- 15 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:03:02.59 ID:OTekEh790
―――――――こうして一つの物語が終わった。
価値を失った残留物どもは、ただ嘆く。
( ^ω^)はあらゆるチート達と闘うようです
終了。
- 21 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:07:21.81 ID:OTekEh790
- |(●), 、(●)、|「あぁ」
|(●), 、(●)、|「ついに、終わってしまったな」
狭間の世界で誰かは嘆いた。
閑散とした幾何学的な黒が、四面に貼り付けられているだけの世界。
返る音は、ない。
|(●), 、(●)、|「……」
そのうちこの部屋も消えてしまうのだろうか。
ならばそれは、どれほど不毛な事だったのだろう。
|(●), 、(●)、|「……誰か」
|(●), 、(●)、|「誰か、いますか?」
|(●), 、(●)、|
返る音は、ない。
- 31 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:15:27.14 ID:OTekEh790
- |(●), 、(●)、|「ひどいですよ、読者を放っておくなんて」
「……いるのである」
|(●), 、(●)、|「あら」
|(●), 、(●)、|「ロマネスクくんですか?」
( ФωФ)
気付けば、彼が立っていた。
もはや他に存在はほとんど感じられない。
- 41 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:27:31.65 ID:OTekEh790
- |(●), 、(●)、|「終わりましたね。どうですか?気分は」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「なんか、違うなぁ」
|(●), 、(●)、|「……違う、とは?」
|(●), 、(●)、|「結果的にはあなたがやろうとしていた事じゃないですか、これは」
( ФωФ)「……」
|(●), 、(●)、|「その【正解を選択する者《ビッパーテイク》】を使って、安価を制御しきり」
|(●), 、(●)、|「物語を終局に導く。でしたよね」
( ФωФ)「……確かに結果的には同じではあるが」
( ФωФ)「これじゃあ……」
- 46 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:33:46.54 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)「わからないもんだな。やっぱり能力ってのはエゴそのもののように思えるよ」
( ФωФ)「結局は我輩も、自ら力を奮って暴れまわってみたかっただけかも知れない」
|(●), 、(●)、|「ほぅ。君が、ねぇ」
( ФωФ)「そう。……それこそ……我輩が心から憎んだ、あの内藤ホライゾンのように」
「まぁいいと思うぜ?俺はさ。それでこそやりたい放題やりたい利己的人間《ビッパー》ってな」
( ФωФ)「?」
|(●), 、(●)、|「おや」
|(●), 、(●)、|「そうだ。まだ君がいましたね。頭数に数え忘れていましたが……」
|(●), 、(●)、|「西川くん」
( ^ω^)「よっ。姿を持って会うのは久しぶりだな」
( ФωФ)「―――――――!?」
- 49 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:38:22.72 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)「内藤………?…いや、ブーン……」
|(●), 、(●)、|「どちらも違いますよ……そう言えば、ロマネスク君は会うのは初めてでしたっけ」
( ^ω^)「うん。姿を見せるのは、初めてだな」
|(●), 、(●)、|「彼は西川ホライズン君。私と同じ、この闘いの盤外の人間であり、【与える誰か《テイク》】という能力でこの闘いに補正をしてくれていた人物です」
( ФωФ)
( ФωФ)「……なるほど」
|(●), 、(●)、|「彼の能力は力の発生や強化……また、世界の修正補正」
|(●), 、(●)、|「このチートだらけの世界にバランスを生む役割ですね」
( ^ω^)「そういうわけ。ちなみに、お前にその【正解を選択する者《ビッパーテイク》】をあげたのも一応俺だよ」
( ФωФ)「……あぁ、あの時の」
( ^ω^)「そ」
- 56 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:53:27.03 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)「……という事は、『選択者《アレンジ》』達も、お前が?」
( ^ω^)「そゆことー」
( +ω+)「……裏でずっとゲームバランスを守り続けてたとは、ご苦労な事だな。我輩も、感謝せねばなるまい」
( ^ω^)「よせよ。俺は、可能性を提示しただけさ。能力を得たのも、そこからの進化も、お前の力だ」
( ФωФ)
( ^ω^)「俺はずっと、能力者達の心を見てただけ。そしてその度量や本質に応じた能力を渡してやってただけだ」
( ^ω^)「お前のその、内藤と真逆の能力」
( ^ω^)「あの『フェイク全てを操る』という【人間《チート》】の真逆
( ^ω^)「『オリジナル全てに干渉し、自らのものに昇華させる』能力も、お前だけのものさ」
( ФωФ)「……やはり、そうだったか」
( ^ω^)「お前くらいだけどな?内藤の能力が『全てを操れるわけじゃない』って気付いていたのは」
( ФωФ)「……」
( ^ω^)「スゲーと思うよ、俺は」
|(●), 、(●)、|「……さて、ロマネスク君」
|(●), 、(●)、|「最後に、ちょっとした答え合わせ……辻褄合わせだけしておきますね」
- 59 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 19:58:35.81 ID:OTekEh790
- |(●), 、(●)、|「彼、西川くんは内藤くんが生み出した2つめの人格でね」
( ФωФ)「……だろうな」
|(●), 、(●)、|「西川くんは、内藤くんが持ってしまった【人間《チート》】を超える人間を生む為に」
|(●), 、(●)、|「または自ら【人間《チート》】を超えた能力を手に入れる為に作られたのですが」
( ФωФ)「……?」
|(●), 、(●)、|「おかしいと思いませんか。なぜ彼は、さらにこのゲームに追加要素を取り入れる必要があったのでしょう」
|(●), 、(●)、|「ある種『完成形』……あらゆるチートを操れる時点で、それを超える力など……まぁ、彼は最後【人間次第《チートテイカー》】という力を生み出すに至りましたが」
|(●), 、(●)、|「そんなリスクしかないような措置を、なぜ彼は起こしたのか」
( ФωФ)「……?」
( ^ω^)「ま、みんな考える事は一緒ってこったな」
( ФωФ)
( ФωФ)「まさか」
- 67 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 20:06:39.28 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)「あいつが求めてたのは」
|(●), 、(●)、|「そう、『終わり』です」
|(●), 、(●)、|「最強の能力をさらに最強にしてしまえば……または、最強を超える力を生んでしまえば、この闘いもようやく終止符が打たれる」
( ^ω^)「そうすりゃ、何度繰り返して、何度誰かが優勝しても、結局は誰かが文句を言い出す。それも無くなるわけだ」
|(●), 、(●)、|「彼は、ずっと前からこの闘いを終わらせたかったんですよ」
( ФωФ)
( ФωФ)「我輩と……同じ考えを」
|(●), 、(●)、|「そうです」
( ФωФ)「……あの、内藤が」
|(●), 、(●)、|「ただ、彼には一つ誤算がありました」
|(●), 、(●)、|「それが、あのブーン君です」
- 70 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 20:14:28.74 ID:OTekEh790
- |(●), 、(●)、|「なかなか生まれない、自分より強い人間。それを求めた結果、彼は安価というちか」
|(●), 、(●)、|「……ら……」
|(●),、∴:...「……おや」
(;ФωФ)「……お、おい。ダディ?」
|),、∴:...「……ふふ……姿を保つのも難しくなってきましたね。終わりに向かっているのだから当然でしょうが」
( ФωФ)「……」
(●:...「……話をもどしましょうつまり彼はようやく自分を倒す能力者を生み出しました」
∴:...「誰にも倒せない【人間《チート》】を超えた能力者、ブーン君。最強の能力は彼の能力で決まり。はいめでたし、この闘いは終わりだと」
「そう上手くはいかなかった」
( ФωФ)
「彼の安価という能力は、『可能性』を持ちすぎた」
- 75 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 20:24:07.23 ID:OTekEh790
- 「あらゆる人間の総意があつまる私……【読者《オーディエンス》】の私には、こんな言葉が多く届いた」
「『彼の力がもっと見たい』『彼の力なら世界は幾重にも分岐可能で、楽しみ方も幾重にも広がる』と」
「……結局、この闘いは繰り返されてしまった。内藤くんは戦いから不要とされ」
「結論が見えない、闘いがまた繰り返される事になった」
( ^ω^)「……皮肉なこったな」
( ^ω^)「それじゃ、俺の働きもまるで不要みたいじゃねーか」
( ^ω^)「ブーンに【自分次第《アンカーコール》】を与えた事も、いろんなやつにアレンジを与えた事も」
( ^ω^)「【正解を選択する者《ビッパーテイク》】や【化狐の遊技場《ニダーランテイク》】なんてのを作り上げたのも」
( ^ω^)「まるっきり……ブーンの為にやってたみたいで」
( ФωФ)「……はじめから」
( ^ω^)「?」
( ФωФ)「ホントははじめから、全部そうだったのではないだろうか」
- 82 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 20:30:27.95 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)「少し考えたのだ。アレンジ……『選択者』なんてのは、結局のところは全部ブーンの為にあったもんじゃないのかと」
( ^ω^)「ん?アレンジは内藤を倒す為に生まれた力、だろ?なんでブーンなんだ?」
( ФωФ)「なんでアレンジが『選択者』と呼ばれるか」
( +ω+)「我輩は思う。あれはつまるところ、「安価を選択する者」って意味だったのではないかと」
( ФωФ)「最終進化したアレンジは、安価を操る事も可能になるって事なのではないか」
( ^ω^)「……あぁ、なるほど」
( ^ω^)「そういや、ドクオはアレンジになってからブーンの安価を狂わせたりしてたな。ありゃあ、そういう事だったのかな」
( ФωФ)「我輩の力も……結局は、数ある中から『正解の安価を選択する』為に生まれた力なのではないか」
( +ω+)「そう考えると、些か虚しいものもあるな」
- 85 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 20:36:01.49 ID:OTekEh790
- ( +ω+)「虚しいではないか。誰も彼も、良きものしか求めてないのに」
( +ω+)「結局掴んだのは、こんな誰も納得しない世界の終末」
( +ω+)「虚しいではないか。なぁ、ダディ……」
( ^ω^)「……」
『全ての父』、ダディからの返事は既になかった。
読者の声たる彼の存在は雲散霧消。
それは既に読者から切り捨てられた、そんな意味さえ見て取れる。
( ^ω^)「……まぁ」
( ^ω^)「いいと思うぜ、俺は」
( +ω+)「……?」
( ^ω^)「こんな世界も」
- 88 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 20:45:30.01 ID:OTekEh790
- ( ^ω^)「俺は……言わばブーンと同列固体、みたいなもんだからさ。ちょっとだけ、あいつが考えてる事がわかる気がするんだが」
( ^ω^)「あいつもきっと、いつかはこんな終わりを望んだと思うんだ」
( ^ω^)「『こんな闘いなんか不毛だお。僕はそれよりは、終わりを選ぶ』……なんとか言って」
( ^ω^)「安価にこうお願いするようになるはずさ」
( ФωФ)
( ^ω^)「『聞いてくれないかも知れない、だけど僕は君たちにお願いする』」
( ^ω^)「『この安価は、【物語を終わらせる能力】にして欲しいお』……なんつってな」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「はは」
らしいかもな。
そう思うと、何故か笑みがこぼれた。
確かにそうだ。誰も彼も救うブーンなら。
善悪に無頓着で、曖昧で、優柔不断で
手の触れたもの誰でも救う、そんなブーンなら
外側の【読者】を最後に救う、そんな事もしたのかも知れない。
- 96 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:01:15.61 ID:OTekEh790
- ( ^ω^)「だからいずれはさ、あいつもこうしたはずなんだ」
( ФωФ)「大団円を迎えたか、途中で潰えたかだけの違い……か」
( ^ω^)「ああ」
( ^ω∴:..「……お」
( ФωФ)「……西川」
( ^ω∴:..「はは。俺ももうすぐおさらばみたいだな。いやぁ……」
( ^ω∴:..「楽しかったなー!この世界!!」
( ФωФ)「……」
( ^ω∴:..「気まぐれで始まった世界だ。気まぐれに終わるのも、悪くはねーな……」
( ФωФ)
そうか。
終わるんだなぁ、この闘いも。
- 97 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:03:14.18 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)
( ФωФ)「……終わり……?」
ん。
( ФωФ)「……!?」
気まぐれな能力?
( ФωФ)「……なぁ、西川」
( ^ω∴:..「ん?」
( ФωФ)「お前まだ、【与える誰か《テイク》】使えるか?」
( ^ω∴:..「え?あ、……あー」
(∴:..「うん。使えるっぽいな」
( ФωФ)「そうか」
- 110 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:12:30.61 ID:OTekEh790
- 「それで、なんだ?闘いも終わっちまったし、こんなの意味がな……」
( ФωФ)「あるぞ、まだ。『可能性』……西川」
「……何が」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「これが我輩が未だにここにいる理由なのか」
( ФωФ)「なぁ……」
「なんだよ、早く言えよ」
( ФωФ)「……あぁ」
( ФωФ)「我輩の能力はお前も知る通り、【正解を選択する者《ビッパーテイク》】」
( ФωФ)「オリジナルを完全掌握し、干渉し、自在に生み出し、昇華させ、操れる能力」
( +ω+)「つまるところ……オリジナル全てを自らにするような能力」
「知ってるよ。だからこそ、お前のそれは一度、ブーンの安価を>>0000という無効数値にしたんだろ」
( ФωФ)「その通り。この能力はもともと、【気分次第《アンカーテイク》】を制御する為に考えた能力なんだ。強大すぎるあの力をねじ曲げる可能性があったのは、もはやこれしかなかった」
- 112 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:13:41.81 ID:OTekEh790
( ФωФ)「だから、全てが無くなって崩壊した今……今なら、お前と力をあわせれば」
( ФωФ)「力を生み出すお前と力をあわせれば、一度くらい使えるかもしれないんだ」
「は?え……何がだよ」
( ФωФ)「決まってるだろう」
( ФωФ)「【気分次第《アンカーテイク》】だよ」
- 115 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:17:24.06 ID:OTekEh790
- ( ФωФ)「この闘いはこれにて終わり……だが」
( ФωФ)「誰かが納得していないのなら、それは不十分極まる」
「……」
( ФωФ)「だから最後に、我輩達がその責を補おうじゃないか」
「……言っとくが」
「完全再現は絶対に無理だぞ。あの力は、ハナから出力が大きすぎる。消えかけの俺とお前じゃあ」
( ФωФ)「かまわん。片鱗でも掴めれば、後は我輩がなんとかする」
( ФωФ)「我輩が誰だと思っている。正解を選ぶ者……『VIPPER』だぞ」
「……」
――――――――――――――
- 127 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:22:45.77 ID:OTekEh790
- ―――――――
( ФωФ)「……やはり完全再現は無理だったな」
「言ったろ。まぁでも、それだけありゃ十分だ」
( ФωФ)「あぁ」
( ФωФ)「今からの安価で決められるのは……これのみ」
この闘いの全てを知った上で
@もう一度だけこの闘いを続ける
A全てをこのまま綺麗に終わらせる
- 141 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:24:17.49 ID:OTekEh790
( ФωФ)「続けるか終わるか。それは全て、外側の君たちに任せる」
( +ω+)「……こんな事をしておいてこんな事を言うのはどうかと思うが、我輩は、Aを推奨する」
( +ω+)「……もう、この世界の不毛さは理解したのでな。終わってしまった方がいいと、そう思う」
( +ω+)「我輩は、結末を受け入れる」
( ФωФ)「しかし我輩達が残った以上……誰かが納得していない以上、このまま終わらせるわけにもいかん」
「だからこその最終手段」
( ФωФ)「そういう事だ」
( ФωФ)「……さぁ」
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/07(金) 21:25:41.56 ID:OTekEh790
さぁ。
1と2。
続行か、終了か。
後は全てまかせた。指定アンカーは―――――――
―――――――>>200
- 241 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:34:18.87 ID:OTekEh790
>>200 A
( ФωФ)
( +ω+)
「……ありがとう」
- 244 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:35:10.72 ID:OTekEh790
- 255 名前: ◆BnhUepkPaA 投稿日:2011/10/07(金) 21:37:44.93 ID:OTekEh790
( ^ω^)はあらゆるチート達と闘うようです
終了。
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