
从*-ーノリ「……いえ、言い得て妙だと思います」
从*゚ーノリ「ああいう人もいるんですね。自分の心を押し殺して、志に殉じるような……」
从*^ーノリ「私を罵倒してた時、あの人……苦しそうでした」
(-、-トソン「……なんだかんだ言って優しいですから。先輩は」
- 98 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:30:09 ID:WwPN1hZA0
从*^ーノリ「多分、この目は関係なく、私は勘違いしてたんでしょうね」
从*゚ーノリ「人が嘘を吐くのは本当の自分を偽る為だけじゃない。弱い自分を守る為の嘘も、弱い自分と戦う為の嘘もある」
从*^ーノリ「私がダイエットの為にソフトクリームを我慢するのだって、言わば一つの“嘘”なんですよね」
(-、-トソン「『言葉は残酷なまでに確かだ。それは現実を切り分け、ただ一対の断面にする。矛盾は存在しえない。言葉こそ、この世界で最も大切なものだ。』」
(゚、゚トソン「『でも、言葉は剣だ。それは想いを確かな形にするけれど、同時に、形にならなかった部分を容赦なく殺す。』」
(゚、゚トソン「あなたを見ていて、ふと、思い出しました」
从;*゚ーノリ「小説の台詞ですか? 諳んじてるなら凄いですけど……」
(-、-トソン「こういう台詞が言えたなら本当にカッコいいんですが、残念ながら好きな小説の台詞です」
(゚、゚トソン「でも分かって欲しかったんです。言葉と心がすれ違っていたとしても、どちらもが“真実(ほんとう)”である場合があることを」
- 99 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:31:12 ID:WwPN1hZA0
(゚、゚トソン「あなたは心が視える。だから他人の嘘が分かる。それは辛いことかもしれません」
(-、-トソン「『知らぬが仏』や『言わぬが花』という言葉を踏まえて考えれば、きっと他人の心が分かってしまうのは辛いことなんでしょう」
从*゚ーノリ「…………」
(゚ー゚トソン「でも、言葉になった想いだけが真実なわけがないじゃないですか」
(-、-トソン「言葉はとても明確で、残酷だけど……私達は言葉にならない想いを読み取ることができる」
(゚、゚トソン「その人が何故嘘を吐いたのかを踏まえ、その心を想像し、心に共感し、心で理解することができる。それは素晴らしいことだと思います」
从*-ーノリ「そうですね……」
(-、-*トソン「それに、私達は心が共有できないからこそ恋愛の駆け引きができるんです」
从*^ーノリ「それもそうですよね」
(゚ー゚*トソン「ね?」
- 100 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:32:17 ID:WwPN1hZA0
从*゚ーノリ「『大事なのは“どう考え、どうするか”』」
从*-ーノリ「……はにゃーんさんはそう言いました」
(゚、゚トソン「あなたは人の心が視えることをどう考えますか?」
从*-ーノリ「……他人よりも、誰かに少しだけ優しくできることだと考えます」
(゚ー゚トソン「本当にそんな風に思ってますか?」
从*^ーノリ「思ってるわけないですよ。嘘吐きばかりの学校の人達も、余計なことばかり視えるこの目も、本当に迷惑だと思っています」
从*゚ーノリ「けど……そうなれれば良いとも思います」
(-、-トソン「今は嘘で良いんです。いつかそれが真実になりさえすれば」
从*^ーノリ「とりあえずは、他人を理解するよう努力してみたいと思います」
(-、-*トソン「それで、それがいいんです」
- 101 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:33:11 ID:WwPN1hZA0
(-、-トソン「もしも、どうしても他人の嘘が許せないのなら……それはそれで仕方ないですし」
从*゚ーノリ「“どうするか”ですか?」
(゚ー゚トソン「はい。そういう時はヒッキー先輩のような嘘の吐けない人と一緒にいて、自分も正直に生きれば良いんです」
(-、-*トソン「恥ずかしながら私も駆け引きが苦手な、嘘を吐けない人間ですから……」
从*^ーノリ「……色々とありがとうございます」
(゚、゚トソン「いえいえ。私も若い頃はあなたみたいでしたから」
从*^ーノリ「今度はきっと、細かい悩み抜きで観光しましょう。みんなで一緒に」
(゚ー゚トソン「ええ、喜んで」
从*゚ーノリ「あとはにゃーんさんにも伝えておいて下さい。ありがとうございますって」
(-、-トソン「電話番号を教えましょうか?」
从;*゚ーノリ「いえ、直接話すのはもう勘弁して欲しいなー。みたいなー……」
- 102 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:34:17 ID:WwPN1hZA0
【――同日、帰り道、雨霧荘付近】
( ^Д^)「……にしても勝手ですよね、モラ先輩達は」
(;^Д^)「『俺は執筆に忙しいし、先帰ってていい』とか本当に……。トソさんはトソさんで全然帰ってこねぇし」
ζ(゚ー゚*ζ「私としてはルカちゃんと彼が仲直りできたかどうかが気掛かりだけど」
( ^Д^)「大丈夫じゃないっスか? 先輩も大人ですし」
ζ(゚、゚*ζ「(そうかな?)」
(;^Д^)「(にしても……)」
(; Д)「(また二人きりか……あー……)」
- 103 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:35:11 ID:WwPN1hZA0
(;^Д^)「(嫌ってわけじゃないけど、どう接すれば良いのかが……)」
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、今日って暇?」
( ^Д^)「え?」
ζ(-、-*ζ「明日大学は……ないよね?」
(;^Д^)「なんで、ですか……?」
ζ(゚ー゚*ζ「実はこの間、凄く高いお酒を貰ったの。それで一人で飲むのも勿体ないし……」
(;^Д^)「つまりアレですか?」
ζ(^ー^*ζ「そ。今日の夜、一緒に飲まない?」
(;^Д^)「(え……。えぇ……?)」
- 104 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:36:08 ID:WwPN1hZA0
(*; Д)「(これってつまりアレだよな……。そういう、誘いっていうか……)」
(*; Д)「(チャンスなのか?それともピンチなのか? どっちと言うべきなんだ……?)」
(;^Д^)「いや……でも、俺まだ未成年ですし」
ζ(-、-*ζ「私だってまだだよ」
(;^Д^)「なら尚更駄目じゃないスか」
ζ(゚ー゚*ζ「でも君の先輩の家にはお酒いっぱいあったよね? 場所知ってるってことは君も飲んでるんでしょ?」
(; Д)「(ウルトラミスっ!!)」
ζ(ー *ζ「ねぇ……嫌?」
(;^Д^)「う、ぐ……」
- 105 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:37:11 ID:WwPN1hZA0
(; Д)「――いやっ!」
ζ(゚、゚*ζ「嫌?」
(;^Д^)「いや嫌じゃなくてですね、とりあえずうちの子にご飯を用意してから決めようかなーみたいな?」
ζ(^ー^*ζ「猫みたいだね、なんだか」
( ^Д^)「近いと言えば近いですかね」
ガチャ…
( ^Д^)「おーい、でぃ? ただいまー!」
( ^Д^)「寝てるのかー? ……え?」
ζ(゚ー゚*ζ「どうしたの?」
(;^Д^)「でぃ……?」
- 106 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:38:13 ID:WwPN1hZA0
【――深夜、帝都、某ビル屋上】
リパ -゚ノゝ「…………どうかしましたか、」
(,,^Д^)「ああ、ユキちゃん」
(,,-Д-)「なんでだろうね。君と会うのもすっごく久しぶりな感じがするよ」
リパ -゚ノゝ「…………二年ぶりくらいでしょうか、」
(,,゚Д゚)「それで、どうしたの?」
リパ -゚ノゝ「…………夜中のビルの屋上に佇む格好付けな先輩を茶化しに来ました、」
(;-Д-)「酷いなあ。君までそういうこと言う?」
リパ -゚ノゝ「…………冗談です、」
(,,^Д^)「ギコハハ。冗談なら笑顔で言ってよね」
- 107 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:39:21 ID:WwPN1hZA0
リパ -゚ノゝ「…………今日は、せんぱいと……?」
(,,-Д-)「いや、人の心が分かるって自称する偏屈な女の子と遊んでたんだ」
リパ -゚ノゝ「…………それが本当だとしても、例えば病葉先輩ならば、その程度の能力は消せるはずです、」
(,,^Д^)「そうしてもらうつもりだったんだけどね。やめちゃった」
リパ -゚ノゝ「…………時々、あなたのことが分かりません、」
(,,-Д゚)「いつもは分かってくれてるの?」
リパ -゚ノゝ「…………努力はしています、」
(,,-Д-)「まあいいけど……。そのこと、誰にも言っちゃ駄目だよ?」
リパ -゚ノゝ「…………何がですか?」
(,,゚Д゚)「とぼけてるの?」
- 108 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:40:23 ID:WwPN1hZA0
(,,-Д-)「トソンちゃんが超能力者――加えて空前絶後の殺人鬼ってこと、誰にも言っちゃ駄目だよってこと」
リパ -゚ノゝ「…………私は世間知らずですが、言って良いことと悪いことくらいは分かります、」
(,,゚Д゚)「モララーちゃんとトソンちゃんの関係についても言っちゃ駄目だよ?」
リパ -゚ノゝ「………………分かりました、」
(;-Д-)「もう誰かに言っちゃったーってオチは嫌だからね?」
リパ -゚ノゝ「…………言っていません、」
リパ -゚ノゝ「…………けれど、私が言うまでもなく、ブーンさんは真実を悟ったようですが、」
(,,^Д^)「そっか、気付いたんだ。だから最近疎遠だったのかな?」
(,,-Д-)「ツンちゃんはまだだと思うけど、この分だと時間の問題かな?」
- 109 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:41:14 ID:WwPN1hZA0
(,,-Д-)「とすると、プギャーちゃんが知るのも時間の問題……」
(,,^Д^)「あのアドバイス部なんて馬鹿なサークルを中心としたぬるま湯か消えるのも、同じく時間の問題、かな……」
リパ -゚ノゝ「…………悲しそうですね、」
(,,゚Д゚)「そんな顔してた?」
リパ -゚ノゝ「…………いえ、笑っていました、」
リハ ーノゝ「…………ですがあなたの心と言葉が食い違うのは、いつものことですから、」
(,,^Д^)「ギコハハ。君は分からないなあ」
リパ -゚ノゝ「…………理解不能の権化のような存在であるはにゃさんに言われたくはありません、」
(,,-Д-)「確かに」
- 110 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2013/02/23(土) 04:42:19 ID:WwPN1hZA0
(,,-Д-)「誰かを愛する想いは確かに尊いけれど、それが違う誰かを傷付けることもある」
(,,゚Д゚)「振りかざされた一途な想いは見境なく周囲を傷付ける」
悲しいよね、と彼は笑った。
どうしようもなく歪なこの世界で儚げに彼は微笑み、そして―――。
(,,-Д-)「……そろそろ終わらせよっか。モララーちゃんとトソンちゃんの嘘に満ちた夢を」
“人の為”と書いて、『偽り』。
ならば偽りなき愛は独り善がりな狂愛なのか。
狂った愛は愛と呼べるのか。
愛はそもそも狂気だと言うのなら、私達はもしかしたら。
……人なんて、愛さない方が良いのかもしれないと私は思った。
だから。
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