( ^ω^)蝿の王のようです('A`)

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/12/11(金) 20:30:08.17 ID:M+RLEhLgO


第七話「四つの力」



8 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:33:04.63 ID:M+RLEhLgO
俺と流石兄弟の三人のみのささやかながら楽しい外食は終わった。
そして今俺が何をしているかというと……

('A`)「………」

自室のベッドに横たわり、ケータイのディスプレイを眺めている。

(* ´_ゝ`)v(;*'A`)(´<_` )

そこには楽しそうな顔をしている兄者と無表情な弟者、そしてその二人に挟まれて苦笑いしている俺がいた。

('A`)「クソが……」

誰にも届く事のない呪詛の言葉を吐く。
何故よりによってこの兄弟を殺さないといけないんだ?
何十億もの人間の中にはこの二人よりも死ぬべき人間がいるだろうが。

('A`)(兄者、弟者……すまない。それでも俺は自分の命が大切なんだ)

(-A-)「本当に死ぬべきなのは他の誰でもない……俺なのかもな」

10 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:36:40.25 ID:M+RLEhLgO
ここはどこだ?

まどろみの中で手放した意識が再び戻ってきたが、俺が目を醒ました場所は自分の部屋ではなかった。

一面真っ白な四畳ほどの空間、それが俺の目に飛び込んできた第一の光景だ。

('A`)「ここは……?」

背中越しに柔らかい質感を感じて、自分がベッドで寝ていた事に気付く。
ベッドからおりて地に足つくとひんやりとした冷たさが伝わってきた。

窓もないベッドだけが置かれた閉鎖された空間、その中で一つだけ存在感を感じさせる物があった。

('A`)「扉……?」

何の装飾も施されていない白い扉。
何もないこの空間で明らかに異質さを感じるそれは、前に立っているとまるで開けろと語りかけられているような錯覚に陥る。

12 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:40:45.35 ID:M+RLEhLgO
('A`)「開けるしかねぇよな……」

このままじっとしていても埒があかない。
俺は意を決して『異端』に手をかけた。

('A`)「…………」

( )「…………」

今までの景色とはうって変わり、扉を開けた先にはほの暗い空間が広がっていた。
その中心に見覚えのある後ろ姿が一つ。
それは俺の存在に気付くとゆっくり振り返った。

ξ゚听)ξ「…………」

('A`)「津出…麗子……」

死んだはずの津出 麗子がそこにいた。

ξ゚听)ξ「…………」

('A`)「何か言えよ……」

ξ゚听)ξ「何か言えよ……」

ξ゚听)ξ「…………」

止めろ、そんな目で俺を見るな。
分かってるさ、お前を殺した理由は他でもない俺のエゴだ。

14 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:43:05.93 ID:M+RLEhLgO
('A`)「すまない……」

ξ゚听)ξ「…………」

頼むから何か喋ってくれよ。
恨み言の一つぐらいあるだろ?
無力な俺を罵ってくれ、罵倒してくれ、蔑んでくれ。

ξ゚听)ξ「何で殺したの?」

('A`)「自分の命が大切だったんだ」

ξ゚听)ξ「何で殺したの?」

(;'A`)「自分の正しさを…証明したかったんだ……」

ξ゚听)ξ「何で殺したの?」

(;A;)「自分の間違いに……気付かなかったんだ……」

ξ゚听)ξ「何で殺したの?」

(;A;)「うっ……うわぁぁぁぁぁっ!!!」

ξ゚听)ξ「何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で―」

止めろ、止めてくれ!
俺が悪かったから、俺が間違っていたから……

15 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:46:05.07 ID:M+RLEhLgO
.:。呀)ξ「何で殺したの何で殺したの何で殺したの何で何で何で何で何でなななななななー」
(;'A`)「あっ……あっ…」

津出 麗子の身体がドロドロと溶けてゆく。
皮膚はケロイドのようにただれ、眼球は零れ落ち、穴という穴から液体が漏れる。

.:∵)ξ「なななななななななななななななななななななななななななななななななななな」

(;'A`)「来るなっ! 来るなあぁぁあぁっ!!」

手足も溶けてもはや人体の原型を留めていないにも関わらず、津出 麗子はナメクジのように這ってくる。

(;'A`)「やめろおぉぉぉぉっ!!」

:.∵)ξ「あnfなaあnばなjなnmなばj」

津出 麗子の手だったものが俺の眼前まで迫っている。
ゆっくりと視界が閉ざされてゆき、俺の意識は再び墜ちていった。

19 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:49:05.56 ID:M+RLEhLgO
(;'A`)「はっ!?」

直後に意識を取り戻した。
再びさっきと同じように周囲を確認する。

(;'A`)「夢……か」

いつもと変わらない生活感の無い部屋を見て安心した。
枕元に置いてあったケータイを開き、時間を確認する。

('A`)「まだ四時かよ……」

よりにもよってあんな夢を見るとは……
津出 麗子を殺した事に罪悪感が全く無いと言えば嘘になる。
だが今までの俺なら自分の命と天秤にかけて割り切る事ぐらい出来たはずだ。

('A`)「これも流石兄弟の影響……か」

あの兄弟の人徳が少なからず俺を変えているんだろうか。
だとしたら俺を変えてくれたアイツらを自分の命欲しさゆえに殺すべきなのか?

('A`)「考えたくもない、パスだ」

俺に自己分析能力は無いみたいだ。
それよりもさっさと寝ちまおう。

20 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:52:03.95 ID:M+RLEhLgO
('A`)「やられた……」

俺は二度寝した後にケータイを開いて絶望した。
絶望の原因となったディスプレイに十一時を表す数字の羅列が示されていたからだ。

('A`)「今さら学校に行くのも億劫だな……」

少しでもその思考が頭の中をよぎれば後は早い。
俺が学校をサボろうという考えに至るのに一分もかからなかった。
('A`)(そうなりゃ仕事は終わらせておきたいな。時間をかけると躊いが生じる)

俺はアドレス帳から内藤の電話番号を呼び出し、駄目元でかけてみた。

「もしもし」

おい。

何でこの時間に電話に出られるんだよ。
しかも今ワンコールも鳴ってなかったぞ?

('A`)「色々と疑問に思う事があるが……」

「カーテン開けてみろお」

22 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:56:27.37 ID:M+RLEhLgO
何だ何だ?
よく分からないが取り敢えず従っておくか……

('A`)「…………」

( ^ω^)ノ「おいすー」

ベランダの手摺に乗りかかった内藤がそこにいた。

('A`)「…………」

( ^ω^)「返事ぐらいしたらどうかお?」

('A`)「あっもしもし警察ですか?」

( ^ω^)「おいカメラ止めろ…じゃなかった、ケータイ切れお」


…………


それから一悶着あったものの、俺が内藤を家に上げるという平和的手段によって争いは免れた。

('A`)「はぁ……いつからいたんだよ」

( ^ω^)「九時ぐらいかお。気まぐれで君を待っててもいつまでたっても出て来ないから……」

そりゃご苦労なこった。
まぁ良い、学校が終わるのを待つ手間が省けた。

24 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 20:59:26.12 ID:M+RLEhLgO
( ^ω^)「君が僕に連絡をよこしたという事は流石兄弟の件で進展があったという事かお?」

察しの良いヤツだ。

('A`)「その事なんだが……」

( ^ω^)「おっ?」

('A`)「今日の二十一時丁度、廃工場跡地にて流石兄弟の殺害を実行する。条件は……」

言っている途中で内藤が口の端を上向きに歪ませているのが分かった。

('A`)「怒りの中で死なせる事……で良かったな?」

( ゚ω゚)「把握したお」

その両目を爛々と輝かせて内藤は俺を見る。
久し振りの魔王モード(仮)だな。
内藤よ、その両目の奥には何が宿ってるんだ?
もう人間脱退者の中に片足突っ込んでしまっている俺としては人間脱退者の本質には興味があるな。

('A`)「その目がお前の本質なのか?」

( ゚ω゚)「何の事だお?」

25 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:03:33.93 ID:M+RLEhLgO
しらばっくれるか……
まぁ良いさ。

('A`)「じゃあ計画の流れを説明するぞ?」

( ^ω^)「あいお」

これで良い、これで良いんだよな?
それでも俺は自分の命が大切なんだ。
だったらあの兄弟は俺が生きるための糧、そう思えば良いだろう。
何がなんでも生き延びてやるさ、津出 麗子と流石兄弟、そしてこれから殺すヤツの分までな。

―――

( ^ω^)「そんな単純な方法で良いのかお?」

('A`)「あぁ」

計画の全貌を聞いた内藤は訝しげな表情をしている。
それもそうだろう。
俺の提案はそれほどまでに単純な物だった。

('A`)「ガチンコ勝負だ。流石兄弟を直接呼び出して直々にブチ殺す」

( ^ω^)「異論は腐るほどあるけど敢えて言わないお」

27 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:06:07.45 ID:M+RLEhLgO
('A`)「そいつは助かる。これは今までの俺に対するけじめでもあるからな」

( ^ω^)「好きにすれば良いお。その場の感情に振り回されて失敗したとしても死ぬのは君だお」

だろうな。
まぁそれで死んだとしたら俺はその程度の人間、人を蹴落としてまで生きて良い人間じゃなかったって事だ。
だが……

('A`)「その時は死ぬ寸前まで足掻いてやるさ」

( ^ω^)「僕に勝てるとでも?」

('A`)「勝てる気はしねぇさ。だが死んでも俺の心は絶対手折られねーぞ?」

そうだ、俺は償わないといけないんだ。
それこそが今の俺の全てだ。
この気持ちは嘘じゃない、この心だけは絶対に折られてはいけないんだ。

( ^ω^)「下らないお。僕は時間が来るまで寝るお」

('A`)「じゃあ俺は下準備してくるよ」

29 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:09:38.90 ID:M+RLEhLgO

――
―――

('A`)「ふぅ……こんなもんか」

汗で先が濡れた野暮ったい長髪を掻きあげる。
それにしても疲れた。
俺が小学生ぐらいの頃はこの作業も難なくこなせていたのにな。

('A`)「あー……腰がいてぇ」

俺は内藤が跡形も無く消し去った廃工場の跡地である作業をしていた。
ふと空を見上げてみる。
家を出る頃には真っ青に染まっていた空も、黄昏を感じさせる赤に変わっていた。

('A`)「あの兄弟もこの空を見てんのかね? 人生最後に見る夕日は上等なもんだな」

戦いの舞台は整った。
後はここに役者が来るのを待つだけだ。
もっとも……
ここで行われるのは結末が見えている悲劇なんだがな。

30 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:12:36.74 ID:M+RLEhLgO
俺はポケットに突っ込まれたケータイを取り出し、アドレス帳から内藤の電話番号を呼び出した。

「もしもし」

('A`)「おう俺だ。計画の前に色々と調整しておきたい事があるから来てくれ」

「……? 今回はやけに慎重だおね。津出 麗子の時はぶっつけ本番だったのに」

('A`)「凡人の力を舐めてると手痛い反撃を食らうのが分かったからな。さらに言えば相手はあの流石兄弟だ」

('A`)「あの人達を舐めない方が良い」

「最初は憂鬱そうな顔してたのにやる気満々みたいだおね。まぁ分かったお」

内藤は了承の返事を言い終えると同時に通話を切った。
俺の耳に規則的な電子音が流れこむ。

(#'A`)「クソがっ!!」

ケータイを握りしめたまま地面を殴りつけた。

('A`)「やる気満々なわけ……ねぇだろうが」

32 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:15:11.62 ID:M+RLEhLgO
それから三十分ぐらいして内藤がやって来た。
計画の内容の再確認と俺がした前準備に関する事項。
それらを二時間ほどで終わらせた頃には太陽はすっかり沈んでしまい、辺りは闇に包まれていた。

('A`)「今日は満月か……」

( ^ω^)「そうみたいだお」

月は俺達を包み込む闇を弱々しげに照らしていた。
今日はやけに景色に目が行くな。
俺も相手が相手だけに少しナーバスになってんのかね?

( ^ω^)「そろそろ呼び出しても良い頃じゃないかお?」

('A`)「そうだな……」

弟者の方の電話番号にかける。
律義な事に三コールきっかりで出てくれた。
「どうした?」

('A`)「夜中にすみませんね。ちょっと大事な話があるんで今から出てきて欲しいんですけど」

33 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:18:20.50 ID:M+RLEhLgO
俺の言葉を聞いた弟者は不思議に思ったのだろう。
唸るような声を出している。

「こんな時間にか? 明日学校で会った時でも良かろうに」

('A`)「どうしても今じゃないといけないんです」

「んー、仕方ないな。何処に行けば良いんだ?」

('A`)「俺ん家の近くに廃工場があったの解ります? そこに兄者先輩と一緒に来て欲しいんです」

「あぁ分かった。すぐに支度するから待ってろ」

礼の言葉を言うと俺はすぐに通話を切った。
時間が時間だし来ない可能性もあったからな。
まずは第一関門クリアってやつだ。

('A`)「来るぞ。抜かりないようにな」

( ^ω^)「その台詞、そっくりそのまま返すお」

35 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:21:21.69 ID:M+RLEhLgO
それから待つ事三十分。
内藤がなにやら不審な行動を取り始めた。

( ^ω^)「………」

右手を空に翳し、蝿達を呼び出している。
どこからともなく集まって来た蝿は一度内藤の掌に集うと散り散りになって飛び去っていった。

('A`)「何をしてる?」

( ^ω^)「偵察だお」

内藤はこっちを振り向く事もせずにぶっきらぼうに答えた。
しかし便利な力だな。
爆発、腐敗、回復、刺突にさらに偵察とまできた。
何か制約の一つぐらいあるものだとは思うんだが。

('A`)「まるで神様だな」

( ^ω^)「君達凡人よりも神に遠い存在だお」

('A`)「はっ間違いねぇな」

( ^ω^)「……! 来たお」

場の空気が張り詰めた。
瞳を動かすことすら躊躇してしまいそうな感覚だ。

38 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:24:04.35 ID:M+RLEhLgO
(´<_` )「全く……こんなとこに呼び出したからにはそれ相応の用があるんだろうな?」

( ´_ゝ`)「あら? ここって工場無かったっけ」

暗がりの向こうから流石兄弟がやってきた。
これで役者が揃った。
悲劇を演じようじゃないか。
アンタらにとっての……そして俺にとっての悲劇をな。

('A`)「兄者先輩、弟者先輩……先に謝っておきます」

一呼吸おいて

('A`)「ごめんなさい……そして、死んで下さい」

( ゚ω゚)

(; ´_ゝ`)「っ!?」(´<_` ;)

瞬間、黒の球が空から降り注いだ。
殺戮の雨が二人を駆逐せんとする。

(# ´_ゝ`)「うぉっ! なんじゃこりゃあぁっ!!」

(´<_` #)「くっ! ドクオォォォッ!!」

40 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:27:12.70 ID:M+RLEhLgO
弟者は俺達が何をしようとしているのかをすぐに察したらしく、怒号の雄叫びを上げながら破壊の雨を掻い潜っている。

(; ´_ゝ`)「わわわっ! 死ぬ死ぬ死ぬって!」

(´<_` ;)「ぼさっとするな! 死にたいのか!?」

球体は地面に衝突すると同時に爆ぜてゆく。
その全てが降り止んだ時には粉塵が辺りを覆っていた。

( ^ω^)「死なない程度に加減はしておいたお」

('A`)「どっちにしても無傷ではいられないさ」

粉塵が晴れてゆく、俺達の視線の先には流石兄弟が……

(; ^ω^)「っ!」

('A`)「……ほぅ」

居なかった。

粉塵の発生による視界の妨げに乗じて反撃を食らうパターン。
それは前回の津出 麗子との戦いで学習していたが……
まさかこうもあっさり逃げられるとはな。

41 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:31:35.40 ID:M+RLEhLgO
('A`)「内藤っ!」

( ^ω^)「既に」

蝿達が再び散り散りに飛び交う。
コイツの探知能力が無ければ危なかったな。

( ^ω^)「おっ?」

内藤の表情が険しいものに変わる。
若干の焦りが生じているようだ。
なにやらしきりに額の汗を拭っている。

('A`)「まさか……もう公道まで逃げられたのか?」

(; ^ω^)「違うお!

( ^ω^)「僕達の視界の外から公道に出るまでの道のりは全て確認したお! なのになんで……」

('A`)「視界の外………っ!」

(;'A`)「来るぞ内藤っ! 備えろ!」

( ^ω^)「っ!!」

咄嗟に後ろを振り返る。
そこにはこちらに向かってくる兄者と弟者がいた。

44 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:34:31.07 ID:M+RLEhLgO
(´<_` #)「はっ!!」

(# ´_ゝ`)「おらぁっ!!」

兄者が俺の頬に目掛けて拳を放っているのが分かった。
俺は咄嗟の反応でその拳を右手で受け止める。

( ´_ゝ`)「やるじゃないか!」

('A`)「前にも同じような事を経験してるんで」

兄者が俺を押し倒そうと力を込めているのが分かる。
負けじと俺もそれに応じて押し返す。

(; ゚ω゚)「クソがぁぁぁっ!!」

(; ´_ゝ`)「っ!!」('A`;)

内藤の雄叫びが聞こえた。
兄者もそれを聞いて少なからず動揺したらしく、手を振りほどいて後ろに退いた。

('A`)「内藤……」

状況確認の為、内藤がいる方向に目をやる。

(# ゚ω゚)「あぁぁぁあぁっ!! 殺す! 絶対殺すおっ!!」

(´<_` )「……」

45 名前: ◆4KLmqjbvG6 投稿日:2009/12/11(金) 21:37:37.66 ID:M+RLEhLgO
そこには左手にナイフを刺されて悶える内藤とそれを無表情で見つめる弟者がいた。

おいおい、もしかするとこの二人なら……流石兄弟ならこの殺人劇も終わらせられるんじゃないか?

('A`)「……」

( ゚ω゚)「ドクオ……」

(;'A`)「どうした……?」

( ゚ω゚)「下らない気を起こしたら……その時はお前から殺してやるお」

言い終わると同時に内藤は左手に深々と刺さったナイフを強引に引き抜く。
どうやら俺は希望を抱いてはいけないようだな。

('A`)「分かった……」

再び兄者の方へ向き直る。

( ´_ゝ`)「……何か事情があるみたいだな。安心しろぃ、俺達が救ってやるさ」

('A`)「……」

(´<_` )「内藤ホライゾン、貴様は許しはしないがな」

( ゚ω゚)「言ってろお堅物」

四つ巴ってやつだな。
今日は長い夜になりそうだ。


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