川д川 カラフル!のようです (-_-)

2 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:13:30.22 ID:hWH1Q0Dx0

一学期の期末テストが終わり、夏休みを目前に控えた気だるい放課後。

何もしなくても、じんわりと汗ばむ季節になりました。

私たちの学校は、終業式にテストの結果が出るまでは、午前中だけの授業になります。

最初は、楽なクラブということで決めたSF研究部でしたが、いつの間にか放課後は
とりあえず部室に集まるのが日課になっています。

何をするわけでもありませんが、何となく居心地がいいんですよね。

とはいえ、相変わらずSFに関係のあることはあまりしていない気がしますが……




〜 川д川 カラフル!のようです (-_-) 第四話 〜


3 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:16:49.24 ID:hWH1Q0Dx0

川д川「……」

(-_-)「……」

川 ゚ -゚)「……」

( ・∀・)「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

(-_-)「……上がり」


(;'A`)「ちっ、またかよ!」

川д川「ヒッキーさん、強いですねぇ……」


5 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:20:45.54 ID:hWH1Q0Dx0

lw´‐ _‐ノv「富める者は更に富み、貧しいものは更に貧窮する……
      大貧民、これは実に世の中の不条理を突いたゲームだよね」

('A`)「それでも革命を起こせば立場逆転できるはずなのに、革命を起こしても
    いつも一番に上がるな……イカサマでもしてんじゃねーのか?」

(;^ω^)「ちょ、ドクオ、言い過ぎだお!」

(-_-)「……別に、そんなことする必要も無い」

川 ゚ -゚)「……上がりだ。富豪は私だな」

( ・∀・)「はっはっ、クーさんも強いね。僕はまた平民だよ」

川д川「私も平民です」

lw´‐ _‐ノv「わたしもっ」

(;^ω^)「また貧民だお……」

('A`)「クソッ、また大貧民だ……」


6 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:24:54.83 ID:hWH1Q0Dx0

一応説明しておきますと、私たちがやっているのは大貧民というトランプゲームです。

詳しいルールについては省きますが、シンプルながら案外奥の深いゲームです。

最近は、ヒッキーさんも自然とみんなの輪に入って遊ぶことが多くなってます。


lw´‐ _‐ノv「あっ、そういえば今日は七夕だね」

川д川「ああ、そういえばそうですね」

lw´‐ _‐ノv「短冊でサンタさんにプレゼントをお願いする日だよ!」

川;д川「サンタさんはクリスマスですよ……」

( ^ω^)「あ、七夕で思い出したお!」

( ^ω^)「毎年、七夕の夜、僕のウチで七夕夕涼みパーティーをしてるんだお」

( ^ω^)「よかったらみんな今夜ウチに来ないかお?」

('A`)「ああ、そうだったな……去年もブーンの家に行ったな」


7 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:28:47.05 ID:hWH1Q0Dx0

( ・∀・)「へー、それは楽しそうだね」

川д川「でも……大人数で伺ってはご迷惑ではありませんか?」

('A`)「いや、ブーンの家はすごく広いから、気にすることないと思うぜ」

川 ゚ -゚)「ほう……では私も行っていいか?」

( ^ω^)「どうぞですお! 人数は多いほうが楽しいから、みんな来て欲しいお!」

川д川「では私もお邪魔しますね。ヒッキーさんも行きませんか?」

(-_-)「……じゃあ、行く」

lw´‐ _‐ノv「よし、それじゃあデカいカボチャ持っていくよ!」

川;д川「シューさん、それはハロウィンでは……」

lw´‐ _‐ノv「あ、間違った。じゃあ、年齢分の豆だな!」

川;д川「それは節分です……」


9 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:31:39.50 ID:hWH1Q0Dx0

学校を後にした私たちは、一旦各自家に帰り、準備してから夕方に学校の近くで集まりました。

ここにブーンさんが迎えに来て、家まで案内してもらうことになっています。

川д川「あ、皆さんもういらしてたんですね」

(-_-)「……」

どうやら、ブーンさん以外はもう集まっているようです。

( ・∀・)「やあ、貞子ちゃん。浴衣、よく似合ってるよ」

川*д川「あれ、私だけですか……夕涼みっていうから、浴衣着てきたんですけど。なんか恥ずかしいな」

lw´‐ _‐ノv「いいじゃないか、貞子は本当に浴衣似合うね。ほら、柳の下とかにいそう!」

川;д川「え、それって……」


すると、一台のリムジンがこちらに近づいてきて、私たちの前で止まりました。

そして、運転席からスーツ姿の男性が降りてきました。

(-@∀@)「お待たせしました、皆様」


10 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:34:45.25 ID:hWH1Q0Dx0

川д川「えっ……?」

( ^ω^)「おいすー、僕だお!」

声のしたほうを見ると、リムジンの後部座席からブーンさんが顔を出していました。

(-@∀@)「ホライゾン様のご学友の皆様、ご案内いたしますので、どうぞお乗りください」

ホライゾンというのは、ブーンさんの本名です。

川;д川「は、はい。ありがとうございます」


リムジンは10分ほど走ると、大きなお屋敷の前で止まりました。

(-@∀@)「到着いたしました」

川д川「ここですか……」

そのお屋敷は、もう大きいなんてものじゃありません。

門から玄関まででも、私の家の端から端までくらいあるのではないでしょうか……


12 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:37:40.83 ID:hWH1Q0Dx0

門から玄関に通じる道からは、立派な日本庭園を見ることができます。

lw´‐ _‐ノv「すごい広さだな……敷地内に米粒を敷き詰めるとしたら、何粒必要になることか……」

川;д川「シューさん、例えが分かりづらいです……」


私たちは、ブーンさんと執事のアサピーさんに案内されて、中庭のような場所に来ました。

( ^ω^)「みんなは、ここで待っててくれお! パパとママを連れてくるお」




( ^ω^)「お待たせだお! パパ、ママ、僕の高校の友達だお!」

从'ー'从「あれれー、ブーンちゃんのお友達がたくさんいるよー」

(´・ω・`)「やあ、みんなようこそ。いつもホライゾンが世話になってるね」

( ・∀・)「はじめまして、今日はお招きいただきましてありがとうございます」


14 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:41:14.02 ID:hWH1Q0Dx0

川;д川「は、はじめまして……」

lw´‐ _‐ノv「どうも……あれ、貴方はもしかして、内藤グループの会長では?」

(´・ω・`)「ああ、そうだけど。よく分かったね」

lw´‐ _‐ノv「雑誌でお顔を拝見したことがありまして……」

川;д川「えっ!? 内藤グループって、あの内藤グループですか!?」

内藤グループというのは、様々な事業で拡大を続けている、今最も勢いがあると言っても
過言ではない、企業グループです。

('A`)「ああ、ブーンはああ見えても内藤グループの御曹司なんだぜ」

川 ゚ -゚)「ほう……それは意外だな」


(´・ω・`)「まあ、今日はゆっくりしていってくれよ」

从'ー'从「お料理いっぱい用意してあるからねー」

そう言って、ブーンさんのお父さんとお母さんは、屋敷の奥に消えていきました。


15 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:44:39.90 ID:hWH1Q0Dx0

( ・∀・)「そういえば、ブーンはお母さんにもブーンって呼ばれてるんだな」

( ^ω^)「はいですお。もともとママがそう呼んでいたのを、ドクオが真似して定着したんですお」

lw´‐ _‐ノv「ところで、夕涼みって何するんだ?」

( ^ω^)「うーん……まあ食べたり飲んだりしながら、まったりすればいいんじゃないかお?
      花火ならあるけど、ちょっとまだ早いおね……」

まだ西の空がうっすらと明るく、花火をするにはちょっと早い時間です。

('A`)「じゃあ、ゲームしようぜ! ほらブーン、あれがあっただろ」

( ^ω^)「ああ、そうだおね」

川 ゚ -゚)「ん? あれって何だ?」

( ^ω^)「屋外モニターでテレビゲームをやるのがなかなか楽しいんだお」

川д川「屋外モニターですか……」


16 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:48:16.64 ID:hWH1Q0Dx0

ブーンさんに連れられて、庭の奥へ行くと、巨大な画面が設置されていました。

それは、普通の一戸建ての外壁一面ほどの大きさがありました。

川;д川「これは……ずいぶんと大きいですね……」

('A`)「これこれ、この画面だとやっぱり迫力が違うよな」

( ^ω^)「この画面で体感型ゲームをやると、画面の中に入ったような感覚になるお!」


そう言って、ドクオさんとブーンさんは大画面でゲームを始めました。

どうやら、コントローラーを振ったり、その場で足踏みしたりすることで操作する
体感型スポーツゲームのようです。

川 ゚ -゚)「なるほど……これはなかなか臨場感があるな」

( ^ω^)「4人までなら一緒に遊べるから、みんな一緒にやらないかお?」

( ・∀・)「じゃあ、僕にもやらせてくれるかい?」

lw´‐ _‐ノv「わたしもやりたい!」


17 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:51:33.97 ID:hWH1Q0Dx0

それからしばらく、ドクオさん、ブーンさん、モララー先輩、シューさんの4人で
ゲームをしているのを、私たちは横で見ていました。

(;'A`)「ふう、ちょっと疲れたな……誰か交代しないか?」

( ・∀・)「それじゃあ、僕もそろそろ抜けるよ」

川д川「じゃあ、私もやっていいですか?」

('A`)「ああ、やり方はわかるか?」

川д川「ええ、今見てたので大体は……」

( ^ω^)「あと一人入れるお!」

('A`)「クー、やるか?」

川 ゚ -゚)「いや、私は遠慮しておく」

川д川「じゃあ……ヒッキーさん、一緒にやりませんか?」

(-_-)「……わかった」


19 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:55:30.17 ID:hWH1Q0Dx0

そして、今度はブーンさん、シューさん、ヒッキーさん、私の4人でゲームを再開しました。

実際やってみると、横で見ているのとはまた違って、なかなか面白いです。

川;д川「ハァ、ハァ……ちょっと疲れるけど、なかなか楽しいですね」

( ^ω^)「だお!」

(-_-)「……」

川д川「ヒッキーさん、楽しいですね!」

(-_-)「……うん、まあ」

川д川(あれ……?)


ヒッキーさんは、いつも通りの無表情でしたが、私はいつもとちょっと違うものを感じました。

顔には出ていませんが、何故か私はヒッキーさんが『楽しい』と感じていることがわかりました。

いつも同じようなやり取りをしても、そのようなことを感じたことはなかったのですか……


21 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 21:58:34.46 ID:hWH1Q0Dx0

从'ー'从「ブーンちゃん、飲み物と食べ物の用意ができたよー」

( ^ω^)「あ、ママ、ありがとうお!」


( ^ω^)「みんな、そろそろ休憩にしようお」

川д川「そうですね、ちょっと喉も渇いてきましたし……」

('A`)「腹も減ってきたしな」

( ^ω^)「飲み物いろいろあるお! 僕はコーラを飲むけど、みんなは何飲むお?」

('A`)「俺、ウーロン茶」

川 ゚ -゚)「私もウーロン茶を」

( ・∀・)「僕はジンジャエールをもらえるかな」

川д川「では、私はオレンジジュースをいただけますか?」

(-_-)「……ボクも、それを」


24 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:01:43.57 ID:hWH1Q0Dx0

lw´‐ _‐ノv「わたしはポーションをもらおうかな」

川;д川「え、それは流石にないんじゃ……」

( ^ω^)「あるおー!」

川;д川「あるんですか!?」



食べ物のほうは、屋外のテーブルに並べてあり、立食パーティーのようになっています。

从'ー'从「お料理、いっぱいあるから、たくさん食べてねー」

川д川「いただきます……おいしい!」

从'ー'从「うふふ、そうでしょー」

( ^ω^)「でも、これはママが作ったんじゃなくて、ウチの料理人が作ったんだお」

从;'ー'从「あれれー、ブーンちゃん、それ言っちゃだめだよー」


26 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:05:15.12 ID:hWH1Q0Dx0

('A`)「ふー、食った食った! よし、次は何やろうか?」

川д川「そうですね……だいぶ暗くなってきましたし、そろそろ花火やりませんか?」

( ・∀・)「いいね、やろうよ」

( ^ω^)「じゃあ、準備してくるお!」



('A`)「花火か……俺はやっぱり、ねずみ花火が好きだな! みんなは?」

( ・∀・)「僕はやっぱり普通のが一番かな」

川 ゚ -゚)「花火の醍醐味は、やっぱり噴出花火だろう」

川д川「私は……線香花火ですね」

lw´‐ _‐ノv「わたしは、パイナップル爆弾!」

川;д川「それ、花火じゃないです……」


28 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:08:32.11 ID:hWH1Q0Dx0

川д川「ヒッキーさんは、何が好きですか?」

(-_-)「……別に」

川д川「そうですか……」

やはりヒッキーさんは、あまり興味がないのでしょうか……


( ^ω^)「準備できたお!」

('A`)「よーし、やるぜ!」

川д川「ブーンさんは、何の花火が好きなんですか?」

( ^ω^)「僕は、あれだお!」

ブーンさんがそう言うと、ちょっと離れたところで見事な打ち上げ花火が上がりました。

( ^ω^)「ウチには腕のいい花火師がいるんだお!」

川;д川「す、すごいですね……」


31 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:11:14.61 ID:hWH1Q0Dx0

( ^ω^)「もちろん普通の花火もたくさんあるから、どんどん遊んでくれお!」

( ・∀・)「ああ、そうさせてもらうよ」


みんなそれぞれに、好きな花火を手にとって楽しんでいます。

川д川「ほら、ヒッキーさん! 楽しいですよ」

(-_-)「……」

ヒッキーさんは、黙って線香花火を手に取り、火をつけました。

川д川「……きれいですね」

(-_-)「……」

川д川「……!」

すると、また先ほどのゲームのときと同じように、ヒッキーさんが『楽しい』と
感じているのがわかりました。

ヒッキーさん、もしかすると少しずつ感情が豊かになってきているのでしょうか……?


33 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:14:32.13 ID:hWH1Q0Dx0

川 ゚ -゚)「貞子、ちょっといいか……?」

川д川「あ、はい……」

私は、クーさんに建物の影に呼び出されました。

川 ゚ -゚)「実はな、さっき『カラー』が現れたようなんだ」

川;д川「えっ!?」

川 ゚ -゚)「だが、その反応はすぐに消滅した……」

川;д川「え……ということは……」

川 ゚ -゚)「ああ、ヒッキーの感情が発生したんだ」

川д川「……」

川 ゚ -゚)「それで一応、『カラー』の色を確かめておきたい。ちょっとこれを見てくれ」

そう言って、クーさんは私に携帯の画面を見せました。


35 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:17:27.89 ID:hWH1Q0Dx0

川 ゚ -゚)「これは『カラー』に取り付かれていた人物を携帯カメラで撮って、メールで送ってもらったものだ。
     ……どうだろう、私には見えないが、君には見えるか?」

川д川「あっ……黄色……」

川 ゚ -゚)「そうか! よし、『カラー』はカメラで写しても、君には見えるんだな。
     あとは、この黄色の『カラー』を消滅させた感情が何か、ということだが……」

川д川「それなんですけど……私、さっき、なんとなくヒッキーさんが『楽しい』って
     感じているような気がしたんです……」

川 ゚ -゚)「それは本当か!? だとすると、いい傾向だな……」

川 ゚ -゚)「ヒッキーの感情が豊かになってきているのもそうだが、貞子、君がそれを
     感じ取れるようになってきているということだ」

川д川「……」

川д川「クーさん……でも、本当にこのままでいいんでしょうか?」

川 ゚ -゚)「何がだ?」


37 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:21:04.00 ID:hWH1Q0Dx0

川д川「『カラー』を消滅させるためとはいえ、私のしていることは、ヒッキーさんの感情を
    弄んでいるだけなんじゃないかって……」

川д川「人の感情を、そんなふうに弄んでいいんでしょうか……」

川 ゚ -゚)「しかし、『カラー』を消滅させなければ、人類は滅亡するかもしれないんだぞ!」

川д川「それはそうなんですが……」

川 ゚ -゚)「それに、君のしていることは、ヒッキーのためにも悪いことじゃないと思うけどね」

川д川「そうでしょうか……」

(-_-)「……」


川;゚ -゚)「あっ!」

川;д川「あ……ヒッキーさん……」


40 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:25:05.27 ID:hWH1Q0Dx0

川;゚ -゚)「聞いてたのか……」

(-_-)「……うん」

川;д川「えっと……これは、その……」

(-_-)「……知ってたよ」

川;д川「えっ!?」

川;゚ -゚)「なんだと……」

(-_-)「……君たちは、何か目的があって、ボクが感情を持つようにしようとしているんだろう?」

川 ゚ -゚)「知っていたのか……」

川д川「ヒッキーさん、今まで黙っててごめんなさい……」

川д川「でも、これは人類を救うために必要なことなんです」

川д川「協力して、いただけませんか……?」


43 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:28:21.54 ID:hWH1Q0Dx0

(-_-)「……ボクには、関係ない」

川д川「!!」

(-_-)「……人類が滅びようが、自分が死のうが、ボクにとってはどうでもいいことだ」

川д川「……」

(-_-)「……それに、ボクは自分で自分の感情をコントロールすることができないらしい。
     どれが感情というものなのかもよくわからない」

(-_-)「だから……君たちは、今までどおりにしてくれればいい」

川д川「……」

川ヮ川「はい!」


川 ゚ -゚)「……」


45 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:31:37.98 ID:hWH1Q0Dx0

川 ゚ -゚)「一瞬ヒヤッとしたが、今までも知っていたなら、これで『カラー』を消滅させることが
     できなくなることは、おそらくないだろう」

川 ゚ -゚)「貞子は、今までどおりヒッキーに接してくれればいい」

川д川「はい……」

とりあえず、私はヒッキーさんに本当のことを隠して『気持ちを弄んでいる』というような
後ろめたさがなくなって、スッキリしました。

ですが、それ以上に、私には別の気持ちが芽生えていました。


( ・∀・)「じゃあ、そろそろ僕はおいとまするよ」

lw´‐ _‐ノv「わたしも、そろそろ日課の時間だから帰るよ」

('A`)「そっか……じゃあそろそろお開きにするか?」

川д川「そうですね。じゃあ、ご両親に挨拶して帰りましょうか」


48 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:35:11.21 ID:hWH1Q0Dx0

川д川「今日は、どうもありがとうございました」

(´・ω・`)「うん、楽しんでくれたみたいで、何よりだよ」

从'ー'从「よかったらまた遊びにきてねー」

( ^ω^)「じゃあみんな、バイバイだお!」


(-@∀@)「それでは皆さん、ご自宅までお送りします」


アサピーさんにリムジンで家まで送ってもらって、その日は解散になりました。


今日、私が思ったのは、次のようなことです。

これまでは、クーさんに言われるまま、『カラー』を消滅させなきゃっていう思いしかありませんでした。

でも今は、ヒッキーさんに感情を持てるようになってほしいという気持ちが強いです。

それは、ヒッキーさんにとっては、どうでもいいことなのかもしれません。

いえ、もしかしたら、辛いことのほうが多いかもしれません。


50 名前: ◆Iu0alg2vgI 投稿日:2009/10/11(日) 22:39:20.17 ID:hWH1Q0Dx0

それでも、余計なお世話かもしれませんが、ヒッキーさんは感情を持てるようになったほうがいいと思うんです。

私だって、感情表現が豊かなほうではないですが、楽しいときは楽しいと感じますし、悲しいときは悲しいと感じます。

それって結構大事なことだと思うんです。

だって、生きてるんですもの。

感情がないんじゃ、生きてる意味がないような気がするんです。

楽しいときに、一緒に『楽しい』って感じられることって、素敵じゃないですか。




私は、短冊にこう書いて、小さい笹に吊るし、机の隅に飾りました。


『ヒッキーさんが、もっと感情を持てるようになりますように』




第四話完、続く



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