( ^ω^)ブーンのエピローグのようです

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:20:00.72 ID:Wr4boyzsP


第十二話【巨人と龍】

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:21:41.12 ID:Wr4boyzsP
「ぱっと見一万はいます」

ギコの側近らしき男が言った。

('A`)「どうするんだ?」

( ゚∀゚)「どうするも、ここで止めなきゃ奴らはVIPに行くだろ」

( ^Д^)「ここで兵が減るというのも……」

(,,゚Д゚)「オークが一万。余裕だな」

ギコがプギャーの心配を笑い飛ばした。
こちらの方が地形的に高いおかげか。
オークの大軍は俺たちに全く気づいていない様子だった。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:23:43.27 ID:Wr4boyzsP
(,,゚Д゚)「魔法矢、構え」

ギコが手を挙げた。
前列の弓兵が矢を引き絞り、後列の魔法使いが杖をかざす。

(,,゚Д゚)「ひきつけて……」

地鳴りとともに、オークたちがすぐ下にまで近づく。

(,,゚Д゚)「放て!」

ギコが叫ぶと同時に、数百数千という矢が放たれる。
炎と雷を纏い、オークへと降り注ぐ。
突然の攻撃に隊列が一気に崩れた。
オークのほとんどは、まだ何が起きたのかすら理解できていなかった。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:26:04.09 ID:Wr4boyzsP
(,,゚Д゚)「殲滅しろ!」

ギコを先頭に、騎馬隊が一気にオークの大軍に雪崩れ込む。
慌てふためくオークたちを、あっという間に蹴散らしていく。

( ゚∀゚)「よっしゃ、俺たちも行くぞ!」

ジョルジュが叫びながら手綱を引いた。

( ^Д^)「オークなら俺らでもなんとか倒せますかね」

( ´_ゝ`)「当然だろ」

兄者がオリハルコンの剣を抜いた。

('A`)「あれ? 兄者が剣抜いたの初めてじゃね?」

(;´_ゝ`)「うっ……」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:28:11.87 ID:Wr4boyzsP
(,,゚Д゚)「一人たりとも逃がすな!!」

ギコの叫び声が聞こえる。
散り散りになったオークの群れに追い討ちをかける。

( ^Д^)「食らえ!」

プギャーがオークの首を切り落とした。
さらに後ろからの槍を防ぎ、腕を斬り飛ばす。

('A`)「馬に乗るのは初めてじゃないのか?」

( ^Д^)「馴れました!」

プギャーが見事な馬捌きで敵を蹴散らしていく。

(,,゚Д゚)「やるじゃないか。うちの騎馬兵に欲しいくらいだ」

( ^Д^)「マジッスか!?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:30:22.54 ID:Wr4boyzsP
あたり一面、オークの死体で埋め尽くされていた。
あっという間だった。
ほとんど反撃の隙も与えずに、一万のオークを殲滅してしまったのだ。

(,,゚Д゚)「これがVIPの実力だ」

ギコがオークの首を放り投げて言った。
返り血を浴びたその姿は、まさしく“戦士”だ。
かつてVIPが大陸を支配していたのも頷ける。

( ゚∀゚)「ま、所詮オークだしな。こんぐらいで実力とか言われても」

(,,゚Д゚)「すぐに見せてやるさ」

ギコはジョルジュの嫌みに笑って答えた。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:32:12.73 ID:Wr4boyzsP
(,,゚Д゚)「ニュー速は目の前だ! 奴らに地獄を見せてやろう!」

ギコが剣を掲げ、兵士たちに向かって叫んだ。
兵士たちが雄叫びをあげる。

( ^Д^)「うおおお!!」

(;´_ゝ`)「なんだよ、うるせえな」

( ^Д^)「燃えてきましたね!」

( ´_ゝ`)「ああそう」

( ^Д^)「ギコさんはカッコいいなあ」

プギャーが尊敬の眼差しでギコを見つめた。

( ´_ゝ`)「そうか?」

( ^Д^)「あれこそ真の男ッスよ!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:33:59.87 ID:Wr4boyzsP
(;´_ゝ`)「門でかいなあ……」

兄者が呟いた。
確かに、近くで見ると想像以上に大きい。

('A`)「おい、見ろ」

堅く閉ざされていた黒い門が、ゆっくりと音をたてながら開き始める。

( ゚∀゚)「お出迎えみてえだな」

ジョルジュが杖を構えた。

('A`)「閉まったままよりはマシだよな」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:36:16.82 ID:Wr4boyzsP
さて、何が出てくるか。
数万のオークか、それとも人間か。
はたまたワイバーンの大群か。
隣で兄者が唾を呑んだ。
プギャーや、VIPの兵士たちも緊張した面持ちで門の奥を見つめている。

(,,゚Д゚)「来るぞ」

門が完全に開く。
門の奥の暗闇の中で、何かが動いた。

(;'A`)「!?」

(;゚∀゚)「避けろ!」

ジョルジュが叫んだ。
それと同時に、巨大な棍棒が飛んできた。
俺たちの頭上を通り過ぎ、轟音をたてて後ろの隊列に突っ込んだ。
今ので百人は潰されただろう。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:38:17.96 ID:Wr4boyzsP
(;´_ゝ`)「なんだ今の!?」

うなり声が辺りに響き渡る。

(;^Д^)「巨人だ!」

地響きと共に、門の奥から巨人が現れた。
普通の人間の数倍の身長。
それが十体。
小さな塔くらいある棍棒を振り回し、俺たちを見下ろした。

(,,゚Д゚)「おい」

ギコが振り返った。

(,,゚Д゚)「兵を少し貸す。おまえたちはそれを率いて、巨人の横を抜けて先に城内に入れ」

('A`)「残りはどうするんだ?」

(,,゚Д゚)「こいつらを片付けてから向かう」

('A`)「わかった」

兵士の一団が、俺たちの後ろについた。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:40:05.49 ID:Wr4boyzsP
巨人たちが雄叫びをあげて走ってくる。
地面が揺れる。

( ゚∀゚)「潰されんなよ!」

ジョルジュがそう叫んで馬を駆った。
俺たちもその後に続く。

「一匹たりとも通すな!」

巨人が叫び、空気が震える。

(,,゚Д゚)「あいつらを援護しろ!」

後ろでギコが叫ぶのが聞こえた。
目の前の巨人に魔法矢が降り注ぐ。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:41:59.29 ID:Wr4boyzsP
「死ねぇ!」

(;'A`)「うおっ!?」

とっさに手綱を引く。
すぐ真横に棍棒が振り下ろされた。
前方で別の巨人が棍棒を薙払うのが見えた。
たくさんの兵士たちが吹き飛ばされていく。

(;'A`)「!!」

真っ正面に巨人の足が迫ってきていた。

(;'A`)「ちっ!」

避けきれない。
俺は馬から飛び降りた。
直後、俺の乗っていた馬が蹴り飛ばされた。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:44:01.68 ID:Wr4boyzsP
(;'A`)「くそっ!」

巨人が俺を踏み潰そうと、足をあげた。
地面を転がってそれを避ける。
落ちていた剣を手にとる。

('A`)「食らえ!」

巨人の足の指を斬り落とす。
巨人が悲鳴を上げた。

「この虫けらがァ!!」

(;'A`)「うおっと」

身を屈める。
頭上を棍棒が掠めた。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:46:52.59 ID:Wr4boyzsP
「ぶっ殺してやる!」

剣を投げ捨て、杖を構える。
巨人が腕を振り上げた。
体が大きいだけあって、隙も大きい。
俺は巨人の目めがけて稲妻を放った。

「ぎゃああああああ!!」

巨人が目を押さえて叫ぶ。

( ^Д^)「ドクオさん!」

後方から、プギャーが馬で走ってくるのが見えた。

( ^Д^)「乗ってください!」

プギャーの手を取り、馬に飛び乗る。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:48:59.93 ID:Wr4boyzsP
「逃がすかァ!!」

巨人が片目を押さえながら追ってくる。
さらに、前方で二人の巨人が棍棒を振り回している。

( ^Д^)「援護してください!」

('A`)「任せろ!」

プギャーが巧みに手綱を操る。
棍棒と棍棒の隙間をすり抜ける。
すれ違うと同時に、俺は巨人の手に雷撃を浴びせた。
手から離れた棍棒が、後ろから追ってきた巨人の顔に直撃した。

( ^Д^)「やった!」

背後で、巨人の巨体が地面に崩れた。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:51:03.63 ID:Wr4boyzsP
( ^Д^)「このまま行きますよ!」

巨人の足下をすり抜けていく。

('A`)「やるじゃん」

( ^Д^)「でしょ?」

プギャーが誇らしげに振り返った。

(;'A`)「バカ、前を見ろ!」

( ^Д^)「余裕ッスよ!」

プギャーが笑いながら巨人の股をくぐり抜ける。
とても初めて馬に乗ったとは思えない。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:53:39.61 ID:Wr4boyzsP
巨人たちの猛攻をすり抜け、門をくぐり抜けると、目の前が一気に開けた。

(;^Д^)「スゴいッスね……」

俺の前でプギャーが呟いた。
俺たちのいる大広場からニュー速の全景が見渡せた。

('A`)「……」

魔王城を初めて見た時の衝撃に近かった。
いや、それ以上かもしれない。
底が見えないくらい深い巨大な穴。
その真ん中に岩の塊が浮かんでいる。
そしてその上で、所狭しと犇めくたくさんの塔。
炎の赤い光が点々と揺らめき、暗闇を照らす。
ひと際大きな三本の塔が中心にそびえ立っている。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:55:54.13 ID:Wr4boyzsP
( ゚∀゚)「とても人間の作れるものじゃねえな」

いつの間にかジョルジュが隣にいた。
俺たちの周りには数百の兵士たちが集まっていた。
なんとかこれだけ門を突破できたのか。

(;´_ゝ`)「いたたた……」

ジョルジュの後ろには傷だらけの兄者が乗っていた。

( ゚∀゚)「こいつ、落馬しやがったんだぜ」

(;´_ゝ`)「馬なんて大嫌いだ」

兄者が服についた土を払いながら悪態をついた。
その時、背後で轟音がした。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/25(木) 23:57:51.17 ID:Wr4boyzsP
「巨人が追ってきたぞ!」

巨人が棍棒で薙払う。
まるで木屑のように兵士たちが宙に舞った。

(#゚∀゚)「ちくしょう! ギコの野郎は何してんだ!」

ジョルジュが舌打ちした。
こんなところで兵を失いたくはない。

('A`)「巨人一人なら俺たち二人で倒せる。兵士たちを先に進ませよう」

( ゚∀゚)「良い案だ」

ジョルジュが馬から飛び降りた。

('A`)「プギャー、おまえが兵を率いろ」

(;´_ゝ`)「なんでプギャー? そこは俺だろうが」

( ^Д^)「ドクオさんたちは?」

('A`)「すぐに追いつく」

馬の上から飛び降りて、杖を構える。
プギャーの掛け声とともに、兵士たちが先へと進んでいく。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:00:09.05 ID:evIkWvp+P
「残ったのは虫けら二匹か」

巨人が黄色い歯を見せて笑った。
巨人には二種類いるという。
自然をこよなく愛し、争いを嫌う“知の巨人”。
殺戮を好み、冷血かつ残忍で躊躇なく人を殺す“血の巨人”。
コイツは間違いなく後者だ。

「たった二匹で俺に勝てるとでも?」

巨人が血のように赤く輝く腕輪を見せつけた。
紅蓮の腕輪は最も多くの敵を殺した証だと、昔出会った知の巨人に聞いた。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:01:51.12 ID:evIkWvp+P
( ゚∀゚)「その腕ごと切り落としてやんよ」

ジョルジュが杖を回しながら挑発した。

「チビの割には口がデカいな。捻り潰してやろう」

巨人が棍棒を振り上げた。
さっきまでのヤツらの数倍速い。

( ゚∀゚)「おっと」

ジョルジュが横に跳んでそれをかわした。
広場の石畳が割れて砕け散る。
砂埃が巻き上がり、視界が奪われる。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:03:58.49 ID:evIkWvp+P
「死ねぇ!」

('A`)「!!」

とっさに身を屈める。
頭上を巨大な棍棒が掠めた。
棍棒が城壁にめり込み、巨人に一瞬の隙ができた。

('A`)「そこだ!」

雷の槍を巨人の心臓目掛けて放つ。
だが巨人は瞬時に体を反らしてそれを避けた。
反応の速さが巨人とは思えない。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:05:40.17 ID:evIkWvp+P
(;'A`)「げっ……」

感心している場合じゃなかった。
気がつくと巨大な拳が目の前に迫ってきていた。
すんでのところでそれをかわす。
だが、その拳が起こす風圧で俺は体勢を崩した。

(;'A`)「やばっ……」

「まずは一匹目」

巨人がニヤリと笑った。
俺を叩き潰そうと手を振りかざす。

( ゚∀゚)「させるか!」

ジョルジュが光弾を放った。
しかし巨人は、それをまるで虫を追い払うかのように手でかき消した。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:08:16.45 ID:evIkWvp+P
「なんだぁ、今のは?」

( ゚∀゚)「ちっ」

ジョルジュが舌打ちをした。

( ゚∀゚)「攻撃呪文は得意じゃねえんだよ」

だが十分な隙はつくってくれた。
俺は杖を振った。

「!!」

高速移動呪文。
一瞬で巨人の股下をくぐる。

「小賢しい!!」

巨人が棍棒を振り回す。
視界の隅でジョルジュが杖を振ったのが見えた。
棍棒が見えない壁に弾かれた。
ジョルジュの障壁呪文だ。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:10:14.11 ID:evIkWvp+P
「くっ!」

一瞬、巨人に大きな隙ができた。
瞬時に杖に魔力を込める。

('A`)「食らえっ!」

雷撃を放つ。
稲妻が巨人の肩を貫いた。

( ゚∀゚)「よし!」

だが、巨人は怯まなかった。
とっさに後ろへ跳ぶ。
拳が俺のすぐ目の前の地面を砕いた。

(;'A`)「うわっ!」

衝撃で吹き飛ばされる。
俺は石の床に叩きつけられた。
口の中に血の味が広がった。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:12:21.75 ID:evIkWvp+P
(;゚∀゚)「ドクオ、逃げろ!」

ジョルジュが叫んだ。
ちょうど巨人が醜い笑みを浮かべながら棍棒を振り上げるところだった。
逃げようとして、俺は背筋が凍った。
足が瓦礫に挟まって抜けないのだ。
とっさに杖を構え直すが、間に合わない。

(;'A`)「あ、マジ死ぬわ」

棍棒が俺目掛けて振り下ろされる。
時間がまるで止まったかのように遅く感じた。
巨人の腕の筋肉の動きから、何から何までがスローモションに見えた。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:14:27.39 ID:evIkWvp+P
次の瞬間、光の筋が視界を走った。
巨人の顔に命中し、炸裂する。
直後、俺の足を挟んでいた岩が砕かれた。
襟首を掴まれ、瞬時に安全な場所へ移動させられる。


ξ゚听)ξ「全く、死にかけてたじゃない」

顔をあげると、ツンが立っていた。

('A`)「ツン!」

( ゚∀゚)「生きてたのか!」

ジョルジュが駆け寄ってくる。

ξ゚听)ξ「当たり前よ。私は死なないわ」

('A`)「ということは……」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:16:26.37 ID:evIkWvp+P
俺は辺りを見回した。
少し離れた建物の上に、二人の人影が見えた。
そのうち片方が、こちらに手を振っているのが見える。
あの懐かしい馬鹿面。
生死を共にした親友が、そこにいた。

( ^ω^)「おーい!」

( ゚∀゚)「あのバカ、無事だったのか」

生きていた。
それだけで、全身の力が抜けた。
たとえ向こうに俺の記憶がなくても、あいつは俺の少ない友人なのだ。
勝手に死んでもらっちゃ困る。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:18:27.04 ID:evIkWvp+P
「このチビどもがァ!!」

巨人が爆発で焼けただれた顔を押さえながら怒鳴った。
直後、ブーンの隣から無数の光の矢が巨人へと放たれた。

( ゚∀゚)「ありゃクーか?」

ジョルジュが指差して言った。

ξ゚听)ξ「似てるけど違うわ」

確かにそっくりだ。
髪の色を除けば、まるで同じ顔だ。

「ぐあああああ!!」

巨人が悲鳴をあげる。
さすがの巨人でも、あれだけの矢を浴びればひとたまりもないだろう。
そのとき、広場にどっとVIPの兵士たちがなだれ込んできた。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:20:33.73 ID:evIkWvp+P
(,,゚Д゚)「最後の一体だ! 仕留めろ!」

ギコが剣を振り回しながら隊を率いてるのが見えた。

ξ゚听)ξ「すごい数ね。これ全部味方?」

('A`)「ああ」

( ゚∀゚)「外の巨人どもも片付いたみてえだな」

銀色の風が吹き抜ける。
クーに似た女の人と、ブーンが舞い降りてきた。

( ^ω^)「おー、フィーはすごいお」

ブーンが感心したように声をあげた。

( ゚∀゚)「エルフの風か」

ジョルジュがフィーと呼ばれた女の人を見ながら言った。
長い耳に銀の瞳。
そしてその美しさ。
たしかに誰が見てもエルフだとわかる。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:22:34.69 ID:evIkWvp+P
( ゚∀゚)「なんだってエルフがこんなとこに?」

ノリ ゚ -゚)「話す義理はない」

フィーが冷たく言い放った。
クーに似た、感情の籠もってない喋り方だ。
エルフというのは皆こうなのだろうか。
ジョルジュはフィーを睨んだ。

ξ゚听)ξ「私たちは、死の山に向かうついでにニュー速を潰すつもりで来たんだけど」

いかにもツンらしい考えだ。
おそらく、クーや弟者、ヒートがここにいるかもしれないということは知らないのだろう。

('A`)「俺たちはクーと弟者、ヒートを助けに来たんだ」

ξ゚听)ξ「え? みんなここにいるの?」

やっぱり知らなかった。
おそらく、適当に暴れまわっていたというところだろう。
それで無傷なのだから恐ろしい。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:24:04.71 ID:evIkWvp+P
(,,゚Д゚)「おい、おまえら!」

ギコが少し離れたところで叫んだ。

(,,゚Д゚)「俺たちはこのまま先に行った隊と合流する! おまえたちはその間に仲間を助け出せ!」

('A`)「わかった!」


ノリ ゚ -゚)「来たぞ」

フィーがブーンの服を引っ張り、遠くを指差した。

( ^ω^)「お?」

広場の下から、何千という兵が駆け上がってくるのが見える。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:26:14.49 ID:evIkWvp+P
(,,゚Д゚)「俺たちに任せろ! 先に行け!」

ギコがそう叫び、駆け出した。
一斉にVIPの兵士たちもそれに続く。
剣と剣のぶつかり合う音が響いた。

('A`)「あいつらを探そう!」

俺たちも走り出す。
だが、ブーンとフィーが動こうとしない。

ξ゚听)ξ「何やってんのよ! 置いてくわよ!」

(;^ω^)「だってフィーが……」

フィーは自分の首飾りを見つめていた。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:28:12.64 ID:evIkWvp+P
( ゚∀゚)「なんだありゃ?」

ξ゚听)ξ「エルフのペンダントらしいわ。血の繋がった者の命に危険が迫ると赤く輝くの」

ペンダントはまるで血のように赤く輝いていた。

ノリ ゚ -゚)「近い」

( ^ω^)「でも、君に親戚はいないんじゃなかったのかお?」

ノリ ゚ -゚)「そうだ」

( ゚∀゚)「親戚がいないんじゃ光らないんじゃねえのか?」

ノリ ゚ -゚)「だから困ってるのだ」

そのとき、俺の頭の中で何かが閃いた。
俺の考え過ぎかもしれない。
しかし、無理のある考えではない。
俺は思い切って口を開いた。

('A`)「もしかして、その親戚ってクーじゃないか?」

フィーが不思議そうな目で俺を見た。

ξ゚听)ξ「ありえるかも」

ツンがフィーを見つめた。
フィーは自分に注目が集まるのが堪らなく嫌なようで、眉間に皺を寄せた。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:29:45.89 ID:evIkWvp+P
( ゚∀゚)「たしかに他人にしちゃ似すぎだよな」

ξ゚听)ξ「それにクーにはエルフの血が流れてるわ」

( ^ω^)「??」

ブーンだけは状況が理解できてないようだった。

( ゚∀゚)「おい、そのペンダントが指す先に案内できるか?」

ノリ ゚ -゚)「できるけど嫌だ」

(#゚∀゚)「ハァ?」

ξ゚听)ξ「ブーン」

ツンが溜め息混じりに言った。

( ^ω^)「フィー、案内してくれお」

ノリ ゚ -゚)「まあ、ブーンの頼みならいいだろう」

( ^ω^)「ありがとうだお」

ツンが舌打ちするのが聞こえた。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:31:29.20 ID:evIkWvp+P
〜〜〜〜〜〜

針金の先を歯で折り曲げ、鍵穴に差し込む。
捻ったり引っかけたりを繰り返して、中を探る。
それをクーさんは興味深そうにまじまじと見つめている。

(´<_` )「あと少しです」

やがて、金属の回る小さな音がして、錠が外れた。

川 ゚ -゚)「やるな」

(´<_` )「こそ泥やってると、こういう無駄な技術ばっか身につくんですよ」

俺は自嘲的に笑ってみせた。
だが、クーさんは本当に感心したみたいだった。

川 ゚ -゚)「いつか私にも教えてくれないか?」

(´<_` )「こんなの知ってても役にたちませんよ」

川 ゚ -゚)「たったいま役にたったじゃないか」

クーさんが微笑んだ。
俺は気恥ずかしくなって目を逸らした。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:33:29.33 ID:evIkWvp+P
扉をゆっくりと開ける。
地下牢だ。
数人の看守がこちらに気づいた。

「む、きさまらいっt」

次の瞬間には看守たちは床に突っ伏していた。
クーさんは弓を構えていた。
しかし矢は見えなかった。

川 ゚ -゚)「矢を使うまでもないな」

(´<_`;)「今何したんですか?」

川 ゚ -゚)「“空矢”だ。雑魚掃除に役立つぞ。教えてやろうか?」

彼女の手にぼんやりと矢のような光が見える。

(´<_`;)「難しそうなんでいいです」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:35:23.26 ID:evIkWvp+P
薄暗い廊下を進むと、やがて突き当たりが見えてきた。
そこに特別大きな牢屋があった。
その中にあるのが、一瞬俺には何かわからなかった。
透明な壁の中に埋められた小さな人影。
それをそばで見て、俺は思わず声をあげた。

(´<_`;)「ヒート!」

それは、氷付けにされたヒートだった。
俺は鉄格子に駆け寄った。
針金を取り出して錠を外す。

川 ゚ -゚)「待て!」

クーさんが牢獄に入ろうとした俺を制した。

川 ゚ -゚)「足下を見ろ」

(´<_`;)「!」

牢獄の中の床に、青い光が不思議な形の紋様を描いていた。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:37:19.87 ID:evIkWvp+P
川 ゚ -゚)「氷の魔法陣だ。乗った瞬間氷付けだろうな」

(´<_`;)「でも、早く助けなきゃ手遅れに!」

川 ゚ -゚)「落ち着け」

目の前でヒートが氷っているのに落ち着けるわけがない。

川 ゚ -゚)「貴重なエレメンタルを奴らが簡単に殺すとは思えない」

クーさんは屈んで、床の青い光に指を触れた。
一瞬にして彼女の指先が凍りついた。

川 ゚ -゚)「あらま……」

(´<_`;)「『あらま』じゃないでしょ……」

この人はもしかして馬鹿なのか。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:40:08.37 ID:evIkWvp+P
川 ゚ -゚)「意外と強力だったんだ」

クーさんは目を瞑ってもう一度青い光に触れた。
紋様は一瞬揺らめいたかと思うと、煙のように消えた。

川 ゚ -゚)「本来、魔法陣自体の魔力なんて簡単に崩れるはずなんだがな。この強さは異常だ」

つまり、そこまで強力な魔法陣を張ることのできる敵がいるということか。


魔法陣が消えたせいで、牢屋は少しばかり暗くなった。
氷の塊がみるみる溶けていく。
やがて、ヒートの身体が氷から解放された。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:41:48.04 ID:evIkWvp+P
ノハ;゚听)「っ!!」

ヒートは急に目を覚ました。
呼吸が荒い。
身体は震え、唇は真っ青だ。

ノハ;゚听)「うおおっ!? まぶしくて何も見えないぞ!?」

ヒートが甲高い声で叫んだ。

(´<_` )「まぶしいって、ここは地下だぞ?」

川 ゚ -゚)「仮死状態だったんだろう。直に慣れるさ」

ノパ听)「その声はクーか?」

川 ゚ -゚)「そうだ」

ノパ听)「うおおお! 来てくれたのか!」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:43:32.17 ID:evIkWvp+P
ヒートは俺に飛びついた。
冷え切ったその身体のせいで、一気に体温が奪われる。

(´<_`;)「おいおい、俺はクーさんじゃないぞ」

ノハ;゚听)「うおっ!? 何者だ!?」

(´<_`;)「俺だよ」

ノパ听)「……?」

(´<_`;)「弟者だよ……」

ノパ听)「ああ!」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:45:21.55 ID:evIkWvp+P
(´<_` )「ヒートも助け出したことだし、こんなところさっさとおさらばしましょうよ」

俺は他の牢屋を覗いているクーさんに言った。
さっきの魔法陣を張ったヤツが出てきたら大変だ。
それに、外の騒ぎもいつまで続くかわからない。

ノハ;゚听)「うお?」

ヒートが急に床に倒れた。

ノハ;゚听)「うまく歩けないぞ?」

足に力が入らないようだ。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:47:07.18 ID:evIkWvp+P
川 ゚ -゚)「仮死状態から急に覚めたからだろうな」

ノパ听)「かし?」

(´<_` )「しょうがないな」

俺は歩けないヒートを背中におぶった。
意外と重い。
そして意外と胸がある。

川 ゚ -゚)「今、やらしいこと考えてる目をしたぞ」

(´<_`;)「し、してませんよ」

何故わかった。

川 ゚ -゚)「このロリコンが」

ノパ听)「?」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:48:30.61 ID:evIkWvp+P
〜〜〜〜〜〜


( ´_ゝ`)「うらっしゃぁ!!」

兄者が雄叫びをあげた。
オリハルコンの剣が青白い筋を描く。
オークの身体が、鎧ごと両断される。

( ´_ゝ`)「俺TUEEEEE!!」

あんたが強いんじゃなくて、その剣が反則なんだ。
そう言ってやりたかったが、今の兄者には何を言っても無駄な気がした。

( ´_ゝ`)「この調子なら、ジョルジュたちが来なくてもニュー速潰せんじゃね?」

兄者が剣を敵に突き刺しながら言った。
たしかにそんな気もしてきた。
圧倒的に俺たちの方が優勢だ。
何より、VIPの兵士たちが強い。
敵兵を軽々と蹴散らしてくれる。
もしかして、本当に俺たちだけで勝てるんじゃないか。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:50:53.36 ID:evIkWvp+P
( ´_ゝ`)「そしたら俺たち英雄だぜ?」

兄者の言葉に、思わず頬が緩んだ。

( ^Д^)「後世に語り継がれるかもしれないッスね」

( ´_ゝ`)「本に名前が乗るぜ?」

( ^Д^)「モテますね」

俺は槍を弾いて、敵の首を切り落とした。
正直、もうこいつらに負ける気がしなかった。
数が多いだけのただの雑魚にすぎない。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:52:47.65 ID:evIkWvp+P
( ^Д^)「俺、VIP兵に志願しようか考えてるんですよ」

兄者は目を丸くして振り向いた。

( ^Д^)「ギコさんの下で戦いたいんです」

( ´_ゝ`)「それもいいかもな」

兄者は微笑んだ。

( ´_ゝ`)「弟者と三人で入隊するか。泥棒なんて辞めてさ」

今度は俺が驚いた。
兄者が自分から泥棒を辞めると言うなんて。

( ^Д^)「兄者さんからそんな真面目な言葉が聞けるとは思いませんでしたよ」

( ´_ゝ`)「失礼なヤツだな。俺だって真面目に……」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:54:03.50 ID:evIkWvp+P
その瞬間、眩い閃光に視界が奪われた。
俺と兄者の間を何かが掠めるように通り過ぎた。
熱気を直に吸い込み、思わず咽せた。
直後、背後で爆音があがる。

(;´_ゝ`)「なっ……」

振り返ると、すぐ後ろの地面が抉れていた。
そこに居たはずの数人の兵士の姿はなかった。
跡形もなく消し飛んでしまったのだろうかか。
その代わりに、白い灰が辺りを舞っていた。

(;^Д^)「一体何が……」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:56:10.54 ID:evIkWvp+P
俺は前を向き直って、それを見た。
黒く輝く厚い鱗。
巨大な翼を音も無く羽ばたかせる。
灼熱の息を吐きながら、紅の瞳でじっと俺たちを見つめている。
その姿は恐怖を通り越し、もはや神々しくさえもあった。

(;´_ゝ`)「ドラゴン……」

隣で兄者が、やっとのことでそう呟いた。
ドラゴン。
この世界で最も高貴で、美しく、強い生き物。
それが、目の前で俺たちを見下ろしていた。
誰もが子供の頃、絵本でその姿を見たであろう。
その堅牢な鱗は矢も魔法も弾き返し、その息吹きは全てを灰燼となす。
おとぎ話の中ですら、人間がドラゴンに勝つことは許されない。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 00:58:28.61 ID:evIkWvp+P
(;´_ゝ`)「全員、逃げろ!!」

兄者が叫んだ。
賢明な判断だ。
ドラゴンには勝てないのだ。
くぐもった声が、ドラゴンに命令するのが聞こえた。
振り返ると、ドラゴンの背中に人が乗っているのが見えた。
漆黒の鎧に身を包んだ人間。
ドラゴンを操ることのできる唯一の、そして伝説の種族。

(;^Д^)「竜人族……?」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 01:00:45.39 ID:evIkWvp+P
(;´_ゝ`)「あぶねえ!」

兄者が俺を突き飛ばした。
地面に倒れ、強かに顔を打った。
俺たちのすぐ上を火球が掠めた。

(;^Д^)「助かっ……」

(;´_ゝ`)「逃げるぞ!」

兄者が立ち上がって叫んだ。
それと同時にVIPの兵士たちも一斉に逃げ出す。

「無駄な」

轟音。
熱風。
一瞬にして目の前の兵士たちが灰と化した。
兄者が急に立ち止まった。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 01:02:56.82 ID:evIkWvp+P
( ´_ゝ`)「こりゃ無理だわ」

(;^Д^)「何諦めてんスか! 逃げましょうよ!」

( ´_ゝ`)「逃げても無駄だろ」

兄者は逃げ惑うVIPの兵士を見て呟いた。

( ´_ゝ`)「これでさ、もし戦って勝ったら、俺たちどうなる?」

( ^Д^)「……間違いなく歴史に名が残りますね」

歴史上ドラゴンを倒したのは五人だけ。
もしかしたら六人目と七人目になれるかもしれない。
あまりにも馬鹿げた妄想だが、一瞬だけ俺の心は躍った。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 01:05:11.94 ID:evIkWvp+P
( ´_ゝ`)「どうせ死ぬなら、一つ賭けてみないか?」

( ^Д^)「いいっスね」

震えが消えた。
完全に死の恐怖は消えていた。
俺は剣を構え、ドラゴンに向き直った。


「愚かですね。勝てるとでも?」

( ´_ゝ`)「ぶっちゃけ勝てる気がしない」

「なのに何故?」

( ´_ゝ`)「なんでだろうな」

兄者が首を傾げて俺を見た。

( ^Д^)「ノリじゃないッスか?」

( ´_ゝ`)「ノリだな」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/06/26(金) 01:08:46.10 ID:evIkWvp+P
「面白い人間ですね。気に入りました」

竜人族が顔を見せた。
黒い瞳に褐色の肌。
そして背負っていた剣を抜く。
漆黒に輝く大剣。
柄には赤い宝石が埋め込まれている。

( <●><●>)「竜人の誇りを以て、戦士として葬ってあげましょう」

( ´_ゝ`)「俺の骨は故郷の土に埋めてくれ」

( <●><●>)「骨も残らないのはわかってます」

そう言って竜人族は大剣をかざした。


つづく



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