- 50 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:03:21 ID:N8DAva4k0
- 第三章
運命の始まり
('A`)「くっそー、ジョルジュにまけたー!!」
_
( ゚∀゚)「はっは、おれさまにかてるはずねーだろ!!」
( ^ω^)「でもジョルジュはブーンにはかてないお!!」
_
(;゚∀゚)「ぐっ……」
( 'ω`)「でもドクオには勝てないお……」
( ´W`)「おお、やっとるな」
_
( ゚∀゚)「あ!ししょう!!なあ、ブーンにどうやったらかてるとおもう?」
('A`)「おれにもジョルジュにかてるほうほうおしえてくれよー」
( ^ω^)「お!!ぼくもドクオにかちたいお!!」
( ´W`)「……まったく、少しは自分で考えんか!!仕置きの拳骨じゃ!!」
_
( ;∀;)( ;A;)( ;ω;)「いってー!!!!!」
( ´W`)「ふん……いいか小僧ども、武器にはそれぞれ相性がある。
剣は斧と、斧は槍と、槍は剣と……それぞれ戦いやすいのだ」
- 51 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:04:58 ID:N8DAva4k0
- ( ;ω^)「おー……じゃあドクオにはかてないのかお?」
( ´W`)「いや、努力と工夫次第でどうとでもなる。
しかしな……お前達同士で優劣をつける必要は無いのだ」
(;A;)「え?」
( ´W`)「お前達にはそれぞれ違う武器を教えた……
それぞれが協力すれば、どんな武器相手でも有利に戦えるはずだ」
_
( ;∀゚)「……」
( ´W`)「そしてお前たちに教えた技、それは自己満足のためのものではない。
いつか人々の助けとなれるよう……といってもまだ判らんか」
( ´W`)「まあそれぞれ切磋琢磨するのは素晴らしいことだ。
勝てるように努力、工夫を忘れるなよ」
( ^ω^)「おー……あんまりわかんないお……」
_
(*゚∀゚)「ようするに、おれたちがそろったらさいきょー!!てことだろ!!?」
(*'A`)「じゃあさ、おとなになったらみんなできしだんにはいろうぜ!!
むらのみんなをまもるんだ!!」
(;´W`)「……まったく……」
(*^ω^)「おー!!やくそくだお!!ぜったいぜったいみんなではいるんだお!!」
- 52 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:06:11 ID:N8DAva4k0
- :
:
:
( −ω−)「……」
( ^ω−)「……お」
('A`)「おう、起きたか」
ブーンが目を覚ますと、彼の寝ているベッドの脇ではドクオが自らの剣を磨いていた。
彼はブーンが起きたことに気付くと剣をしまい、椅子を動かしてブーンと向き合った。
( ^ω^)「おー……おはようお」
('A`)「ケガはどうだ?」
( ^ω^)「少し痛むけど、大したことないお。
ジョルジュは?」
('A`)「他の皆といっしょに村のあちこちを直したりしてるよ」
( ^ω^)「そうかお」
- 53 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:06:53 ID:N8DAva4k0
- (;'A`)「……んあっと」
( ^ω^)「?」
なにやらそわそわとしているドクオを見てブーンは首を傾げる。
どうした、と聞いても彼は、んー、とか、あのさぁ、などというばかりだ。
そうしてドクオがまごついている内に、ジョルジュが部屋に入ってきた。
_
( ゚∀゚)「お!やっと起きたか!」
( ^ω^)「おー、ジョルジュ、おはようお」
_
( ゚∀゚)「報告だ。被害の方だが、死人は0だ。怪我人とか建物は酷かったがな」
( ^ω^)「それはよかったお」
_
( ゚∀゚)「ところでドクオからは聞いたか?」
( ^ω^)「? 何をだお?」
(;'A`)「いや、まだ話してないんだけど……」
_
(;゚∀゚)「はぁ?お前が話すっていうから俺は皆の手伝い行ってたのに……」
(;'A`)「だってさ……」
_
( ゚∀゚)「いや、だけどさ……」
( ^ω^)「なんなんだお?」
- 54 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:07:42 ID:N8DAva4k0
- ジョルジュに小突かれ、まだ言いにくそうにしていたが
ドクオはやっと決心を決めたようで、ブーンの家と畑の被害について話し始めた。
( ^ω^)「……そうかお」
_
( ゚∀゚)「今見に行った時に言われたんだが、少なくとも今年中の
復興は難しそうだ。村の他のところもひどく壊されたしな」
( ^ω^)「……ひとまず、見に行ってみるお」
(;'A`)「おいっ、気をつけろよ!!」
_
( ゚∀゚)「おいおい、すっころぶなよ!!」
すべて聞き終わると、ブーンはまだおぼつかない足取りで立ち上がり、
医務室から出て行こうとしていた。ドクオとジョルジュも慌てて追いかけ、
彼に肩を貸してともにブーンの家へと向かった
- 55 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:08:58 ID:N8DAva4k0
- ※
三人が畑に着くと、目の前にはひどい状態になった畑が広がっていた。
三日前までは青々と実っていた作物も全て踏み荒らされ、根まで掘り返されてしまっている。
土には岩や砂利なども撒かれ、すぐに農作業を再開できるような状況ではなかった。
家のほうもドアや窓が壊され、幸運にも盗まれたものは無かったようだったが
金目のものを探し回ったような痕跡がそこら中に見て取れる。
( ^ω^)「……おー……」
('A`)「今始めて見たけど……ひどいなこりゃ」
_
( ゚∀゚)「もともと師匠が何年もかけて造った広い畑だったからな。
ここまでやられちまったら復興は大変だわな」
('A`)「ご丁寧に岩やら何やらまでまぁ……」
_
( ゚∀゚)「村の畑もここほどじゃないが酷かった。
蓄えはあるから飢え死にする訳じゃないけどな」
(;'A`)「はぁ、完全に嫌がらせだよ。面倒な奴らに関わったな……」
- 56 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/12/16(金) 03:09:42 ID:N8DAva4k0
- ( ^ω^)「……」
('A`)「……ブーン、今日からはしばらく俺ん家に泊まれよ
ここの復興ももちろん手伝うしさ」
_
( ゚∀゚)「俺らもこの畑を造んの師匠といっしょにやったしな」
( ^ω^)「……ありがとうお」
('A`)「よし!!ひとまず今日は休んでおこうぜ!!お前のケガもあるしな」
( ^ω^)「……お」
_
( ゚∀゚)「うし!!じゃあ作業は明日からっつーことで、飯行こ飯!!」
- 57 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:10:38 ID:N8DAva4k0
- ※
〜街道〜
ξ゚听)ξ「……ねぇ、まだ?」
(´<_` )「もう少しです」
ξ--)ξ「もー、そろそろ飽きたわ……誰がこんなとこまで行くって言ったのよ!?」
(;´_ゝ`)「無理矢理ついてくるって言いだしたのあんたじゃないか」
ξ#゚听)ξ「こんな遠いって聞いてないわよ!!」
(´<_`;)「えー……」
( ´_ゝ`)「……話にも聞かないし、どうせこんな田舎では見つからないと思うけどね」
(´<_` )「騎士団にスカウトできる奴なんて、か」
ξ゚听)ξ「そんなのわかんないじゃない!!さ、早いとこ行きましょ!!」
- 58 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:11:26 ID:N8DAva4k0
- ※
三日後。朝から三人はブーンの畑で作業を行っている。
昨日も行ったが、広大な畑全てを位置から作り直すような作業で
とても近日中に終わるようなものではなかった。
ブーンはまだ痛むのか、器用に片手で黙々と作業をこなし、ドクオも素早く
割りあたった作業をこなす。しかしジョルジュには単調な作業に飽きが来たようで
早々に作業を放棄し、草が生えている場所で仰向けに寝転がった。
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「あー疲れた!!休憩!!」
( 'A`)「はえーよ」
_
( ゚∀゚)「だって昨日もやってんのにあんま進まねーしさ……」
( 'A`)「……ま、気長にいこーぜ。騎士団もそろそろ着くだろうし」
_
( ゚∀゚)「騎士団、かあ……
もしかしたら、てーのもあるかな?」
( 'A`)「ありゃいいんだけどなぁ……
どんな人たちなんだろうな、なあブーン?」
( ^ω^)「……お?」
- 59 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:12:12 ID:N8DAva4k0
- _
( ゚∀゚)「……なぁ、ケガは痛まないか?休んでてもいいんだぜ」
( ^ω^)「いや、大丈夫だお。さ、農作業頑張ろうお」
( 'A`)(なあ……大丈夫だと思うか?)
_
( ゚∀゚)(んー……育ての親の形見みたいなもんだからな……きついだろうさ)
( 'A`)(もうすこし時間がたちゃあなんとかなんのかな…?)
_
( ゚∀゚)(わからん。なんとかなるとは思うが……)
( ^ω^)「何ふたりで話してるんだお?」
( 'A`)「いやいや、そろそろ昼飯にしねー?って話」
_
( ゚∀゚)「俺腹へっちゃってさ!!」
( ^ω^)「おー、そうするかお」
( 'A`)「うし、じゃあ俺んち行こうぜ。カーチャンが飯作ってると思うし」
_
( ゚∀゚)「さんせー」
- 60 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:13:12 ID:N8DAva4k0
- 三人が作業をキリのいいところで終わらせ、午後の作業に向け昼食を取りに
ドクオの家に向かおうとすると、村で何やら騒ぎが起きている。
不吉なものを感じた彼らが駆けつけると、村中を自警団が走り回っていた。
「敵襲だー!!!!また奴らだ!!!」
( ^ω^)「!!」
(;'A`)「おいおい!!」
_
(;゚∀゚)「ちょっとはやくねー!!??まだ騎士団着いてねーぞ!!」
(;'A`)「ちっ……自警団の皆に連絡だ、村に入る前に迎え撃とう。
修復した所をもう一度やられるのはキツイ!!」
_
(;゚∀゚)「村の皆の気力がもたんからな……
しかし、結構やばい奴ら相手にしちまったのかもな……」
( ^ω^)「……ッ!」
ブーンは話しを聞いた途端、近くの家の壁に立てかけてあった薪割り用の斧を手に取り、
ケガをしているとは思えない速度で村の外へと駆け出していった。
('A`)「正当防衛だったんだ、どうしようも……ってブーン!?」
_
(;゚∀゚)「アイツ斧持ってったぞ!!一人で先走る気だ!!」
(;'A`)「くっ……俺らも急ぐぞ!!武器持って来い!!」
- 61 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:14:07 ID:N8DAva4k0
- ※
〜村の外〜
ξ゚听)ξ「やっと着いたわね……あら、何か居るわよ」
村が見え始める丘の上に騎士たちと金髪の少女は到着し、少女は馬から下りて
周囲を観察していた。
村の方向に目をやると、多くの山賊たちが既に村の近くまで進行しており、
その集団と村の間には、凄まじい速度で駆ける男が小さく見える。
(;´_ゝ`)「あらっ、もう山賊来てんじゃねえ?」
(´<_`;)「ちょっと行軍が遅かったからな……」
ξ#゚听)ξ「私のせいって言いたいの!?」
(´<_`;)「そんなこと言ってませんって……」
(;´_ゝ`)「……ひとり突っ込んでってる奴もいるし」
(#^ω^)「……皆の家…じいちゃんの形見を……くそっ!!」
ξ゚听)ξ「ほら、なかなか良さそうなのもいるんじゃない?」
(´<_`;)「言ってる場合じゃないです!!全隊、準備急げ!!」
- 62 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:15:06 ID:N8DAva4k0
- ※
( `ー´)「ん……?なんだありゃ、一人で飛び出してくるやつがいるじゃネーノ」
「あいつ斧もってるぞ!!兄貴をやった奴だ!!」
村を襲おうと歩き続ける山賊達の前方から、物凄い速さでブーンが駆けてくる。
以前の生き残りだろう、一人の男が叫んだことで山賊たちは準備を始め、
このままブーンが突っ込めば簡単に迎撃されてしまうだろうことは目に見えていた。
( `ー´)「おー、そうか……一人で飛び込んでくるとはいい度胸じゃネーノ」
( `ー´)「お前ら!!応援が来る前にあの馬鹿をぶっ殺してやろうじゃネーノ!!」
(#^ω^)「お前ら……許さないお……」
(;'A`)「おいっ!!ブーン!!おいって!!」
_
(;゚∀゚)「速ッ!!あいつ、もう山賊達とぶつかるぞ!!」
(;'A`)「いくらお前でも一人であの人数相手はヤバイ!!落ち着け、ブーン!!」
ブーンはただただ山賊めがけ駆ける。その速さにドクオたちはただ引き離されるばかりで、
ドクオが静止の声をあげるも、まるで聞こえていないようだった。
- 63 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:15:51 ID:N8DAva4k0
- ( `ー´)「ははっ、囲め囲め!!一気に行けば簡単なんじゃネーノ!!」
迎え撃つ山賊たちは左右に展開し、ブーンの初撃を受け止めた後そのまま周囲を囲もうと
しているようで、すでに彼らの準備は整っていた。
「おらっ、来んぞ!!!」
(#^ω^)「オラァッ!!!!」
「うおっ、危ねッ!!」
突っ込んだブーンは、腕力に任せ怒りを乗せるかのように斧を振るったが
やはりというべきか、その攻撃は雑で、目の前に居た山賊に簡単にかわされてしまう。
ブーンが気付いたときにはすでに周囲を囲まれ、逃げ場は無くなっていた。
( `ー´)「はっ、雑な攻撃じゃネーノ。そんなんでよく兄貴を倒せたな」
(#^ω^)「…囲まれたかお……」
( `ー´)「すぐに終わりだ。こういうの袋の鼠って言うんじゃネーノ!?」
_
(;゚∀゚)「あららぁっ、囲まれちまった!!」
(;'A`)「間に合えっ……」
- 64 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:16:56 ID:N8DAva4k0
- ( `ー´)「ほらっ、てめえら一気にやっち「うわああああああああ!!!!!!」」
(;`ー´)「あ!? おいっ、どうした!!??」
山賊たちは一斉にブーンに飛びかかろうとしていたが、一部から叫び声が聞こえ始める。
他の者もその声には戸惑い、すぐにブーンが殺されるようなことは避けられた。
「ネーノさん、騎士団です!!騎士団が急に……」
(;^ω^)「!!」
(;`ー´)「くっそ、騎士団どもか……おめぇら手が早いじゃネーノ……
こうなる前に決めようと思ってたのによ」
山賊たちが叫んだ男たちの指す方向を見ると、軍馬を駆る騎士たちが集合している。
その先頭には、他の騎士とは違う赤、そして緑の鎧を身に着けた騎士がそれぞれの手に槍と剣を携え
後ろに従える騎士達に指示を飛ばしながら山賊たちに迫っていく。
山賊は騎士団が来たことで戦意を無くしてしまい、逃げ惑うものも出る始末だった。
( ´_ゝ`)「おい!!生きてるか!!」
(´<_` )「民間人の安全を確保しろ!!数人の山賊は生かして捕らえるんだ!!」
_
(;゚∀゚)「ありゃあ……騎士団なのか?」
(;'A`)「助かった……」
- 65 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:18:03 ID:N8DAva4k0
- (;`ー´)「てめえら諦めるなよ!!まだ戦えるじゃネーノ!!」
「もう…駄目だ!!」「騎士団なんて来たら……」
騎士団たちに追い回され、山賊たちもわずかな抵抗を見せる者もいたが、
騎士という称号だけで既に恐れていた彼らの多くは、じきに逃げ回ることしかしなくなった。
ブーンも彼を囲んでいた山賊たちが四散したことで、自由となったようだ。
(#`ー´)「……くそ!!こうなったらお前だけでもやってやろうじゃネーノ…!!」
多数の山賊たちと違い、まだ戦う気のあるらしいネーノと呼ばれていた男は、
ブーンに向き直り、自らの斧を振り上げ構えを取る。
もう勝ち目はないとみて、敵のブーンだけでも倒すと決めたようだ。
( ^ω^)「……いいお、望むところだお」
ブーンは周囲で走り回る騎士たちを見たことでいくらか落ち着きを取り戻したようだった。
こちらもその斧を構え、ネーノと対峙する。
彼の斧はいつも使用する戦闘用のものではなく、日常で使われていたものだが
彼が持つ迫力はその獲物に左右されないようだ。
まず先に仕掛けたのは、もう後が無いネーノだった。
ブーンに向かい、まっすぐに斧を振り下ろす。
- 66 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:18:55 ID:N8DAva4k0
- (#`ー´)「喰らえっ!!」
( ^ω^)「フッ!!!!」
(#`ー´)「防ぐか……これはどうだ!!!」
しかし簡単にブーンにいなされ、ネーノは体勢をすぐに整え再び斧を振る。
今度は右からの水平な一撃がブーンに襲い掛かった。
(#^ω^)「おおおっ!!!!」
(;`ー´)「!? 俺の斧が…飛ばされ……」
ブーンは気合とともに斧を振り上げ、ネーノの獲物をかちあげる。
あまりの衝撃にネーノの握力は耐え切れず、彼は斧を手放してしまい
それはそのまま後方へと飛んでいき、手の届かない場所へ突き刺さった。
( ^ω^)「これで……終わりだおっ!!」
直後、ブーンは斧を振り下ろし、それはネーノの左肩を半ばまで断ち切った。
ネーノは千切れかけたその傷口から血を噴出し、その場に崩れ落ちる。
- 67 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:19:48 ID:N8DAva4k0
- (; ー )「ガッ…こんな…ハズじゃ……なかったんじゃネーノ…?」
( ^ω^)「……」
ブーンはネーノから斧を引き抜き、一息つくとすぐに他の山賊の方へと向かっていく。
ドクオとジョルジュも戦いの結末を見て胸を撫で下ろしたが、すぐに周囲の山賊の
掃討へと向かった。
(;'A`)「ふぅ…よし、俺らも他を片付けるぞ」
_
( ゚∀゚)「よし来た!!いいとこ見せるぜ」
( ´_ゝ`)「……ふーん?」
(´<_`;)「兄者!!何見物してる!?さっさとこっちの方を手伝え!!」
( ´_ゝ`)「あいよー」
- 68 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:20:49 ID:N8DAva4k0
- ※
先程まで草原には多くの山賊がいたが、そのほとんどが捕縛、または倒され
逃げることが叶ったのは仲間を犠牲にした少数のみだった。
今はその草原の地面にブーンが座らされ、ドクオが大声をあげて彼を叱りつけていた。
(#'A`)「一人で先走りやがって!!!!!
騎士団が間に合わなかったらどうするつもりだったんだ!!!!」
( 'ω`)ショボーン
_
(;゚∀゚)「まぁドクオ、そのへんで・・・・・・」
(#'A`)「いーや我慢できん!!命をどぶに捨てるみてえなことしてよ!!
大体この前もそうだったんだ、だからお前は…………」
( 'ω`)「ごめんなさいお・・・・・・」
(#'A`)「ちっ…」
- 69 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:21:36 ID:N8DAva4k0
- 怒りが収まりそうにないドクオを見かねたのか、緑の鎧を着た、どこか気だるそうな男が
馬から下りて彼らに近づいてきた。
その後ろからは赤の鎧を着た真面目そうな男が着いてきている。
どちらの顔も良く似ており殆ど判別はつかないが、その纏う雰囲気と鎧が彼らを区別
していた。
( ´_ゝ`)「おーおー、その辺にしとけば?そいつショボーンとしちゃってんぞ」
(´<_` )「こちらもすまなかったな・・・・・・すこし遅くなってしまった」
_
(;゚∀゚)「ああ騎士さん達!!いや、いいんですよ!!
結局助けてくれたんですし!!ありがとございました!!」
(#'A`)「そうです!!貴方達は全く悪くない!!悪いのはこいつだけです!!
ほら、謝れ!!」
( 'ω`)「ごめんなさいですお……」
(´<_`;)「いや、俺らはいいんだが…遅くなったのは事実だし」
ドクオがブーンの頭を地に押し付け、ブーンが大人しく謝るのを緑の騎士が抑え、
その後ろではそれを見て赤の騎士がニヤニヤとしながら傍観し立っていた。
そうこうしているうちに、特に豪華な衣服を纏っている訳ではないものの、どこか気品の
感じられる少女がどこからか駆け寄ってきた。
- 70 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:22:29 ID:N8DAva4k0
- ξ゚听)ξ「あ!!見つけた!!」
_
(;゚∀゚)「・・・どなたで?」
( ´_ゝ`)「ああ、お姫さまではないですか」
(´<_`;)「おい兄者!!」
( ´_ゝ`)「いいだろ、どうせ後で分かるんだから」
やってきた少女は姫であるという。
騎士団が言うのであれば、それはニューソク国の姫のことであろう。
その言葉にただの田舎の青年三人は驚愕の表情を浮かべる。
(;'A`)「は!?姫ってニューソク姫……?」
(;^ω^)「え!!??」
_
(;゚∀゚)「やべぇ、頭が高い!!打ち首になる!!お前らひざまずけ!!」
(´<_`;)「いや別に打ち首にはならないけどさ」
( ´_ゝ`)「おら、貴様ら!!!!!姫様の御前であるぞ、控えおろう!!」
(´<_`;)「兄者も悪ノリするんじゃない!!」
ξ;゚听)ξ「いいわよそこまでしなくて……ほら、頭上げて」
(;'A`)「…いいんですか?」
- 71 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:23:10 ID:N8DAva4k0
- ( ´_ゝ`)「まぁこんな胸の薄い姫に畏まる必要もないからな」
_
( ゚∀゚)「あー…確…」
_
ξ#゚听)ξ三⊃ )´_ゝ`)「オウフ」 (゚∀゚;)
ξ#゚听)ξ「あんたもなんか言った?」
_
(;゚∀゚)「いえ何も!!!!」
(;^ω^)(すげー姫様だおね)
(´<_`;)(まぁあれは兄者が悪いんだが……)
ξ゚听)ξ「貴方たちに話があるんだけど……」
(;'A`)「とと、とりあえず村へ行きませんか?姫様を立たせてるわけにもいかないし・・・」
- 72 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:23:50 ID:N8DAva4k0
- ※
〜ドクオの家〜
ドクオの家では騎士二人とニューソク姫、そしてドクオ達三人が質素な椅子が並べられた
テーブルについていた。姫の後ろにはまだ数人の騎士が控えている。
ドクオの家は数年前に山賊に殺されてしまった前村長の家屋であり、広めに作られて
いたため、手狭には感じるがなんとか入ることが出来ていた。
J( ;'-`)し「申し訳ありません姫様こんなところに……
まともな物もお出しできませんで……」
(;'A`)「手作りのクッキーなんて出すなよカーチャン!」
J( ;'-`)し「ごめんね、急だったから何も無かったの」
(;'A`)「姫様が食べるわけないだろ!!ああ、すいません姫様……」
しかしテーブルに置かれたそのクッキーを、姫は毒見もさせずに一枚手に取り
口に入れる。ドクオたちは慌てるが、騎士たちはそんなことにも慣れているようで
その様子を苦笑いしながら見ているだけである。
クッキーを味わった様子の姫はドクオの母に笑顔を向け話しかけた
ξ゚ー゚)ξ「いえ、とてもおいしいです、ありがとうございます」
J( *'ー`)し「あら、本当ですか?」
(;'A`)「いいからカーチャンはもうどけててくれよ!!ほら!!」
J( ;'-`)し「わかったわよ、今行くから」
- 73 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:24:30 ID:N8DAva4k0
- ドクオに急かされて母親が部屋の外に出て行くと、緑色の騎士はゴホン、と咳払いして、
本題に入る前に、と前置きしてから話し始める。
(´<_` )「……まず自己紹介を。
俺はオトジャ・サスガ。ニューソク騎馬隊隊長をやらせてもらっている」
( ´_ゝ`)「アニジャ・サスガ、騎馬隊副隊長。見て判るとおり弟者とは双子ね。
このクッキーおいしいな、もう一個もらうわ」
ξ゚听)ξ「ツン・デレート・ニューソクよ。姫やってます」
(;^ω^)「……農家をやってるブーンと言いますお」
('A`)「自警団員のドクオといいます」
_
( ゚∀゚)「同じくジョルジュでーす……ところで、お姫様までなんでこんな所に?」
(´<_` )「あーそれで本題なんだがな……」
ξ゚听)ξ「国軍の人材を探してるのよ」
(;^ω^)「え!?」
( ´_ゝ`)「あくまで治安維持のついでって名目だけどな。最近優秀な人材が減ってきた、他国にもこれじゃ示しがつかんって将軍がちょっとぼやいてさ」
ξ゚听)ξ「そこで私が見つけてきてやろうって話よ!」
- 74 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:25:31 ID:N8DAva4k0
- (;'A`)「そんなことってあるんですか?」
(´<_`;)「有り得んよ。俺らの任務だが、姫が無理矢理色んなところに着いてきてな……」
ξ゚听)ξ「ついでに私専用の近衛隊でも作ってやろうと思ってね!!」
_
( ゚∀゚)(こういう子なのねー)
( ´_ゝ`)(こんなんで危なっかしいから俺たちがお目付け役もやってるってわけだ)
(;^ω^)「お、僕らに話があるってことはつまり……」
ξ゚听)ξ「そう、貴方たちをスカウトしたいのよ!!」
_
(*゚∀゚)(*'A`)「マジですか!!!!!!???」
( ^ω^)「おー……」
その姫の言葉にドクオとジョルジュは歓喜の声をあげる。
しかし、ブーンのほうは対照的に浮かない顔をしていた。
- 75 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:26:14 ID:N8DAva4k0
- ξ゚听)ξ「さっき少し聞いたけど、貴方たち自警団として活躍してるみたいじゃない」
(´<_` )「先程の戦いでも騎士より活躍してたんじゃないか?」
_
( ゚∀゚)「いやー騎士団がいると思うと張り切っちゃって」
( ´_ゝ`)「入軍の件、どうよ?モテるぜ?」
('A`)「もちろん入りたいですよ。ずっと俺らの夢だったんだ!!なあブーン?」
( ^ω^)「………でも、村の治安が心配だお」
_
( ゚∀゚)「そうなんだよなー」
(´<_` )「それは心配要らない。山賊の掃討は終わってから出発するし、
今回かなりの被害が出たようだから、ここらの警備は強化されるだろうさ」
( ^ω^)「……そうかお、それはよかったお」
( ´_ゝ`)「とりあえず、掃討は俺らがやっとくから来てくれるなら準備やら
色々済ませておいてくれよ。数日中には終わるから」
そういうと騎士ら三人は席を立ち、それに先立って後ろに立っていた兵士たちが部屋を
出て行く。ドクオたちも席を立ち見送りに部屋を出て行った。
('A`)「すいません、お願いします」
ξ゚听)ξ「また返事は聞きに来るから!!」
(´<_` )「では、そろそろ失礼するよ」
- 76 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:26:55 ID:N8DAva4k0
- _
( ゚∀゚)「泊まるところは?村の宿に連絡しましょうか?」
(´<_` )「いや、人数もいるし、装備やら馬やら預けるのは迷惑だろ?
適当なところにテントでも張らせてもらうさ」
('A`)「でも姫様は?」
ξ゚听)ξ「結構好きなのよ、あのテント」
_
( ゚∀゚)「変なお姫様だこと」
ξ#゚听)ξ「なんか言ったかしら?」
_
(;゚∀゚)「いえ、飾らなくて素敵だと言っただけです!!」
(´<_` )「では、また後日」
( ´_ゝ`)「じゃあなー」
ドクオたちは姫たちの姿が見えなくなるまで見送ると、お互いに喜びの声を上げあう。
しかしそこにブーンは参加せず、何かを考えて立っているだけだった。
( ^ω^)(……)
(*'A`)「俺たちが入軍だってよ!」
_
(*゚∀゚)「さすがに騎士とまではいかねーだろうけど、夢が叶うぜ、ブーン!!
あぁ、自警団の引き継ぎとかも考えなきゃな、それと…」
( ^ω^)「……そうだおね」
('A`)(……)
- 77 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:28:15 ID:N8DAva4k0
- ※
〜ブーンの畑 跡〜
二日後。荒れ果てた畑ではブーンが一人で復興作業を続けていた。
前までと違いドクオとジョルジュの姿が見えない。
二人は来る出発の日に向け、後々の自警団のための引継ぎに忙しく、
今日のところはブーンの手伝いに来る事が出来ずにいた。
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「ふー……やっぱ畑の修復もなかなか進まないおね……
二人も自警団のことで忙しいみたいだし」
( ^ω^)「騎士団…か…」
( ^ω^)「どうした方がいいんだお……じーちゃん、かーちゃん」
ブーンは手を休め、胸元にしまっていたペンダントを取り出して見つめる。
古いものであるようだが、ペンダントの中心には赤い宝石が飾りつけられており、
その輝きはとても美しく日の光を反射していた。
( ´_ゝ`)「おはよう。ブーン、だったか?ペンダントなんか見てどうした?」
そうして呆けていたブーンの後ろから声がかかる。
そこにいたのは赤の騎士、アニジャだった。もっとも今は鎧を脱ぎ、普段着を着ていたが。
( ^ω^)「お、アニジャさん、掃討は済んだんですかお?」
( ´_ゝ`)「いや、俺は休憩。今は部下に残りをやらせてる」
- 78 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:29:06 ID:N8DAva4k0
- ( ^ω^)「僕に用ですかお?」
( ´_ゝ`)「そうそう、昨日の戦いで気になったことがあってさ。
お前の構えとか戦い方が少し引っかかるんだ。誰に習ってた?」
( ^ω^)「僕のじいちゃんですお。ついでにドクオとジョルジュも一緒に
戦い方を習ってましたお。もう死んじゃったけど……」
( ´_ゝ`)「……じいちゃんの名前聞いてもいいか?」
( ^ω^)「? ……シラヒーゲですお」
( ´_ゝ`)「そうか……んむ……」
その名前を聞いてアニジャは考え込む。
何か思い当たる節があるようだった。
( ^ω^)「もしかして知り合いでしたかお?昔は都会にいたって言ってたから」
( ´_ゝ`)「都会にいたも何も……シラヒーゲさんは国軍の幹部だった人だ。
聞いたりしてないか?」
(;^ω^)「まさか!!」
祖父が軍人で、その上中々に偉い人物だったと聞いてブーンは驚愕する。
昔のことを聞いたことは無かったが、自分にとってはただのじいさんである。
あったとしても、せいぜいそこらの兵士か傭兵ぐらいにしか思っていなかった。
- 79 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:30:27 ID:N8DAva4k0
- ( ´_ゝ`)「俺が物心ついたばかりのころに退役したから詳しく知っているわけじゃない
けどさ、たまたま見たあの人の武器裁きに憧れ騎士になったんだ。
だから覚えてる」
(;^ω^)「……確かに爺さんにしては強かったけど…」
( ´_ゝ`)「戦もあまり無い時代だったようだし名前こそ広まってないが、国軍一の
武芸者だったと聞いたな。会えなくなってしまったのは残念だな……」
(;^ω^)「そうだったんですかお……」
( ´_ゝ`)「まあ聞きたかったのはそんなことだ。……そのペンダント、綺麗だな。
見せてもらってもいいか」
( ^ω^)「どうぞ……でも、どうしてですかお?」
ブーンは自分の首に掛けていたペンダントを外し、アニジャに渡す。
アニジャはそれを受け取ると、日の光に当てたりとしながらまじまじと観察した。
( ´_ゝ`)「なぁに、憧れの人物にあやかりたいのさ。
さっきそれ見ながら爺ちゃんとか言ってたろ。聞いてたぜ」
( ^ω^)「ああ、それじいちゃんのものじゃないですお。
僕のほんとの親が残したものみたいで……」
( ´_ゝ`)「ありゃ、そうなのか、悪いな。込み入った話を聞いたか」
( ^ω^)「いえ、僕が話しただけですお」
( ´_ゝ`)「いや、しかしこれは綺麗だな、見ていると落ち着いて……く……」
(;´_ゝ`)「……!!」
- 80 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:31:08 ID:N8DAva4k0
- ( ^ω^)「そう言われると嬉しいですお。しかしそうですおね、じいちゃんの形見と
いったらこの荒れた畑と壊れた家ぐらいしか……どうかしましたかお?」
ブーンが話しかけても、アニジャはペンダントの宝石を覗き込みながら
何事か考え込み、まるで聞こえていないかのようだった。
いつもふざけている様な彼は真面目な顔で何かをブツブツと呟いていたが、
ブーンには何を言っているのか聞き取ることは出来なかった。
( ´_ゝ`)「……いや……そうなのか……?……しかし、こうなると……」
( ´_ゝ`)「……すまん、ありがとう。これは返すよ」
( ^ω^)「?」
( ´_ゝ`)「そろそろ帰るわ。邪魔になっちゃ悪いしな。
……そうだ、入軍の件。お前はあまりいい顔をしてなかったけど」
( ^ω^)「え……」
( ´_ゝ`)「俺はお前の腕に惚れ込んだ。ぜひ、俺とともに働いてほしい。
……ぶっちゃけると、もうすぐ戦争が起こるかもしれないんだ」
(;^ω^)「!!」
( ´_ゝ`)「そのための人材探しでもある。お前がいたら、かなり心強い。
……どうか、たのむ」
(;^ω^)「そんな……頭を上げてくださいお」
( ´_ゝ`)「……ま、時間はある。考えていてくれ。それじゃーね」
( ^ω^)「戦争……」
- 81 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:31:52 ID:N8DAva4k0
- ※
〜ドクオの家〜
騎士団がやってきてから数日、彼らのおかげですでに周囲の安全はほぼ確保されたようだ。
ドクオらの仕事なども済み、ニューソク王都はそれほど遠い場所でもなく、
騎士達の装備も分けて貰える為荷物も少なく済み、出発の準備は整っていた。
見送りのために彼らを慕うイヨゥなどもドクオの家に集まり、別れの挨拶を交わしていた
(=゚ω゚)ノ「頑張ってきてくださいよぅ、皆さん」
_
( ゚∀゚)「おう、じゃあそろそろ行くか」
J('ー`)し「気をつけてね」
('A`)「行ってくるよかーちゃん。
さぁ行こうぜ、ブーン」
( ^ω^)「…ボクは行かないお」
(;=゚ω゚)ノ「え!?」
('A`)「……やっぱり来ないつもりかよ」
_
(:゚∀゚)「はぁ?どうしてだよ今更、俺たちの昔からの夢だったじゃねぇか」
( ^ω^)「……子供のころの話だお。
今更命かけての戦いなんてしたくないんだお」
- 82 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:32:38 ID:N8DAva4k0
- ('A`)「はっ、くっだらねぇな……怖気づいただけだろ」
( ^ω^)「……」
('A`)「死んだ殺したの世界がつらいってか。今までの修練を無駄にしてまでよ。
お前はそんな年になっても親離れできねぇ餓鬼っつーこったな」
_
(;゚∀゚)「おい、何変なこと言っちゃってんだよ、しかも言い過ぎだって」
('A`)「ちっ、……もう行くわ。兄者さんたちも待ってるだろうし」
_
(;゚∀゚)「ちょ、おい、待てよ……ブーン、じゃあな」
(;=゚ω゚)ノ「ちょ、ドクオさん、見送りに行くよぅ」
ドクオは荒い歩調で出発していった。慌ててジョルジュとイヨゥがついていく。
その場に残されたのはドクオの母親と、黙ったままのブーンだけだった。
( ^ω^)「……」
J( '-`)し「……ごめんねブーン君。ドクオも本当は分かってるのよ。
あんなこと思ってるわけじゃないのよ」
( ^ω^)「わかってますお……」
J( '-`)し「ただ、やっと夢が叶ったと思ったらそこにブーン君がいない、
そのことが寂しいだけなのよ。意外と子供だから」
( ^ω^)「……」
- 83 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:33:55 ID:N8DAva4k0
- J( '-`)し「……本当に行かないの?まだ間に合うのよ?
荷物も持ってきてるじゃない」
( ^ω^)「……そりゃ僕だって迷いましたお……けど……畑もあるし…
……怖気づいたんでやっぱり行かないことにしたんですお」
J( 'ー`)し「嘘。そんなこと思ってないでしょう?
あなたは村の皆が心配なだけ。いくら騎士団が残るって言っても
この村だけに構ってる暇はないから」
( ^ω^)「……」
J( 'ー`)し「……いいのよそんなこと。自警団の皆が居るわ。私たちだけでも問題ない」
( ω )「……でも、僕は」
J( '-`)し「……ブーン君、ちょっとこれを見て」
そういうとドクオの母親は家の中に入り、重そうに箱を取り出しブーンに手渡した。
ブーンがそれを開けると、中には大事にしまわれた斧が入っている。
作業用のものではなく、豪華な装飾なども施された戦斧である。
( ω )「……これ、は?」
J( '-`)し「シラヒーゲさんから預かってたの。ブーン君達が村から出るようなことが
あれば渡してほしいって」
( ω )「……でも」
- 84 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:34:41 ID:N8DAva4k0
- J( '-`)し「……ブーン君、あなたがおじいさんに教わったものは何?」
( ω )「…え?」
J( '-`)し「小さいころからずっと訓練して身についた技術、そしてシラヒーゲさんの意思」
( ω )「……」
J( '-`)し「それがおじいさんの遺したもの。そして、それはこんな村のためだけに
使うものじゃないわ。あなたの力はもっと多くの人を助けられるのよ?」
( ω )「……!!」
J( '-`)し「村のことは本当に心配いらないわ。他の自警団の子達も居るし、騎士団も
きっと助けてくれる。あなたの畑も皆で復興を続けるわ。皆で協力すれば
すぐに終わるわよ。やりがいがあるってものよ。」
J( 'ー`)し「……だから、行ってらっしゃい。
今度はあなたはもっと多くの、国中の人の為に力を振るうのよ」
( ^ω^)「……ありがとうございますお」
ドクオの母の言葉に、ブーンの中から熱い感情が湧き上がってくる。
彼が顔を上げると、その顔には吹っ切れたような、明るい表情が浮かんでいた。
持ってきていた荷物、それに祖父の戦斧を加えてブーンは歩きだす。
- 85 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:35:39 ID:N8DAva4k0
- J( '-`)し「でも困ったことがあったら帰りなさいよ?貴方たちの故郷はここなんだから」
( ^ω^)「はいお!!すいませんでした、いってきますお!!」
J( 'ー`)し「ドクオをよろしくね!」
(=゚ω゚)ノ「あ……」
ブーンが村の外へと歩いていく途中、見送りを終えたのであろうイヨゥと出くわした。
彼はブーンの姿を認めるなりニヤリ、と笑う。
(=゚ω゚)ノ「ブーンさん、行くのかよぅ?」
( ^ω^)「……うん、やっぱり僕も行くお」
(=゚ω゚)ノ「そうじゃなきゃだよぅ!!
今度皆が帰ってきたら皆に負けないぐらい強くなっておくよぅ。
だから村のことは心配しないで行ってくれよぅ!!」
( ^ω^)「……頼んだお!!じゃあ、行ってくるお!!」
(=゚ω゚)ノ「行ってらっしゃいだよーぅ!!」
ブーンは ヴォルフバイル を手に入れた
- 86 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:36:28 ID:N8DAva4k0
- ※
騎士達はVIP村から王都へと向かう街道に並んでいた。
その中ほどにはサスガ兄弟、姫、そしてジョルジュと不機嫌な様子のドクオがいる。
彼らの出発準備は整っていたが、ここに居ない誰かを待っている様子だった。
(´<_` )「本当にいいのか?このまま行っても」
('A`)「…あんな甘っちょろい奴、来ないほうがいいんですよ」
( ´_ゝ`)「……お前もいいのか?」
_
(;゚∀゚)「んー……残念だけど、あいつが決めたんだったら」
ξ゚听)ξ「……まあ、無理強いは出来ないわね」
(´<_` )「そうか、では行くとしようか」
( ´_ゝ`)(……んー、まだ、手はある、かな…・・・)
「待ってくださいおー!!!」
- 87 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:37:17 ID:N8DAva4k0
- ('A`)「!!」
アニジャが一人で何かを考え込み、オトジャが出発の号令をかける直前、
誰かの叫ぶ声が聞こえる。
いち早く反応したのは、ドクオだった。
見ると、後ろからはブーンが走ってきている。
(;^ω^)「ハァ、ハァ……すいません、やっぱり、僕も行かせてくださいお!!」
( ´_ゝ`)「……おお、寝坊か?」
ξ゚听)ξ「来るなら来るで最初から来なさいよね!!」
_
(*゚∀゚)「なんだよお前さ―、結局きてんじゃん!!」
(;^ω^)「おー、ごめんお。ジョルジュ、……ドクオ」
('A`)「……」
(;^ω^)「やっぱり怒ってるかお……?」
('A`)「……」
('∀`)「なんだよ今更きやがって。遅いっつーの」
_
( ゚∀゚)「うえっ、気持ち悪いから笑うなよ」
(#'A`)「何だとコラァ!!!」
(*^ω^)「おっおっおっおっ!!」
(´<_` )「……よし、役者も揃ったし、出発だ!!」
第3章 終了
- 88 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:41:53 ID:N8DAva4k0
- ユニット
アニジャ ( ´_ゝ`) 移動 8
ソシアルナイト 重量 32
LV5 EXP 0
HP 25/25
Personal Date 速さ 8
力 7 幸運 4
魔力 2 守備 7
技 8 魔防 3
持ち物 E 鉄の槍
傷薬
ニューソク国の 騎馬隊副隊長
言動は軽いが 実は有能
オトジャ (´<_` ) 移動 8
ソシアルナイト 重量 34
LV 5 EXP 0
HP 24/24
Personal Date 速さ 8
力 9 幸運 3
魔力 0 守備 6
技 6 魔防 4
持ち物 E 鉄の剣
傷薬
ニューソク国の 騎馬隊隊長
真面目な男で 兄と姫に手を焼く
- 89 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 03:43:32 ID:N8DAva4k0
- ネーノ ( `ー´) 移動 5
山賊 重量 11
LV 7 EXP 0
HP 22/22
Personal Date 速さ 4
力 7 幸運 2
魔力 1 守備 4
技 3 魔防 1
持ち物 E 鉄の斧
アヒャ山賊団の一味
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