最後の挨拶のようです 

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:24:23.98 ID:fO1j3GJWO
『――√\√^……ますか?ハロー、ハロー、聞こえますか?届いてますか?私の声が
最後の挨拶を……――√\√』



『最後の挨拶のようです』


※読む前に

この作品には主人公がいません。
故にタイトルに顔文字を付けることはしません。

中編に納まってくれればと思います。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:27:44.27 ID:fO1j3GJWO
Case1 / ,' 3


私は負けたことが無い。何に於いても。自分の望んだ人生を突き進んできた。途中に転がる石ころを蹴飛ばし、空き缶を踏み潰し、時には頭を下げ、自分の進みたい道を進んできた。

そして私は今、この大国の長、大統領という役職を勝ち取った。

大統領の椅子に座るためならどんな手でも使った。友を裏切り、家族を棄て、時には悪魔にさえ魂を売った。

だが、私は後悔していない。私の歩んできた道には無数の屍が横たわっていることだろう。私の手は血の色に染まっているだろう。

私にはそれらを全て受けとめ、背負っていく覚悟があった。

世界の為に身を粉にし、人々の為に盾となる。それで死ねるなら本望だと思っていた。


それなのに


こんな残酷な事があっていいのだろうか?


『地球は十二時間後、消滅します』

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:31:33.82 ID:fO1j3GJWO
私は何度も聞き返した。どうして今まで気付けなかった、何が原因だ。

聞かれた将軍はただただ項垂れるばかりだった。

『生ある物には終わりがある』

かつて妻に偉そうに語ったことがある。

これは確か、そう、私達が夫婦と呼ばれていた頃。私が選挙に忙殺され、妊娠中であった妻を放り出し、謀略に右往左往していた頃の事だ。

私が選挙活動に邁進していた頃、妻は妊娠していた。

妻から妊娠の報告を受けた時、私は秘書と手を叩き合って喜びを分かち合ったことを覚えている。

「次の選挙で私は代表になる、だからお前は立派な子を生むんだ」

子宝に恵まれなかった私達は、それはそれは狂喜乱舞した。

今すぐに妻の許へ駆け出したかった。

しかし出来なかった。

差し迫る選挙、重すぎる期待、その全てが私を押し潰した。

妻が流産したのは選挙当日のことだ。
彼女は泣きながら私に謝った。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:34:39.54 ID:fO1j3GJWO
『すいませんでした』

私は何も言えなかった、せっかくの子を失ってしまっていたからではない。ただ単に私には妻を労る余裕が無かったのだ。

彼女に掛ける言葉を探す余裕すら無かった、子を失った事に涙を流す余裕すら無かったのだ。

そんな私が彼女に掛けた唯一の言葉。

『生ある物には終わりがある』

彼女がどの様にその言葉を受け止めたのかは私には分からない。

しかし、彼女はその言葉を聞くと拍子抜けしたような、なんとも空虚な表情を私に見せた。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:41:53.45 ID:fO1j3GJWO
そして、私達は夫婦の契りを破り捨て、絆を断った。

このことが原因だとは思っていなかった。しかし、このような状況になって思う。

なんと無慈悲な言葉だ、彼女はその言葉を聞いてどれ程の失望を感じたのだろうか。

『死んでしまったものは仕方ない』

このように取られてもおかしくないような状況だった。

自然と頬から涙が伝う。気付くのが遅すぎた、私は大統領という分厚い服を着ていた。

しかし、地球存亡の危機に直面した今、私はただの男になってしまった。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:50:31.08 ID:fO1j3GJWO
分厚い服を脱ぎ捨てた今、私を護ってくれるものは無くなった。

後ろの屍達が手招きしているように感じた。

「大統領、すぐに国民に」

目の前に立っている男。おそらくこの男も私と同類であろう。

今まで自分を護っていてくれた地位という名の鎧が一瞬にして剥ぎ取られたのだ。

それでも殊勝に職務を全うしている。

それならば

私は少しだけ振り返った。

相変わらず屍達はこちらに手招きをしている。

あの中には、生まれるはずだった、自分の子も含まれているのだろうか?

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 18:55:37.69 ID:fO1j3GJWO
少しだけ考えて頭を振りそんな考えを捨て去った。

私にはすべき事がある。

私が今まで何気なく蹴飛ばしてきた小石の為に。

私が今まで踏み潰してきた空き缶の為に。



/ ,' 3「向かおう、最後の挨拶に」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 19:05:17.44 ID:fO1j3GJWO
私は壇上に上がった。左右から数え切れぬ程のフラッシュをたかれ一瞬目眩を催した。

しかし、ここでそんな姿を見せるわけには行かない。

私は『大統領』なのだ、国を統べる者だ。

弱い姿など見せない、見せてなるものか。

/ ,' 3「皆さん、おはようございます。週末の休みに無理を推して集まって頂いた世界各国の記者の皆様に敬意を表します」

私が一言話すたびにどこかでシャッターを切る音がする。

/ ,' 3「今日集まって頂いたのは、そう、非常に悲しいお知らせを皆さんにしなければならないからです。

どうか動揺なさらず、全てを受けとめ、自分が今まで信じてきたジャーナリズムに則り行動して頂きたい。」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 19:17:03.44 ID:fO1j3GJWO
記者達がざわざわの騒ぎだした。なんの話があるのかは、恐らく聞かされてはいないだろう。

/ ,' 3「今日の午前零時を持って地球は消滅します」

騒ぎを警戒してSPが私との距離を詰めた。

ありがとう、一言呟いて後ろに下がらせる。

記者達は誰もが茫然としていた。何を言われているのか理解できていないのだろう。

気持ちは痛いほど分かる。ほんの一時間前の自分とダブって見える。

記者は何度も同じ質問を繰り返した。

「何が原因なのか?」

「何故今まで気付けなかったのか?」

私と全く同じ事を尋ねる。

/ ,' 3「優秀なジャーナリストの貴方達にはお分りでしょう、冗談などではないことを。そして今すべき事はなんなのか。貴方達が伝えねば、国民は、人は、何も知らぬままその終焉を迎えるのです」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 19:25:02.94 ID:fO1j3GJWO
>>19 

あ、そうですね。明日に訂正します。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 19:30:28.83 ID:fO1j3GJWO
何十人もの記者達が物凄い勢いで駆け出していった。

しかし、まだ何百人もの記者が残っている。

一人の若いジャーナリストが壇上に駆け上ってくるのが目に入った、そして一目散に私の前に立ち拳を振り上げる。

鈍い音を立てて私は後ろに飛ばされる。

じわじわと頬が熱を帯びてくる。不思議と痛さは無かった。

瞬時に後ろにいたSPが私を殴った記者を羽交い締めにする。

/ ,' 3「離しなさい」

この青年に罪はない。ここにいる、この世界に生きる、何物にも罪はないのだ。

そして私は言う。

/ ,' 3「私にはどうすることも出来ません、貴方の悲しみを癒す事も、貴方の怒りを納める事も」

/ ,' 3「しかし、私は貴方達を護ります。行き場の無い怒りの矛先は全て私が受けとめます」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 19:42:09.45 ID:fO1j3GJWO
会場は静まりかえっている。決して絶望からでは無い、そう信じたい。

/ ,' 3「私は貴方達を護ります。だから、貴方達は自分の大切な人を護ってあげて下さい。

貴方のマイクで、貴方のカメラで、貴方のペンで、親愛なる人にこの事実を、一刻も早く、伝えてあげて下さい」

/ ,' 3「それが出来るのは、誇り高きジャーナリズムを持った貴方達だけです」

沈黙、誰も言葉を発しない。そして、会場にいる全員が一斉に駆け出した。


/ ,' 3「……護ります」


三分も経てば会場は閑散とした。

残っているのはSPと私を殴った記者だけだ。

/ ,' 3「SPの皆さん、貴方達にも護るべき人がいるでしょう、どうか、その人の許へ、今すぐ駆け付けてください」

SPは皆一様に首を振る。

私はこんな状況に陥っても尚職務を全うする彼等に勇気付けられた。

だからこそ

/ ,' 3「行きなさい、これが私の最期の大統領命令です」

そして、私と記者、二人だけになった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 19:43:24.25 ID:fO1j3GJWO
ちょっと飯食ってきます、スレ残ってたら20:30くらいに再開します

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 20:06:46.11 ID:fO1j3GJWO
気付いた、飯を食いながらでも文は書ける 

ということで再開します

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 20:20:17.33 ID:fO1j3GJWO
/ ,' 3「さて、皆それぞれの使命を果たすべく飛び出していったわけですが……貴方の使命はなんですか?」

『……大統領、私は貴方を許しません。貴方が私を許そうと、私は貴方を許しません。私の全てを賭けて、貴方を否定します』

/ ,' 3「えぇ、かまいません。言ったでしょう、全てを受けとめると。貴方の拳でなんど殴られたとしても、それで私の心臓が動きを止めようとも、私は貴方を許します」

『……そんなつもりは毛頭ありません。私がすべき事はもっと、貴方にとって残酷な物ですからね』

/ ,' 3「はい、なんでしょうか?」

『貴方には、謝罪をしてもらいたい、私のカメラで、世界に向けて謝罪をして頂きます』

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 20:37:17.43 ID:fO1j3GJWO
/ ,' 3「えぇ、それは望むところです」

今まで歩んできた人生を思い返す。

蹴飛ばし、踏み潰し、裏切り、捨ててきた人生。決して美しいものではないだろう。
しかし、私は誇りに思う。私は最期まで大統領という仕事を全うすることが出来た。
懐に入れていた拳銃に触れる。
謝罪し、自ら命を絶つ。

それを以て荒巻スカルチノフ最後の職務としようじゃないか。

天晴れ、我が人生に一片の悔い無し。

いや、頭の端に引っ掛かる一人の笑顔。仕事の忙しさに身を任せ、忘れよう、忘れようとしてきたあの笑顔。
/ ,; 3「あぁ……」

妻よ、愛しきお前、今どうしているのか、知りたい。私と別れた後、お前はどんな生活を送っていたのか。

私を励まし、支え、時に叱咤してくれたお前が愛しい。
妻が流産して三十年が過ぎた。

妻と別れて三十五年が過ぎた。
惰性のままに過ごした五年間にはなんの思い入れもない。
しかし、お前と過ごした三十年は何にも替えがたい物だった。

会いたい、お前に会いたい。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 20:54:09.92 ID:fO1j3GJWO
『カメラの用意が出来ました、最期の貴方の仕事ぶり、一番近くで拝見させて頂きます』

この記者は幾つくらいなのだろうか?見たところかなり若い。

自分の大切な物を投げ捨ててまで、自分の職務を全うする。どこか若かりし自分と被った。

/ ,' 3「えぇ、ありがとうございます」

『先に言っておきますがこの映像は国内全てに流れます』

/ ,' 3「分かりました」

『では3、2、1』



「ハロー、ハロー、聞こえますか?大統領スカルチノフです。全国の皆さん、私の声は届いていますか?

今、この世界は終焉を迎えようとしています。誰が原因でもありません。決して誰も怨まず、憎まず、今の状況を受け入れてください」

「貴方の怒りの矛先をどうか私に向けてください、大統領など名ばかりの、この世界を救うことすら出来ない、憐れな男をどうか怨んでください」

「そして、貴方の大切な人と共に世界を見届けてください。貴方の大切な人を最期まで護り通してください」

「誰も憎まず、笑いながら最期を」

「私の死を以て、どうかこの混迷の世界に救いの光が差さんことを……」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 21:01:58.43 ID:fO1j3GJWO
私は、ゆっくりと懐から拳銃を取り出した。

無機質で冷たく、なんの暖かみもない凶器は、私の最期に相応しいと思えた。

不思議と恐怖はない。

後ろに蠢く屍達に手を振った。

すぐにそちらに行ってやるから待っていろ。

米噛みに銃口を付けた。冷たくひんやりとして、どこか気持ち良い。

/ ,' 3「息子よ、今行くぞ」

乾いた音と共に私の体は投げ出された。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 21:11:46.79 ID:fO1j3GJWO
気が付くと私は床に投げ出されていた。

私の一発は目の前に立っている青年に妨げられたようだ。

『僕は、僕はこんな事を望んじゃいない』

/ ,' 3「……我儘な坊やだね、自分の引き際くらい自分に決めさせてほしいのだが」

『貴方は……貴方は卑怯だ!!』

/ ,' 3「何が卑怯だと言うのかね」

青年の声が震えていた。頬からは涙を流し身体をも震わせ、こちらを真っ直ぐ睨んでいた。

『貴方は、大統領としての職務を全うした。でも、それじゃ足りないだろ、まだ貴方が謝罪すべき相手はいるはずだ』

/ ,' 3「はて、なんのことか」

一瞬、妻の顔が脳裏に過った。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 21:24:17.77 ID:fO1j3GJWO
『母さんは、母さんはずっと迷ってた、俺が出来たことを貴方に伝えるかどうか』

ハンマーで殴られたような衝撃が走った。

母さん?出来た?もしやこの青年は


/ ,' 3「……私の子か?」

『母が子を失った時、貴方が言った言葉を覚えていますか?』

/ ,' 3「あぁ、はっきりと」

『母の受けたショックを考えたことはありますか?母はずっと気に病んでいた、せっかく出来た子を失ってしまったことを。貴方になんと詫びれば良いのか。ずっと苦しんでいた』

/ ,' 3「あぁ、そうだろう」

『そして打ち明けた、貴方にぶたれる覚悟を固め、罵られる決意をし、勇気を振り絞って貴方に打ち明けたんだ』

/ ,' 3「あぁ、彼女は震えていたよ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 21:37:47.91 ID:fO1j3GJWO
『それなのに、貴方はショックすら受けなかった、仕方が無いって、生きてるものは皆死ぬんだって、そう言ったんだ』

/ ,' 3「間違いない、確かにそう言った」

『そして母は俺を産んだ。でも、貴方とはもう縁を切った後で、貴方に言うのが恐かったらしい』

/ ,' 3「……全て、私の責任だな」

『そうです。全部貴方が悪い、そして僕は母からその事実を聞かされたんだ』

/ ,' 3「彼女は怨んでいただろうなぁ」

『……いえ、私は母が貴方を蔑んでいるのを聞いたことがありません。私に母は、お前の父さんは立派な人だ、いつか大統領になる。恥ずかしくないように、お前もしっかり勉強しなさい。こう言われてきました』

/ ,' 3「そうか……そうか……」


再び涙が溢れてくる。今度は留まりそうにない程の勢いで。

/ ,; 3「そうか、彼女は怨んでいないのか、お前は私の息子なんだな」

『父さん、母に、どうか母に謝ってください。母は怨んではいないでしょう。いつも笑いながら僕に貴方の話をしてくれましたから』

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 21:50:59.83 ID:fO1j3GJWO
彼女に、今更なんと詫びれば良いのだろうか、いざ謝るとなると言葉が浮かばない。


しかし、大統領としての職務を尽くした今、夫として、父として、一人の男としてやらねばならぬ。


/ ,' 3「分かった、もう一度、もう一度カメラを回してくれないか」

『はい、父さん』




「ハロー、ハロー、聞こえますか?私は、ペニサス伊東の夫であり、目の前にいる青年の父である荒巻、スカルチノフです」

「ペニサス、聞こえているか?」


('、`*川「えぇ、貴方。私はここに居ますよ」

振り返る。屍の上に彼女は立っていた。

('ー `*川「久しぶり、少し痩せたみたいね」

/ ,' 3「あぁ、あぁ」

言葉にならなかった。忘れよう、忘れようとしていた、彼女が、あの笑顔が、そこに在った。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 21:58:13.64 ID:fO1j3GJWO
/ ,' 3「何故、何故お前がそこに……」

('、`*川「あら?失礼しちゃうわね、貴方が言ったんじゃない、自分の大切な人と最期を迎えなさいって」

/ ,; 3「すまなかった、すまなかったペニサス、お前に苦労ばかりかけて」

('、`*川「もう、困った人ね、笑って世界を見届けるんでしょ。貴方が泣いてちゃ駄目じゃない、ねっ?」

『そうだね、母さん』


/ ,; 3「しかし、どうしてここに来れたんだい?」

('、`*川「そこにいる人が私をヘリで運んでくれたのよ」

ペニサスが指す方には、会見の時後ろにいたSPが立っていた。 

『貴方の最愛の人を此処にお連れする。この仕事を以て自分のSP最後の職務と致します。長年、貴方のお側に居れたこと、来世まで誇りに思います』

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/04/13(日) 22:04:53.92 ID:fO1j3GJWO
気付いた。自分は支えられていた事に、色んな人に、色んな物に。

だから私は今、此処に居るんだ。居れるんだ。

SPの彼はそれだけ言うと走って消えた。

('、`*川「さぁ、いらっしゃい。家族が揃うことなんてもう無いと思っていたわ」

『僕もだよ』

/ ,' 3「私もだ」

('、`*川「世界が終わっても、私達は変わらないわ」

『ふふ、そうだね』

/ ,' 3「笑って迎えよう、最期を」


『――√\√^……ますか?ハロー、ハロー、聞こえますか?届いてますか?私の声が
最後の挨拶を……――√\√』



Case1/ ,' 3  END


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