( ^ω^)ブーンは呪われたようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 17:30:00.35 ID:MXV4tX44O

第六話「復讐の思いの末」

ブーンが目を覚まし、5人がテントに戻ったのは太陽が地平線からその姿を全て現した頃だった。

テントに戻る道すがら、ブーンは死体の山の上で黒いヒトガタを見たということ、それが言った内容を出来るだけ忠実に全員に話す。

誰も何も言わなかった。

ハインは羽を揺らして軽く鼻をすすり、ギコは俯いて唇を噛み締めて。
彼の拳が震えているのに誰もが気付いていても、何と声をかければいいものか分からなくて。

生臭く、腐臭が漂う森の中を死体を避けて進み、虫で埋め尽くされた死体の破片に小動物が群がるのをただ黙って見ていることしかできず。

从 ゚∀从「何なんだよ、あいつッ!何でオレ達を戦わせるように仕向けたんだ?!何で皆殺しにしたんだ!?訳わかんねーよ!!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 17:32:01.39 ID:MXV4tX44O
沈黙にも死体の臭いにも全てに耐え切れなかったハインが叫んで仲間の死体に集る虫や小動物を蹴散らした。

それを見て慌てて止めようとする兄者と弟者。
その様子を少し遠くから見ていたギコが、不意に口を開いた。

(,,゚Д゚)「…おいブーン、あんた確かVIP王国に行くっつったよな?」

(∪ ^w^)「元の姿になる手がかりを探しに行くお」

(,,゚Д゚)「……ここに来る道中、三日月模様の化けもんと戦って来たって言ったよな?」

(∪ ^w^)「……。…言ったお。でも、あの黒い奴を見たのは今日が初めてだお」

(,,゚Д゚)「でも、もうほとんど人がいなくなったこの森よりはアイツと遭遇する確立は高いよな」

(∪ ^w^)「…………」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 17:34:08.11 ID:MXV4tX44O
(,,゚Д゚)「連れてってもらうぜ、あいつに遭遇するまで。あいつの手がかりを見つけるまで。
俺はあいつに会って仲間の仇を討たなきゃならねぇ。それに…。まだ生き残ってる奴がいるって話だしな」

(∪ ^w^)「…………」

ブーンは、ギコが旅に着いて来るというのをすぐには了承出来ないでいた。

あの黒いヒトガタの言うことが本当なら、憎悪も悲哀も殺意もたっぷり抱えたギコ達は格好の標的になると思ったから。

しかし、ここに置いて行ったとしてもあまりにも危険なのも確かだ。

勝ち目は全くなくても、ブーンや兄者たちと一緒に旅をした方が少しは安全だろう。

だとしたらギコと境遇が同じハインも一緒に来てもらう必要がある。

そこまで考えてから、ブーンは頷いた。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 17:35:14.82 ID:MXV4tX44O
(∪ ^w^)「ギコもハインも一緒に行くお!」

(,,゚Д゚)「そう来なくちゃな!でも、出発はちょっと待って欲しいんだ。仲間がこのままじゃいくらなんでも浮かばれねぇ」

ギコはそう言うと、未だにむちゃくちゃに暴れているハインに近づいて何やら話し始めた。

その様子を不思議そうに見つめる兄者と弟者。
その二人の足元に近づいて、ブーンは声をかける。

( ´_ゝ`)「おいブーン、一体どうなったんだ?」

(∪ ^w^)「ギコとハインが仲間になったお!」

(´<_` )「へー、それは心強い」

(∪ ^w^)「埋葬するみたいだから、手伝ってほしいお!」

( ´_ゝ`)「よし、虫嫌いだけど手伝うか」

(´<_` )「お前……」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 17:36:16.71 ID:MXV4tX44O
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死体の埋葬が終わったのは真昼。

辺りに残るのは行き場を失った小蝿と、臭いと血のみとなった。

妖精が住まう白い森。

今は数多くの死体が眠る死の森。

短い黙祷を捧げ、ギコとハインはブーン達一行に合流した。

罠にはめられ、お互いを憎んで殺しあったふたつの種族の生き残りは、一つの目的を果たす為に歩き出した。


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