- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 12:30:46.01 ID:nlD7J2OOO
( ^ω^)「…………」
('A`)「…………」
(´・ω・`)「…………」
( ^ω^)「……これが小学校かお」
('A`)「す、凄い……。隠れるところも一杯あるし、幼稚園なんか比べ物にならないや」
(´・ω・`)「あ、あそこに暇そうなおにーさん達がいるよ。誘ってみようよ」
( ^ω^)ノ「お、おーいおにーさん達。暇だったら僕たちと……」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 12:34:25.38 ID:nlD7J2OOO
缶けりしないかお?
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 12:40:34.29 ID:nlD7J2OOO
- ( ^Д^)「なんだお前ら、このガッコじゃみねー顔だな」
(´・ω・`)「今日入学した一年生のショボンです」
('A`)「ドクオー」
( ^ω^)「内藤ホライゾン。ブーンでいいお」
<ヽ`∀´>「……一年坊がやけに馴々しいニダ」
( ´∀`)「モナ。それにお前達初対面の人に缶けりを挑む事がどういう事か分かってるモナ?
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 12:44:58.18 ID:nlD7J2OOO
- ( ^ω^)「おっおっ、知ってるお。まさかおにーさん達僕達よりおっきいのに逃げるつもりかお?」
(# ´∀`)「お前ら……」
( ^Д^)「よせモナー。俺達はもう四年生なんだ、もっとクレバーに行こうぜ」
('A`)「くればーって顔でもないけどね」
<#ヽ゜∀゜> ギンッ
(;'A`)アワアワ
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 12:49:42.39 ID:nlD7J2OOO
- (´・ω・`)「で、受けるんですか? 受けないんですか?」
( ^Д^)「おっけー、受けよう。その代わり攻め手と守り手の選択権は俺達に譲ってもらう。そっちから挑んできたんだから良いよな?」
('A`)「無い知恵振り絞ってる感が否めない」
<#ヽ゜∀゜> ギンッ
('A`) アワアワ
( ^ω^)「どうでもいいからさっさと始めるお。缶のセッティングも出来てるお」
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 12:55:25.47 ID:nlD7J2OOO
- ( ^Д^)「ちっ、なら俺達が攻め手だ。ルールは俺達が三回缶を蹴れたら俺達の勝ち。その前に俺達全員を捕まえられたらお前達の勝ちだ」
( ´∀`)「缶を蹴った時点で仲間が捕まっていた場合は仲間が開放される代わりにカウントは無し。それで良いモナね?」
(´・ω・`)「この街のスタンダードルールですね。じゃあ始めましょう」
( ^ω^)「お。じゃあ皆位置について……」
( ^Д^)「死闘め!」(^ω^ )
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:05:23.38 ID:nlD7J2OOO
- 一陣の風が靡いた。
それと同時にプギャーの身体が風と一体化する。
( ^Д^)「レイ・ボム『荷電粒子砲』!!」
神域に達する速度の蹴りから打ち出される缶という名の弾丸は光となってグラウンドのバックネットに突き刺さる。
( ^Д^)「精々足掻いてみろよ」
下卑た笑みを浮かべながらプギャーは去っていった。
見るとニダーとモナーの姿も既に無い。
( ^ω^)「…………」
ブーンはバックネットを摩擦の熱で焼き尽くしてゆく缶を見据え、ぽつりと呟いた。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:09:42.04 ID:nlD7J2OOO
- ( ^ω^)「萎えたお」
('A`)「俺もだ」
(´・ω・`)「だったら敵前逃亡するかい?」
( ^ω^)「おっおっ、笑えねぇ冗談は自転車に乗れるようになってからほざけお。こちとらダテに三年間缶けりやってないお」
('A`)「熱くなり過ぎるなよブーン。あのエラ野郎は俺がやる、お前は人の獲物も横取りしたがる癖があるからな」
(´・ω・`)「じゃあ僕は缶の回収と守護を担当しよう。精々僕に楽させてよね」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:16:28.25 ID:nlD7J2OOO
- ( ^ω^)「なんならお家に帰ってママとファックしててもいいお。三分だ。三分でケリつけるお」
('A`)「あんな三下に三分たぁ戯れが過ぎるんじゃないのかい? 俺ならそこのjsネーチャンを犯してながらでも一分で終わらせられるね」
( ^ω^)「おwwwとんだスピードガンがここに居たおwwwwww女の味もしらねー童貞野郎が知ったような口叩くじゃねーおwwwwwww」
(#'A`)「手前は俺を怒らせた。あいつらを犯ったら次はお前だ、覚悟しとけよ」
(´・ω・`)「はいはい、そうこうしてる内に一分経っちゃうよ。じゃ……」
( ^ω^)(´・ω・`)('A`)「散ッ!!」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:24:22.22 ID:nlD7J2OOO
- VIP小学校体育館屋根上
<ヽ`∀´>「ホルホルホルッ。一年共の体格じゃあ此処には絶対来れないニダ」
<;ヽ`∀´>「え……」
ニダーは青褪めた。
一年の三人が散り散りになった瞬間、決してあちらから見えない筈なのに、奴と目があったような気がした。
疑惑が恐怖に変わったのは瞬きの後、まるでイリュージョンのように、しょぼくれ眉毛以外の二人の姿が消えていたのだ。
<;ヽ`∀´>「ニダッ。これは不味いニダ! 速くモナーかプギャーに伝えない──」
「何が不味いって?」
冷たいものがニダーの喉元から胃を突き抜ける。
氷のように冷たい声が鳴った先にいたのは……。
('A`)y-「みーつけた」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:31:04.73 ID:nlD7J2OOO
- ココアシガレットを噛み砕きながら、ドクオは自分達の拠点を見据えた。
少年がバックネットを焼き尽くす炎の前に立っているのを見て、ドクオはふてぶてしく舌打ちをする。
('A`)「あの野郎まだセッティングしてねーじゃねーか。運が良かったなエラ野郎、お前にはまだ猶予があるぜ」
<;ヽ`∀´>「ニダ……」
('∀`)「何か仲間に伝えたい事があるんなら早くしな。まぁ俺としては辞世の句を読む事を薦めるがね」
ニダーはドクオの背後で禍々しい蛇を垣間見た。
蛇は舌をくねらせて今か今かと目を光らせている。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:38:50.87 ID:nlD7J2OOO
- <;ヽ゜∀゜>「ニダアアアアアアアアッ!!」
叫びは大気を揺るがし、人間の奥底の強大な何かを呼び起こす。
<ヽ゜∀゜>「インドラの火『神速なる意志』!!」
それはたとえるならば稲妻だった。
縦横無尽に空を駆け、一心不乱にドクオから遠ざかる。
目指すは歴戦を共に乗り越えた友の元。
たとえこの足が引き千切れようとも、友を危機に晒すわけにはいかない。
('A`)「あ、終わった……」
ドクオが不意に呟く。
それはニダーの命を刈り取る死の調だった。
稲妻と化し、ドクオの前から消え失せたニダーには知る由も無い。だがドクオはこの時確かに、笑ったのだ。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:43:35.21 ID:nlD7J2OOO
- ('∀`)「トリックスター『反逆者の誓い』」
ドクオの周囲の瓦が吹き飛び、空高く舞い上がる。
('A`)「逃げられると思うなよ」
ドクオが一歩踏み出す。瓦が粉塵と化した。
ドクオが二歩踏み出す。体育館がみしみしと音を立て、断末魔の悲鳴を上げる。
ドクオが三歩踏み出す──。
('A`)「征け、ヨルムンガンド」
彼の腕が光を帯びて伸び、一匹の蛇を象った。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 13:51:37.31 ID:nlD7J2OOO
- (´・ω・`)「やれやれ、こんなに燃やしちゃ後片付けが大変じゃないか。皆の良心があって初めて遊び場は保たれるのに……」
踊り狂う火炎に手を翳し、ショボンは目を閉じる。
(´-ω-`)「リリスの喚び声『嘆きの園の終わり』」
まるで空間そのものが踊り狂う火炎を否定するかのように、炎は見えない何かに覆い潰されてゆく。
(´・ω・`)「僕の為に死ね、リリス」
かっ、と目を見開くと同時に波打つ音が響き、炎は跡形も無く消え去る。
残されたのは黒く煤けたコーラの空き缶だけ。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:00:27.40 ID:nlD7J2OOO
- (´・ω・`)「ふぅ、思ったより時間がかかったな。ドクオ辺りはもうあちらさんに接触してそうだけど……」
(´・ω・`)「関係無いな。僕は僕のペースでやらせてもらう」
缶を掴んだ手をグラウンドに描かれた小さな円に向ける。
(´・ω・`)「重力場を形成、加速しろリリス」
彼の手から一人でに離れていった缶はプギャーのレイ・ボムよりも速く宙を駆る。
そして鮮やかに、音も立てずに円に収まった。
(´・ω・`)「──っ!」
それと同時に体育館側から地鳴りのような音が響き、それに共鳴するように中庭からも爆発音が鳴る。
(´・ω・`)「やれやれ」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:07:02.73 ID:nlD7J2OOO
- ('∀`)「ヒーハーッ! 逃げろ逃げろ逃げろおおおおおっ!!」
鞭のようにしなる光の蛇は逃げ惑う兎を追う。
<;ヽ`∀´>「オモニイイイイイイイッ」
声を枯らして叫ぶのは自分をここまで育ててくれた母親の名。
きっと。確実に。必ず。必然的に。
自分は今日終わってしまうのだろう。
這い寄る死の音色が奏でる爆音とコンクリートが雪崩れ落ちる音はニダーの心臓を加速させた。
('A`)「トリックスターモードチェンジ……」
ドクオの腕に宿る光の蛇が収束し、唸る。それは狼の遠吠えだった。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:12:38.05 ID:nlD7J2OOO
- ('A`)「フェンリルッ!!」
<ヽ ∀ >「がはっ──」
鍵語と共に神速の稲妻は光の狼に食らいつかれた。
背後からの一撃にはなんの躊躇も無い、そこにあるのは獲物を刈り取る意志だけ。
('A`)「……さぁもっと俺を楽しませろ。フェンリルに食らいつかれたこの状況。お前は一体どう打破する?」
<ヽ`∀´>「うぐっ……」
捩る身体の感覚は殆ど無い。
自分の胴体に目をやると、白かった筈の衣服はいつの間にか真っ赤になっていた。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:17:41.56 ID:nlD7J2OOO
- <ヽ ∀ >「アボジ……。オモニ……」
('A`)「ふん、つまんねー野郎だな」
ドクオは野暮ったい髪の毛をかきむしり、短パンのポケットからココアシガレットを取り出した。
('A`)「危機的状況で仲間、友人、家族の名前を呼ぶのは弱者がする事だ。この状況で誰かが名前を呼んだら助けてくれるのか?」
<ヽ ∀ >「お前は……。人でなしニダ」
('A`)「弱い事が人間だってんなら俺は人でなしで良い。弱い事を誇りに掲げる事のなんとも愚かしいことか」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:23:35.57 ID:nlD7J2OOO
- ココアシガレットが唇に触れるとほんのりと優しい甘味が舌先に広がった。
('A`)y-「せめてもの情けだ。一瞬で終わらせてやる。肩の力を抜け、目を瞑れ、ありとあらゆるものを諦めろ」
ニダーはドクオの言葉を聞かなかった。
全身に力を込め、唇を噛み締め、細い目でドクオを睨み付ける。
('A`)y-「尚も俺に抗うか。まぁそれも良いだろう。俺は痛くも痒くもねぇ」
ありがとう母上。
ありがとう父上。
ありがとうプギャー。
ありがとうモナー。
こんな弱い自分に、せめて守りたいプライドを与えてくれて。
('A`)「喰らえフェンリル」
ニダーの意識はそこで途絶えた。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:27:59.46 ID:nlD7J2OOO
- ( ^ω^)「おっおっおっ。小学校はおっきぃおー」
( ^ω^)「いっちねんせーになったーらー」
( ^ω^)「…………」
( ω )「…………」
( ゜ω゜)「…………」
(゜ω゜)「みーつけた」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:33:28.66 ID:nlD7J2OOO
- (; ´∀`)「いやだあああああああああああああっ!!」
( ^ω^)「……零と唯の狭間『盲目白痴の王の間』」
言葉で表そうとする事すらおこがましい恐怖がそこにあった。
闘争意志を棄てて、涙で顔をグシャグシャにしたモナーが草むらから飛び出す。
ブーンに相手を慮る意志は全く無い。
全ては遅過ぎた。終わってしまうのは必然となるところまで事態は進んでいたのだ。
( ^ω^)「アザトース。物語を終わらせろ」
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:39:51.49 ID:nlD7J2OOO
- 黒い霧がブーンの身体から迸る。
辺りを闇で埋め尽くしながら、モナーを取り込むように広がる、拡がる。
(# ´∀`)「死にたくない! 死にたくなああああああい!!」
ぐしゃぐしゃになった顔が怒りに満ちてゆく。
理不尽な絶望を叩き付けられた今、モナーは憤る以外に道が無いのだ。
(# ´∀`)「デュランダル『切り裂く天の剣』!!」
具現化した一振りの剣。
それは剣と呼ぶにはあまりにも神々し過ぎた。
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:44:07.57 ID:nlD7J2OOO
- (# ´∀`)「拙者にときめいてもらうでござる!!」
洗練された一振りははびこる闇を切り裂いた。
( ^ω^)「ハハwwwwwwwバロスwwwwwwww」
刹那、強靱なる神剣の意志は打ち砕かれる羽目になる。
切り裂かれた闇は飛散さ、闇と重なり合って更なる闇を呼ぶ。
黒く埋め尽くされてゆく空間。貪欲なる意志。究極の力。
( ´∀`)「……モナ」
モナーは考えるのを止めた。
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:49:12.43 ID:nlD7J2OOO
- ( ^ω^)「勝てると思った? 逃げられると思った? 生きられると思った?」
( ∀ )
( ^ω^)「おっおっおっwww まwwwwさwwwwかwwwww自分が死なないとでも思ってたのかおwwwwwww」
( ;∀;)
( ゜ω゜)「笑えねぇんだおおおおおおっ!!」
黒く塗り潰された空間が眩く煌めく。
轟音と共に世界は崩れ落ち、モナーの意識は一瞬にして刈り取られた。
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 14:55:00.21 ID:nlD7J2OOO
- ( ゜ω゜)「ひっ……ひひひっ……」
( ゜ω゜)「あっはははははははははははははははっ!! はははっ!! ははははははっ!! ゴホッゲフゲフッ」
( ゜ω゜)
( ^ω^)「とっもだっち百人出来るかな〜」
ブーンは業火が燃え盛る中庭を後にした。
背中を照らす血のような赤色に背負われているものは何も無い。
ピカチュウのイラストがあしらわれた靴下をぐいっと伸ばし、ブーンは現実を虚構に帰す為に歩を進める。
(//////)
炭化した何かの塊。
それが何なのかはブーンにしか解らない。
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:02:16.31 ID:nlD7J2OOO
- ( ^Д^)「くくくっ、頃合かと思って来てみたら……。あのしょぼくれ野郎寝てやがるじゃねーか」
(´-ω-`)
校舎の屋上からグラウンドを見下ろすプギャー。
視線の先には分厚い本を胸に置いて横になったショボンの姿があった。
( ^Д^)「お前達は缶けりが何たるかを解っていねぇ。だからこそそんな失態をかましちまう」
( ^Д^)「勝負は勝負だ。俺は違反もしてないし、真っ当に缶けりをしている」
( ^Д^)「だから手前の失態を恥じろ。お前らは俺達を相手にするのは早過ぎたんだよっ」
両手を広げてグラウンドに飛び降りる。
目標は敵の拠点の缶。行使するは神の蹴り。
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:06:42.06 ID:nlD7J2OOO
- (´-ω・`)「ん……」
地面を揺らす轟音にショボンは目を覚ました。
缶から距離を置いた位置で寝ていたショボンにはプギャーが缶に向かって駆けるのが手に取るように見えている。
だが…………。
( ^Д^)「今更気付いてもおせぇんだよ!!」
ショボンと缶の間にある隔たりはあまりにも長過ぎた。
だからショボンは何もしない。手を下さない。
その代わり……。
(´・ω・`)「遅かったね」
死の宣告をプギャーに下した。
(´・ω・`)「ブーン」
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:12:47.84 ID:nlD7J2OOO
- ( ^Д^)「──っ!?」
缶はもう目の前にあるというのに、それでもプギャーは動けなかった。
ぞわりと髪を逆撫でる死の気配。それは直ぐ真後ろに来ていたのだから。
( ^ω^)
( ゜ω゜)
( ゜ω゜)「ひひひっ、きひっ! 零と唯の狭間『盲目白痴の王の間』ああああああっ!!」
死を呼ぶのではない。
死を与えるのではない。
常に死と共に戯れ、生を弾圧する存在だから。
( ^Д^)「……あ」
生きてるものなんてオカシイジャ
ナイ?
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:18:12.73 ID:nlD7J2OOO
- ('A`)「開け、冥府の門。紡げ、混沌の調」
校舎の屋上から飛びこむ影が一つ。
ドクオが気怠そうな顔をして、何かを紡いでいる。
('A`)「一を零に、全を零に。俺の邪悪を顕現しろ」
('A`)「トリックスターモードチェンジ」
('A`)「冥王ヘル」
ドクオが翳した両手から黒い稲妻が迸り、黒塗りの女神像が現れる。
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:25:10.21 ID:nlD7J2OOO
- 女神像は這い寄る混沌と対峙し、額に描かれた瞳を開く。
( ゜ω゜)「ドクオ……。何のつもりだお」
('A`)「コイツを助けるのに理由なんているかい? お前ならよく解ってる筈だけどな」
征け、ヘル。ドクオがそう命じると同時に裸体の女神像が叫び声を上げる。
耳が張り裂けそうなその叫びは混沌を吹き飛ばした。
( ゜ω゜)「やらせるか! やらせるかお!!」
ブーンの腕から再び闇が迸る。
('A`)「クレバーにいこうぜブーン。お前のそれは飽きるほど見てんだよ」
女神像の胸に光が収束し、球体を生み出す。
触れてしまえば魂さえも残らないだろう。誰もがそれを確信していた。
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:29:08.22 ID:nlD7J2OOO
- (´・ω・`)「…………」
端から見ていたショボンは何も語らない。
それどころかまるで興味なさげに寝転がった。
('A`)「死ね」
打ち出された魔弾。
ブーンにそれを止める術は無い。
( ^ω^)「ちっ……」
大きく身を捩って球体を躱す。紙一重だ。
背後で迸る衝撃を堪えて体勢を整えた頃には、ドクオは既にプギャーに手を差し出していた。
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:33:14.59 ID:nlD7J2OOO
- ('A`)「立てるか?」
( ;Д;)「死ぬかと思った……。怖かった! 怖かったよおおおっ!!」
(;'A`)「うわきたねっ! 鼻水拭けよ鼻水!」
プギャーは言われるがままに手の甲で鼻水を拭う。
奇跡的に繋がれた自分の命の糸。ドクオには感謝してもしきれない。
( ;Д;)「ありがとう……。ありがとうありがとう!!」
('A`)「感謝するこたねーよ。俺だってブーンにムカついてたし、それに……」
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:35:20.46 ID:nlD7J2OOO
- だって
お前
俺の
獲物
だもん
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:39:28.25 ID:nlD7J2OOO
- (母^ω^)「あっ、こらブーン。アンタあれほど学校終わったら真直ぐ帰って来なさいって言ったでしょ!! あーあ、こんなに血塗れになって……」
(; ^ω^)「ごめんだおカーチャン。ドクオ君とショボン君と遊んでたら夢中になっちゃったんだお」
(母^ω^)「もう、仕方ない子だねぇ。ドクオ君、ショボン君。いつもホライゾンと遊んでくれてありがとね?」
('A`)「んーん、僕も楽しいから良いよー」
(´・ω・`)「ブーンが居ないと始まらないしね」
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:44:24.75 ID:nlD7J2OOO
- カーチャン、今日の晩ご飯はなんだお?
今日はブーンが大好きなカレーだよ
やった! じゃあ僕帰ったら手洗いとうがいしてカーチャンのお手伝いするお!
ふふ、ブーンは良い子だねぇ。じゃあお皿を並べてご飯をよそってもらおうかな
任せとけお!
( )(母 )
( ω)(母 )
( ゜ω)(母 )
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:48:09.94 ID:nlD7J2OOO
- ○月×日はれ
きょうはショボンくんとドクオくんといっしょにかんけりをしたお
小がっこうのおにーさんたちといっしょにするかんけりはとってもたのしかったお
だからドクオくんもショボンくんもたのしかったはずだお!
あしたもあたらしいともだちとかんけりしたいお
ぼくはいいこだからもうねるお あしたもかんけりできるといいなあ
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/08/08(月) 15:51:03.35 ID:nlD7J2OOO
- 第一話「ぼくたちのかんけり」
お
わ り
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