( ・∀・)は門番のようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:10:54.59 ID:MhpiQV1P0
――あなたに憎しみはありますか?

あるのならあなたも行くかもしれません。
憎しみに気づいていなくても。

そう、この扉に。

             ( ・∀・)は門番のようです
                                      開始です

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:13:14.42 ID:MhpiQV1P0
一話 幸福をこの手に


 …どうしよう。
もう無理だ。今は生きる気力などない。

('A`)「ハア……吊ろうかな……」

俺は夜の繁華街をふらふら歩いていた。特に用もないのだが。
世の中は非情とはよく言ったものだ。
俺はバスの運転手だった。
それは甘んじて全うしていた。
親に仕送りはできるし、好きなものも買える。
なにより自分の子供になんでもしてあげられる。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:15:42.17 ID:MhpiQV1P0
…でもそういうのは長くは続かない。
ある日、人身事故で人をはねてしまった。
その人は軽い怪我ですんだのだが、如何せん多額の賠償金を払えという。

新手の当たり屋か?
そんなことを言っている場合じゃない。
もう先は見えている。

結果?ああ
法的には過失だしはねられた当人も賠償金だけでいいといっている。
裁判にはならなかったよ。
でも首になった。当然の結果だ。
それにしてはその分の賠償金は自分で持てという。
おかしすぎるだろ……常識的に考えて。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:20:37.38 ID:MhpiQV1P0

('A`)「ゴメンな……」

家族に迷惑と思って自分から家を飛び出したはいいが行くとこもない。
ということで繁華街をふらふらしていたというわけだ。
ふと、本屋を見る。
小さな本屋で、外によくみる本の陳列棚がある。
俺は近づき一冊の本を手に取る。

('A`)「再就職か…よし!」

目の前にあるのは求人誌。
俺はそうは感じていないが、必死に読み漁るといってもいいだろう。
繁華街を歩く人達が変な目で見ているようだ。
だが俺はページをめくるのをやめない。
それほど俺は慌てているのかもしれない。

('A`)「これがいいな」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:25:05.77 ID:MhpiQV1P0

目に留まるのは月収20万程の事務職。求人誌では珍しいかもしれない。
まさに楽して給料をもらえるという仕事だろうか。
…でも資格やらなんやらが足りない。
以下の資格を所有って…

('A`)「しょうがない……これで妥協だ」

タクシーの求人だ。
これぐらいしか三十過ぎた自分にはない。
それにバスを運転していた俺ならせいぜいやっていけるだろう。
…まあ、最初は正社員じゃなくてもいいだろう。
ゆっくりやっていけばいいさ…

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:29:04.65 ID:MhpiQV1P0
――「はい、こちらvipタクシーです」
女の人だろうか。

('A`)「あ、すいません。求人広告を見て電話をかけたのですが…」

「えーと…はい。誌に書いてある条件をクリアされてますか?」

('A`)「あ〜…はい」

俺はもう一度紙面を見る。…間違いはなさそうだ。

「では明後日に面接があるので当会社の事務所までおこしください」

…まあ断られてたら泣いてたかな…

('A`)「家……帰るか…」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:36:30.36 ID:MhpiQV1P0

再び、ネオンが煌々と光っている繁華街を歩き出す。
そして歩きながら上を見る。

俺の未来も明るいといいな…
いつの間にかそう思っていた。
そして角を曲がり猫一匹全然通らない、家への路地へ入る。

その時だ

(=゚ω゚)ノ「ぃよう。おっさん。いい面してるぃよう」

('A`)「……誰だきみ」

三人の若者が俺の前を塞ぐ。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:40:22.75 ID:MhpiQV1P0
('A`)(しまった…ここは)

そうオヤジ狩りとでも言おうか。
ここは最近オヤジ狩りが出没するとこだ。

…俺に近づいてきてナイフを腹に突き刺す。
すこし力を入れて前に押し出せば刺さる距離だ。まさに寸止め。

(=゚ω゚)ノ「俺たちにお小遣いくれないかぃよう」

まあ、ここまでは俺でも予想できる。
その後は考えていない。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:44:44.41 ID:MhpiQV1P0
('A`)「君たち、早く帰らないかな。おじさんは忙しいんだ」

だが俺にも意地というものがある。
刺す気はないんだろう。俺は一人をどけて路地の先を無理やり通る。

(;=゚ω゚)ノ「ちょ……こまるんだよね…そういうの」

肩を掴む。
俺は掴まれた肩を払い、先を行く。
もちろん他の二人も黙ってはいない。
「おいおい…おっさんさあ……」
「やっちゃうよ?いいの?」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:49:06.84 ID:MhpiQV1P0

('A`)「やってみろ」

気が引ける思いだが言ってみた。これで少しは黙るだろう。

――やられた。腹だ。返り血が刺した若者に当たる。
俺は同時に倒れる。

「お……おい」
「やっちゃった……俺しらね」
「お…俺も!」
二人は逃げていった…薄れる意識で見た

(;=゚ω゚)ノ 「お…おい!待て!…おっさんまだ生きてんのか…」

若者は俺を見て続けた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:53:05.17 ID:MhpiQV1P0

('A`)「う……」

若者に手を出す。起こしてくれと。

(=゚ω゚)ノ 「……」


何回も、


刺される。




…意識は………遠のく…

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 16:58:55.35 ID:MhpiQV1P0
――完全に意識はなくなった…だろうか?
道がある。一言で、暗い。
まだ、俺は意識があるようだ。


俺は進む。
少し歩いたら左右に蝋燭が台座に立ててある道になってきた。
蝋燭は全然減ってないようだが、とりあえずここらへんの道は明るい。

…少し先で人が話している。
二人とも二十代だろう。見た目は俺より年下だ。
一人は石に座り、もう一人はその正面に顔を覗くようにして座っている。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:02:30.90 ID:MhpiQV1P0
( ・∀・)「君も強情だねえ…だから…選択は三つしかないんだよ?決める期限もあるし」

( ^ω^)「ん〜だから待ってほしいお。消える最後までに決めるお!」

(;・∀・)「いや…最後までって…それなら幽霊になったほうがいいじゃん……」

( ・∀・)「…さて、お客さんです」

こちらに気づいたようだ。
男は顔をこっちに向け、俺を見る。
そして立ち、こっちに近づいてくる。

( ・∀・)「どうですか?ここ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:06:54.74 ID:MhpiQV1P0
彼らが話している先には扉がある。一言でかなり大きい。
模様は枯れ草模様……もとい、キリスト教みたいなやつだ。
今更だが道もそれなりに広い。大きな扉の横幅と同じぐらいだ。
道は扉のためにあるのかといわんばかりに。

いや……もっと広いはずだ。

ただ……骸骨やら骨やらが端に大量にあって道を狭くする。

( ・∀・)「あの〜……」

ここはどこだろうとまだ俺は死んでいないのか?

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:10:36.65 ID:MhpiQV1P0

(;・∀・)「あの……」

あ〜、なんかうるさいけど気にしない。

(#・∀・)「殺すよ?」

('A`)「はい。なんでしょう?」
↑棒読み

( ・∀・)「…といってもあなたはもう死んでますが」

男は下を見ながらため息交じりに言った。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:13:48.99 ID:MhpiQV1P0
('A`)「俺は現にここにいるけど…?」

男は顔を上げこちらを見る。そして言う。

( ・∀・)「はい。ここは門前、とでも言っておきましょう
       あなた方が俗にいうあの世でもこの世でもありません」

('A`)「はいはい…」

(#・∀・)

( ・∀・)「食いつき悪いよ。ちゃんと聞いてくださいね」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:18:07.31 ID:MhpiQV1P0
男はもう一人の男に近づき、隣の石に座る。
俺はその近くに行き、正面に立つ。
というか俺は立ったままかよ……

おや?ちょっと、まてよ……?
あの世でもこの世でもない?死んでいる?じゃあどこだ?

( ・∀・)「ここは強い憎しみをもって死んだ人間がくる場所です」

('A`)「あん?そんな人間いっぱいいるじゃん」
…俺は人を憎んでいたのか。

( ・∀・)「いえ。その中から偶然あなたが来たわけです」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:20:58.07 ID:MhpiQV1P0
('A`)「そうか……」

( ・∀・)「この方もそうです」
男は隣に座るもう一人の男を指差す。
もう一人のその顔はどことなく笑っているように見えた。

( ^ω^)「おっお、でもぼくは憎しみなんかもたずに間違えでつれてこられたんですお」

(#・∀・)「すいませんが、うんといってくださいね、空気嫁」

( ^ω^)「空気は読むものじゃないお。吸うものd(ry」

(#・∀・)

( ・∀・)「まあ、とりあえずあなたには三つの選択肢があります」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:22:59.30 ID:MhpiQV1P0
('A`)「選択?」

男は俺を見上げる。そして口を開いた。

( ・∀・)「平べったくいいましょう
       1、転生して来世を過ごす
       2、地上に幽霊として出没する
       そして…
       3……地上の人を殺し、地獄へ行く」

('A`)「…地獄へ行くってなんだ?」

無意識のうちに聞き返していた。
地獄というものは知っているようで知らないから。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:25:20.29 ID:MhpiQV1P0
( ・∀・)「地獄……無です。なにもありません。転生もできません。一言で苦痛です」



暗闇を漂うのか?誰もいないその場所を。
……限りなく怖い。
無の恐怖とはこういうことか。

('A`)「……3について」

( ・∀・)「え〜と
       まず現世の人を一人殺します
       その現世の人は必ず転生します
       そして自分は地獄へ行きます
       はい以上。これでわかりますよね」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:28:05.55 ID:MhpiQV1P0

('A`)「産業」

(#・∀・)

('A`)「嘘です。把握しました」

('A`)「とりあえず転生ってのは?」

( ・∀・)「まあ新しく人生をやり直すってわけです。
       赤ちゃんとして。他人として。」

('A`)「そうか……」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:30:04.62 ID:MhpiQV1P0

( ・∀・)「で?どうします?ここに長くいると消えて地獄にいきますよ?」

('A`)「待ってくれ。」

俺は石を見つけ、もう一人の男の隣の石に座る

('A`)「名前は?」

( ・∀・)「名はモラr( ^ω^)「ブーンですお」

('A`)「そうか、俺はドクオだ」

(#・∀・)

( ・∀・)「まあ早くしてくださいね。ついでに名前はモララー」

( ・∀・)(どうせいじられるの俺ですよーと)

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:32:20.12 ID:MhpiQV1P0
ちょっとコンビニ言ってきます
できれば保守お願いします
本当にスイマセン

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:42:23.36 ID:MhpiQV1P0
ありがとうございます
弁当買ってきました
再開します


――俺はどうすべきか
殺した人間を殺すか、俺をクビにまでに追い込んだやつを殺すか。
…それとも無差別に殺すか。

……そうだ、家族は…
あいつらはどうなっただろう。

俺は行きたい。あいつらのもとに。

だが所詮幽霊だ。
話せない、触れ合えない。
近いのに遠い存在でいるのか。

残酷だ。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:44:44.93 ID:MhpiQV1P0
( ・∀・)「ちょっと見てくる?現世まで」

俺の思考を遮ったのは希望の言葉だ。

('A`)「できるのか!?」

( ・∀・)「はい。幽霊の扱いですが。どうなってるか見たいじゃないですか?
       それに幽霊がどんなものかというのかも
       もちろんこれは一回のみです。あと、そのまま幽霊になることはないですよ

いい話には必ず条件が付いてくる。これは世の常だ。
だが今は関係ないだろう。

('A`)「ああ。頼む」

( ・∀・)「では」

暗い空間
それが二人を飲み込む

( ^ω^)「……いってらっしゃいだお」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:47:04.40 ID:MhpiQV1P0
 ――現世
ここは……俺の家?
そうか……すべて悪い夢だったんだな!

( ・∀・)「…そういう気持ちは結構ですが現実を受け止めましょう」

('A`)「わかってるよ…」

('A`)「幽霊でも…帰ってきたんだな」

俺は周りを見渡す

あれ?違う。
なにか違う。
違う家……?

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:49:42.65 ID:MhpiQV1P0
( ・∀・)「ここであってますよ」

('A`)「じゃあこの有様は?」

クモの巣が蔓延っている上に埃がすごい。
これが俺の家…なのか?
今いるのは確か居間だ。

( ・∀・)「ここはあなたが死んで一年後の世界です」

('A`)「なぜ一年後?」

( ・∀・)「一年後がちょうどいいと思いましてね」

( ・∀・)「まあ何故こうなってるか気になりますよね?
       あなたの妻は簡単に言うと家を出て行きました
       まあ無理ありませんが」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:53:05.39 ID:MhpiQV1P0
('A`)「…え?」

必然的に聞き返す。
しかしモララーは追い討ちをかけるように続ける。

( ・∀・)「あなたの妻は再婚しました。
       あなたが死んですぐにね。ついでに言うとあなたは密葬されました。
       まあ単純に浮気とでも言っておきましょうか。」

頭がこんがらがる。
浮気?なんだそれは?
気づいたときには俺はモララーの胸倉を掴んでいた。

( ・∀・)「そんなことをしても無意味ですよ。」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:55:13.55 ID:MhpiQV1P0
掴まれても平気そうな顔だ。
でも俺は動揺しない。

(#'A`)「証拠はあるのか!?証拠!連れて行けよ!」

叫んでいた。
自分がわからないくらいに。

( ・∀・)「さあ?
       そこまで私は調べられませんよ。
       私は来た人の人生と前後のことしかわかりませんから。
       ついでにその人は今のほうが幸せと豪語しているらしいです。皮肉ですね。
       さあ、次にいきますよ。」

('A`)「…子供達は?」

俺は胸倉を揺さぶる。しかし、まったく動揺しない。

( ・∀・)「孤児院です。楽しくやってるみたいですよ。」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 17:57:39.01 ID:MhpiQV1P0
急に辺りが暗くなる。
そして俺はモララーの胸倉を突き放すように離す。

…と、同時に景色が変わる。
ここは見たことがある。
くっきりと、はっきりと覚えている。
モララーは後ろを向く。そしてすこし歩き、立て膝で座る。
…そして、下を見る。

( ・∀・)「おやおや」

モララーの膝の下には真っ白な花束。
なでるように触るモララー。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 18:00:36.37 ID:MhpiQV1P0
( ・∀・)「誰でしょうねえ…」

言うのと立つのは同時だった。
そして後ろを向き、呆然と佇む俺の顔を覗く。

( ・∀・)「特に話すことはありません。
       ただなんとなく連れてきただけです。」

('A`)「…これは誰が」

それは聞かずにはいられない。答えがわかっていても。

( ・∀・)「さあ?」

向かい合う俺等はまたしても暗い空間へ飲み込まれていく――

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 18:04:11.51 ID:MhpiQV1P0
――さあ
俺は門の前にいた
大きなそれは正面に立つと大きな威圧感をもっていた

目を閉じる

何故あのように生きたのか
いままでなにを見てきたのか
だが、いまそんなものは関係ない
すべてはこの決断で決まる
その決断は今決まった

目を開ける

モララーはブーンの隣の石に座っている
腕を組み、足は伸ばしている。疲れないのだろうか
さて、

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 18:07:44.39 ID:MhpiQV1P0
( ・∀・)「では、あなたは何をしますか?」

今までの体験が頭の中をめぐる。走馬灯というやつか
喜怒哀楽すべてがめぐりめぐる。

そして最後に。
今まで関わりのあった皆の顔が浮かぶ。
それは幸せそうな顔で満ちていた。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/16(土) 18:09:48.10 ID:MhpiQV1P0
――俺は告げた

はっきり

そして大きく




('A`)「転生をする」


( ・∀・)「では、おいきなさい」

扉は、開く

第一話 終


『次は俺が幸せになるために新しい人生を歩む。
 これがエゴでも、あいつら以上の幸福をこの手に』
                                 byドクオ

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/18(月) 18:12:11.23 ID:iFyTEgxj0
サイドストーリー  一話編

( ・∀・)「行ってしまいましたか」

モララーは腕を組んだまま、足を縮める。

( ^ω^)「ここにいると不思議な気分だお」

そう口にしたのはブーンだった。
ブーンは相変わらずのにやけ顔。

( ・∀・)「ほう?」

( ^ω^)「様々な人の生き様をみれるお」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/18(月) 18:14:55.77 ID:iFyTEgxj0
その言葉にモララーは下を向いてため息をつく。
だが、ブーンは続ける。

( ^ω^)「もちろん、それだけじゃないお。
       自分は死んでるという事実もかき消してくれるような気もするんだお。
       その事実は変わらないのに」

( ・∀・)「へえ。あなたもある程度は考えをもっているんですねえ。
       てっきり『ここにいたいから』って理由だけだと思ってましたが」

モララーは顔を上げ、前を見る。
道の向こう側にはただの骨と蝋燭しかない。
こちら側も一緒だが。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/02/18(月) 18:19:06.52 ID:iFyTEgxj0
( ^ω^)「ま、そうかもしれんお。死んですぐ転生ー、なんてのもなんか嫌だお」

(;・∀・)「大部分の人はそれで死んでいくんですよ」

( ・∀・)「ま、いいでしょう。ただ消えたら責任とりませんよ」

早く消えないかな〜
もう本当に。

( ^ω^)「おっお」

サイドストーリー 一話編終



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