- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:42:08.77 ID:boC1Cnli0
ねがいごとその1【厨二病】
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:43:32.06 ID:boC1Cnli0
- 地元の高校ではないが片道徒歩20分の進学校の私立VIP高校に入学した
が、元々友達のいないブーンはいつも一人だった
しかしそんな当時、友達のいない少年ブーンにはたった一つだけ楽しみがあった
それは放課後の誰もいない教室で例のごとく、架空の設定でキャラを演じることである
しかしある日、演技に熱が入りすぎてクラスメートが忘れ物を取りに戻ってきたことも気付かずにいたことがあった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
( ^ω^)「ヤツらの狙いは俺の持つ氷結のエレメンタル・コア(自然の力を持つ核という意味にしてる)のブルーサファイア!!(本当は蒼いビー玉)」
( ^ω^)「だが、これを狙いに来るとなると一般人を巻き込む可能性が高いな」
( ^ω^)「(窓から眺めながら)ふん、グラウンドで球蹴りとはこの学校のヤツらはのんきな連中だ」
( ^ω^)「クソ、本部(自分が所属する秘密結社)のヤツらはここを戦場にする気か!!」
そしてくるりと向きをかえたときだった
( ゚ω゚)「……!?」
('A`)「……」
ブーンの目に飛び込んできたのは一人のクラスメートだった
( ゚ω゚彡゚ω゚)「ぁうふぁnんdこknなtぃnd!!!」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:45:10.07 ID:boC1Cnli0
- まさか人がいたという驚きと全て見られていたのだという羞恥心から意味不明な言葉を発するブーン
('A`)「あー気にするなって…昔は俺もよくやったし」
しかし意外にも彼はブーンの行動を気味悪がったりしなかった
これがブーンとドクオの交わした最初の言葉である
やがて二人は親友になり、ブーンは他のクラスメートとも打ち解けることができるようになった
以来、ドクオとは架空の設定とキャラになりきって会話をする遊びを冗談で始めたがいつの間にか設定に凝りだし、割と本気でするようになった
そのドクオが最近様子がおかしい
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:46:11.01 ID:boC1Cnli0
- ( ^ω^)「ドクオがおかしいお」
(;'A`)「いや、普通に戻ったんだって」
( ´ω`)「…」
結局その後は会話も無いまま学校にたどり着いた
昇降口の前に来た時、ようやくドクオが口を開く
('A`)「いいか? 俺達はいつまでも夢ばっか見てられないんだ…」
(;^ω^)「そんな…ドクオ…」
('A`)「もう、終わりにしようぜ…こんな
くだらない遊びをするのは
と、ドクオは言おうとしたのだろう
しかし次の瞬間だった
「待ってくれ!! 君との関係を終わらせたくないんだ!!」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:47:20.74 ID:boC1Cnli0
- ('A`)「え!?」
(;^ω^)「いや、僕じゃないお」
二人は後ろを振り返った
(*´Д`)「ハァ…ハァ…僕達は…本当にこのまま終わらせていいのかい!?」
ξ#゚听)ξ「うっさい!! 私はアンタなんか知らないし、何の関係もないわよ!!」
そこにいたのは足の関節を曲げずに物凄いスピードで歩く息の荒いのブサ男と、肩で息をしながら男に敵意をむき出しながら逃げるツインテールの女の子だった
(*´Д`)「またいつもみたいにツンツンしちゃって…でもそこも可愛いんだぞ…タハッ」
周りにいた人は唖然としながら二人の様子を目で追う
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:48:52.06 ID:boC1Cnli0
- ξ#゚听)ξ「だからアンタなんか知らないって言ってるでしょ!! キモイのよ!!」
(*´Д`)「もう!! 誉めるか罵るかはっきりしてよ!!」
ξ#゚听)ξ「誉めてない!! 来くるな!! キショイ!!」
やがて二人の姿は見えなくなった
(;^ω^)「……」
(;'A`)「……」
(;^ω^)「なんかアニメのワンシーンみたいだお」
('A`)「ふん!! たまたまだろ!!」
( ^ω^)「?」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:50:44.94 ID:boC1Cnli0
- ドクオが吐き捨てるようにそう言うのを、ブーンは疑問に感じた
しかし追いかけられてた子が確か同じ学年だったことを思い出し、何組だろうかと考えていたらすっかりどうでもよくなった
( ゚∀゚)o彡゜「おう、ブーン、ドクオ!!」
(´∀`)「二人ともおはようモナー」
( ^ω^)('A`)「おはよう」
教室に入るとクラスメートのジョルジュとモナーが駆け寄ってきた
サッカー部に所属する気の強いジョルジュとは対照的にモナーはおとなしめな性格をしていた
普段からこの4人で行動しているがそれぞれ違うタイプの性格にもかかわらず、不思議と会話は止まらない
( ゚∀゚)「なぁ、聞いてくれよ 卓球部のヤツらが校庭で練習したいからサッカー部は週一回はグラウンドを開けてくれっていうんだぜ?」
('A`)「いいじゃん週に一回くらい」
(´∀`)「きっと卓球部も体育館の隅ばっかじゃなくて走り込みもしたいんだモナ」
( ゚∀゚)「んなもんグラウンド空けなくても出来るだろ? しかもインターハイを来月に控えてて週に一回も休めるわけねぇっての」
( ^ω^)「サッカー部への嫌がらせだおw」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:52:32.35 ID:boC1Cnli0
- ( ゚∀゚)「ああ、本当にそうとしか思えねぇ…
当然断ったがヤツら、勝負をして決めないかとか言い出したんだよ」
('A`)「…勝負?」
( ゚∀゚)「それもPK戦だぜ? ピンポン玉打ち合ってるヤツらがまともにボール蹴れるわけねえだろ?
何考えていやがるんだ?」
(´∀`)「でももし負けたら〜?」
( ゚∀゚)「だははは!! 負けるはずねぇな!!
負けたらグラウンドは毎日貸してやって俺らは体育館の隅でスクワットしてやるよ!!」
教室に4人の笑い声が響く
まさかこの後スクワットを本当にするなど夢にも思わず…
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:53:56.29 ID:boC1Cnli0
- ―――――――――――――――
校舎の反対側にある多目的ホールの2階では二つの部活動が並列に向き合いながらいがみ合っていた
剣道部と柔道部だ
川 ゚ -゚)「どういうつもりだ? 柔道部、この剣道場を明け渡せとは」
長い黒髪を腰まで垂らした女が一歩前出る
( ^Д^)9m「そのまんまの意味だ
お前らめんめんうっせーし上からドスドスされると響いてこっちが集中して練習出来ねえんだよ」
人を不愉快にさせる不気味な笑みで真っ白な柔道衣を羽織った男が女の前に出る
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:54:56.12 ID:boC1Cnli0
川 ゚ -゚)「地区大会止まりの部長が偉そうなことを言うじゃないか
先週の県大会予選落ちの言い訳を剣道部に向ける気か?」
彼女は壁や神棚に飾ってある数々の賞状やトロフィーをわざとらしく眺めながらそう言った
(;^Д^)「…ぐっ」
川 ゚ -゚)「むしろ下の柔道場をこちらに明け渡してほしいくらいだ トロフィーの置き場に困っててな」
剣道部の部員達は一斉に笑いだす
VIP高校の剣道部は伝統があり、昔から全国大会の常連だった
去年も、部長であるクーは個人戦で全国4位という成績だった
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:56:15.21 ID:boC1Cnli0
- #^Д^)「黙れ!! こうなったら力ずくで奪ってやる!!」
川 ゚ -゚)「ほう、ならばこちらも正当防衛だな?」
クーは竹刀を柔道部の部長であるプギャーに向ける
( ^Д^)9m「やるんならせめてちゃんと面かぶれよ? いくらお前が女だからって容赦しないんだぜ?」
すると今度は柔道部の部員達が笑いだす
川 ゚ -゚)(一体何がおかしいんだ…!? こいつら本気で素手で剣道にかなうと思ってるのか?)
( ^Д^)「さて、戦闘開始だ!!」
2階の剣道場は大混戦に陥った
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:57:37.34 ID:boC1Cnli0
- しかし柔道部は竹刀をもろともせず一瞬にして軽々と剣道部の部員を持ち上げ数メートル先までぶっ飛ばす
川;゚ -゚)「…!! どうなってるんだ…!!」
あちこちで竹刀の折れる音と共に剣道部員達が倒れてく
(><;)「部長!! 竹刀が全て折られました」
川;゚ -゚)「なんだと!? 素手で竹刀を折るなんて…ありえん!!」
( ^Д^)9m「プギャーwwww剣道部弱えー!!」
川;゚ -゚)「…くそ!!」
柔道部に次々と倒されていく剣道部
しかも柔道部はほぼ無傷だ
( ^Д^)「さて…そろそろ大将戦で決着をつけようか…」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/01(土) 23:59:19.18 ID:boC1Cnli0
- 川;゚ -゚)「こうなったら…ビロード!! まだ立てるか!?」
(;><)「…はい!!」
副部長であるビロードが息も絶え絶えに応える
川;゚ -゚)「あれを持ってきてくれ!!」
(;><)「了解です!!」
次々と襲ってくる柔道部をくぐり抜け、神棚の裏に隠してある二本の竹刀を取り出し、クーに向かって投げた
クーはそれを素早くキャッチする
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:00:54.29 ID:VjOd9bC50
川 ゚ -゚)「さあ、本番はこれからだ!!」
長さの違う赤いメタリックな二本の竹刀をプギャーに向ける
川 ゚ -゚)「特注のカーボン製竹刀だ これはいくらなんでも折れんぞ?」
全国大会では『両刀の赤い魔女』として恐れられた彼女にはこれ以上負けられないというプライドがあった
( ^Д^)9m「プギャーwwwwいくらお前が本気出したって勝てるわけねえ、何の力も持たねー一般人ごときがな!!」
川;゚ -゚)「…どういう意味だ!?」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:01:53.47 ID:VjOd9bC50
- ――――――――――――――――
剣道部と柔道部の小競り合いをモニター越しに見物する男はニヤリと笑った
( ・∀・) 「…順調のようだな」
扉に生徒会室と書かれたこの部屋の室内はいくつものコンピューターに囲まれている
そしてモニターにはそれぞれ学校の様子がカメラでリアルタイムで映し出されていた
(*゚ー゚)「失礼します」
胸元に生徒会のバッジをつけた女が部屋に入る
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:03:02.35 ID:VjOd9bC50
( ・∀・) 「卓球部の件はどうだ?」
(*゚ー゚)「サッカー部が現在検討している様子です」
( ・∀・) 「そうか、ご苦労だった」
(*゚ー゚)「それよりも会長、2年6組のツンという女子生徒に心当たりありませんか?」
( ・∀・) 「いや、知らんな 何故聞くんだい?」
(*゚ー゚)「…それが…こちらのリストに名前が無いにも関わらず、例の力を使っているとの情報が…」
(;・∀・) 「バカな!! それは絶対にありえん!!」
(*゚ー゚)「至急調査を?」
( ・∀・) 「ああ、頼んだ 俺は多目的ホールに行かなければ…そろそろ教師共が乗り込むはずだからな」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:03:52.79 ID:VjOd9bC50
- あれから数日が経ったVIP高校には、些細な変化が起きていた
ブーン達も普段の会話もそんな話題で持ちきりだった
( ^ω^)「風紀委員会が活動停止?」
(´∀`)「最近、よく校内紛争が起きるのにそれを取り締まるはずの生徒自治会が機能しなくなるなんておかしいモナ」
('、`*川「そうなのよ……なんか物騒よねぇ」
落ち着き払った声でペニサスは言う
彼女はブーン達と同じクラスメートで、大の噂好きで校内で誰が付き合っているかなどを誰よりも早く情報を入手し、彼女経由でたちまちそれが広がる
そして時々ブーン達の会話に入ってくるのだ
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:05:03.49 ID:VjOd9bC50
- (;゚∀゚)「お…おはよう…」
('A`)「今登校かよ? もう昼だぜ?」
(;゚∀゚)「筋肉痛で足が動かねぇんだよちきしょー!! 卓球部のヤツら…くそう!!」
(´∀`)「そういえば例の勝負でボロカスにやられたんだったね」
(#゚∀゚)「ボロカス言うな!!」
( ^ω^)「てかなんで勝負なんかしたんだお?」
(;゚∀゚)「俺たちが勝ったら卓球部の一年分の部費をくれてやるっていうからつい…」
(´∀`)「ところがまさかの敗北で毎日体育館でスクワット」
( ;∀;)「…」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:07:09.14 ID:VjOd9bC50
- (;゚∀゚)「でもヤツら人間技じゃねえよ、プロも真っ青な超高速シュート打ってくんだぜ?」
('A`)「…」
(´∀`)「言い訳」
(;゚∀゚)「ぅう…」
ジョルジュは頭を抱えてしゃがみこんだ
ブーンはここでスクワットを始めるのかと思ったがジョルジュはそのまま動かずにブツブツと小言を言い出した
( ∀ )「…どうせ俺たちサッカー部は関東大会出場の弱小チームですよ…」
( ∀ )「アイツらが青空の下でピンポン玉を打ち合ってる間に俺らは体育館の片隅で、
バレー部とバスケ部に哀れな目で見られながらスクワットだ」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:10:06.97 ID:VjOd9bC50
('、`;川「流石にグラウンドで卓球はないわね…」
( ^ω^)「てかそもそもスクワットするって勝手に言い出したのはジョルジュだお」
( ゚∀゚)「…いずれにしても練習出来ねーよ!!」
そう言ってまたジョルジュはしゃがみこんだ
(´∀`)「そういえば剣道部も今活動停止中だったモナ」
('、`*川「確か柔道部と何かあったって言ってたわねぇ」
('A`)「クーも最近学校来ないしな…」
川 ゚ -゚)「私がどうしたって?」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:13:05.63 ID:VjOd9bC50
- 驚いた一同は一斉に彼女の方を向いた
('、`*川「クー!! あんたどうしてたのよ、剣道部も大変なときに…」
川 ゚ -゚)「ちょっと心が折れてな…」
あの柔道部との争いに大敗を期した剣道部は再起不能なまでに志気を下げられてしまった
プギャーに空中に高々と放り投げられたクーは腕を傷め、同時にプライドをズタズタにされてしまい、床に打ちつけられてしばらく動けなかった
そしてグニャグニャに曲がった竹刀を家の物置にしまい込み、二度と触ることは無いだろうと誓ったのだ
川 ゚ -゚)「剣道は…もうやめたんだ…これからは受験に向けて勉強しないと」
( ^ω^)「……」
クーまでどうしてしまったのだろう…
ブーンは急にドクオと同じことを言い出すクーに不安を覚えた
二人共本当に将来を考えて受験勉強をしようとしているのだろうか
そして他の仲間達もやがて同じことを呟くのだろうか
遠くを見つめながら自分の席に着くクーは、どこか心あらずだった
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:13:55.11 ID:VjOd9bC50
- ――――――その日の帰り
ブーンはいつものようにドクオと帰った
( ´ω`)「今日のクー…元気なかったお…」
('A`)「…そうか?」
ドクオは英語の参考書を開きながら歩く
( ^ω^)「ないお…それに最近はなんでこんなに部活同士で衝突が起こるんだお…?」
('A`)「…さあ?」
( ^ω^)「卓球部も変だお…わざわざグラウンド使って練習なんて意味不明だお」
('A`)「ええと…ここの文は関係代名詞だから……」
( ^ω^)「…」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:15:17.33 ID:VjOd9bC50
最近のドクオとの帰りは常にこんな感じだ
二人にはあまり会話はない
最近の不可解な出来事についてドクオと話そうとすぐに話をそらされてしまう
かといって仲が悪いわけではない
授業で分からないところを教えてくれるし、休み時間もいつも一緒に過ごしていた
('A`)「それじゃまた明日な」
( ^ω^)「え…あ…うん」
ドクオと別れて一人家に向かう
この家までの一人の道が何故か不安になる
男子高校生が帰りの道の一体何に不安になるというのだろう バカバカしい
そう思いつつも周りを見回すブーン
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:16:41.37 ID:VjOd9bC50
- ∵)
( ^ω^)「…」
( ∵)
(;^ω^)「…」
いつの間にか一人の小柄な男が全くの無表情のまま目の前に立っていた
…ブーンを見つめながら
( ∵)「あの…」
(;^ω^)「は…はい?!」
まずい、話しかけられた
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:18:03.26 ID:VjOd9bC50
- ( ∵)「いいものあげるから、こっちへおいで」
(;^ω^)「結構です」
なんということだろう
どう考えても不審者だ
それも…そっちの気があるようにしか思えない
ブーンは反射的に尻を隠し、後ずさりをする
男は相変わらず無表情のままブーンを見つめている
( ∵)「困るんだよね、一度姿を見られた以上は最後までやることやってもらわないと」
( ゚ω゚)(なんか物凄いヤバい!!!)
( ∵)「キミだって悪い気はしないさ、なんたって願いを叶えてやるって言ってるんだから」
一刻も早く逃げ出したいのに何故か足が動かない
( ゚ω゚)「ぁ…ぅ…」
しかもこんな時に限って声すら出ない
汗が全身から吹き出る
( ∵)「さあ受け取ってくれ、キミは選ばれたんだ」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:18:45.84 ID:VjOd9bC50
- 男は身動きの取れないブーンに黄金に輝く蓋の付いた小さな水差しのような器を渡そうとした
( ゚ω゚)「…ぅ!!……あ!!」
片手で尻を押さえ、もう片方の手で必死にその器を拒むブーン
これで先端を突っ込むつもりかと本気で思った
( ∵)「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない、ほら」
男はブーンの胸元に強く容器を押しつけた
( ∵)「それじゃあ後は任せたよ」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:20:53.86 ID:VjOd9bC50
金色の容器は地面に転がったが男は気にも止めず、その場を去った
…というよりも消えた…?
自己防衛に必死だったブーンはそれすらよく覚えてなかったが、
とりあえず体が自由に動けるようになったことに気づき、安堵感でぺたんと膝をつく
(;´ω`)「…酷い目にあったお…」
ようやく落ち着いたブーンは男が残した容器を恐る恐る拾いあげる
いかがわしい物だと思ったが、よく見ると細かい装飾が施され、
骨董品に素人な自分でもそれなりに値打ちのありそうなものだと分かった
しかもこの形はどこかで見たことある
( ^ω^)「…思い出したお!! カレーのルーを入れる器みたいだお」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:22:50.07 ID:VjOd9bC50
- 本格的な洋食屋さんでカレーを頼むとルーとご飯を別に出される
そのときにルーが入ってる容器にそっくりな形だ
でもカレーを入れるには小さすぎたし、普通にインテリアとして飾るのも悪くないかもしれない
そんなことを考えながら中に何か入ってるのかと気になってブーンは蓋を開けようとする
( ^ω^)「ん……?」
開かない 蓋は随分と固い
(#゚ω゚)「フオオオオ!!」
思いっきり引っ張ってみる
……その時だった
急に口の部分からモクモクと煙が出始めた
…そして次の瞬間―――――
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/08/02(日) 00:26:10.67 ID:VjOd9bC50
- 「やあ、ランプの妖精ショボーンの登場だ」
/⌒丶
(´・ω・)
_ノ 丶 ノ \_
`/ γ  ̄Y ̄ Y 丶
( イ三ヽ人_/ケ )
i ノ⌒\ ~ ̄ ̄ヽ -イ
丶___>、___ノ
|( 王 ノ〈
/ミ`ー―彡丶
/ 丶_/ |
| Y ノノ
( ゚ω゚)「…!?」
to be continued.....
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