- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:37:23.96 ID:cfQfklRj0
VIP市内、ラウンジ社の所有するとある倉庫。
朝、いつものように出勤してきた若い工員は、口をあんぐりと開け、呆然と立ち尽くしていた。
「おいおい……なんかの冗談だよな、これ?」
彼が立つのは暴走したという理由で送り返されてきた、ラウンジ社製の凡庸人型ロボットTASIROが収容されている倉庫の前だ。
朝の眩しい日差しに照らされる、その倉庫のシャッターにはまるで爆弾か何かで破壊されたかのような大きな穴が開いている。
しばらく呆然と立ち尽くすしかなかった彼だが、はっと我に帰ると、中に収容されているTASIROの状態を確認するべく、シャッターに開いた大穴から中に駆け込んだ。
そして、そこにあったものは―――
「……マジかよ」
―――そこには、”何も無かった”
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:38:56.78 ID:cfQfklRj0
昨日までこの倉庫には、彼の知る限り17体ほどのTASIROが収容されていたはずだ。
そのうちの7体は、なにかの実験に使うとかで昨日別の倉庫に移されていったが、少なくとも昨日彼が帰宅するまで、この倉庫には10体のTASIROが存在したはずなのだ。
しかしそれらは一晩のうちに消え去ってしまった。まるで元から何も無かったかのように、影も形もない。
「盗難」の二文字が彼の頭に浮かぶまで、そう時間は掛からなかった。
ふいに、彼の携帯電話の着信音が響く。
通話の相手は、彼の先輩の工員からだ。
この状況を、どう説明しよう? そんなことを考えながら彼が着信ボタンを押すと、携帯のスピーカーから、彼の先輩の緊張した声が響いた。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:40:29.73 ID:cfQfklRj0
「今、VIP市内の各倉庫から暴走したTASIROが逃げ出したって通報が入ったらしいんだが……そっちはなんも起こってないよな?」
まるで何も起こってないことを願うような先輩の声に、若い工員はただ、否定の言葉を伝えるしかなかった。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:41:11.80 ID:cfQfklRj0
( ^ω^)彼らは携帯電話を武器に戦うようです
第八話「襲撃」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:45:19.65 ID:cfQfklRj0
- よく晴れた朝だった。
朝十時に校門前に集合したブーン、モララー、クーの三人はVIP市内のTASIROの収容されている倉庫の一つ―――東A倉庫と呼ばれる―――に向かっていた。
ちなみに先頭を歩くのは、当然のごとくクーだ。なんだか晴れやかな顔をして、意気揚々と手足をふって歩く彼女に、昨日は「倉庫を襲撃することは目的じゃない」みたいなことを言ってたけど実はこの人の本当の目的はそっちなのではないか、とブーンは疑いの目を向ける。
川 ゚ -゚) ん? なんだその胡散臭いものを見るような目は、なにか言いたいことでも?
(;^ω^) あ、いえ、なんでもありませんお……
正直言いたいことはありまくりだったが、この人に口答えなどするとあとあと面倒なことになりそうなので、ブーンは黙っておくことにした。
( ・∀・) 考えてみれば、朝十時に集合ってかなりのんびりした作戦ですよねー
頭の後ろで手を組んで、こちらもクーほどではないがどこか楽しそうな幼馴染が呑気な声でそう言った。
まったく、これからとんでもないことをするというのに、この二人には緊張感とか恐怖とかそういったものはないのだろうか?
川 ゚ -゚) なんだ、遅いとなにか問題でもあるのか?
( ・∀・) いや、なんか倉庫ってくらいだから警備員さんとか見回りの人がいるんじゃないですか?
川 ゚ -゚) 別に悪いことをするわけではないのだから、見つかっても構わないだろう? どうせTASIROとドンパチやっていればいやでも見つかるのだし
( ・∀・) あー、それもそうですねー
なんでもないことのように話す先輩と幼馴染。警備員さんに見つかってもいいということはつまり、はじめから忍び込むつもりなどないということだ。
もし警備員さんに倉庫に入るのを妨害されたら、当然のように強行突破するつもりなんだろうなこの人たちは……
(;―ω―)(まったく朝っぱらからハードだお……)
アグレッシブな仲間二人に正直ついて行ききれないと感じたブーンは、その場で深くため息をついた。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:49:39.98 ID:cfQfklRj0
( ^ω^) お
塀の多いビルが立ち並ぶ中を歩いているとき、ふと、ブーンの携帯電話から着信音が響く。電話の着信音より短いそれは、彼の恋人からのメールを知らせるものだった。
From:ツン
昨日も言ったけど、あんまり危ないことしすぎるんじゃないわよ?
危なくなったらすぐ逃げなさいよね
もし怪我なんかしたら、泣いてやるんだからね!!
(;^ω^)(おー……)
正直、自分のことを心配してくれる気持ちはとてもうれしいとブーンは思った。しかし―――
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:50:29.46 ID:cfQfklRj0
- ( ・∀・) 相手はやっぱり大多数で応戦してくるんですよね?
川 ゚ -゚) うむ、状況的にそうなることは覚悟しておいたほうがいいだろうな
( ・∀・) あれですね、ということは、ここはひとつ一発はじめっからアサルトをどかんとブチかまして相手の意表をつくのがいいと思うんですけど……
川 ゚ -゚) うむ、その作戦はとても景気がいいな。採用しよう
( ・∀・) さすが先輩話がわかる! で、ここは相談なんですが始めアサルトを使う役目はやはりレディーファーストということでクー先輩にお譲りしようかと……
川 ゚ -゚) それはいい心がけだが……始めアサルトを使ってしまったらセキラが沈静化してしばらく暴れられなくなるから却下だな
( ・∀・)チッ
川# ゚ -゚) いま小さく舌打ちしただろ
(・∀・ ) ……気のせいですよ気のせい
川# ゚ -゚) 目をそらしたな!! 実は私のことをバカだと思ってるだろお前!!
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:51:31.29 ID:cfQfklRj0
- ぎゃーぎゃーと叫ぶ先輩とそれをからかう幼馴染。
端から見れば微笑ましい光景なのかもしれないが、会話の内容はあまりに物騒だ。
(;―ω―)(……ツン、ごめんだお!)
再び恋人からのメールに目をやったブーンは、この二人と一緒にいるかぎり自分が怪我をしない可能性は万に一つもないと悟り、今のうちに心の底からツンにあやまっておくことにした。
川 ゚ -゚) そうだブーン、お前がやれ、初っぱなからアサルトぶちかますぜ作戦。略して「ぱなルト」!!
ふいに争いの矛先がこちらに向く。ああ、できることならこの言い合いには加わりたくたくなかったなあ……
ってか「ぱなルト」って……
(;^ω^) 変な略しかたしないでほしいですお……
なんだかラーメンにでも入っていそうな名前である、言葉の響きが軽すぎる。本当に緊張感のかけらもない。
( ・∀・) ブーンはだめですよ、先輩がアサルトで敵をひるませたあとにボクとブーンでセキラを狩る予定なんですから
こっちはこっちで平然ととんでもないことをいう、っていうかなんだその作戦は聞いてないぞ
川# ゚ -゚) なんだその作戦は!! 私に得がひとかけらもないじゃないか!!
ぎゃーぎゃーと叫ぶ先輩、ああもう、この二人は……
(#^ω^) 二人ともいい加減に・・・…
いい加減ブーンが勝手なことをいう二人に説教の一つでもくれてやろうと思ったそのとき、ふいにブーンの携帯から着信音が流れた。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:53:07.06 ID:cfQfklRj0
- 一瞬、またツンからのメールかと思ったのだがどうやら違う。
それはメールが来たことを知らせるそれにくらべるとずいぶん長い―――電話の着信音だった。
よく聞けば回りの二人の携帯電話からも着信音が流れている。
嫌な予感が頭をよぎったブーンが携帯電話を開くと、そこには彼自身の携帯番号が表示されていた。
( ^ω^)】 デレ、どうしたお?
ζ(゚ー゚;ζ ブーンさん、気をつけてください!
(;^ω^)】 ……お?
着信ボタンを押した瞬間聞こえてくる、焦ったような彼女の声。そして、それに続く言葉を耳にした瞬間、ブーンのいやな予感は確信に変わった。
ζ(゚ー゚;ζ 私たち、囲まれてます! とてもたくさんの、”私たち”の気配に!!
(;^ω^)】 ……!!
デレの言葉が終わるのを待たず、黒い影が彼らの両脇の塀の向こうから飛び出してくる。
〔(α)〕 〔(α)〕 〔(α)〕
―――それらは皆一様に”目”に同じ文字を表示された、TASIROたちだった。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 20:56:32.61 ID:cfQfklRj0
( ・∀・) 囲まれたね……
携帯に軽く口付けをしたモララーが、発信ボタンを押しながらその先端を相手に向ける。
( ΦωΦ)―Form Change:「Sword」―
ロマの声とともに伸びる赤い光の刃の切っ先が、まっすぐに彼らを囲むTASIROたちの方に伸びた。
川 ゚ -゚) ちっ、先手を打つはずが打たれてしまったか……!!
―Form Change:「Sword」―
無機質な電子音声とともに、クーが両手に持つ携帯電話から、片刃の赤い刃が飛び出した。
(;^ω^) あーもう、なんだか分からないけどやるしかないお!!
背中合わせになる三人、最後にブーンが携帯に番号を入力し、発信ボタンを押す。
(;^ω^) いくお! デレ!!
ζ(゚ー゚*ζ―Form Change:「Fencer Gauntlet」―
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:00:52.20 ID:cfQfklRj0
(;^ω^)て おっ!?
右手を覆う赤い電気の籠手と、携帯から伸びる光の刃。そして、それを待っていたかのように襲い掛かる赤い光の塊を、ブーンは右手を覆う籠手で防御する。
(;^ω^)(これは、クー先輩の使ってきた「Shot」かお!?)
それにしては様子が違う、とブーンは思った。
前にクーの「Shot」を籠手で受けたときは、もっと強い衝撃があった。それに比べ今自分が受けた攻撃には衝撃が少ない。
かわりに感じたのは、何かが「へばりついた」ような感触。
川; ゚ -゚) くっ、なんだこれは!?
(;・∀・) 剣にべったりくっついて・・・…とれない!?
見れば二人も、正体不明のその”攻撃”に触れたようだ。
彼らの剣にはどろりとした赤い”なにか”がまとわりついており、気がつけば自分の剣にも、そのどろどろとした赤い塊がへばりついていた。
「あんまりまどろっこしいことは好みじゃねえんだけど、よ!!」
そして、上から聞こえる、若い男の声。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:01:46.71 ID:cfQfklRj0
( ・∀・) ―――ッ!!
ふいにモララーがその場から飛びのき、転瞬、彼が立っていた地面が空から降ってきた”何か”によって砕かれた。
〔(γ)〕 はん、これをよけるたぁな。なかなか骨のあるヤツがいるじゃねえの
地面が砕かれたことによって舞い上がった砂埃が晴れる、そしてそこに立っていたのは、巨大な赤い両刃剣を肩に担ぎ、”目”に文字を表示させた青いTASIRO。
若い男のような声で喋る”彼”がもつ両刃剣の柄は、クーの持つものより長く太い旧式の携帯電話である。
「ひゃひゃひゃ!! ”ガンマ”のやつ、かっこつけて飛び出した上よけられてやんの!!」
「こら、”ベータ”よしなさい」
何もかもがこれまでのTASIROと違う彼を前に戸惑うブーンたちの耳に、新たに違う調子の若い男の声が二つ届く。
ひとつは、高くおちついた男の声。これは、周りを囲んでいる”目”に『α』の文字を表示させた6体ほどのTASIROたち全部から発せられているように聞こえる。
そして、もうひとつ、どこか軽薄な感じを思わせる男の声はブーンたちの上、塀の向こうのビルのほうから聞こえてくるようだった。
川; ゚ -゚) ッ!!
声につられて上を見た瞬間、降ってきた赤い”どろどろ”がブーンたちの足に命中する。
〔(β)〕 うっひゃひゃひゃ!! これで完璧に身動きできねーな!!
見上げた先には、老人介護用をあらわす緑色のボディをしたTASIROが、手と足でビルの壁面に”へばりついて”いた。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:02:41.12 ID:cfQfklRj0
- (;^ω^) くッ……一度にいきなりいろんなことが起こりすぎて訳がわからないお!!
足についたどろりとした赤い塊を必死に振り払おうとしながらブーンが叫ぶ。
しかし足を動かせど動かせど、粘り気のある赤い塊はブーンの足と地面にへばりつき、彼の動きを拘束する。
( ・∀・) キミたち……ただのTASIROじゃないね?
赤い塊を引き剥がすことは不可能と考えたのだろう、足を動かさず、しかし構えを解くことはせずに、モララーは静かに目の前の「ガンマ」の文字が表示されたTASIROに問いかける。
〔(γ)〕 おうよ、俺たちは多くの”俺たち”を保有し、完全な自我を持ったTASIROだ。そんじょそこらのTASIROと同じにされちゃこまるねえ
肩に赤い両刃剣を担いだ青いTASIROが、若い男の声で得意げに答えた。
川; ゚ -゚) ちッ……恐れていたことが現実に起きてしまったというわけか
こちらも足の”どろどろ”を取るのを諦めたクーが、渋い声で苦々しげに呟く。
その声を聞いた目に「ベータ」の文字を表示させたTASIROが「うっひゃっひゃっひゃ!!」と下品な笑い声を上げた。
〔(β)〕 三日くらい前だったかぁ? なんだか”俺たち”の収容されてる場所の近くにたくさんの”俺たち”の”反応”を確認してよお……
どこかいやらしさを内包した声で、緑色のTASIROがクーを見やる。その顔がどこか笑っているようで、クーは強い嫌悪感をその顔にあらわにした。
〔(β)〕 こりゃあ俺たちもはやくひとつになんなきゃやべーってことで、昨日の夜に大乱戦おっぱじめて、今の俺たちができましたってわけなのよ
けらけらと笑いながら、ビルの壁面にへばりつくTASIROは、その両手を離してビルの壁面に両足で”立ち上がる”と両手を広げた大仰な動作で雄弁に語り続ける。
〔(β)〕 感謝してるぜえ、ねーちゃん。気配から察するに、あのときの気配はあんたの持ってる”俺たち”のものだよなあ……?
川; ゚ -゚) ……!!
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:03:54.62 ID:cfQfklRj0
(;^ω^) お、それって……
いやらしく笑っているように見える緑色のTASIROの言葉に、昨日のクーの言葉がブーンの頭をよぎった。
「川 ゚ -゚) 私も試しに行ってみたが」
たしか彼女は昨日、そんな風に言っていた。つまり、今目の前の”彼”が言っている”気配とは”つまりそのときの……
〔(β)〕 さっきのあんたの言葉から察するに、あんたは俺たちが「こうなること」を心配して俺たちを収容してたあの倉庫に様子見にきてたんだよな?
傑作じゃねえか! 結局はその行動を察知した”俺たち”が独自のネットワークを通じて会議した結果、あんたはあんたの想定した最悪の事態を呼び寄せちまったってんだから!!
「うひゃひゃひゃひゃ!!」と大声で下品に笑う”ベータ”に、クーはゆっくりと携帯を向けた。
―Form Change:「Shot」―
川# ゚ -゚) 少し黙れ
〔(β)〕 ―――ッが!?
響く連続したシャッター音とともに、クーの携帯のレンズから放たれた赤い光がビルの壁面にへばりつく”ベータ”に被弾する。
川# ゚ -゚) さっきから思っていたが、腹立つなお前の声!!
(;^ω^)(……理不尽だお)
この場合さっきからあからさまに挑発してきているあのTASIROの方に非があるのは明らかなのだが、それでもクーに情け容赦ない攻撃をされる対象を見ると、どうにも同情をせざるを得なくなってしまうから不思議だ。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:05:43.85 ID:cfQfklRj0
〔(β)〕 ッ!! てっめえやりやがったなこの……!!
憤ったTASIROが、両手をビルの壁面につけ再び四つんばいになる。
恐らくこれが彼の戦闘体勢なのだろう。
〔(α)〕 口は災いのもとですよ、ベータ
ふいに高く落ち着いた声が響く。その声の主―――ブーンたちを囲むTASIROたちのうちの一体―――は、そう言って彼がベータと呼ぶTASIROを諭した。
〔(α)〕 どうかそう怒らないでいただきたい、少なくとも私はあなたたちと争う気はありません
( ・∀・) 争う気はない? ふん、じゃあこの状況はなんなのさ?
今の自分たちの置かれている状況。
周りをぐるりとかこむ、目に「α」の文字を表示されたTASIRO。モララーの目の前には大剣を形に担ぐ「ガンマ」。そしてクーの前方にそびえるビルの上からは戦闘体勢の「ベータ」が張り付いている。
とてもではないが、平和的に話し合いをしようという雰囲気ではない。
〔(α)〕 手荒な手段を用いてしまったことは申し訳なく思います。しかし、あなたたちがこちらの要求を素直に受け入れてくれるのであれば、私たちはあなた方を傷つけるつもりはございません
川 ゚ -゚) 「要求」だと? ふん、言うだけ言ってみるがいい。許可してやるぞ
(;^ω^)(……)
足を封じられ一歩も動けない状況の中でもむだにでかいクーの態度に、ブーンはこの人の精神の図太さは一体どうなっているのかと心底疑問に思った。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:06:57.43 ID:cfQfklRj0
〔(α)〕 あなたがたの持つ”私たち”の”入れ物”、それを私たちに渡していただきたいのです
川 ゚ -゚) 断る (・∀・ )
二人同時に、ほぼ即答だった。
〔(α)〕 ……それはなぜです?
川 ゚ -゚) 当たり前だろう? これは私たちをお前たちから守る唯一の刃だ、そして私のよき下僕でもある
( ・∀・) こんな面白いもの、そう簡単に手放せるわけないじゃない
平然と言ってのける二人。行動の自由すら制限され満足に戦えない今の状況で、なぜこの二人はこんなにも堂々としているのだろう?
呆れるのと同時に、ブーンはほんの少しだけそんな二人ことを羨ましく思った。
〔(α)〕 ……では、あなたはどうです?
( ^ω^) お……
今度は二人と違いすぐに答えなかったブーンの方に、TASIROは問いかけてくる。
見たところ、目の前のTASIROたちには人格があるようだ。できれば自分は戦いたくはない。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:08:28.20 ID:cfQfklRj0
( ^ω^) えっとアルファさん……でいいのかお?
〔(α)〕 ええ、私のことはそう呼んでもらって結構です
( ^ω^) 正直に言うと、僕は貴方たちと戦いたくはないですお
〔(α)〕 !! では……
ブーンの言葉に、目の前のアルファという名前のTASIROは期待に満ちた声を上げる。
だからブーンはその期待を裏切らなければいけないという事実に、少なくない罪悪感を覚えた。
( ^ω^) ……でも、僕もアルファさんの要求を受け入れることはできませんお
〔(α)〕 ……
ブーンの言葉に、失望したように黙り込むアルファ。その姿を見て胸の奥がちくちくと痛むのを感じながらも、ブーンは自分の意志を相手に伝えるために言葉を続ける。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:09:17.44 ID:cfQfklRj0
( ^ω^) デレに……僕の持つ”あなたたち”に言われたんですお、「自分に納得がいかないなら、戦うことを迷うな」って
ブーンはちらりと自分の持つ、赤い刃の伸びる携帯電話に眼をやった。
何もいわず”彼女”は黙っている。
( ^ω^) 僕は、人格を持つあなたたちと戦いたくないですお。でも、あなたたちにデレを渡す自分に納得することはできない
〔(α)〕 ……それはなぜです?
( ^ω^) それは、たぶん僕が僕にできることを放棄しているから
はっきりと答えるブーンに、アルファはなんだかわからないという風に黙る。
( ^ω^) 僕はたしかに「あなたたちと戦いたくない」ですお、そのためにできることはあなたたちにデレを渡すこと
〔(α)〕 では……
( ^ω^) でも、僕は同時に「誰かが傷つかないために僕にできることをしたい」と思っていますお。そして、なぜだか僕はこっちの方に納得がいくんですお
ブーンはそっと手元の剣の切っ先を、自分の正面に立つアルファへと向けた。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:10:35.20 ID:cfQfklRj0
( ^ω^) だから、「僕は僕にできることをする」。あなたたちと戦うことを迷いませんお
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:11:31.36 ID:cfQfklRj0
川 ゚ -゚) よく言ったぞ、ブーン
( ・∀・) ふふふ、それでこそキミだ
そう言って褒めてくれる仲間たち。
ただこの人たちの場合は、戦うのを邪魔されなかったのを喜んでるだけのような気がするのだが、まあ気にしないでおこうとブーンは思った。
〔(α)〕 ……そうですか、あなたたちの意志はわかりました。
少しだけ俯いて、アルファは少しの間沈黙した。人間で言うところの「ため息を吐く」というしぐさに値するのだろう。
〔(α)〕 なら、私たちも全力で行きます……!! 行きますよ、ベータ! ガンマ!!
〔(β)〕 けけけ、やっとお喋り終わりか、まったくお前のアマちゃんぶりにはヘドがでるぜ!!
〔(γ)〕 ふん、ようやく暴れていいんだな……? 楽しませてくれよ!!
叫ぶアルファの声と同時に飛びかかるガンマと、その大きな”目”から光弾を発射するベータ。
(;^ω^) ちょ、きちゃったけどどうするお!? 今のままじゃ身動きとれないお!!
( ・∀・) ふふん、安心しなよ、ボクにいい案がある……
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:21:26.95 ID:cfQfklRj0
〔(γ)〕 うおッ!!?
クーのカメラのレンズから放たれた光弾を、両刃剣の刀身を使ってガンマが防ぐ
川 ゚ -゚) ふむ、面白い作戦だな。のってやろう
モララーから作戦を聞き、にやりと微笑むクー。それに対してブーンは動揺を隠しきれないでいる
(;^ω^) ほ、本当に大丈夫なのかお!? その作戦、僕が聞く限りではすっごい無茶なこと言ってるようにしかにしか思えないお!?
ベータが放つ光弾を右手の籠手で防ぎながら、ブーンが叫ぶがそんなことはお構いなしと言った様子でモララーが携帯電話から出していたセキラの剣をしまう。
( ・∀・) 無茶でもしなくちゃこの状況は乗り切れないさ、つべこべ言わずにいくよ、いっせーのっ!!
モララーの音頭とともに、三人が同時に数字を入力した携帯電話を自分の下腹部に押し付ける。
( ΦωΦ)ミセ*゚ー゚リ―Form Change:「Fighter」―ζ(゚ー゚*ζ
( ・∀・) さあ、行こうか、ロマ!
( ΦωΦ)―Get Set……―
( ・∀・) アサルト!!
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:22:53.03 ID:cfQfklRj0
( ΦωΦ)―Assault:「インパクトフィールド」―
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:24:31.84 ID:cfQfklRj0
( ・∀・) はあああああああああああああああああ!!!!
モララーの左手に大量のセキラが集まり、ばちばちと放電音を放つ。
赤く光り輝くその手を、モララーは思い切り地面に叩きつけた。
〔(γ)〕 ―――くッ!!!
転瞬、その場から立ち上るのは高濃度に圧縮されたセキラの柱。強力な威力を放つそれに、たまらず近くにいたガンマがその場を離れる。
〔(γ)〕 けっ、あいつらヤケにでもなりやがったか、三人ともあんな高出力のセキラの柱の中にいて無事に済むはずが……
〔(α)〕 ガンマ!! 危ない、後ろですッ!!
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:27:05.76 ID:cfQfklRj0
〔(γ)〕 なッ……!?
言われて振り向いたときにはもう遅かった。
彼自慢のその大剣には、赤いセキラのひも―――『鞭』―――が巻きついており、気がつけばそれはもうすでに彼の持つ剣と完全に同化していたのだ。
〔(γ)〕 うおおおおおおおおおおおおおおおお!!?
突如、空中に投げ出される彼の体。鞭は彼の手には巻きついていなかったので、剣を離してしまえばこの”投げ飛ばし”からは逃れられたのだが、彼がそれに気付いたときにはもう遅かった。
〔(β)〕 ちょ、おま!! こっちくんなあああああああああああああ!!!!!
空中をものすごいスピードで向かってくるガンマの姿に、たまらずベータはビルの壁面から手を離し、下に飛ぶ。
体を投げ出した空中で、彼は後ろからものすごい衝撃音がしたのを聞いたが、彼の知る限りガンマというTASIROはその程度のことでどうなるという代物でもないので気にも留めなかった。
むしろ彼が気になったのは―――
川 ゚ -゚) 叫び声からしてムカつくな、お前は
―――さっき自分が拘束したはずの女の子が、赤い光の剣を構えて、自分の落下地点で待ち伏せているという事実だった。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:28:16.84 ID:cfQfklRj0
〔(α)〕 させませんよ……!!
川# ゚ -゚) ちっ……!!
落下してくるベータを狙って放った突きは、そのベータを突き飛ばして割って入ってきたアルファの左わき腹に突き刺さる。
川 ゚ -゚) 仲間をかばって自らの体を差し出すとは見上げた根性だ。敬意を表して……
クーはアルファのわき腹に刺さった自分の剣を、そのまま思い切り頭に向かって斬りあげた。
川 ゚ -゚) 楽に、逝かせてやろう
がしゃんという音とともに、頭を二つに割られたTASIROがその場に倒れこむ。
動かなくなったそれを見ながら、クーは何か違和感を覚えていた。
川 ゚ -゚)(セキラが……増えない?)
違和感の正体はすぐにつかめた。セキラを有するTASIROを倒したはずなのに、自分の保有するセキラの量が全く増えていなかったのだ。
川 ゚ -゚) どういうことだ……?
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:29:24.72 ID:cfQfklRj0
(;^ω^) ったく、モララーは本当に無茶苦茶だお
携帯から伸びる鞭を戻しながら、ブーンはぼやいた。視界に入った服のあちこちには、先程のアサルトに耐え切れず焼け焦げたあとが所々見られる。
( ・∀・) 文句言わないの、結果的にあの”どろどろ”から開放されたんだからいいでしょ。ほら、敵が混乱してる今のうちに攻めるよ!
言いながら拳を構え、四体のアルファたちに突撃していくモララー。
考えてみれば、アサルトの使用者である彼だけがまったくダメージがない。セキラの沈静化というリスクはあるにせよ、あの状況で一番自分に被害が及ばない選択を取るとは……
( ^ω^)(我が幼馴染ながら……あなどれないお……)
考えながら、ブーンは自らの持つセキラの鞭で、モララーの後ろから攻撃しようとしているアルファの邪魔をする。
( ・∀・) はッ せいッ せいやッ!!
右フック左ストレート、ハイキック。
次々と続くコンビネーション。セキラが沈静化している状態なのによくあんなに戦えるものだ。
よく見れば、その攻撃の連打はもっとも効率よく相手のセキラの膜を剥ぎ取り、そして相手のデバイスを破壊できるようにつなげられている。
我が幼馴染は、こんなところまで抜け目が無いのだからこまる。
たえまなく続くコンビネーションの中、ついに一体のアルファの文字を持つTASIROを破壊したところで、モララーが不意に間合いを取った。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:30:40.37 ID:cfQfklRj0
( ^ω^) ? どうしたんだお?
( ・∀・) ふむ、こいつら”変”だね
あくまでも構えは崩さずに、モララーが呟く。
それを聞いたブーンは、目の前に立つアルファたちを眺める。
青、クリーム色、緑など、用途によって定められたTASIROの色の違いはあるにせよ、皆一様に「α」の文字をその”目”に表示させた彼らは、しかしそれ以外の面ではごくごく普通のTASIROに見える。
( ・∀・) さっきボクが一体破壊してたの、見てたよね?
訊ねてくるモララーの言葉に、ブーンが頷くとモララーは腕を組んでうーんと唸る。
( ・∀・) ……ロマ、さっきのTASIROから入ったセキラの量はどのくらい?
彼の言葉に、ロマはあっさりとした口調で答えた。
( ΦωΦ) 「ゼロ」である
( ・∀・) ふふーん……やっぱりね〜
( ^ω^) お? TASIROを潰してもセキラが入らなかったってことかお?
ブーンの言葉に、モララーは目の前のTASIROたちを眺めたまま無言。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:32:20.23 ID:cfQfklRj0
- 何かを考えている幼馴染に、単純にセキラの寄り代を破壊できなかっただけではないかと訊ねようとしたが、
この幼馴染に限ってそんなミスはありえないということをブーンは知っていたので、とりあえず彼が考え終わるまで、こちらに近づいてくるTASIROたちを鞭で牽制しておくことにした。
( ^ω^) お?
すると、彼もその違和感に気付いた。
こちらに向かってくる、目にαの文字を表示させたTASIROたちは、ブーンのくりだす鞭を避けはするが、”それだけ”なのだ。
( ^ω^)(あの距離からでも「Shot」や「Whip」を使えば、こっちに攻撃してくることくらいできるはずなのに……)
しかし彼らは、接近するか、もしくは攻撃を避けるばかりでこちらに能動的に攻撃してくる意志がみられない。
その様子はなんだかゾンビか、あるいは―――
( ^ω^) ……操り人形みたいだお
( ・∀・) それだ!!
(;^ω^)て お!?
突然の大声にブーンの心臓が跳ね上がる。
ゆっくりとこちらを振り向いた幼馴染の目は、なんだかきらきらと輝いているように見えた。
( ・∀・) そうだブーン、『操り人形』なんだよ! 彼らはまさにそれだ!!
(;^ω^) ちょ、モララー落ち着くお! どういうことだお?
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:33:58.53 ID:cfQfklRj0
興奮気味のモララーは、ブーンの質問に意気揚々と答える。
( ・∀・) だから、『操り人形』なんだってば。ロマ、ひとつのデバイスからの命令で複数のデバイスを動かすことは可能だって、昨日言ってたよね!?
( ΦωΦ) う、うむ、別に問題はないと思うのである……
戸惑っている様子のロマの声。
ブーンは考える。目の前のTASIROたちが『操り人形』……ひとつのデバイスからの命令で複数のデバイスを動かす……
( ^ω^) ……つまり、目の前のアルファさんたちは、”本体”のアルファさんが動かしてる『操り人形』みたいなものだってことかお?
〔(α)〕 その通りです
目の前のアルファたちのうちの一体が、ブーンの質問に答える。
( ・∀・) なんだい、いやに素直だね。ひょっとして降参かい?
挑発するモララーに、アルファは「まさか」と答える。
〔(α)〕 もとより隠すつもりがなかったというだけの話です
「それが知られたところで、私の実力になにか変化があるわけでもないですしね」そう言う目の前のTASIROの姿は、なんだか”笑っている”ように見えた。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:35:03.66 ID:cfQfklRj0
( ・∀・) 随分と自分の力に自信があるみたいじゃないか。セキラが沈静化してるボクにさえ一体潰されたくせに
〔(α)〕 いやはや申し訳ない。少し仲間がミスをしまして、向こうのお嬢さんの相手をしていたものですから
その言葉に、ブーンがぴくりと反応する。「お嬢さん」というのはクーのことだろう、そして「相手をしていた」ということはまさかクーは……
〔(α)〕 安心してください、あのお嬢さんには逃げられてしまいましたから
「『お前よりもムカつくあいつを潰したい』のだそうです」と言うアルファに、ブーンはほっと胸をなでおろす。
〔(α)〕 あらためまして自己紹介を、私は「アルファ」。つかう力のことは「control」と読んでいます、以後お見知りおきを
「相手をしてくださるのはどちらの方でしょう? 二人がかりでも私は一向にかまいませんが?」と聞いてくるアルファ。
その言葉に、ブーンはちらりと自分の幼馴染のほうを見やる。
さっきあれほどこのTASIROのセキラの使い方について楽しそうに話していた彼のことだ。ひょっとすると自分ひとりでアルファと戦いたいと言い出すのではないかと思ったのだ。
( ・∀・) あー、ボクはパス
だから彼の言葉を聞いて、一瞬ブーンは耳を疑った。
( ・∀・) もうネタがわかっちゃってるあんたと戦うより、さっきの青いやつ―――ガンマだっけ? あっちと戦ったほうが楽しそうだ
「だからブーン、あとよろしくね」と言ってブーンの肩をぽんと叩くと、彼はそのまま歩いて行ってしまう。
マイペースな彼の姿にブーンはひとつため息をつくと、目の前のアルファと名乗ったTASIROに向き直った。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:35:50.80 ID:cfQfklRj0
( ^ω^) そんなわけで僕はブーンといいますお、よろしくお願いしますだお
〔(α)〕 ……お互い、クセのある仲間を持つと苦労しますね
( ^ω^) おっお、まったくですお
〔(α)〕 心中お察しします……では、始めましょうか?
少し声のトーンを落として彼がそう言った。
それと同時に、目の前のTASIROたちの手におのおの様々な武器が現れる。
( ^ω^) お! ……いくお、デレ!!
ζ(゚ー゚*ζ―Form Change:「Fencer Gauntlet」―
手元の携帯電話から、赤い光の刃と籠手が現れたことを確認したブーンは、目の前のTASIROの群れのなかに迷うことなく突撃した。
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:36:44.37 ID:cfQfklRj0
( ΦωΦ) 意外である
後ろで聞こえるブーンの叫び声を尻目に歩くモララーに、ふいにロマが声をかける。
( ・∀・) ん? ああ、さっきのことかい?
( ΦωΦ) 我輩はてっきり、モララー殿なら確実にあちらのほうを「面白そうだ」と判断すると思っていたのであるが……
不思議そうに言うロマに、モララーはくつくつと笑う。
( ・∀・) うん、まあなかなか面白そうな相手ではあったね
( ΦωΦ) ? なら、どうしてあちらをブーン殿にまかせたのである?
( ・∀・) うーん、まあさっきも言った通り、ネタがわかっちゃったあっちに興味がなくなったっていうのと―――
そこまで言って、モララーは言葉を止めた。
目の前に、赤い大剣を肩に担いだTASIROが立っている。目に表示されている文字は「γ」。
〔(γ)〕 お前がオレの相手か? ハッ、なんだかひ弱そうだなーおい
挑発してくるガンマ。モララーはそれには答えず
( ・∀・) ―――ちょっと”試してみたいこと”があってね?
一言、そう言ってにやりと笑った。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:37:46.99 ID:cfQfklRj0
( ^ω^)彼らは携帯電話を武器に戦うようです
第八話「襲撃」
おわり
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/03/19(金) 21:39:00.71 ID:cfQfklRj0
―次回予告―
〔(β)〕 あぁん? なんだよ、その表情は
川#゚ -゚) 女の子の前でたまたまいうなッ!!!
(;・∀・) ああもう!! 本当に面倒くさいな、キミは!!
川 ゚ -゚) 私には目的なんて大層なものはない、私はただ、私が求めるままに戦って護るだけだ
第九話:「戦護」
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