( ^ω^)蝿の王のようです('A`)

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 13:41:41.42 ID:WrRkL104O


第四話「操り人形」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 13:43:24.67 ID:WrRkL104O
寂れた廃工場。
俺達が選んだ戦いの場は強烈な揺れに襲われていた。

('∀`)「これだっ! この力だ!!」

( ^ω^)「………っ!」

俺が次の動作を取ると内藤はいつものニヤけ面を取り払い、神妙な表情で身構える。

('∀`)「グラトニー!!」

俺は両手を横に広げて叫ぶ。
蝿の大群が各々純粋な殺意のみを持って、内藤に向かって飛んでゆく。

「待ちなさいっ!!」

来たか……

蝿達はバラバラに散ってゆき、溶けるように消え去る。

ξ#゚听)ξ「鬱田……鬱田 ドクオ!!」

ようやくこのショーの役者が揃ったな。
お前が翳した正義が何処まで真実に近付けるか見せてもらおうじゃないか。

('∀`)「この俺を止めてみせろおぉぉおっ!!」

俺の周囲を蝿、いや黒が覆い尽くしてゆく。
腐敗、破壊の力がこの空間を支配した。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 13:46:29.13 ID:WrRkL104O
蝿達が様々な形を成してゆく。
丸い球体の物、鋭い槍状の物、円盤状の物。
この空間を支配した黒き暴力達はそれぞれが禍々しい兵器とも言えよう。

('A`)「避けきれるかな?」

そう言って俺は指を鳴らす。
甲高く小気味の良い音が鳴り響くと同時に兵器達は物理法則を無視した運動を行なう。
いや、何だかんだでコイツらは蝿だから物理法則的にはおかしくは無いのか?

まぁいい。
どのみちあの偽善者がピンチである事には変わりないさ。

ξ;゚听)ξ「きゃっ!!」

( ^ω^)「っ!!」

俺が物思いに更けっていると津出 麗子の短い悲鳴が聞こえた。

被弾したか…
能力発動から三分ってところだな。
一介の女子高生にしては頑張った方だろう。
津出 麗子に接触した蝿達は爆ぜて煙幕を生み出す。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 13:49:23.32 ID:WrRkL104O
('A`)「これぐらいじゃ死なんだろう。というより死んで貰っちゃ困るぞ?」

俺は煙幕の向こうにいるであろう津出 麗子に語りかける。
だがあの爆発だ。生きてはいるだろうが返事は出来ないかもしれないな……っ!?

(;'A`)「ぐぁっ!?」

直後、俺の後頭部に衝撃が走る。
まさかっ! そんなはずは無い。
蝿が爆発したという事は確実に被弾したはずだ。
なのに何で……

(;'A`)「何故お前はそこにいる!?」

俺は揺れる視界の中で精一杯の声を張り上げる。

ξ;゚听)ξ「はぁっ…はぁ……」

俺が立っていた場所にソイツはいた。
一方、俺はというと後頭部を渾身の力でブン殴られ、数歩分の距離をふっ飛ばされていた。

(#'A`)「答えろ津出 麗子っ!!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 13:52:24.46 ID:WrRkL104O
完璧な誤算だ。
まさか一般人が魔王の力を前にここまで動けるとは…
打ち所が悪かったようだ。
先程から目の前の少女が三人に見える。

それぞれに腕や足に擦り剥いたような傷がある。

ん…? 擦り剥いた?

(;'A`)「まさか…っ!?」

ξ#゚听)ξ「ようやく気がついたようね」

コイツは傑作だ。
どうやら俺はこの女を過小評価し過ぎていたらしい。

('A`)「大方最初の爆発で飛び散ったコンクリートの欠片ってとこか」

ξ゚听)ξ「ご名答。無傷とはいかなかったけど直撃は避けられたわ」

物体に接触すると同時に爆ぜる球体の能力。
まさかそれを上手く利用されるとはな。

( ^ω^)「………」

内藤、少しは反応したらどうだ?
明らかにお前空気になってるぜ。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 13:55:18.21 ID:WrRkL104O
つまり津出 麗子が被弾を免れた理由はこうだ。

俺が蝿達に事を委ねて物思いに更けている間、津出 麗子は壁や地面にぶつかって爆発する蝿達を見てこの能力の性質を見抜いた。

蝿達は物体にぶつかると爆発する。
それを逆手に取り、自分に向かってきた蝿に散らばったコンクリート片をぶつけてやる。

爆風による衝撃こそ避けられないものの生命に関わる傷を負う確率は低い、むしろその時に発生する噴煙に乗じて身を隠す事も出来る。

蝿の力に全てを任せて自分の目で観察する事を怠った俺は当然の如くしっぺ返しを食らったわけだ。

('∀`)「やるじゃないか小娘」

強がってはみるものの、頭のダメージは思ったより深刻のようだ。
かくなる上は……

( ^ω^)「……?」

俺はちらりと内藤に視線を移す。
内藤もそれに気付いたようで疑問を含んだようなしかめ面をこちらに向けている。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:00:48.62 ID:WrRkL104O
出来るか出来ないか。正直不確定な要素が多過ぎるがやってみる価値はあるだろう。

(#'A`)「ベルゼブブ!! 俺を蝕む吐き気と痛みを腐らせろおぉぉっ!!」

俺の叫びを聞いた蝿達は俺を取り囲むように集ってゆく。
そして俺の耳の中から…

(;'A`)「うっ………」

蝿が耳から体内に入っていくなんて経験したくも無かったな。
それだけで充分吐き気を伴いそうだ。だが……

(;'∀`)「完治だ……」

ξ;゚听)ξ「………」

( ^ω^)「………」

そんな化け物を見るような目で俺を見るな。
特に内藤、お前にだけはそんな視線を向けられたくないな。

まぁ良い………

('A`)「集え………」

再び蝿が俺の元へ集まってゆく。

それも先程までとは比べ物にならない数だ。
何千万もの蝿達が俺の頭上で凝縮してゆく。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:03:23.16 ID:WrRkL104O
ξ;゚听)ξ「これは……」

津出 麗子が 恐怖と不安が入り交じった表情で俺を見る。
まぁ無理もないだろう。

('∀`)「さしずめブリューナク……『貫く者』ってところか…」

俺の頭上には巨大、かつこれ以上ないほど鋭利な槍が形成されている。

('A`)「津出 麗子。お前に選択肢をやろう」

ここで俺は渾身のブラフを仕掛ける。

ξ;゚听)ξ「何………?」

('A`)「この力は俺の力の全てを集結させた物。つまりこの一発で打ち止めって事だ」

ξ゚听)ξ「…って事は」

('A`)「そう。今の俺にはお前達のどちらかしか殺せない。だが逆に言えば一人は確実に殺せるという事だ」

( ^ω^)「………」

ξ゚听)ξ「………」

俺が与えた選択肢とやらに気付いたようだな。
さぁどうする津出 麗子。

(#゚A゚)「どちらが死ぬか………… 選 べ 」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:06:32.74 ID:WrRkL104O
( ^ω^)「ツン………」

ようやく口を開いたな。
正直このまま一言も喋らないつもりかと思ったぞ?

ξ゚听)ξ「……何よ」

( ^ω^)「まさか僕の身代わりになろうとか考えてないおね?」

ξ゚听)ξ「…………」

( ^ω^)「僕はこれ以上君に迷惑はかけたくないお。馬鹿な事を考えるのは止めるお」

ξ゚听)ξ「…………」

( ^ω^)「君は生き残って…」

ξ゚听)ξ「馬鹿じゃないの?」

ξ゚听)ξ「アンタ高校に入ってすぐに同じような事言ったわよね」

( ^ω^)「…………」

ξ゚听)ξ「それからアンタは変わっていった。アタシは変わっていくアンタを止められなかった……」

ξ;;)ξ「これ以上アタシに後悔させないでよっ!!」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:10:02.96 ID:WrRkL104O
やれやれだ。
これだから女は面倒なんだよ。
誰もお涙頂戴の場面なんて望んでないぞ?

('A`)「…………はぁ」

俺は一際大きな溜め息をつく。
津出 麗子はそんな俺の様子に気付いてもいないようで、ややヒステリック気味に話を続けている。

ξ;;)ξ「馬鹿で…っ! とろくて…っ! 融通が利かなくて…っ!」

ξ;;)ξ「そんなアンタが偉そうに何もかも背負い込むんじゃないわよっ!」

(; ^ω^)「僕は……君が傷つくのが嫌で…」

ξ;;)ξ「アンタが傷ついて自分だけ呑気に暮らす方がよっぽど嫌よっ!!」

ξ;;)ξ「今ならまだ間に合うわ。これはアタシの過去に対するけじめ………」

(  ω )「…………」

ξ--)ξ「後悔はもう……したくないの」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:13:05.94 ID:WrRkL104O
(  ω )「君の事をっ……一生忘れないおっ!」

ξ--)ξ「何でかな……こんな事思うのはいけない事なんだろうけど」

( ;ω;)「おっ!……おっ!」

ξ゚ー゚)ξ「アタシの為にアンタが泣いてくれてる事………それが今はとっても嬉しいわ」

( ;ω;)「ツン……」

ξ゚听)ξ「死ぬのはアタシよ!! 一思いに殺しなさいっ!」

何度考えても解せねぇ。
人の為にそこまでして何になるってんだ。
まぁ良い……
俺は勝負に勝った!!

('∀`)「茶番劇はもう終わりか? 辞世の句は詠んだか? 最後の学校生活は楽しんだか?」

ξ--)ξ

('∀`)「死ねっ!!」

槍は冠する名の如く、貫く者となる。
放たれてしまえば軌道もクソも無い。

貫く者は少女を駆逐した。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:16:42.24 ID:WrRkL104O
('A`)「…………」

( ^ω^)「…………」

ξ--)ξ「かはっ……」

槍は津出 麗子の胴体を綺麗に貫通している。
津出 麗子は咳き込みと共に大量の血を零した。

ξ;゚ー゚)ξ「ない……と…う」

タイムアップだ津出 麗子。

ξ;゚ー゚)ξ「うっ!?」
爆発。
若干のタイムラグの理由は分からない。神様が最後に猶予でも与えたのかね。
次の瞬間、津出 麗子は人の姿を失った。

.:。凵J)ξ「」

胴体と首が別れを告げた。
目玉は地面を転がり、目があった場所からは良く分からない体液らしき物が流れている。
爆発の中心にあった胴体はもはや原型を留めていない。
骨も肉も内臓も欠片となって散らばっている。

('A`)「コイツぁ傑作だな」

俺は足元にあった目玉を躊いなく踏みつぶした。

(  ω )「…………」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:20:02.21 ID:WrRkL104O
('A`)「そろそろ何か言ったらどうだ?」

俺が話し掛けるが尚も無言。
こりゃどうしたもんかね。

('A`)「おいっ……」

(  ω )「黙るお」

低く唸るような低音。内藤は俺の発言を遮ると迷わず津出 麗子の頭だった物を…


蹴り飛ばした。


( ゚ω゚)「ふひひひひっ!! ふひひひひっふひっひっひっ!!」

('A`)「………ふぅ」


内藤は津出 麗子の肉片を蹴散らしてゆく。
腎臓、肝臓、肺臓、心臓、大腸、小腸…

ありとあらゆる臓物だった物が凄惨な不協和音を立てながら踏みつぶされていった。

( ゚ω゚)「ふおぉぉぉっ!! ふひゃっ! ひっひっふひっ!!」

('A`)「落ち着け……って言っても無駄か…」

狂気に支配された空間には内藤の笑い声だけが響いた。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:23:04.02 ID:WrRkL104O
それから十分程経ったか…
俺は地面に座り込み、目を閉じていた。

(-A`)「…………」

ちらりと内藤に目をやる。

( ^ω^)「はぁっ…はぁっ…」

そこには中腰で膝に手を置き、息を切らした人間脱退者がいた。

('A`)「落ち着いたか?」

俺の問い掛けに内藤は右手をあげ、無言の肯定をした。

( ^ω^)「何はともあれ、君は良くやってくれたお」

('A`)「そいつぁどうも」

全く、俺としては形になる礼が欲しいもんなんだがな。
まぁ俺の寿命が延びただけでも良しとするか。

( ^ω^)「中々君も様になっていたお。ただ『グラトニー!!』はいただけないおwww」

(;'A`)「ほっとけ!」

俺の迫真の演技にいちゃもんつけやがって。
俺の演技が無いとこの計画は上手くいかなかったんだぜ?

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:26:08.10 ID:WrRkL104O
( ^ω^)「まぁ君の厨二臭い演技も捨てたモンじゃなかったお」

('A`)「そりゃそうだ。そもそも俺の演技がメインだったんだからな」

( ^ω^)「演技に合わせて力を使う僕の身にもなれお」

そりゃごもっともだな。

そう。全ては津出 麗子を殺す為だった。
人知を越えた力を持った俺が内藤ホライゾンを殺そうとする。
それを知った津出 麗子が内藤の身代わりになる。
それがこの茶番劇のシナリオだったのだ。
勿論凡人である俺にベルゼブブの力なんざ扱えるわけが無い。
俺がわざわざ手を翳したり、大袈裟な動作を取っていたのは内藤が俺の動きに合わせて力を使いやすくするためだった。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:29:09.97 ID:WrRkL104O
( ^ω^)「それにしてもあのアドリブは堪えたお」

('A`)「あのアドリブ?」

何の事か分からない俺が問い返すと、内藤はやれやれとでも言いたげな顔をして自身の後頭部を人差し指でつつく。
あぁなるほどな。

('A`)「まさか女相手に背後を取られるとは思わなかったよ」

( ^ω^)「痛みと吐き気を腐らせろなんて言った時にゃコイツどうしてやろうかと思ったお。そもそも何で僕が君のミスの尻拭いなんてしないといけないんだお」

おいおい、目茶苦茶言ってくれるなこの野郎。

('A`)「じゃあお前には全部見えてたのか?」

( ^ω^)「」

おい。

('A`)「お前に出来ない事を俺に強要するなよ。重ねて言っておくが俺は凡人なんだからな」

( ^ω^)「この力以外で君に出来ない事は僕にも出来ないお」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:32:03.70 ID:WrRkL104O
('A`)「は?」

( ^ω^)「君はツン相手に不覚を取った。でも君はその原因を直後に見抜いたお」

そういえばそうだな。
あの時は本能的に考えてたが、今にして思えば大したモンだ。

( ^ω^)「君がそれを声に出して教えてくれたから僕はあの槍の性質を刺突に重点をおいて爆発にタイムラグを生み出したんだお」

なるほどな。
あのタイムラグはそのせいか。
まぁ結果としてはアイツが苦しむ時間が増えただけだったがな。

( ^ω^)「事が終わってから思うお。君の存在価値は僕と共に在る事にあるお」

勝手に人の存在価値を決めんな。
まぁなんだ。そう言われて悪い気はしないがな。
俺はちらりと津出 麗子の亡骸を見る。

.:。凵J)ξ

これを前にして動じない俺も人間脱退者候補なのかもな。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:35:12.91 ID:WrRkL104O
( ^ω^)「君が僕に津出 麗子に接触しろって言った時はさすがに気まずかったお」

('A`)「あぁ、あれか」

( ;ω;)「ドクオに廃工場に呼び出されたお! きっと僕は殺されるお!!」

( ^ω^)「自分で言ってて馬鹿らしかったお」

いちいち再現せんで良いわ。
しかしこの切り替えの速さにも良い加減慣れてきたな。

('A`)「アイツを此所に来るように仕向けないと話にならないからな。まぁアイツの性格だ。中に竜がいようが虎がいようが来ただろ」

( ^ω^)「入ってみれば魔王降臨! だおwwww」

当事者から見れば笑えねぇ冗談だ。
俺だってあの女の立場だったら失禁するぜ。

('A`)「そうだ。聞きたい事がある」

( ^ω^)「お?」

これを聞かない事にはこの作戦が上手くいったのか分からないままだからな。
懸案事項は早く消化しておくに限る。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:38:12.56 ID:WrRkL104O
('A`)「あの女は……津出 麗子は喜びの中で死ねたのか?」

アイツの過去と性格を利用して内藤の身代わりにさせるまでに追い込んだ。
だがアイツは本当に喜んで死ぬ事が出来たのだろうか。

( ^ω^)「それは僕が保証するお。ツンは喜んで僕の身代わりになって死んだ。死ぬ直前の顔は笑顔だったお」

人間そんなモンで良いのかよ。
せっかく懸案事項が無くなったというのに俺はどうにも喜べなかった。

('A`)「人間は例外無く自分が可愛いモンじゃないのかよ。今の世の中がその証拠だろ…?」

( ^ω^)「確かに今の世の中は腐ってるお。でも世界は君が思うより捨てたモンじゃないお」

お前にそんな事を言われるとはな。
じゃあ今俺達がしてる事は何なんだ。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:41:12.64 ID:WrRkL104O
('A`)「じゃあ俺が異常なのか? 自分可愛さに人を殺す。そしてそれに対して何の罪悪感も無い……」

( ^ω^)「勘違いするなお。僕だって罪悪感なんて微塵も感じてないお」

('A`)「じゃあ…何で……」

( ^ω^)「捨てたモンじゃないこの世の中を何が何でも捨てたくない世の中にする為だお」

一呼吸おいて

( ^ω^)「僕はこの力を使って世界変革を起こすお。その為の犠牲にいちいち涙を流して懺悔する暇は無いんだお」

世界変革…
お前はこの世界をどうしたいんだ?
そしてどうして俺を巻き込んだんだ。

('A`)「この茶番劇も変革の第一歩ってことなのか…?」

( ^ω^)「そういう事だお」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:44:06.88 ID:WrRkL104O
('A`)「まぁお前がどうしようと知った事じゃねぇ。約束通り俺の命を保証してくれりゃ何も言わねぇさ」

( ^ω^)「…………」

何だんまりしてやがんだ。
まぁ良い、もう俺は疲れたんだ。
事後処理はコイツに任せて帰るとするか。

('A`)「俺は帰るからな」

( ^ω^)「僕も帰るお」

なんだって?
お前が死体の処理をしないと世界変革の前に牢屋行きだろうが。

(;'A`)「おいっ」

( ^ω^)「君が言わんとする事は分かるお。けど先ずは此所から出る事をおススメするお」

何のこっちゃ。
まぁコイツも考えるところがあるんだろう。
無難に俺は内藤の言う通り、廃工場から出た。

('A`)「で? どうすんだよ」

( ^ω^)「まぁ見てろお」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/22(日) 14:48:31.71 ID:WrRkL104O
内藤がぱちりと指を弾く。その瞬間、廃工場は音を立てずに溶け出した。

(;'A`)「っ!?」

( ^ω^)「走るおっ!」

内藤の声を聞いて我に返る。
俺はこれから起こるであろう事を察知すると全力で駆け出した。

(;'A`)「お前何しやがったんだ!?」

( ^ω^)「廃工場全体を腐らせたお」

異端者は発想が違いますねぇ。
俺は走りつつ、ちらりと後ろを見た。

どす黒い液体が周囲一帯を飲み込まんとしているのが見える。

( ^ω^)「ブリューナクはなかなか良いセンスだったお。じゃあこれはさしずめ『ポセイドン』ってとこかお?」

馬鹿言ってる場合かよ!
取り敢えずお前はこの状況から抜け出せたら絶対ブン殴る!
だから…

(;'A`)「今に見てろよこのいじめられっ子っ!!」

( ^ω^)「おっおっおっww」

俺達は肩を並べて無我夢中に駆け抜けた。近隣の住民が見てなきゃ良いんだがな。
全く……やれやれだな。


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