( ^ω^)達は缶けりをするようです

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:05:32.04 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「お前達を謀る気など一切無かった」

 ジャケットから取り出した何かはクーの掌に収まっており、兄者からはそれが何なのかは解らない。
それが一層不信感を駆り立てた。
それが一層猜疑心を湧き上がらせた。

( ´_ゝ`)「……そんな後付けの常套句を聞きたいんじゃない。教えろ、何故アンタがフォックスの介入を予測した上で俺達にそれを伝えなかったのか。そして……」

 兄者は『魔剣』を手放し、薄汚れたジーンズのポケットに突っ込む。

( ´_ゝ`)「こいつを使って何をしようとしてたんだ?」

 兄者の手に握られていたのはソフトボールを半分に切ったような形の機械だった。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:07:50.26 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「バレたか」

 クーは尚も抑揚の無い、機械的な声色のままだ。

( ´_ゝ`)「ここに来る途中でこれを仕掛けられてる事に気付いたよ。発信機か? 爆弾か? どっちにしても俺達に何も言わない道理は無いよな?」

川 ゚ -゚)「…………」

 クーは唇を指でなぞり、生暖かい唾を飲み込んだ。
小学生とは思えない艶やかな動作だった。

川 ゚ -゚)「……良いだろう。お前が私に対して懸念を抱くのならば、それを解消するに越した事は無い」

( ´_ゝ`)「…………」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:12:08.95 ID:sIKMXY1oO
 何か一つでも綻びがあれば徹底的に糾弾してやろうと、兄者は全神経を両耳に向けた。

川 ゚ -゚)「私が知っているフォックスの能力の中で、私が最も警戒するのは彼の未来予知能力だ」

( ´_ゝ`)「未来予知?」

 無表情ではあるがその単語は兄者の脳を揺さぶった。
フォックスの脅威は対立する立場として嫌と言うほど理解していたつもりだった。
だが彼はクーからそんな事は聞いた事が無い。

( ´_ゝ`)「……それが事実であるという確証は?」

川 ゚ -゚)「そこまで証明するには骨が折れる。全て聞き終えた後で判断しろ」

 続けるぞ、と言ったクーの表情が僅かに険しくなった。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:14:26.46 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「恐ろしい能力だが綻びは必ずある。それについての私の見解を話しても良いんだがそれも省こう」

川 ゚ -゚)「仮に『魔剣』の運送にVIPの主力を大勢使ったとしよう。それがフォックスの未来予知によって先読みされていたらどうなる?」

( ´_ゝ`)「一網打尽、だな……」

川 ゚ -゚)「ああ、誰が何処に配置されるかを先読みし、その相手に合った人間を送り込む。当然未来を見る事など私には出来ない。そうなれば私達は成す術無く深手を負う羽目となる」

( ´_ゝ`)「つまりは体のいい捨て駒に選ばれたって事だろ俺達は。何の弁解にもなってないじゃないか」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:16:45.48 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「今は順を追って話してる。結論まで語り終えてから反論しろ。次は無いぞ?」

( ´_ゝ`)「ちっ……」

 ほんの一瞬、瞬きするよりも短いような刹那。
クーは規格外の殺意を兄者に向けた。
発狂する事も焦躁する事も無かったが、兄者を黙らせるには充分だった。

川 ゚ -゚)「先にも言ったが彼の未来予知には綻びがある。そこで私は出来るだけ低リスク、そして尚且つ彼を欺ける可能性が高い方法をとることにした」

( ´_ゝ`)「……それがこれってわけか」

 半球体の鉄の塊を手の中で弄ぶ。
中からは紙のようなものが擦れ合う音がした。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:18:49.27 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「そうだ。私の見解が正しければそれをお前につける事が最良の策となる。フォックスが見た未来の光景にこれが映れば、彼は必ず手をひくからな」

( ´_ゝ`)「根拠は?」

川 ゚ -゚)「彼が仲間想いだからだ。異常なまでにな」

 答えになっていないと思った。だが兄者は眉を顰めるだけで、何も言わなかった。

川 ゚ -゚)「彼は仲間が死ぬ事を極度に嫌う。たとえ末端の人間であろうとも、だ。仮に最初は手放しに『魔剣』の奪取を部下に任せたとしても、危険を察知すれば必ず出張ってくる」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:20:53.76 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「つまり、お前にこれを仕掛けた時点でフォックスの介入は私の中で揺るぎないものとなっていた。そして彼が一も二も無く退散する事もな」

( ´_ゝ`)「けどあいつにとっちゃあ仲間達を庇って俺から『魔剣』を奪う事なんて――」

川 ゚ -゚)「容易いだろう。だが意味は無い。お前は『魔剣』を抜いたのだろう?」

( ´_ゝ`)「あ……」

 言われて兄者は『魔剣』の制約を思い出す。
その力を発揮出来るのは最初に注ぎ込んだ血を持つ者だけ。
つまりフォックスにとって『魔剣』は無用の長物であり、奪う奪わない以前に関心を向ける対象ですらなくなっていたのだ。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:23:04.86 ID:sIKMXY1oO
( ´_ゝ`)「でも……」

川 ゚ -゚)「だったら最初からそう言えば良い、とでも言いたげだな。それに関しては謝っておこう。似合わない事をした私の責任だ」

 クーは初めて表情を崩した。
照れたように視線を泳がせ、握り込んでいた何かを軽く指で抑える。
 その瞬間――。

(; ´_ゝ`)「うわっ!?」

 渇いた破裂音が鳴り響いた。
音の発生源は兄者が持っていた半球体。
ドーム状の蓋がぱっくりと割れ、中からは色とりどりの紙切れが舞い上がる。

川 ゚ -゚)「そしてこれが私がお前達を選んだ理由」

 腰が抜けてしまいそうな脱力感があった。
だがぐらりと揺れる世界で、兄者は何よりも綺麗なものを見た。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:25:22.38 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ ー゚)「おめでとう兄者。お前は今日から『魔剣』の所有者だ」

 幼稚なサプライズ。確かに寡黙な彼女には似合わない。
 だがそれは兄者の心を打つものがあった。
 針で突けば壊れてしまいそうなほどに完璧な彼女。
儚く、聡明で、そして尊い。
そんな彼女を一時でも疑ってしまった事を、兄者はひたすら悔いる。

( ´_ゝ`)「すまんクーさん。アンタ……俺が思ってる以上に知り尽くしてたんだな」

川 ゚ -゚)「何も知らないさ。私に未来を見る力は無い」

 爆弾もどきの薬玉が、二人の空間を彩った。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:27:53.61 ID:sIKMXY1oO
川 ゚ -゚)「ほんの少し、都合の良い未来を作る為に小細工をしただけだよ」

 彼女がやった事の一つ一つは些細な事だった。
 敢えて少人数で『魔剣』を運ばせた。一網打尽のリスクを減らす為。
 爆弾のような薬玉を兄者に仕掛けた。フォックスに猜疑心を抱かせる為。
 流石兄弟に事を任せた。兄者を『魔剣』の所有者とする為。

 フォックスが『魔剣』を起動させる、つまりクーから『魔剣』の所有者を決める『選択肢』を奪えば満足する事を、クーは確信していた。
 彼が仲間想いだから、だからこそ必要以上の事は求めない。部下が及第点を満たしていれば、彼にとってそれは満点と同義なのだ。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:30:04.75 ID:sIKMXY1oO
 まるで綱渡りのような気休めの理。
だがクーはそれを押し通してみせた。
彼女の中にあるのは絶対の確信。
塵のような些細な事が繋がり、『魔剣』の奪取を未然に防げた。
そしてそれは更に大きな勝利へと繋がる。

川 ゚ -゚)「今年の『大戦』。必ず勝つぞ」

( ´_ゝ`)「ああ、必ず、な」

 狼煙が上げられる時は近い。
血で血を洗う凄惨な闘い。
そこに勝利の旗を打ち立てんと、二人は拳を握り締めた。

川 ゚ -゚)「さて、話も終わったし弟者を何とかするか」

(; ´_ゝ`)「やっべ忘れてた。弟者! 弟者ああああああっ!!」

( <_  ;)「ぐふっ……」

 結局三人は一睡も出来なかったそうな。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:32:09.73 ID:sIKMXY1oO
 放課後VIP小学校廊下――。

('A`)「よし……。じゃあ頼むよ」

(´・ω・`)「ほんとにいいのかい? まぁ僕に止める理由は無いけどさ……」

('A`)「良いんだ。僕の年齢じゃあアダルトショップには入れないし、アナニー用のバイブの代わりはこれしかない」

(´・ω・`)「だからって携帯を尻に突っ込むことないだろ。発想が人として終わってるね」

(;゚A゚)「はやく! 気を弛めたら外に押し出されちゃうよ!」

(´・ω・`)「はいはい、ピポパっと……」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:34:15.44 ID:sIKMXY1oO
 ブブブブブブブブ

('A`)「ぬわあああああああ」

('A`)「ああああああ……あ……れ?」

(´・ω・`)「どうしたんだい?」

('A`)「いや、こうなんて言うんだろ……。思ってたよりも気持ちよくない。何かこう、バイブにはあって携帯には無いものが……」

(´・ω・`)「うねりとか?」

('A`)「そう、それ」

('A`)ぐいぐいっ

('A`)ノ●キュポンッ←自主規制

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:36:20.12 ID:sIKMXY1oO
( ^ω^)「お ま た せ〜って、何でドクオが下半身露出してんだお?」

(´-ω・`)「…………」

('A`)ノ●「弁解の余地が無い」

(; ^ω^)「ええぇ……。この状況で何を弁解されましても……」

(´-ω-`)「先に言っとくけど僕の意志は介入してないからね。僕は携帯を鳴らしただけだから」

(; ^ω^)「携帯? じゃあドクオが持ってる糞塗れの物体って……」

('A`)「携帯」

( ^ω^)「あアナルほど」

グシャッ バキッ グチョッ ボキッ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:38:28.76 ID:sIKMXY1oO
(メAメ)「何で殴ったし……」

( ^ω^)「きたねーもん見せるからだお」

(´・ω・`)「oh……」

( ^ω^)「と、それはさておき……」

(メAメ)「はい?」

( ^ω^)「お前は喋るなお。傷口がひくついて軽くスプラッタになってるお」

(´・ω・`)「で、何を言いかけたんだい?」

( ^ω^)「お。最近この辺りで遊んでくれる人が減ったと思わないかお?」

(´・ω・`)「……確かにね。でも再三再四遊ぶ必要も無いんじゃない?」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:40:51.87 ID:sIKMXY1oO
( ^ω^)「は? 遊ぶのに必要も何もあるかお。僕が遊びたいから遊ぶんだお」

(´・ω・`)「やれやれだな。こないだのモララーの件もあるだろう? 僕としては自重の意味も兼ねて暫くは大人しくしていたいんだけど……」

( ^ω^)「モララーの件? 何の事だお?」

('A`)「僕知ってるよ。五年生のイケメンの人でしょ? その人がどうしたの?」

( ^ω^)「だからお前は喋るなって……もう傷治ってんのかお……」

(´・ω・`)「……すまないね。僕の勘違いだったよ」

(´・ω・`)(都合の悪い事は全部忘れる、か。それにしても報われないな、僕も君も……)

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:42:52.92 ID:sIKMXY1oO
(´・ω・`)(ツン、君の優しさは毒なんだよ。僕にとっても、彼等にとっても……)

( ^ω^)「何辛気臭い顔してんだお。モララーってやつになんかされたのかお?」

(´・ω・`)「僕の事は良いよ。それより遊んでくれる人が居なくなったから、どうしようって言うんだい?」

( ^ω^)「おっおっおっよく聞いてくれたお」

( ^ω^)「今までの僕達の行動範囲はかなーり狭かったお。だからあんまり派手にやりあってりゃ色んな奴にマークされる。皆が警戒するのも無理無いお」

(´・ω・`)「確かにね。中には僕達の顔をみるなり逃げ出す人もいるし」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:45:30.24 ID:sIKMXY1oO
( ^ω^)「特に女」

('A`) 〈……(・ω・`)(^ω^ )ジロリ

('A`)「え? 僕なんかした?」

( ^ω^)(僕知ってるお、コイツ女の尻の穴の中で水風船膨らませてたお)

(´・ω・`)(僕は知ってるよ。君が男の尿道にハリガネムシ突っ込んでた事を)

( ^ω^)「こほん、つまり派手にやり過ぎたから暫くは遊び場を変えようって事だお」

(´・ω・`)「へぇ、どこかアテがあるのかい?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:48:07.89 ID:sIKMXY1oO
( ^ω^)「お、隣町のニュー速町だお。あそこは僕の調査によるとここと同じ、或いはここ以上に缶けりが盛んなところだお」

('A`)「良いね、あそこは可愛い子がいっぱいいるらしいし」

( ^ω^)「お前の頭の中はレイプの三文字しかねーのかお?」

('A`)「否定はしない」

( ^ω^)「しろよ」

(´・ω・`)「ニュー速町か……。あまり詳しくは無いけど治安が良いって聞いた事があるよ。そんな所で派手にやったら結局二の舞になるんじゃない?」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:50:25.46 ID:sIKMXY1oO
( ^ω^)「治安が良いからこそだお。平和ボケした連中を徹底的に絶望させる。考えただけで勃起してこないかお?」

(´・ω・`)「良い話だけどわざわざニュー速町まで出向くのもなぁ……」

「ニュー速町だって?」

 ブーン達の背後からがなるような声が響いた。
反射的にブーンが振り向く。

(,,゚Д゚)「やめとけ。一年坊がニュー速町で暴れたら一万回殺されたって帰ってこれなくなるぜ」

 かなり大柄な男だった。
ざっくりと切り揃えた短い黒髪。肉食獣のような獰猛さを宿す瞳。薄手のシャツから覗く筋肉はバルクアップを続けたボディビルダーにも引けを取らない。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:52:38.30 ID:sIKMXY1oO
(´・ω・`)「貴方は?」

(,,゚Д゚)「四年のギコだ。お前達がモララーに手を引かせた一年坊だな?」

( ^ω^)「だからモララーって――」

(´・ω・`)「黙っててブーン」

 ショボンがブーンの口を塞ぐ。
数秒抵抗したが、ブーンは軽く舌打ちをして動きを止めた。

(´・ω・`)「だったらどうします?」

(,,゚Д゚)「ふん、いけ好かない奴だな。別にどうもしないさ。一応先輩として然るべき忠告はしとかないとと思ってな」

 踵を返し、ギコはブーン達に手を振りながら歩き始めた。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:54:47.00 ID:sIKMXY1oO
 きっとそのまま事は終わる。ギコはそう思っていたのだろう。
 だがそんな事はあり得なかった。
あり得る筈がなかったのだ。

( ^ω^)「待てお」

(,,゚Д゚)「あ?」

 呼び止める声を聞いてギコは怪訝に振り返る。

( ^ω^)「僕は先輩後輩云々とほざく偉そうな奴が大っ嫌いなんだお」

(,,゚Д゚)「へぇ……。じゃあどうしようって言うんだ?」

 毛穴一つ一つに突き刺さってくる殺気がギコの髪の毛をふわりと舞い上がらせた。
だが彼は決して気圧されない。
むしろその感覚が心地良く思えていた。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 00:56:54.29 ID:sIKMXY1oO
( ^ω^)「そんなの分かりきったことだお。ひっつかまえて……」

 言いかけたところでブーンはギコの眼前に躍り出た。
全体重を乗せた拳をギコの頬目掛けて振り抜く。
だがそんな単調な攻撃が届く筈もなく、あっさり掌で受け止められた拳はそのままギコの手と組合う形になった。

('A`)「ぶっ飛ばす」

 ブーンの言葉に合わせるようにドクオはギコの背後に回り込み、呟いた。
冷めきった声色が振り返ったギコの背筋を撫でる。

(,,゚Д゚)「っ!」

 眼前に迫るはドクオの指に挟まれたウンコ塗れの携帯電話だった。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 01:00:03.69 ID:sIKMXY1oO
 固いものと固いものがぶつかり合う嫌な音がした。

(*゚A゚)「ひゃははははっ! えーんがちょ! えーんがちょ!」

(´・ω・`)「うわあ……」

 糞塗れの携帯電話はピンポイントにギコの前歯に当たり、へし折った。
ギコの肉体的ダメージは勿論、精神的ダメージも推し量るまでもなく絶大だ。

(,,゚Д゚)「…………」

('A`)「なあ、俺のウンコどんな味だった? つーか今どんな気持ち? ねぇ聞いてる? ヒャハッ!」

(,,゚Д゚)「お前……殺すわ」

(*゚A゚)「はっはー! 良いねぇ、男にも興味があるお年頃だよ俺は!!」

 何の脈絡も無く、だが必然的に、闘いの火蓋は切って落とされた。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/09/03(土) 01:02:11.68 ID:sIKMXY1oO
第八話「つかまえたけどつかれたよ」


わり
 たい


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