- 13 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 20:56:46.03 ID:xbM8y35zO
( ^ω^)はあらゆるチート達と闘うようです
第二話。
- 16 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 20:58:31.70 ID:xbM8y35zO
僕の知る、とあるキャラクターにはチートとも呼べないような能力がある。
それは、時を司る者からは「時空間上の歪み」と呼ばれ
遥か高等な生命から「自律進化の可能性」と呼ばれ
ある異能集団からは「神」とまで呼ばれていた。
そいつが起こした、とある怪奇。
【エンドレスエイト】。
今回の既視感に対し、僕は真っ先にそれを思い出した。
- 21 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 20:59:52.20 ID:xbM8y35zO
- ある少女は、その夏休みに納得がいかなかった。
楽しい仲間との数々の思い出作りを終えても、彼女の潜在的なところに思い残しがあったのだ。
ならば。
「もう一回最初からやっちゃおう!」と。
彼女は、文字通りやり直した。
納得いかなかった夏休みを。
係累、15498回……。
日数に直せば、約23万日。
――――――630年近い日々。
永遠に夏休みだけを、繰り返し始めた。
(;^ω^)(でも、そんなの……)
そうだ。そんな馬鹿げた話があるか。
永遠に終わらないなら、いったいこの世界は……僕らに何を求めているってんだ?
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/04/01(金) 21:03:59.04 ID:xbM8y35zO
- (;^ω^)(もしそんなバラブレもんが戦いに割り込んでるなら、こんな茶番には意味がなくなるんじゃないかお?……とりあえず、落ち着いて状況把握しないと――――)
しかし、思考は中断される。
『あー!みなさん!!』
(;^ω^)「ん!?」
『どうも、主催者です!』
その……天からの声によって。
- 32 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:06:39.58 ID:xbM8y35zO
- (;・∀・)「……なんだ?今更何を……」
『あなた達に言いたい事は、一つだけ!!一つだけあります』
『それはひとつだけ――――――ひとつだけ、追加ルールを発表します!』
(;^ω^)
完全な形を求めるからか――――――ループが、完遂しないところ。
それも、まるでエンドレスエイトのようだ。
- 34 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:08:57.82 ID:xbM8y35zO
- 『もう戦い始めてる方達もいらっしゃると思いますが……あなた方には』
( ・∀・)
( ^ω^)
『その戦いに勝った時、敗者の能力を奪う権利を与えます!』
(;・∀・)「……おお!?」
(;^ω^)「……?」
『もともと、この戦いは一番強い能力を決める為に生まれたものですので、それなら最後に立ってたやつの能力が一番強いんじゃん?ってなわけです』
『どう使うかはあなたに任せます。では、頑張ってね〜☆』
(;・∀・)「……」
(;^ω^)「……」
- 41 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:11:42.05 ID:xbM8y35zO
- (;・∀・)
(;^ω^)
(;・∀・)「……あのさ」
(;^ω^)「うん?」
(;・∀・)「……【世界《ザ・ワールド》】、奪うのだけは勘弁して下さい……」
(;^ω^)「……いや、まぁ……うん」
違う。そこじゃない。
なんだ?このルールは。
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/04/01(金) 21:15:52.73 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「……なんで、こんなルール……」
(;・∀・)「え、なに?どうしたの?」
( ^ω^)「なんか感じないかお?モララー」
(;・∀・)「うん?せっかく手に入れた能力が無くなるという漠然とした不安以外は特に……」
( ^ω^)「よくわかんないお。『貰える』ってのを」
(;^ω^)「なんで戦って勝てた相手の能力が貰えるってルールなんか付与する必要があったんだお?」
僕はこのルールに意義を感じない。
むしろ、異議を言いたくなるくらいだ。
( ・∀・)「は?なんで……?」
( ^ω^)「例えばモララー。もし君が僕に勝ったとして……」
( ^ω^)「僕の【気分次第《アンカーテイク》】、欲しいかお?」
- 52 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:21:36.37 ID:xbM8y35zO
- ( ・∀・)「……」
( ・∀・)「……いや……なんつーか……」
( ・∀・)「どうだろう。【世界《ザ・ワールド》】を手放すってのは……考えらんないな」
( ^ω^)「だお?」
火を操るやつが氷を操るやつに勝った。
でも氷の方がいいと思ったから氷の能力に変える。
……っていう、そんな単純な話じゃないはずだ。
集まっているのは、チートじみた能力者達。
一人、一人がいるだけで何かしらのバランスを崩すような、そんな存在。
そいつらが戦って、勝者が出たとして
チートに勝利したチートを手放すやつなんか、そう簡単にいるのか?
いや、いるのかも知れない。
いるのかも知れないんだけど。
(;^ω^)「……なんか、変なルールに思えるお……」
- 56 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:24:29.68 ID:xbM8y35zO
- ( ・∀・)「例えば……他に何か意図があるとか?」
( ^ω^)「……」
「なんとも言えないお……」
不安があった。
ホントに、漠然とした不安だ。
何かが、おかしくなっていっているような不安。
- 60 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:26:16.52 ID:xbM8y35zO
- ――――――某所
「はぁ……はぁ……!!」
「はぁ……どうなってるの……」
「なんで……」
ζ( ー *;ζ「なんで……内藤さんがどこにもいないの…?」
何かが動き出しているような
そんな不安があった。
- 67 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:30:38.58 ID:xbM8y35zO
( ^ω^)「とにかく、今からの事を考えないと……」
( ・∀・)「今から?」
( ^ω^)「この世界が何かのせいでループしているとするなら」
( ^ω^)「次に僕たちがするべき事は、なんなのか」
思い出せ、何かを。
内藤を倒した。
そこまではいい。
そっからだ。
思考を凝らせ。
結局……考えなきゃいけない事がいくつもあるだろう。
原因。
意味。
程度。
結果。
予定調和。
何から始めるか、それが問題だ。
- 72 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:35:41.13 ID:xbM8y35zO
- (;^ω^)「……」
(;^ω^)「わからん」
多すぎる。
唐突の真実に、反応なんか出来るわけもない。
何から始めればいいかも、わからない。
(;^ω^)「ああああもう!!しっかりしろお僕!!」
( ・∀・)「……あのよ、ブーン」
(;^ω^)「なに!?」
( ・∀・)「あ、いや、ブーン君。確かにループしてる。それはいいが……」
( ・∀・)「ツンやシューちゃんみたいな、君の他の仲間はどうなってるんだ?」
( ^ω^)
( ^ω^)「……」
なるほど。
- 82 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:39:19.74 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「確かにそうだお。ここで二人で悩んでるよりかは、みんなを探した方がいいおね」
( ・∀・)「まぁ、ね。とりあえず、そこから始めよう」
( ^ω^)「……なら」
そうだ。
前回……僕がモララーと戦った後、僕は商店街の方へ行った。
そこのベンチで、寝ていたはずだ。
( ^ω^)「……ツン」
まずは、そこからだ。
- 90 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:47:30.71 ID:xbM8y35zO
- ――――――商店街。
( ^ω^)「…人が一人っ子いねぇお…」
( ・∀・)「さびれてんなぁ……」
商店街は、もしアニメなら木枯らしが吹き抜けて行きそうな状態だった。
( ・∀・)「この辺りにはツンはいないんじゃねえの?でないと、物音1つしないというのはさすがにおかしいだろ」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「いや、ツンって一つ動けば何かが壊れる、みたいなやつじゃん?」
否定出来ない辺りがなんとも言えない。
だが。
( ^ω^)「安心しろお。あいつ、ベンチで寝てたんだお。ほら、あそこらへんの」
ブーンが前方を指差す。
そこには確かに、茶色の使い古された感のあるベンチが。
( ・∀・)「なるほどそうか……知らなかったよ。俺、ちょうどこの時死んでたし」
( ^ω^)「イヤミか」
( ・∀・)「めっそうもない」
- 96 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:51:43.69 ID:xbM8y35zO
- ( ・∀・)「お、ホントだ。誰か寝てるな」
( ^ω^)「いたかお。ひとまず、良かった……」
わかったのは、他の人も同じループを繰り返してるらしき事。
まったくバラバラの運命ではないようだ。
だからこそ、例えば――――――ツンが敵になるとか。
そんな非運には、会わずにすみそうで良かった。
- 105 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:57:16.85 ID:xbM8y35zO
- ( ・∀・)
( ^ω^)「とりあえず、起こしてくれお。ツンからも、話を聞かなくちゃ」
( ・∀・)
( ^ω^)「……ん?モララー?」
( ・∀・)
( ^ω^)「おい、モラr」
o川* ー )o
寝ていたのは。
o川* ー )o「くー……すぴー……」
見慣れない、少女。
( ^ω^)
( ・∀・)「……なぁ、ブーン」
( ・∀・)「ツンってこんな黒髪ストレートで、でかい髪留めつけてて、あと乳でかかったっけ?」
( ^ω^)
( ^ω^)「……いや、僕の知るツンは金髪巻き髪で、乳はちっさいお」
- 107 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 21:58:50.16 ID:xbM8y35zO
( ・∀・)
( ^ω^)
o川* ー )o「ぐー……」
( ・∀・)
( ^ω^)
……え、だれ?
- 112 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:02:05.55 ID:xbM8y35zO
- (;^ω^)「……ええ?」
ちょっとまて。
状況説明。
確かに前回、ここにツンが寝ていたはず。
それが、なぜか居なくて。
かわりに。
o川* ー )o
知らない娘が寝てる。
ツンではない。
だって、乳がでかい。
o川* ー )o「ん……くぅ…うううう…よく寝た……」
( ・∀・)「あ」
o川*゚ー゚)o「……あ」
( ^ω^)「あ」
起きた。
- 119 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:07:18.38 ID:xbM8y35zO
- o川*゚ー゚)o「……あ、あの」
(;^ω^)「……え?いや、その」
状況把握が出来ていないような目の前の少女。
ここであらぬ勘違いをされるのはなんとしても避けたい自分としては、とにかく説明になるような言葉を模索する。
(;^ω^)「あ、あの。僕はブーンって言t」
o川*゚ー゚)o「おはよう私はキュート!16歳いて座!好きな色はピンク!ここで寝てたよ!あ、キューちゃんでいいからね!とりあえずあなた達のお名前は?」
自分の数倍早かった。
- 126 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:12:51.22 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「……ブーンです」
( ・∀・)「モララーです」
o川*゚ー゚)o「ふぅん」
( ^ω^)
( ・∀・)
o川*゚ー゚)o「なんか君たちフツーの自己紹介でつまんないね☆」
( ^ω^)
( ・∀・)
( ^ω^)(……ぶん殴りてぇ)
( ・∀・)(……ハッ!!そうだ思い出した!俺には……めちゃくちゃかっこいい自己紹介があったんだった!!)
- 129 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:14:05.60 ID:xbM8y35zO
- o川*゚ー゚)o「まぁとりあえず、ブーンにモララーね!」
(;・∀・)(確か……えっと……)
o川*゚ー゚)o「で、私になにしてたの?」
(;^ω^)「いや、何ってわけでも」
(;・∀・)(…えっと…!)
o川*゚ー゚)o「まぁ私が可愛いから見とれるのはわかるんだけど」
( ^ω^)(殴りてぇ)
(;・∀・)(思い出せない!!チクショオオオオオオオオオオ!!!)
- 136 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:17:53.66 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「逆に聞きたいお」
o川*゚ー゚)o「ん?」
(; ∀ )(落ち着け。「俺はモララー。【世界《ザ・ワールド》】を持つ」……こっからわからん!!)
( ^ω^)「ホントなら、ここには君じゃなくて……ある女の子が寝てたはずなんだお。それを、知らないかお?」
(;・∀・)(なんか四字熟語の気がする!とりあえずカッコ良さげなやつぶちこんだのは覚えてるし!)
o川*゚ー゚)o「……」
(;・∀・)(……)
o川*゚ー゚)o「わかんない」
(;・∀・)(わかんない!)
- 143 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:21:34.04 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「じゃあ質問をこうしようか」
( ^ω^)「なぜ君はここで寝てたんだお?」
o川*゚ー゚)o「……」
o川*゚ー゚)o「私ね」
o川*゚ー゚)o「ある人から追われてるの」
(;・∀・)「思い出した!!大胆不敵で獅子奮迅!!こんな感じだったァァァァァ!!!」
キュートはモララーの股間にある大胆で不敵な獅子を粉塵になる勢いで蹴り上げた。
- 151 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:25:17.09 ID:xbM8y35zO
- o川*゚ー゚)o「追われてるの」
( ∀ )
モララーだけ時が止まっているのはさておき。
( ^ω^)「……追われてる?」
o川*゚ー゚)o「うん」
o川*゚ー゚)o「なんか……私ね、なんかやっかいな能力持ってるらしくて」
( ^ω^)「ふぅん?また、どチートな能力でももらったのかお?」
o川*゚ー゚)o「チートじゃないよ」
o川*^ー゚)o「キュートだよ☆」
( ^ω^)「どんな能力だお?」
o川*゚ー゚)o「スルーかい」
- 158 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:28:57.02 ID:xbM8y35zO
- o川*゚ー゚)o「私も、よくわかんない。目覚めた時にはみんなが言う能力説明書ってやつも無くなってたし……そして、その人がやってきて」
( ^ω^)「……その人?」
o川*゚ー゚)o「私を連れていこうとしたの。よくわからない人が」
( ^ω^)「……それは、どんな…」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「……【正解を選ぶ者】。その人は、自分をそう呼んでた」
( ^ω^)「……」
( ∀ )
無駄に響く声。
何やら、話は異様にこじれているようだった。
- 160 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:31:39.17 ID:xbM8y35zO
- o川*゚ー゚)o「でもまぁ、丁度良かった」
( ^ω^)「……え?」
o川*゚ー゚)o「ねぇブーン」
o川*゚ー゚)o「私の事守ってくれない?」
( ^ω^)「」
(;^ω^)「はい?」
ああもうホントに、ややこしくなってる気がする。
早くツン探さなきゃいけないってのに。
- 167 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:34:56.83 ID:xbM8y35zO
- o川*゚ー゚)o「お願い」
(;^ω^)「いやいや待てや。何を言っとんねんワレ」
o川*゚ー゚)o「いいじゃんこんな可愛い娘を守れるんだから」
(;^ω^)「はい?つーかキュート、お前能力持ってんだお?それ使えお」
o川*゚ー゚)o「いや使い方わかんないし」
(;^ω^)「だからってなんで僕が」
o川*゚ー゚)o「それに」
( ^ω^)「お?」
ふと、キュートが
o川* ー )o「……怖いんだよ」
自分の胸に、飛び込んでくる。
- 172 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:38:43.68 ID:xbM8y35zO
- o川* ー )o「知らないよ。目覚めたらよくわからない戦いが始まってて」
o川* ー )o「いきなり現れた人に『お前は使える』みたいに言われて連れてかれそうになって」
o川* ー )o「怖いよ。キューちゃん、何も悪い事してないよ……なんで……」
( ^ω^)
地肌に伝わる
かたかたと震えるキュートの感触。
( ^ω^)「……まいったお、どうも」
再三言うが、ツンを探さなきゃいけないのに。
こんな事言われたら、回り道したくなるじゃないか。
- 176 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:42:30.40 ID:xbM8y35zO
( ^ω^)「……わかったお。ちょっとの間なら」
o川*゚ー゚)o「……ホントに?」
( ^ω^)「ホントだお。だから、手を離してくれお。抱きつかれてるのも、なんか気恥ずかしいし」
ξ゚听)ξ「そうね。私じゃないし乳が当たりまくるから気恥ずかしいんだもんね」
( ^ω^)「そうそう、ツンなら当たらない乳が当たるんだよこれがまた」
( ^ω^)
o川*゚ー゚)o
( ^ω^)「ん?」
- 186 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:45:01.88 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)
ξ゚听)ξ
o川*゚ー゚)o「え、誰?」
( ^ω^)「……ちょっとキュート、マジで離して」
( ^ω^)「割とマジで命が危ない」
ξ゚听)ξ「ブーン」
ξ゚听)ξ「あんた」
ξ゚听)ξ「な に し て ん の ?」
探し人は、そこにいた。
――――――鬼のごとき、形相で。
- 195 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:49:28.02 ID:xbM8y35zO
- ξ゚听)ξ「乳が無くて悪かったな」
(;^ω^)「いや、あの」
ξ゚听)ξ「……やっとの思いで見つけて感動の再開になると思ったら」
ξ#゚听)ξ「てめえはよォォォォォォォ!!!」
(;^ω^)「ひっ――――――!!!」
ブーン、とっさの回避行動。
キューと共に、右に避ける。
そして元居た位置には、ツンの右拳が。
ξ#゚听)ξ
一瞬。
その間にベンチは轟音と共に、ベンチではなくなった。
- 205 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:53:35.39 ID:xbM8y35zO
- ξ#゚听)ξ「ブーンてめぇはァァァァァ!!!」
(;^ω^)「ちょ――――――!!」
o川;*゚ー゚)o「ひぃぃぃぃぃぃ!!!?」
そう。
この特異なまでの身体能力こそが、ツン。
【拳王ラオウ】……世紀末の覇者の力を、その身に宿す者。
ξ#゚゚听゚)ξ「女見つけたらフラグ立てていきやがって糞がァァァァァ!!!」
それが、暴れてる。
自分めがけて、四肢を繰り出してくる。
危なすぎる。
- 214 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 22:56:44.97 ID:xbM8y35zO
- 「待てゴラァァァァァァ!!!!」
ツンが通った場は、凄惨としている。
割れ粉々になったタイル。
爆破されたかのような喫茶店。
つーかなんであんな暴れ散らしてんだアイツ。
オベリスクかよ。
(;^ω^)「……やべぇ、あんなツン初めてみた……!」
その恐怖たるや
o川*;ー;)o「うひっ……ひぃぃぃぃ怖いよおおおおお!!」
連れてきたキュートがガチ泣きであるところから察して貰いたい。
- 221 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:00:38.09 ID:xbM8y35zO
- さぁ、いったん整理しようか。
ξ#゚゚听゚)ξ
怒り狂う覇者の女の子。
o川*;ー;)o
泣き惑う無力な女の子。
( ∀ )
馬鹿。
さて……こんな状況ではどうするのが正解なんだろう?
まぁ、とりあえずは決まってるよね。
(;^ω^)「ツン!ごめんお!」
ホントなら、お前にこれを向けたくないけど……
「――――――【気分次第《アンカーテイク》】!!」
仕方ないよね。許して下さい。
- 233 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:04:09.03 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「はいみなさんこんばんわ」
( ^ω^)「正ヒロイン(笑)さんが暴れ散らしてます。やべぇやべぇ」
( ^ω^)「いやマジで」
( ^ω^)「さぁ、その覇者の力を止めれるあなたの厨二妄想があればいいな。指定アンカーは……」
――――――>>245
- 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/04/01(金) 23:04:53.12 ID:p81+ZJcI0
- >>236
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/04/01(金) 23:04:26.06 ID:p81+ZJcI0
- あらゆる値を2倍から1/2までの範囲で変更できる能力
- 260 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:07:33.50 ID:xbM8y35zO
- 『能力が決定しました。』
>>245 >>236 「あらゆる値を2倍から1/2までの範囲で変更できる能力」
( ^ω^)
( ^ω^)「YATTANE!!」
- 275 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:14:19.16 ID:xbM8y35zO
- (;^ω^)「これまたチートっぽい能力ゲットだお……!!」
o川*;ー;)o「だ、大丈夫なの?」
(;^ω^)「安心するおキュート!僕の能力は【気分次第《アンカーテイク》】!!」
「――――――不可能を可能にする能力だお!!」
叫ぶと同時に。
ツンが飛ぶ。
ξ#゚゚听゚)ξ「待てやブゥゥゥゥゥぅン!!!」
(;^ω^)「おっ……!!」
既に、ツンが間合いに入っていた。
しかし、逃げ切れる。
(;^ω^)「僕のジャンプ力を……2倍に!!」
o川;*゚ー゚)o「わ!!」
翼が生えたかのように、飛翔。
隣に見えた八百屋の屋根に、ブーンは移る。
(;^ω^)「わるいなツン。ちょっとだけおしおきさせて貰うお!!」
ξ#゚゚听゚)ξ「ああ!!?」
- 290 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:18:23.99 ID:xbM8y35zO
- (;^ω^)「あらゆる値を2倍から2分の1に変更……」
といっても、ツンの一撃だ。
直撃したら、2分の1にしたところでは軽減もされないだろう。
重症は必死。
ならば。
(;^ω^)「隙を見て、どうにかしてツンを無効化するしか……!!」
……さぁ、どうやって。
- 301 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:23:43.52 ID:xbM8y35zO
- ξ#゚゚听゚)ξ「ごちゃごちゃと何を一人で言ってんだよォ!!」
o川;*゚ー゚)o「ひぃぃ!!こっちくるよ!ブーン!!」
(;^ω^)「ならば……!」
( ^ω^)「待ってやるからこっちにこいお、ツン。なに、簡単だろ?乳がないお前なら、ここに登るくらい(笑)」
ξ#゚゚听゚)ξ
ξ#゚゚听゚)ξ「乳は関係ねぇだろうがよォォォォォォォ!!!!」
ツンが足に力を込める。
アスファルトが簡単に砕け、そして……
ξ#゚゚听゚)ξ「オオオオオオ!!!」
マジでこちらに向かってきた。
どんな足腰してんだこいつ。
- 310 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:27:34.34 ID:xbM8y35zO
- ξ#゚゚听゚)ξ「殺ォォォォォォォす!!!」
o川;*゚ー゚)o「うわああああ!!!」
(;^ω^)(待て。あせるな僕……)
ツンがこっちに来る。
でも、まだ。まだだ。
もっと引き付けてから……
今度は、僕が飛んだ時と逆に。
(;^ω^)「ツンにかかる重力を、2倍にする!!!」
ξ;゚゚听゚)ξ「!!」
眼前まで放たれたツンの拳は届かず。
そのまま、落下―――
ξ#゚゚听゚)ξ「なっ――――――!!」
―――八百屋の中へ、消え失せた。
- 319 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:30:26.80 ID:xbM8y35zO
- ξ;#゚゚听゚)ξ「ぶはっ!!」
ツンは何が起きたか、理解に3秒ほどかかった。
怒りのままに、ブーンに殴り込んだ。
そしたら、いきなり体が重くなって――――――落下。
気づけば、八百屋の中……ここにいる。
( ^ω^)「ごめんな、ツン」
上から声がする。
憎たらしい、あの声が。
- 326 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:34:21.07 ID:xbM8y35zO
- ξ#゚゚听゚)ξ「てめぇ!!こんな事して何に……!」
……ん?
( ^ω^)「ごめんな。ツン。ちょっとだけおしおきを受けて欲しいお」
あれ。
( ^ω^)「この能力をもらった瞬間、実は僕は真っ先に……」
何かがおかしい。
( ^ω^)「というかとっさに……自分の思考力を2倍にした」
ξ#゚゚听゚)ξ「……」
ブーンって。
あんなにおっきかったっけ。
( ^ω^)「そんでお前を無力化するのに一番てっとり早い方法が、これだったんだお。悪いけど、ちょっと懲りてくれお」
ξ#゚゚听゚)ξ
……ん?
- 342 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:38:48.52 ID:xbM8y35zO
- ξ#゚゚听゚)ξ「……あれ?」
なんで?
ブーンが、どんどん見えなくなってく。
向こうに、行っちゃう。
いや、違う。
ブーンは動いてない。
これは、私だ。
私が動いてる。
いやいや、私というより……
足元が、動いてる?
( ^ω^)「……ツンの身長を2分の1に。そして」
「『それ』の加速力を2倍。速度を2倍。抵抗力は2分の1。さてと、ちょっとだけ怖い思いをしてもらうお」
- 348 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:40:05.95 ID:xbM8y35zO
三 ======
三 || || ξ ;凵G)ξ <あぁぁぁん!
三 || || ( つ つ ぶーん!ぶーん!
三_||_ || と_)_) _. あぁぁぁん!!
三  ̄(_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.))
- 378 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:46:21.57 ID:xbM8y35zO
- ξ;;)ξ「ちょっとどういう事なのよぉぉぉぉぉ!!止めて!!とめてええええええ!!!」
( ^ω^)「……」
o川;*゚ー゚)o「……うわ、早……」
( ^ω^)「……やりすぎたかな」
思考力を2倍にした時。
僕は咄嗟に視界に入った物を有効活用する術を考えた。
そしてたまたま視界に入っていた中に、あの台車があった。
そして僕は、とある衝動にかられる。
悪魔のような、ひとつの知恵が働いたのだ。
『ツンを荷台に乗せて引きずり回せばいいんじゃないか?』
――――――と。
- 388 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:50:45.90 ID:xbM8y35zO
- あとは簡単。
ツンを落下させながら小さくし、台車の荷台に落とす。
落下の衝撃で少なからず物理エネルギーを得た台車は、徐々に動く。
後は台車にさっきの設定をすれば……ツンは引きずり回される。
作戦は大成功。
三 ======
三 || || ξ ;凵G)ξ <あぁぁぁん!
三 || || ( つ つ とめて!お願い!
三_||_ || と_)_) _. ぶぅぅぅん!!
三  ̄(_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.))
( ^ω^)「……なんかかわいいなあいつ」
- 405 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:55:36.07 ID:xbM8y35zO
- ξ;;)ξ「とおおおおめええええてええええええ!!」
o川;*゚ー゚)o「ねえブーン、あれちょっとまずいんじゃない?」
( ^ω^)「ん?」
o川;*゚ー゚)o「もしあのスピードのままどこかにぶつかったりしたら……」
( ^ω^)「ああ、それは大丈夫だお。ちゃんとクッションがある方向へ台車を転がしたから」
――――――
ξ;;)ξ「あああああん!!!」
(; ∀ )「ぐへっ!!」
ξ;;)ξ「え……?」
その頃ようやく、未だ失神中のモララーにぶつかった台車が勢いを失い、止まったのだった。
- 414 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/01(金) 23:59:00.24 ID:xbM8y35zO
- ( ^ω^)「さ、ツンを助けにいくお」
o川*゚ー゚)o「……」
すごいなぁ、と。
キュートは単純にそう感じた。
同時に、希望も感じた。
o川*゚ー゚)o(……もしかしたら)
彼なら、あの人達に……立ち向かえるかも知れない、と。
- 428 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/02(土) 00:04:34.84 ID:YGKcWwzGO
- ――――――某所
「……結局、キュートの行方はわからず終いか」
「こまったもんだな!!あいつには離れてほしくなかったんだがな!!」
「今はそれを考えている暇はない。とにかく、探さねば」
「あいつは戦闘能力こそ皆無だが……誰にも真似できない力だからな」
「……あれは力っていうのか?」
「提議は、どうでも良い」
- 445 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/02(土) 00:08:02.39 ID:YGKcWwzGO
「とにかく見つけたら!」
ノパ听)「即、拘束!それでいいんだろう!?」
ノパ听):ヒート
所得能力……【千の顔を持つ英雄】
「ああ、それがいい」
(`・ω・´)「シンプルが一番やりやすい」
(`・ω・´):シャキン
所得能力……【聖なる右】
- 459 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/04/02(土) 00:10:27.81 ID:YGKcWwzGO
「そう、それでいいんだ」
「それでこそ、力はまた集まる」
「我輩の無し得なかった計画は」
( ФωФ)「今、形を持つのだ」
( ФωФ):ロマネスク
所得能力……
【正解を選択する者《ビッパーテイク》】。
人は間違いを自ら選ぶ生き物だ。
それによって――――――どんな不都合な未来が来るとわかってても。
第二話、終わり。
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