( ^ω^)蝿の王のようです('A`)

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/28(土) 21:02:33.32 ID:aSe8IbkJO


第六話「心と絆」



4 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:05:05.20 ID:aSe8IbkJO
(´<_` )「少し遅れたがこれで皆集まったな。今日は中庭の清掃をしてもらう。各自ゴミ袋と軍手は持ったな?」

弟者が言い終えるとそれから一呼吸おいて威勢の良い返事が束となって聞こえる。
何でこの学校の美化委員会はこんなに熱血なんだ?

('A`)「うぃーっす…」

一方俺はというと、やる気を微塵も感じさせない蚊の鳴くような声でぼそりと呟いていた。

('A`)「何で俺こんなことしてんだろうな…」

誰に言うでもなく、一人愚痴を吐きながら淡々と空き缶やら雑草やらを拾ってゆく。

(´<_` )「まぁそう言うな。与えられた仕事を卒なくこなすのも社会に出て求められる能力の一つだぞ?」

おっと…聞いてやがったか。
まぁ弟者の言う事ももっともだ。
世の中の大人は揃いも揃って弟者のような事を言う。
それだけ社会ってのは厳しいモンなんだろうな。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/11/28(土) 21:08:03.03 ID:aSe8IbkJO
('A`)「まぁ気楽にやりますよ」

(´<_` )「お前は兄者みたいな事を言うんだな。頼むから気楽になり過ぎないようにしてくれよ」

('A`)「把握しましたっと」

ひとしきりゴミを拾い終えると俺はゴミ袋を固く結んで肩にかける。

(´<_` )「俺が持っていっておこう。別の場所も頼むぞ」

('A`)「わざわざすみませんね」

気にするな、とだけ返して弟者は俺の手からゴミ袋を受け取ると足早に去っていった。

('A`)「次はどこにするかな…」

辺りを見渡してみるが目についてゴミが多い場所は無い。
当てもなくぼんやりと宙を見つめていると俺が所属する二年一組の教室が目に入った。

('A`)「んっ?」

窓越しに人が立っているのが見える。

おいおい。見間違いじゃなきゃあれは内藤じゃないか?

6 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:11:04.86 ID:aSe8IbkJO
('A`)「………」

なにやらきな臭い香りがぷんぷんしやがる。
ここから良い展開に事が運ぶ事は無さそうだ。
俺はこれから起こり得る悪い状況を何パターンか脳内シュミレートしてみる。

(;'A`)「…っ!」

確率的にはどうだろうか分からないが一つだけ飛び切りよろしくない状況が頭に浮かんだ。

おいおい内藤、まさかお前はそこまで頭が悪いわけじゃないだろうな。

(;'A`)「兄者っ!」

もしこの最悪のシチュエーションが現実になるなら、今あいつを止められる人間は間違いなく俺だけだろう。
弟者には悪いが今日も清掃活動には最後まで参加出来そうにないな。

(;'A`)「アンタの肉親の為だ……今日は大目に見てくれよ」

俺は脱兎の如く教室へ駆け抜けていった。

7 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:14:03.34 ID:aSe8IbkJO
(;'A`)「はぁっ……はぁっ」

ただひたすら走る。
昇降口が目に入るが靴なんて履き替えてる場合じゃない。
土足のまま校舎へ上がり込み、スピードを落とさないまま階段を駆け上がってゆく。
クソがっ! 何で昨日といい今日といい、俺はこんなに全力疾走せにゃならんのだ。

(#゚A゚)「っしゃあぁぁぁっ!!」

捌け口の無い怒りを運動エネルギーに変換し、ペースを上げる。
教室まであと十メートル……五メートル…二メートル…

(;'A`)「兄者先輩っ!」

乱暴に教室の戸を開けて駆け込む。
俺の目に飛び込んだ光景は想像していたものとはかけ離れた光景だった。

(* ´_ゝ`)「やっぱりお前は分かってるな! チョコレート菓子といえばたけのこの里に決まってる!」

(* ^ω^)「だおだおっ! きのこの山なんて食えるかおっ!」

8 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:17:03.43 ID:aSe8IbkJO
全力で走ったことによる酸欠とこの状況が相俟って頭痛がする。
せめてものストレス解消に、と俺は教室の戸を叩きつけるように閉めた。

(* ^ω^)「お? なんだ君もいたのかお」

(* ´_ゝ`)「おっ丁度良かった。チョコレート菓子といえばたけのこの里だ! お前もそう思うだろ?」

激しくどうでも良いし興味無い。
あえて突っ込ませてもらうとすれば、お前らそれじゃ『たけのこ』対『きのこ』という名目のきのこ派いじめだろうが。

('A`)「はぁ、俺はブラックサンダー派ですけど……」

(; ´_ゝ`)「うわ…ないわぁ」

(; ^ω^)「………」

何でそうなるんだよ。

9 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:20:04.52 ID:aSe8IbkJO
('A`)「そんなことより何でお前が兄者先輩と意気投合してんだよ」

( ^ω^)「僕だって君以外の人と雑談ぐらいするお」

( ´_ゝ`)「俺だって弟者以外の人と雑談ぐらいするぞ」

兄者、お前の話は聞いてない。

('A`)「はぁ……まぁお前の日常生活に口出しする気は無いが俺の気持ちも考えてくれよ?」

ベルゼブブの件の事もあるんだからな、と耳元で兄者に聞こえないように付け足した。

( ^ω^)「善処するお」

( ´_ゝ`)「なーに内緒話なんかしてんだよ。まっとりあえず俺はそろそろ帰るわ。あばよブラザー!」

( ^ω^)ノ「ばいぶーブラザー!」

('A`)「あっ…お疲れ様です」

しかしこの二人が意気投合するなんて思いもしなかったな。
なんだか下手な手品ショーを見せられているみたいだ。

11 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:23:03.70 ID:aSe8IbkJO
兄者が完全にこの場から去ったことを確認すると、俺は直ぐさま内藤の方へ向き直った。

('A`)「さっきとはえらい違いだな。弟者先輩の時もそうやってりゃ良いものを…」

( ^ω^)「僕がただあんな下らない会話をする為に兄者と接触したと思ったのかお?」

('A`)「あっ?」

さっきまであんなにヘラヘラしてたじゃないか。
もしかして俺の悪い予感もあながち外れてはいなかったのか?

( ^ω^)「君が来なければ腕の一本でも貰ってたかもしれないお」

('A`)「ということはやっぱりベルゼブブ関連か……」

俺の全力疾走は決して無駄ではなかったみたいだ。
良かったな兄者。
俺の密かな努力のお陰でアンタの寿命は延びたみたいだよ。

14 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:26:07.07 ID:aSe8IbkJO
( ^ω^)「正直あの兄弟とはもう話したくないお」

('A`)「兄者先輩はともかく弟者先輩まで邪険にすることないんじゃないか? 誰がどう見ても立派な常識人だろうが」

( ^ω^)「それを言うならツンも常識人だったお。君は僕に言わなかったけど嫌ってるオーラが滲み出てたお」

あいつは例外だ。
あの反吐が出るほどお美しい正義感は俺が最も嫌うものだからな。
それに比べて弟者の方は良い。
少なくとも俺の前ではまだ下らない正義感を発揮してはいないからな。

('A`)「津出 麗子の事を思い出させるな。向こう一週間の目覚めが悪くなりそうだ」

( ^ω^)「弟者は良いのにツンは駄目なのかお? あの堅物、初対面でやけに気に入られたみたいだおね」

16 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:29:25.83 ID:aSe8IbkJO
('A`)「俺の中では津出 麗子と弟者先輩は全く違う人種なんだよ」

( ^ω^)「上辺では模範生に見えるけどあれは腹に一物有りと見えるお。僕に言わせたらツンよりよっぽどタチが悪いお」

何だ? 今日はやけに突っ掛かってくるじゃないか。
男がナーバスになっているところなんざ見たくないんだがな。

('A`)「そりゃ俺らも同じだろうが。まぁ良いさ、お前が誰を嫌おうが俺には関係無いことだ」

( ^ω^)「最初に話を持ち掛けたのは君の方だお。そんな締めくくり方は腹に据えかねるお」

('A`)「そりゃどーもすいませんね」

( ^ω^)「………」

面倒な奴だな。これならいつものようにヘラヘラしてる方がよっぽど可愛げがあるってもんだ。

('A`)「じゃあ俺は弟者先輩のとこに戻るからな」

19 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:32:05.30 ID:aSe8IbkJO
( ^ω^)「まてお」

('A`)「あ?」

まだ突っ掛かってくるつもりか?
本当に何なんだ今日のこいつは。

( ^ω^)「たった今決まったお。次の殺しのターゲットの報告だけしておくお」

('A`)「まさか……」

このタイミングで決まるってことはあの兄弟のどちらかだろう。
兄者か? 弟者か? それとも……両方か?

( ^ω^)「次のターゲットは流石 兄者。条件は怒りの中で死なせる事。期限は前回同様三日だお」

(;'A`)「………」

あながち外れじゃないってレベルじゃないぞ。
見事に俺の悪い予感的中じゃないか。

( ^ω^)「次のターゲットは流石 兄者。条件は怒りの中で死なせる事。期限は前回同様三日だお」

(;'A`)「………」

あながち外れじゃないってレベルじゃないぞ。
見事に俺の悪い予感的中じゃないか。

( ^ω^)「返事がないお。せっかく僕がキミのお気に入りの弟者は避けてあげたのに。礼の一つぐらい言ったらどうだお?」

23 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:36:03.75 ID:aSe8IbkJO
喜びの次は怒りか……
あの性格じゃあ本気で怒らせるのは難しそうだな。
ただベルゼブブの力を見せつけたところで怒りの感情は湧かないだろうしな。

だが……

('A`)「まぁ弟者先輩じゃなくて良かったよ。あの人が相手になったらどんなしっぺ返しをくらうか分かったもんじゃない」

( ^ω^)「それはどうかお」

('A`)「あ?」

( ^ω^)「あの兄弟……どちらか一人を殺すのは多分無理だお」

('A`)「どういう事だ?」

( ^ω^)「すぐに分か……」

(´<_` )「兄者はいるか?」

内藤が何か言いかけたと同時に教室の戸が開いた。
見るとそこには長身ロン毛できっちりと制服を着こなす流石 弟者がいた。

24 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:39:03.29 ID:aSe8IbkJO
('A`)「さっき帰りましたよ。あっ掃除サボってすみません」

(´<_` )「気にするな。丁度終わったところだからな。次からは最後まで居てくれよ?」

( ^ω^)「……」

ふと内藤の方に目をやると、いつものニヤけ面で弟者を見つめている。
まさかまた喧嘩売るような真似するつもりじゃないだろうな。

(´<_` )「どうした? 俺の顔に何かついてるか?」

弟者もそれを察知したようで、怪訝そうな顔で内藤に話しかけた。

( ^ω^)「用事が無いならさっさと帰れお」

(´<_` ;)「おっと…すまないな。何やら嫌な予感がしたんで兄者を探してただけなんだ」

( ^ω^)「誰もお前の事情なんか聞いてねーお」

やりやがった。
これはさすがに俺でもキレるぞ?
何でこいつは弟者に対してこうも反抗的なんだよ。

25 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:42:04.53 ID:aSe8IbkJO
(´<_` ;)「くっ…じゃあ俺も帰るとするよ」

(;'A`)「あっ…お疲れ様です」

( ^ω^)「……」

弟者が足早に去ってゆく。
一方内藤はというと、まるで興味なさげな表情でそっぽを向いている。

('A`)「全く…一緒にいる俺の身にもなれよ」

( ^ω^)「知ったこっちゃねーお。それよりこれで分かったかお?」

いきなり予想外の質問をされて戸惑う。
今のやり取りで何を分かれっていうんだ?

( ^ω^)「結果的には無事だったけど兄者は危機的状況にいたお」

('A`)「そりゃそうだな。お前もやる気満々だったみたいだし」

( ^ω^)「弟者は間違いなくそれを察してたお。アイツが僕に言った事、覚えてるかお?」

('A`)「『嫌な予感がしたんで兄者を探してた』だろ?」

( ^ω^)「正解」

26 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:45:21.93 ID:aSe8IbkJO
( ^ω^)「性格は正反対でも双子って事だお」

('A`)「解せないな」

こいつの言い分も分かるがそれだけで判断するのはな…
それにさっきから何であの兄弟の事を知ったような口を聞くんだ?

('A`)「お前もあの兄弟とは初対面だろ? お前にあの兄弟の何が分かるんだよ」

( ^ω^)「日頃の観察の賜物だお」

('A`)「よく言うぜ。俺が知る限りじゃあモララーにボール代わりにされてる様にしか見えないがな」

( ^ω^)「言ってろお。まぁそれは置いといて、兄者に手を出す時には弟者の事も考慮しておいた方が良いお」

まぁそれは否定しない。
本当に弟者が兄者の危機を察知したっていう証拠は無いが不安要素は常に頭に入れておくべきだろう。

28 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:48:02.86 ID:aSe8IbkJO
('A`)「お前…それを分かってて次のターゲットを兄者先輩にしたのか?」

( ^ω^)「そういう事だお。僕としては二人共殺せたら万々歳だお」

どっちにしても厄介だな。
あの兄弟二人を相手にするとなったらちょいと骨が折れそうだ。
弟者の方は的確にこちらの動きを妨害してくるだろう。
兄者の方も油断ならない。
噂によると行動こそ破天荒なものだが学力、運動能力共に弟者に引けを取らないらしいからな。

('A`)「とりあえず色々考えてみる。条件の方も考慮すると一筋縄ではいきそうもないからな」

( ^ω^)「期待してるお」

簡単に言ってくれるもんだ。
まぁ家に帰ってじっくり考えてりゃ良い案の一つぐらい浮かぶだろう。
清掃活動も終わったことだしもう学校に用は無い。

('A`)「俺も帰るとするよ」

30 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:51:05.29 ID:aSe8IbkJO
('A`)「とは言ったものの…」

実際に考えてみても良い案が浮かばない。
案自体はさっきから湯水の如く溢れているんだが、いざ考えてみるとどれも詰めが甘かったりする。

('A`)「んっ?」

学校から俺の家までの丁度中間地点に差し掛かったところでいつもこの道では見掛けることのない人物を見た。

(´<_` )「おっ? 今日はよく顔を合わせるな」

(; ´_ゝ`)「今帰りか? 内藤は一緒じゃないのか…」

('A`)「先輩達も帰りですか? いつもこの辺りは通ってないですよね?」

(´<_` )「兄者がスロットで大勝ちしたって言うんで今から外食するところだ」

(; ´_ゝ`)「新しいゲーム買おうと一週間前から使わないで取っといたのに…」

31 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:54:24.19 ID:aSe8IbkJO
(´<_` )「高校生の分際でギャンブルに手を染める兄者が悪い。ドクオ君、君も来ると良い。五万はあるから美味い飯が食えるぞ?」

(; ´_ゝ`)「ねぇねぇ、全部使う気なの? 俺まだ奢るって言ってないよ? それって立派な恐喝だよね?」

(´<_` )「クズの理屈など聞きたくない」

これ以上は何を言っても無駄だと悟ったのだろう。
兄者は弟者の説得を諦めて助けを求めるような目でこっちを見ている。

悪いな兄者

('A`)「じゃあバタバタ着替えて来るんで待ってて貰えます?」

(´<_` )「構わないよ。二人で五万を使いきるのは少し骨が折れる。君が来てくれると助かるよ」

( ;_ゝ;)「」

この二人と過ごすのは有力な情報を聞き出す良い機会だからな
まぁそんな損得感情を抜きにしても断る理由なんか無いだろう。

33 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 21:57:08.11 ID:aSe8IbkJO
それから俺はやや駆け足気味で帰宅した。
まぁ格好は適当で良いだろう。
迷う事なく黒のスラックスと白いカッターシャツをクローゼットから引き出し、三十秒で着替えを済ませる。

('A`)「行ってきます」

誰も聞いていないがつい言ってしまう。
これを止めたら親の存在自体忘れてしまいそうだからな。

…………

(´<_` )「おっ早かったな。喜べ、今日は焼肉だ」

(# ´_ゝ`)「もうどうにでもなれっ! 特上以外頼んだら殺すからな!」

そいつは朗報だ。
ここしばらく母ちゃんが作り置きした冷めた飯しか食ってないからな。
遠慮なく頂くとするか。

('A`)「じゃあ行きましょうか」

(´<_` )「そうだな」

(# ´_ゝ`)「けぇしてえぇぇっ!! りらいとしてぇぇぇええっ!!!」

兄者、お前は黙れ

35 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 22:00:04.73 ID:aSe8IbkJO
そして俺達は徒歩三十分かけて見るからに敷居の高そうな店に辿り着いた。

(# ;_ゝ;)「おわーらないちょうげんそおぉっ!! わすーらーれぬそんざいかんをーっ!!」

途中、兄者が怒り顔で涙を流しながら歌っていたがそれは気にする事もないだろう。

('A`)「なんか高そうな店ですね…大丈夫ですか?」

(´<_` )「兄者の奢りだ。心配と遠慮はいらんぞ。兄者、恥ずかしい店の中で歌うな」

(# ;_ゝ;)「きしかいせえぇぇっ!! りらいとしてぇぇぇええっ!!」

弟者とセットでいる分には兄者もそこまで鬱陶しくはないな。
これは良い発見だ。

そうこうしている内に店員が注文を取りにやって来た。

37 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 22:03:03.35 ID:aSe8IbkJO
( ;_ゝ;)「メニューにあるやつ全部持ってこい!」

(´<_` )「落ち着け兄者。それではいくら金があっても足りないぞ?」

('A`)「あっライス(大)三人前とこの特上贅沢コースってやつで……」

店員は言われた注文を再読すると足早に去っていった。

('A`)「それにしても二人共、なんだかんだで息が合ってますよね」

下手な芸人より掛け合いの息がぴったりだしな。
やはりそこは兄弟という事か。

(´<_` )「生まれてからずっと一緒にいるからな。こんな馬鹿でも多少の愛着は湧くさ」

( ´_ゝ`)「なら今すぐ注文取り消して帰りません?」

弟者が言っている事は本心だろう。
こんな掛け合いをしていても心の底では繋がってんのかね?

39 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/11/28(土) 22:06:04.50 ID:aSe8IbkJO
('A`)(兄弟……か)

俺のこんな捻くれた性格もやっぱり一人っ子で甘やかされて育ったからなのかね。
全てを親のせいにするつもりは無いが小さい頃から親との会話の代わりに物を与えられてきたのは良い影響ではないだろう。

津出 麗子を殺す時は自分の考えこそ至上と信じて止まなかったが、この兄弟を見ていると人の心ってのもそこまで凶悪な物でもないのか、などと思えてくる。

(* ´_ゝ`)「おっ! 肉が来たぞ。ぃやっはーっ!!」

(´<_` )「なんだかんだで一番はしゃいでるな。ドクオ君、食べないのか?」

たった今最高の策を閃いた。
全くもって残念だよ。
その素晴らしい情を持つがゆえに俺達に殺されるんだからな。

('A`)「んじゃいただきます」

今だけはこの状況を精一杯楽しもう。
別れの時に後悔しないように…


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