- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 18:49:51.24 ID:fWOUoO+M0
〜オープニング代わりのキャラ紹介〜
(#^;;-^)「こんばんは。でぃです」
(#゚;;-゚)「もうすっかり秋ですね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか」
(#^;;-^)「では、本日はこの方です」
【空前絶後のバカ大学生・ツン】
ξ;゚听)ξ「ばっ――バカじゃないもん!!」
(#^;;-^)「小麦粉を主材料とし水とイースト菌などを混ぜ醗酵させてから焼き上げた食品。朝食で食べられることが多いこの食べ物の英語名は?」
ξ;--)ξ「難しい問題ね……。うーん…………」
ξ;--)ξ「(こむぎこ……いーすときん…………はっこう…………)」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 18:53:08.58 ID:fWOUoO+M0
ξ*゚听)ξ「――あっ、わかった!!」
(#゚;;-゚)「答えは?」
ξ*^竸)ξ「答えは――パン!!」
(#^;;-^)「……本編スタート、です」
ξ;゚听)ξ「なんでよちょっと待ってよ! そのままロクな紹介もないままに本編に入ろうとしないでよ、でぃちゃん!!」
(#゚;;-゚)「……でも、」
(#゚;;-゚)「ツンさんを紹介しようと思って質問を考えても、何故か全部悪口になってしまって……」
ξ;゚听)ξ「ちょっと、どういうことよそれっ!?」
(#゚;;-゚)「さぁ…………」
ξ#><)ξ「ああああああっ!! もうっ、いいから私にも皆みたいに質問してよーーーッ!!!」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 18:57:32.36 ID:fWOUoO+M0
(#^;;-^)「…………では、そろそろツンさん弄りは終了したいと思います」
ξ;゚听)ξ「え?」
(#^;;-^)「モララーさんが、『ツンの紹介の時は最初に適当にバカにしとけ』とおっしゃっていたので……」
ξ#゚听)ξ「今までのやり取りはあの変態野郎の差し金かっ!!」
(#゚;;-゚)「そういうわけなので、改めまして」
(#^;;-^)「――家族構成を教えて下さい」
ξ;--)ξ「納得いかないけど……質問には答えるわ。モララーは後で取っちめるとして……」
ξ゚听)ξ「家族はお父さんだけよ。一時期ビロードがいたけど、それはホントに短い間だったし」
(#゚;;-゚)「……二人家族なのですか?」
ξ--)ξ「まぁね。私、お母さん知らないし」
(#゚;;-゚)「…………?」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:02:50.86 ID:fWOUoO+M0
(#゚;;-゚)「私と、同じようなご境遇ですか?」
ξ--)ξ「ううん。そういうわけじゃなくてね、」
ξ゚听)ξ「――私のお母さん、病弱だったらしくて。私を産んで、死んじゃったの」
ξ--)ξ「私が最初の子供だったから……だから、ずっとお父さんと二人暮らし」
(#゚;;-゚)「……そうですか」
(# ;;-)「すいません……私、その……こういう時に、なんて言うべきなのか、知らなくて……」
ξ^竸)ξ「――何も言わなくてもいいわよ」
(#゚;;-゚)「……?」
ξ--)ξ「私はお母さんのこと“知らない”けど、でも、お母さんが“いない”わけじゃないから」
(;#゚;;-゚)「???」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:07:58.38 ID:fWOUoO+M0
ξ^竸)ξ「死ぬかもしれない、ってお医者さんに言われても……お母さんは私を産むことにした」
ξ--)ξ「……死ぬかもしれなくても、子供が欲しかった」
ξ*--)ξ「私はお母さんとお父さんの“カタチある愛”――ってわけね」
(#゚;;-゚)「…………」
ξ--)ξ「女の意地だったのかもねー……」
ξ;゚听)ξ「えっと……こういうのって、なんて言うんだっけ……? 気狂い、じゃなくて……」
(#゚;;-゚)「……“気位”、ですか?」
ξ*^竸)ξ「そう、それよっ! “キグライ”が高かったの!!」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:13:38.02 ID:fWOUoO+M0
ξ--)ξ「私はお母さんに会ったことがないし、これからもずっと会えない。……ほとんど入院してたらしいから写真もほとんどないしね」
ξ*゚ー゚)ξ「――でも、私はすっごく愛されてた。愛されて、産まれてきた」
ξ*--)ξ「私のお母さんは……世界一カッコいい女だった。私が、その証明なんだ」
(#゚;;-゚)「…………」
(*^;;-^)「…………きっと、ツンさんのお母様は、とても綺麗な方ですね」
ξ*^竸)ξ「うんっ! なんてったって私のお母さんだもん!! すっごく美人だったんだからっ!!」
(;#゚;;-゚)「(容姿のことを言ったわけじゃ、なかったんだけど……)」
(#゚;;-゚)「(“お母さん”……)」
(# ;;-)「(私、は……どうなんだろう。……私は…………)」
(# ;;-)「…………」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:17:34.79 ID:fWOUoO+M0
9‐Call
( ^Д^)「『惑わず、憂えず、懼れない。睦語をしてもらえるような、頼もし尽な“お兄ちゃん”じゃないと』……ってか?」
……すたーとっ
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:22:38.43 ID:fWOUoO+M0
【――某日・早朝、雨霧荘、11号室】
( -Д-)「…………んあ」
妹達が来て、三日目の朝。
ソファーでは寝づらいということは既に理解していたので、俺は床に布団を敷いて寝ていた。
“妹の為に身を削るなんて兄として最高の名誉”
我が家の長男・兄さんならそう言うんだろう。
シスコンじゃないかと疑いたくなるほど妹を愛していた兄さんなら。
( -Д-)「……ふぁ〜あ」
次男である兄貴だったら……どうかな。
決して答えを知れない問いなんて、考えるだけ無駄なのかもしれないけれど。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:27:58.95 ID:fWOUoO+M0
まあ。
たとえ生きていたとしても、あの馬鹿兄貴が素直に答えたとは思えないが。
( ^Д^)「あつ……」
そんな由無し事を考えながら重い身体を起こす――初夏。
兄貴がいなくなっても世界は変わらない。
動かず、変わらない。
変わらず――廻り続ける。
……分かっていたことなのに。
やっぱり、それは少しだけ悲しかった。
( ^Д^)「……こんな青臭くて鬱陶しいこと半睡状態で考えるなんて、俺は“化物のような世界”で生きる幼馴染に振り回される自称・普通の嘘吐き男装高校生かなんかかっての」
セルフツッコミを決め、頭を回転させ始める。
さて。
今日の朝食は何にしようか。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:32:16.05 ID:fWOUoO+M0
バサッ ←掛け布団を勢い良く捲った音。
( ^Д^)「……ん?」←来年成人する十九歳男子。
(ノリ* -ノリゝ「んんっ……」←その脇で甘えるように寝ている美少女中学生(実の妹)。
li イ* -ノl|「むにゃ……ぁ……」←兄の右腕を抱き枕にするようにして傍らで眠る美少女中学生(実の妹その二)。
(* ;;-)「ふぁ……」←腹部より少し下辺りで小さな身体を丸めて夢の中な美少女元忍者(十三歳?)。
ニャー ←妹の猫。
( ^Д^)「…………」
…バサリ ←静かに布団を戻した音。
( ^Д^)「…………俺は何も見なかった。最近ご無沙汰だったからエロい夢見ちゃっただけだ。うん」
(;^Д^)「あっ、でもそれだとコイツ等をそういう目で見てるってことになっちまう。それは結構困るな。うん」
(;^Д^)「(“暑い”のも“重い”のもコイツ等の所為だったか……くそ)」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:37:29.48 ID:fWOUoO+M0
バサリ ←確認の為にもう一度捲る。
(ノリ* -ノリゝ「すぅ……」←着流しが肌蹴て危ない。
li イ* -ノl|「んぁ……ぅ……」←右腕に控えめな胸が当たっている。
(# ;;-)「……んんぅ……」←寝てる位置が完全アウト。
ニャー ←妹の猫。
…バサ ←静かに戻した。
(; Д)「……はい、皆さんご一緒に。『ちっくしょーう、またこのパターンかよー』」
はっはー、どうだ世の男子諸君。羨ましいだろー。
どーよ、このハーレム。
中学生の美少女三人だぜー?
さようなら倫理。もう二度とお目にかかることは無いでしょう。
今までありがとう道徳。本当にお世話になりました。
(; Д)「…………そして、これから末永くお付き合い下さい、警察&法律」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:45:59.18 ID:fWOUoO+M0
(;^Д^)「(いやっ、待てっ。冷静になれ俺。冷静だ、Be cool)」
(;^Д^)「(朝立ちしてなかっただけで随分僥倖だったと考えよう。今ならまだ、間に合う。倫理も道徳も俺の味方だ)」
(; Д)「(落ち着くんだ……。とりあえず、どっかの傍迷惑なドス黒い悪の運命克服系神父かなんかのように素数を数えてみるか)」
(;^Д^)「2、3、5、7……11、13……じゅうg――あぶねっ、17…………19……」
( ^Д^)「……そういや、記憶が八十分しか持たない整数論が専門の元教授が言ってた『双子素数の問題』ってもう解決されたのかな?」
( ^Д^)「………………よし」
( ^Д^)「落ち着いて考えてみて分かった。このシーンを誰にも見られなければ問題はない」
(;^Д^)「上手い具合にこっから抜け出せば……百合百合なサービスカットができあがり、俺は警察のお世話にならずに済む」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:51:24.30 ID:fWOUoO+M0
( ^Д^)「問題はホールドされてる右腕を――」
ピンポーン
コンコン
(; Д)「(――――ドちくしょぉぉぉおおおおおおっ!!!)」
(ノリ* -ノリゝ「んっ……ぁ……」
(; Д)「(こんな朝っぱらから訊ねてきてんの誰だよ時計見れないから何時か分からないけど見ようと身体捩ったら確実に冰刃ちゃん起きるけど!!)」
(; Д)「(……くそっ、新聞か? 新聞であってくれ、お願いだから――)」
<『おーい。プギャー、起きてるかー?』
(; Д)「(アドバイス部のラスボスとエンカウントぉぉぉおおおっ!!)」
li イ* -ノl|「おにいちゃ……にゃ……」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 19:56:43.91 ID:fWOUoO+M0
(;^Д^)「(いっ、いやっ、まだ大丈夫だ。このまま寝てるフリしてやり過ごせば――)」
<『こにゃにゃちわ〜。後輩、クーお姉様が遊びに来てやったでぇ』
(;^Д^)「――ってアンタはちょくちょくおもちゃと勘違いされて電池入ってる場所を探されるカードの守護者でありながら三十年間居眠りしてた選定者かなんかですか!!」
(;^Д^)「(しまったっ!! いつもの癖でツッコんじまった!!)」
<『なんだ、起きてんなら返事しろよー』
<『そうだぞ、後輩。クール・V・淳が命ずる。“さっさと扉を開けろ” キュィィィーン』
(; Д)「効果音自分で言ってんじゃねぇよ……」
(; Д)「クー先輩は大国の皇子であるのになんやかんやで自分の国に反逆してる凄い手際でコンタクトを外す天才もやしっ子かなんかですか……。地味にCL●MP繋がりだし……」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:01:01.11 ID:fWOUoO+M0
(ノリ*-ー-ノリゝ「あと、玄関の鍵なら開いてるよぉー」
(;^Д^)「――っ!? 冰刃ちゃん、お前起きてたのかっ!?」
(ノリ*^ー^ノリゝ「んん〜。ちっこいお兄ちゃんから“ちゃん付け”で呼ばれるのって久しぶりだな〜。なんか嬉しっ」
(;^Д^)「しまった――じゃなくてっ! 質問に答えやがれっ!!」
(ノリ*゚ -゚ノリゝ「……んー? いつから起きてたか?」
(ノリ*゚ -゚ノリゝ「――お兄ちゃんが、今は絶版になってる平●読さんの処女作・アンチ正統派ラブコメラノベのネタ使ったところぐらいから」
(;^Д^)「滅茶苦茶最初じゃねぇか! 俺の努力全部無駄か!!」
(ノリ*^ -^ノリゝ「滅茶苦茶なのはお兄ちゃんの倫理観でしょ。……やっぱり、私達のことそういう目で見てたね」
(;^Д^)「いや、ちがっ……」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:12:00.32 ID:fWOUoO+M0
ガチャ
川 ゚ -゚)「おい、後輩。もう勝手に入るからな――――ん?」
(; Д)「玄関から丸見えは駄目だと思ってたのに…………さっさと引っ越せば良かった」←兄(三方向法律違反)。
(ノリ*^ -^ノリゝ「……?」←兄に寄り添い見詰め合うような形になっている中学生の妹。
ニャー ←妹の猫。
( ・∀・)っ■←携帯。
ピロリーン カシャ
( -∀-)「……ゆうべ は おたのしみ でしたね」
川 ゚ -゚)「おお ぷぎゃー いもうと に てをだしてしまう とは なさけない」
( うД)「……もう死にたい」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:15:50.12 ID:fWOUoO+M0
( ・∀・)「――しかし、美少女三人が夜伽とは……やるな、後輩」
( -∀-)「お前はどっかの和歌山から上京するも新東帝都大学二浪決定なへタレ葦牙君かよ」
川* -)「……いやいや、それよりは『平和が一番』を掲げるも空から落ちてきた未確認生物に日常を掻き回されるエロ中学生……」ドバドバ
( ・∀・)「…………大丈夫か?」
川* ー)「ふふ、輸血の準備はしてきたぞ……。これで、たとえ血液賭けの麻雀を挑まれても……」ダラダラ
(;・∀・)「いや普通に生きてたら麻雀で命賭けたりする機会ないから。そういうことするのは戦後世界の闇に降り立った白髪の天才ぐらいだから」
川 ゚ -゚)「――よし、とりあえず落ち着いた」
(; Д)「…………そのままくたばれば良かったのに」
li イ*゚ -゚ノl|「おにーちゃん。そういうのは、冗談でも言っちゃダメ」
(; Д)「ゴメンナサイ……。(……アレ、なんで俺謝ってんだ?)」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:18:05.30 ID:fWOUoO+M0
川 ゚ -゚)「――と、言うかな、」
川*゚ー゚)「後輩の状況は鬼斬り役の天河家の朝っぽくて、アレだな」
( ・∀・)「護り刀が三本なんだな。“野井原の緋剣”ならぬ、“雨斎院の氷刃二振り”と“東郊の懐刀”ってか?」
(#゚;;-゚)「……私は、あまり刃物の扱いは得意ではありません」
( ・∀・)「あ、そうなの? へぇー」
:( Д): プルプル……
(ノリ;゚ -゚ノリゝ「お兄ちゃ……ん?」
li イ;゚ー゚ノl|「ええっと、もしかして…………怒ってる?」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:26:14.74 ID:fWOUoO+M0
(#^Д^)「――あああああっ! もう、テメェ等いい加減にしやがれ朝っぱらから人の布団に潜り込むな人ン家の玄関でおっぱいアニメ談義してんじゃねぇぇぇえええ!!」
川#゚ -゚)『「おまもり●まり」がおっぱいアニメだと――ふざけんなテメェ!!』(・∀・# )
(#^Д^)「反応すべきなのそこじゃねぇよ!! ほら、お前等もさっさと布団から出ろ!!」
(ノリ;゚ -゚ノリゝ「あわわ……」
(;# ;;-)「すみませんプギャーさん。あの、私……あの……」
li イ;゚ー゚ノl|「お兄ちゃん落ち着いてー」
(#^Д^)「るっせぇ馬鹿共がぁぁぁっ!! テメェ等が出て行かねぇなら俺が出ていってやらぁ!!」
(#=゚ω゚)ノ「――うるさいのはお前等だよう! 今何時だと思ってるんだよう!!」←お隣さん。
(;^Д^)「あっ、すいません……」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:29:08.21 ID:fWOUoO+M0
【――数分後】
川 ゚ -゚)「――さて、」
川 ゚ -゚)「後輩はお隣さんに謝りつつ半泣きで部屋を飛び出していったわけだが……」
:(ノリ -ノリゝ:「うぅぅ…………」
li イ う -;ノl|「うあぁぁ……おにいち゛ゃんにっ、ぎら゛われっ……ヒック……」
(# ;;-)「…………プギャーさん……」
川 ゚ -゚)「…………」
川* -)「(――ヤベェ、落ち込んでる美少女とかスゲェ萌える。私が男の身体してたら確実に勃起してた)」
川* ー)「(抱き締めたいなー撫で撫でしたいなー。慰めるって口実で、その先もしたいなー……)」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:33:23.47 ID:fWOUoO+M0
川 ゚ -゚)「(……まぁ、でも)」
川 -ー-)「(その役目は、やっぱり“お兄ちゃん”がやるべきなんだろう……)」
li イ ; -;ノl|「やだよぉ……ちっこいお兄ちゃんまでいなくなったら、私……」
(ノリ -ノリゝ「お兄ちゃん……」
(# ;;-)「…………」
川 -ー-)「(あーあー。ボロボロ泣いちゃって……全く、愛されてる“お兄ちゃん”だこと。嫉妬するぞ、後輩)」
川 ゚ -゚)「――おい、美少女三人。いつまで泣いてる」
(ノリ う -;ノリゝ「だって……」
川 ゚ -゚)「今、モララーがお前等の“お兄ちゃん”を呼びに行ってる」
川 ゚ー゚)「その間……皆で謝る方法でも考えようじゃあないか」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:37:57.89 ID:fWOUoO+M0
【――同時刻】
(#^Д^)「くそっ……。ああ、腹立つ……」
『妹萌え』とか馬鹿らしい。
現実見ろっての。
あんな奴等……腹立つだけじゃねぇかよ。
(#^Д^)「人が落ち込んでる時に、アイツ等……」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:41:18.08 ID:fWOUoO+M0
『――“落ち込んでる時だからこそ”、だったんでしょ?』
(^Д^;)「……え?」
( ^Д^)「(この声……)」
(;^Д^)「…………デレ、さん……?」
ζ(-、-*ζ「――当たり。相変わらず勘は良いね、君は」
(;^Д^)「……モラ先輩辺りの説教ターンだと思ったのに……」
ζ(゚ー゚*ζ「モラ先輩? 誰?」
(;^Д^)「えっ、いや、あの……別にナンデモナイデス」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:44:15.99 ID:fWOUoO+M0
【――その頃、二人の背後】
<モラセンパイッテイウノハ, オレノダイガクノセンパイデ…
<…アア. キミモシンガクシタンダッケ
( ・∀・)「…………」
(;・∀・)「(――――登場のタイミング逃したぁぁぁぁっ!!!)」
(;-∀-)「あー、どうも調子悪いな……。ブーンの奴、余計なこと言いやがって……」
( ・∀・)「あの程度で動揺する俺も、鍛え方が足りませんーってか?」
( -∀・)「――まぁ、とりあえず様子見で。今回は元カノさんに譲るとしますか」
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:48:28.00 ID:fWOUoO+M0
【――視点は戻って、】
(;^Д^)「あの……デレさん、なんでこんなとこに……」
ζ(゚ー゚*ζ「君に会いにきたんだよ。いけない?」
(;^Д^)「いや……いけなくは、ないですけども……」
ζ(゚、゚*ζ「それは冗談なんだけど……ところで――ほら、罰ゲームは?」
( ^Д^)「え?」
ζ(^ー^*ζ「“二人きりの時は俺様口調”――だったでしょ?」
(;^Д^)「それまだ続いてたんスか!!?」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:51:07.32 ID:fWOUoO+M0
ζ(-、-*ζ「――まぁ、いいや。その年下っぽい口調も嫌いじゃないし」
(;^Д^)「あ……はい」
(; Д)「(ああ……やりづらい……)」
ζ(゚ー゚*ζ「……それ、で? 今日はどうしたの?」
( ^Д^)「…………別にどうもしてないですよ」
ζ(-、-*ζ「君って嘘下手だよね。それも、吃驚するぐらいに」
(;^Д^)「なっ……」
ζ(-、-*ζ「どうせ妹ちゃんと喧嘩でもしたんでしょ? 私に話してみたら? 昔みたいに」
(;^Д^)「なんで別れた彼女にんなこと……」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:55:17.55 ID:fWOUoO+M0
ζ(ー *ζ「……へぇ。随分と、偉そうなことを言うようになったんだねぇ」
(;^Д^)「えっ、いやっ……あの……」
ζ(-、-*ζ「…………言いたくないの? ……じゃあ、当ててあげるよ」
ζ(゚ー゚*ζ「――君は妹ちゃん達に怒ってる。理由は些細なおふざけで……何より、そんなことさえ許してあげられない自分に、怒ってる」
(;^Д^)「…………っ」
ζ(-ー-*ζ「……でも、君は今、何かで凄く辛い。それを必死で我慢してる」
ζ(-、-*ζ「俺はこんなに辛い思いをしてるのにー……とか、思ってるでしょ?」
(;^Д^)「う……」
ζ(^ー^*ζ「……図星だね」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 20:59:37.96 ID:fWOUoO+M0
ζ(゚ー゚*ζ「でもね、さっきも言ったけど……妹ちゃん達は、“君が辛い思いをしてるからこそ”ふざけたことをやってたんじゃない?」
(;^Д^)「でも……俺、何も……」
ζ(-、-*ζ「私でも一目で分かったんだよ? 『ああ、おかしい』って」
ζ(-ー-*ζ「私より長い付き合いで、長く君を見てきた妹ちゃん達が気がつかないわけないでしょ?」
(;^Д^)「俺の為に……?」
ζ(-、-*ζ「……多分ね」
(; Д)「…………っ。…………デレさん。俺、」
ζ(^ー^*ζ「――行ってらっしゃい」
(; Д)「…………」
( ^Д^)「――行ってきます」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:02:12.55 ID:fWOUoO+M0
【――しばらく後・雨霧荘前】
( ・∀・)「――よぉ」
(;^Д^)「……モラ先輩」
( -∀-)「さっきは悪かったな。……うん、俺も悪ノリし過ぎた」
(;^Д^)「いや、俺も悪かったです……」
( -∀-)「クーも――素直には言わないだろうけど、きっと悪いと思ってるから……なんつーか……」
( ^Д^)「……はは。わかってますよ」
( ・∀・)「……そか」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:05:08.77 ID:fWOUoO+M0
( ^Д^)「――しかし、ホントに、モラ先輩はクー先輩の兄貴みたいですね」
( ・∀・)「…………そーだな」
( -∀-)「“友達”である前に、“家族”なんだよなー……俺にもよく分かんないけど」
( ・∀・)「……いや、」
( -∀-)「“分かろうとしてなかった”――かなー……」
( ^Д^)「……モラ先輩、どうかしたんですか?」
( ・∀・)「いーや、別に」
( -∀-)「お前とお前の妹のやり取り見てると、なんか、おねーちゃんのこと思い出しちゃってさ」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:09:39.88 ID:fWOUoO+M0
( ^Д^)「先輩の姉さんって……」
( ・∀・)「――もういねーよ。姉ちゃんはいなくなって、俺には“生き残った罪”だけが残ったんだ」
( ^Д^)「……先輩も、色々あるんですね。やっぱ」
ガチャ ←扉を開けた音。
(ノリ*^ -^ノリゝ「お帰りなさいませ〜だにゃ、お兄にゃん♪」
( ^Д^)「…………」
バタン ←扉を閉めた音。
(;^Д^)「……はっはっは。もー、モラ先輩が重い話振るから幻覚見ちゃったじゃねぇですかー」
( ・∀・)「うん。俺にもはっきり見えた。猫耳尻尾の中学生がいたな」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:13:37.35 ID:fWOUoO+M0
( ・∀・)「……とりあえず、家族には生きてるうちに優しくしとけよ」
( ^Д^)「ああ、それは俺も思ってたとこです」
( ・∀・)「…………。……なぁ。お前、もしかして――」
ガチャ ←扉を開けた。
li イ*//-/ノl|「お、お兄にゃん……。私のこと、どうぞ召し上がれだ……にゃん?」
バタン ←扉を閉めた。
( -∀-)「うーん、ヤック・デカルチャー。銀河の果てまで抱き締められそうな可愛さだ」
(; Д)「優しくするとか、無理……」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:17:22.13 ID:fWOUoO+M0
( ・∀・)「――それで家族の続きなんだが」
(; Д)「アレを見てまだ話続けますか……」
( -∀-)「……いいしー。でぃちゃんに訊くしー」
ガチャ ←扉を開けた音。
(#^;;-^)「ご主人様ー。ご飯になさいますかにゃん? お米になさいますかにゃん? それとも、ラ・イ・ス?」
( ・∀・)「…………出直します」
バタン ←扉を閉めた音。
( ^Д^)「……訊かなかったですね」
( ・∀・)「…………急にツッコミにくいネタが来たので。しかもでぃちゃんはスク水だったし」
(; Д)「ちゃんと対応して下さい。サッカーじゃあるまいし、アイツ等ぐらいで…………うぐっ」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:20:29.41 ID:fWOUoO+M0
ガチャ ←中から開いた。
川 ゚ -゚)「おい後輩なんで入ってこないんだにゃん」
(; Д)「…………。(静まれ、忘れろ……)」
川 ゚ -゚)「……何蹲ってんだにゃん。大丈夫かにゃん?」
(; Д)「大丈夫だ、問題ない……。(たかが、制服とチャイナドレスとスク水と巫女服……)」
川 ゚ -゚)「その台詞じゃさっぱり大丈夫そうに見えないにゃん」
( ・∀・)「……あの、クー?」
川 ゚ -゚)「にゃんにゃん」
( ・∀・)「…………」
(;-∀-)「(っぅ〜……。本日二度目の大失敗! シリアスモードが完全に吹っ飛んだー!!)」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:23:27.56 ID:fWOUoO+M0
(;・∀・)「(――くっそっ、何処で間違った? このままプギャーが謝って大団円だったはずなのに)」
( *-∀-)「……あっ、でもクーの巫女コスは結構かw(ー トソン「……にゃんにゃん」
( ・∀・)「…………」
(*^;;-^)「猫耳は、トソンさんが持って来て下さったのですにゃん」
(;・∀・)…チラッ
(ー トソン ニコッ
( ・∀・)「…………イッツ、ア、ピーンチ」
(;・∀・)「零時間に逃げ込みてー。……割と切実に」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:28:16.13 ID:fWOUoO+M0
(ノリ* -ノリゝ「お兄にゃん……あの、ごめんねだにゃん。許して欲しいにゃん」
(; Д)「許す、許すからその見た目どうにかしてくれ……いや、割とガチで……」
(; Д)「(男であることを恥ずかしく思ったのは初めてだ……)」
(;^Д^)「(……モラ先輩は、)」
(ー *トソン「エナジードレインだにゃん♪」
( ;∀;)「これは単なるサバおrぁぁぁぐぉぉぉおおおおいってぇぇぇえええええ!!」 メシメキッ
(ー *トソンっ( ∀)ズルズル「ぐふっ……」
(;^Д^)「(あー、引き摺られて……。銀河美少年、颯爽退場……)」
li イ*//-/ノl|「にゃんにゃん?」
(; Д)「ふぬぐっ……。(落ち着け、煩悩。相手は実の妹と中学生だぞ洒落になってねぇ)」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:32:07.95 ID:fWOUoO+M0
川*゚ー゚)「さっきから蹲って……私の魅力にやられたかにゃん?」
(; Д)「んなことどうでもよくて、大事なのは、この馬鹿な場面を誰かに見られ――」
カツカツ…
ζ(-、-*ζ「すっかり本題言い忘れちゃってた。えっと――」
(;^Д^)「……あ、」
ζ(゚ー゚*ζ「…………」
ζ(゚ー゚*ζ「私、しばらくここに住むことになったから。七号室ね」
(;^Д^)「……………………は?」
ζ(^ー^*ζ「よろしく」
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:38:30.79 ID:fWOUoO+M0
ζ(゚ー゚*ζ「――あと、」
川 ゚ -゚) ←見知らぬ女性(猫耳尻尾付き)。
(#^;;-^) ←見知らぬ少女(猫耳尻尾付き)。
(ノリ*゚ -゚ノリゝli イ*//-/ノl| ←見知った元彼の妹達(猫耳尻尾付き)。
ζ(-、-*ζ「……君って、私だけじゃなくて、誰にでもそういう恥ずかしい格好させるんだね」
(;^Д^)「えっいやっこれは、ちがっ……!!」
ζ(、 *ζ「ん。じゃあ、私の部屋ここだから」
―バタン!!
(;^Д^)っ「――違うんですデレさん違うから!! 扉を開けてくれ弁解させてくれ! ホントにこれは違うんだって、違うんだってぇぇぇ!!」
……VIP大『アドバイス部』の周りの小さな世界。
本日も世界は閉じず、廻り続けるけど、とりあえず一応は活動終了……?
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:43:31.90 ID:fWOUoO+M0
Call back‐9
('A`)「男女の仲は合縁奇縁で縁に連るれば唐のもの? 俺には関係ないことですけど……」
……すたーとっ
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:47:58.55 ID:fWOUoO+M0
ζ(ー *ζ「ふぅ……」
ドンドンッ!
< デレサンッ, キイテクダサイチガウンデス! アナタガイマオモッテルコトハキットゴカイナンデス!!
< オウジョウギワガワルイニャン. ダレダアレ,ムカシノオンナカニャン?
< ルッセェッ! ドウセアンタノセイダロウガコノジョウキョウッ! ニャンニャンイッテンジャネェヨ!!
ζ(ー *ζ「ふふ……」
ζ(^ー^*ζ「あはっ、あはははっ……」
ζ(^ー^*ζ「もー、全然変わってないんだから……あの子」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 21:52:31.14 ID:fWOUoO+M0
ζ(-ー-*ζ「会いに来て良かったなー……」
あの頃よりも少しだけ、
もしも大人になれているのなら。
今度は……
妙に気取ったりせず、意地も張らないで。
理屈も過去も無視しちゃって、
ζ(^ー^*ζ「『君といる時間が幸せだ』って、ちゃんと言えるのかな……」
ζ(-、-*ζ「……ふふっ」
Call back‐9 END
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:01:38.99 ID:fWOUoO+M0
―― Off the record.
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:04:21.33 ID:fWOUoO+M0
殺人鬼の彼女に。
むしろ“殺人神”である彼女について、私が知ることなどほとんどない。
精々噂程度でしかない。
そして、この当時は噂すら知らない。
彼女には――何もないのだから。噂されるはずがない。
だから。
私が行き遭ったのは、ただの人殺し。
“ただで”人を殺せる存在。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:07:24.50 ID:fWOUoO+M0
初めて出会った人に、こんな風に感じるのはおかしいのだろうけど。
甚だ滑稽。
勘違いも良いところなのだろうけど。
それでも、私は思った。
(#゚;;-゚)「(この人は――私と同じだ)」
信じてなかった神様を信じてしまうほどに。
奇跡的で、運命的に。
私は、彼女に行き遭った――――。
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:10:07.58 ID:fWOUoO+M0
「――サツジンスイッチ、オーン。なんてさー……よく聞くよね」
「よく分かんないケド、戦争とか虐待とか悲惨な体験した人がさ、ヒトゴロシになっちゃうヤツ」
「アレって僕、違うと思うんだ」
「きっと逆なんだよ」
「“オフになっちゃったんだよ”」
「頑張って勉強してオンにしたのがさ、オフになっちゃったの」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:13:07.43 ID:fWOUoO+M0
「それまでの人生で作った『人間らしさ』のスイッチがね、切れちゃって、」
「――僕と同じになっちゃったの」
「それだけのことなんだと、僕は思うよ?」
「かわいそうだよねー。うん。本当にかわいそう」
「だから、」
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:16:25.33 ID:fWOUoO+M0
|゚ノ*^∀^)「――今の君も、とっても可哀想だよ?」
(;#゚;;-゚)「っ……」
……逆だ。
全くの真逆なんだ。
先ほどの話とは正反対。
私は、“オンにされたからこそ”苦しんでいる。
そして。
彼女はそれを――分かっているんだ。
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:19:10.12 ID:fWOUoO+M0
|゚ノ ^∀^)「なんで、そんな顔をしてるのかな?」
|゚ノ ^∀^)「おかしいよね。“そうじゃないよね”? 僕達は」
|゚ノ ^∀^)「普通じゃないんだよ。普通じゃ――ない」
|゚ノ ^∀^)「普通じゃなくなったわけじゃなくて、最初から、一つだって普通じゃないの」
……違う。
|゚ノ ^∀^)「普通じゃないのが、普通なの」
やめて。
|゚ノ ^∀^)「生まれる前から、普通の人が言う『普通』を僕達は持ってないの」
違う。
私は――、
|゚ノ ^∀^)「違わない。……結局、分かってるんでしょ?」
…………。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:23:07.45 ID:fWOUoO+M0
|゚ノ ^∀^)「だから、悩まないし苦しまない」
|゚ノ ^∀^)「そうなんだから。僕達はこれで、これが正しいんだから」
|゚ノ ^∀^)「僕は人を殺してるのが普通。だから、君も、普通」
……そんなの、
そんなのが、正しいはずなんて……ない。
|゚ノ ^∀^)「かもね」
……?
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:26:22.07 ID:fWOUoO+M0
|゚ノ ^∀^)「普通の人から見たら正しくなんてないかもね」
|゚ノ ^∀^)「僕には分かんないケド、君はその『普通』を知っちゃった。その所為で苦しんでる」
…………そう、なのかな。
これって、「苦しい」って言うの?
前みたいに痛くないのに。傷つけられてなんか、ないのに。
身体は全然、大丈夫なのに。
……どうして?
……いたいよ。
いたい。いたい。いたい。
いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい…………
|゚ノ ^∀^)「…………」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:29:10.74 ID:fWOUoO+M0
嫌いになられたくない。嫌いになりたくない。
前の生活が嫌だったんじゃない。でも、もう……戻りたくない。
嫌だよ
離れたくない。一緒にいたい。
分かってるのに。
無理って分かってるのに、私は、ずっとあそこにいたい。
苦しいよ。辛いよ。
どうしちゃったの? 私、おかしくなっちゃったのかな?
『普通』じゃないのに、どうして、こんな……
|゚ノ ^∀^)「――それはね、」
|゚ノ ^∀^)「僕達みたいなのが、そういう風になっちゃうのは……そう。多分、結局、一つ」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:34:12.86 ID:fWOUoO+M0
|゚ノ ^∀^)「僕達みたいなのが、そんな今更な思考に陥っちゃう原因なんて、結局一つなんだよ」
|゚ノ ^∀^)「“叶わない夢なら見ない方がいい”」
|゚ノ ^∀^)「僕達、みーんな――分かってるのにね」
…………。
私、は…………。
|゚ノ ^∀^)「――大丈夫だよ」
|゚ノ*^∀^)「“それ”は世界よりも価値があるらしいからねっ。“それ”の為なら、人間も人間じゃなくなれるし……。人間じゃないモノも――人間になれる」
……本当?
ずっと、あそこにいてもいいの?
|゚ノ ^∀^)「相手次第だけどね。……でもいいじゃん。拒絶されたところで、結局元に戻るだけなんだから」
|゚ノ ^∀^)「……後は、ちょっと辛いかもだけど」
|゚ノ ^∀^)「うん。教えてあげるよ。それはね――」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/11/14(日) 22:38:27.91 ID:fWOUoO+M0
|゚ノ*^∀^)「それは――――」
―― Continue ?
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