( ・∀・)群雄割拠の天下のようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 20:54:11.78 ID:N/R41rAb0





( ・∀・)群雄割拠の天下のようです

第二話「廃れた名家の意地」






5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 20:55:12.02 ID:N/R41rAb0
ラウンジの大軍、801へ迫る───
間者からの報告に801の国王は驚いた。

ラウンジだけならば、まだ防げる可能性はあった。
しかし、ラウンジは小競り合いを続けていた周辺小国と手を組んだのだ。

その同盟の報酬としてラウンジは801の土地を山分けしようと提案する。
もちろん、ラウンジにそんな気は毛頭ない。

801領が欲しいのならば、兵を出さざるを得ない。
それ故に小国は必ず自国のちっぽけな見栄を張り、そこそこ名のある将軍を出すだろうと考えた。

801を落とした後に、その将軍たちを始末していく。
勝利の宴などと称して将軍たちを集め、酒に酔わせるなり、痺れ薬を飲ませるなりして始末すれば後は簡単だ。

将軍のいない国など恐れる必要はない。
一気に叩き、一大勢力を作り上げる作戦なのだ。

小国の将軍の中にはラウンジへの鞍替えを考えるものもいると聞く。
この作戦は必ずうまくいく。ラウンジの国王と将軍はそう確信していた。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 20:56:09.70 ID:N/R41rAb0
その頃、801では自国滅亡の危機に晒されている為に文官武官を集め連日対策を練っていた。

腐っても801国は周辺小国の中では1歩リードした存在だ。
優れた文官や武官は多くいる。

ラウンジの同盟策を蹴ってまで、801へ味方する国もある。
しかし、兵力差は明らかにラウンジ側が大軍だ。

このまま座して滅亡を待つよりは、国王を逃がし、再起を図るべきだと言う者。
敵に背を向けるなど言語道断、死すまで徹底的に抵抗するべきだと言う者。

連日の軍議の末、801にも意地がある、ただでは死なんと国王が決意。
戦へ向けて準備が進められる事となる。

少しずつ迫る戦の日。
1日1日経つにつれて801国内には焦りの色が募る。

戦の日は、すぐそこまで迫っていた───


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 20:57:10.75 ID:N/R41rAb0
〜801城 シラネーヨの部屋〜

( ´ー`)「………」

シラネーヨは801国内では名家であった。

あった、と言うのは今はその名家の姿は微塵も無いからである。
シラネーヨの父は偉大であった。が、シラネーヨは家の落ちこぼれだと称された。

頭が良いと言うわけでなければ、武力があるわけでもない。
父の血を引き継いだとは思えぬ程で、801国へ仕えれているのは今は亡き父の力に過ぎない。
提案する政策などは誰もが考えれる程度のもので、謀略も冴えない。

父が亡くなり、シラネーヨ家は瞬く間に衰退した。
かつての名家の姿はそこには無く、周囲の人間にはその事を皮肉にされていた。

当の本人はその事をまったく気にしておらず、自分から落ちこぼれだと明言するほどだ。
その姿を見て、かつての名家を知る人間は落胆の声を上げるのだった。

( ´ー`)「戦…始まるのか…」

( ´ー`)「………」

周囲が焦りの声をあげる中、シラネーヨだけは至って冷静だった。
もしかすると、落ちこぼれ故に、国の大事すらも分からなくなったのではないだろうか?
シラネーヨは一人、何かをひたすらに考え込んでいた。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 20:58:42.86 ID:N/R41rAb0
〜801城 軍議室〜

<ヽ`∀´>「ラウンジはまず、間違いなく、ホスト城を狙ってくるはずニダ」

<ヽ`∀´>「そこでホスト城にはウリと流石兄弟が行くニダ」

<ヽ`∀´>「ホスト城の支城ソープ城には───」

軍議を仕切るこの男はニダー。
彼はかつて、シラネーヨの父から戦について学び、亡き後は彼が801兵を率いラウンジと戦っていたのだ。
ラウンジを何度も退けた功は大きいもので、あっという間に大将へと抜擢された。

<ヽ`∀´>「以上がラウジン戦に向けての各将の配置ニダ!何か質問は?」

( ´ー`)「………」

質問の声は何処からも上がらなかった。
ラウンジに必ず勝つと言う思いが、ニダーにははっきりと見えていた。

<ヽ`∀´>「名の挙がらなかった者は801城に残って欲しいニダ」

<ヽ`∀´>「物資支援や敵の内部撹乱をやって欲しいニダ」

<ヽ`∀´>「それじゃ、解散ニダ!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:00:12.65 ID:N/R41rAb0
それから数日後、801軍はニダーの作戦通りに指示された城へと兵を率いて向かった。

ニダーは城に篭りながら戦うという持久戦の策を取った。
ラウンジの10万を超えるという大軍の食料はそう長くは持たないだろうと考えたからだ。

801は約4万の兵力を投入。
ホスト城とソープ城には元々4000の兵がそれぞれいる為それをあわせれば約5万だ。
さらに周辺の国の援軍が来る、兵力は多く見積もって7万と言うところだろう。

支城に1万の兵を追加で配備し、残りはホスト城へ。

負ければ滅亡必至だが、勝てばラウンジを取れる。
天下統一のために負けるわけには行かない。
それはラウンジも同じ事だ。

長期戦が予想される最初の戦。
両軍の命運をかけて、戦が始まろうとしていた。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:06:06.17 ID:N/R41rAb0
〜801城 シラネーヨの部屋〜

負けた時はどの国へと逃げようか。そんな事を部屋に篭り考えていた。
ふと、シラネーヨの脳裏にモララーとの会話が鮮明に思い出される。

『貴方の力を持ってすればラウンジを退けるのは容易いはず』

『己が才能を知りながらも活かさず禄だけを食らうは愚者と同様ですぞ。シラネーヨ殿』

( ´ー`)「………」

このホスト城での攻防、801は負けるだろう。
根拠は無いが、どこか自分の中で確信めいた物があった。

気づけばテーブルの上に地図を広げていた。
801国の領地地図だ。

ホスト城、ソープ城は落ちる。
次にラウンジが攻める城を予想する。

考えるうちに一つの城が目に留まる。
それが、メガミ城。

この城を通れば801城への最短ルートだ。

他の城を取っていくルートもあるが、ホスト城を落とし、勢い盛んの筈。
わざわざ戦を増やして兵力や食料は無駄にしないだろう。

とすればやはりメガミ城だ。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:07:10.04 ID:N/R41rAb0
敵の今現在の兵力が10万。
ホスト城戦の後にメガミ城にはどれだけの兵力が来るかも分からない。

ニダー将軍の抵抗次第だろう。
7万の兵がどれだけ減るのだろうか?

メガミ城で10万近くの兵を相手にする。
それがどれだけの戦になるか、分からないシラネーヨではない。

圧倒的なまでの寡兵戦。
全滅は必至だ。
兵士には死ねと言う物だ。

( ´ー`)「………」

今更ながらに思う。
何でこんな事を自分が考えねばならないのだ。

戦が怖くない筈が無い。
こんな兵力差での戦なんて誰が考えるだろうか。
真っ先に逃げるに決まってる。

( ´ー`)「…やるしかないのかなんて…シラネーヨ…」

腐っても、801で生まれ、育ったのだ。
その土地を敵に蹂躙されて悔しくないはずが無い。

覚悟は既に、決まっていた─────

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:09:11.20 ID:N/R41rAb0
ホスト城包囲の報から2ヵ月後。
当たっては欲しくない、予想通りの報せが801城へと早馬で知らされた。

ホスト城陥落───
そして、ニダー将軍、捕縛される───

報告によれば、ラウンジは篭城し、必死に抵抗するニダー将軍に悩んでいた。
しかし、時折打って出てきた隙に少しずつ兵を紛れ込ませ、決死隊も少数、城内に送り込んだ。
そして、夜になり、城下のあちこちへと一斉に火を放ち、城門を開けたとの事。

城に入られてはどうしようもなく、ニダー将軍は出来うる限り抵抗したが
兵力差が大きかった為に最終的には捕らえられたのだ。

しかし、流石兄弟の2人は敵の囲みの薄い所を突破し、メガミ城へと逃げ延びた。
6万の兵力は4万を失ったとの事。
上手く逃げた兵や負傷兵も少しずつだがメガミ城に逃げ込んで来ているらしい。

その報せを聞き、顔面蒼白となりながらも801国王が緊急軍議を開く。
またも抗戦派と降伏派で真っ二つに話が割れる。

民を思うのならば降伏すべきだ。
801の軍人として、徹底的に抵抗すべきだ。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:10:43.88 ID:N/R41rAb0
敵は迫っているのに悠長に議論など馬鹿らしい。
そう思いながら、飛び交う声を黙って聞いていたシラネーヨ。

( ´ー`)「………」

このまま黙っておくのも良いかも知れない。
日和見主義の自分がでしゃばる必要も無い。
しかし、そう考えてはいた頭とは裏腹に、口が動いてしまっていた。

( ´ー`)「聞いて欲しい話がある」

大きく、はっきりと、響く声でそう言った。

あれほどに騒がしかった声が謀ったかの如く、一気に静まった。
顔を真っ赤にしながら議論を交わしていた者達は誰の声かを探している。

( ´ー`)「抵抗するか降伏するかなんてシラネーヨ」

そう言うと、シラネーヨに皆の視線が集中する。
国王も驚いたような顔でシラネーヨを見ていた。

( ´ー`)「敵は迫っている、こんな話で大事な時間を潰してどうなる?」

( ´ー`)「あんたらは801で生まれ、育ってきたんじゃないのか?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:12:11.73 ID:N/R41rAb0
( ´ー`)「降伏して国を売るなんて愚かな話」

( ´ー`)「とすれば、やる事は一つダーヨ」

本当にあのシラネーヨなのか?
そんな驚きの視線。
普段の姿とは打って変わった姿に口を開けている者すらいる。

( ´ー`)「まだ、兵も残っている。ここにも、まだ将軍が多くいる」

( ´ー`)「降伏しても、801と言う国は消える。同じ消えるならば派手に名を残しましょう」

( ´ー`)「国王様、敵はメガミ城に迫っています。斥候からの情報です。間違いありません」

( ´ー`)「そのメガミ城での戦、ニダー将軍に代わり、私に任させて頂きたい」

とうとう言ってしまった。

本当に自分なのかと自分でも疑いたくなる。
普段は日和見主義の自分が、意見を述べているのだ。
周囲の視線は未だに驚きを隠せていない。

先ほどの一言にシラネーヨに向けられていた視線は国王へと向けられる。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:13:28.02 ID:N/R41rAb0
ヤ-o-イ「………」

ヤ・o・イ「……勝算はあるのか?」

( ´ー`)「ありません」

溜め息を漏らす声が周囲から聞こえた。

( ´ー`)「しかし、策はあります。嵌まれば、勝ちは見えるかも知れません」

ヤ・o・イ「…その策とやらは?」

( ´ー`)「言えません。この中に敵と内通している者がいないとは限りませんから」

ヤ-o-イ「………」

ヤ・o・イ「………分かった」

ヤ・o・イ「801の命運。シラネーヨに託そう」

そう言うと、降伏派の者達は驚愕の表情を浮かべ、すぐさま抗議の声をあげようとする。
が、国王はそれを許さない。

ヤ・o・イ「メガミ城ではシラネーヨを大将にラウンジへと抵抗する」

ヤ・o・イ「これは決定事項じゃ。もう覆る事は無い!各々のメガミ城での活躍に期待する!」

ヤ・o・イ「早急に戦支度に掛かれぃ!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:15:23.67 ID:N/R41rAb0
軍議が終わり、各自は慌しく戦支度へと向かった。
既に戦支度を終わらせていたシラネーヨはある男の部屋へと向かう。

801の科学者であるアザピーの部屋だ。

( ´ー`)「失礼するダーヨ」

扉をノックし、部屋へと入る。一人の小柄な男がいそいそと何かを用意していた。

(-@∀@)「あ、シラネーヨ様」

( ´ー`)「例の物、準備できたカーヨ」

(-@∀@)「えぇ、言われた時は無理かと思いましたが、2ヶ月の時間は大きかったですね」

(-@∀@)「もう既にメガミ城へと運び終わっています。既に準備も万端な筈ですよ」

(-@∀@)「成果は自分の目で確かめたいですが、命は惜しいですからね」

( ´ー`)「ありがとうダーヨ。生きて帰ってこれれば成果を教えてあげるダーヨ」

(-@∀@)「………」

(-@∀@)「……生きて、帰って来てくださいね…」

何も言わず、そのままシラネーヨは部屋を後にした。

生きて帰ってこれるかなんて分からない。
あの日もそうだ、父だって、帰って来るなんて約束したのに帰ってこなかった。
メガミ城での防衛戦はすぐそこまで迫っていた───

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:17:12.29 ID:N/R41rAb0
メガミ城は北東から東にかけては大きな森が有り、後は見渡しの良い平地である。
お世辞でも防衛向きの城とはいえない。
城門も東西南北4箇所にあり、防衛をさらに困難にさせていた。

( ´ー`)「………」

メガミ城の城壁から遠くを眺めるシラネーヨ。

( ´ー`)「来たカーヨ…」

やがて砂煙が見え始めた。
少しずつ大きくなり、地響きすらも聞こえてくる。

ラウンジの大軍がメガミ城へと到着したのだ。

城からの攻撃が届かず、打って出てきても対応出来る距離でラウンジの先頭集団は停止した。
続々と後続の兵団も追いついてきているようだ。

( ´ー`)「………?」

しかし、ラウンジの兵はどこか様子がおかしかった。
どこか酷く疲労しているように見える。

まさか強行軍で来るはずが無い。
いくら勢い盛んだと言ってそんな行動を取る将軍など有り得ない。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:18:56.32 ID:N/R41rAb0
( ´ー`)「敵の策カーヨ…?」

そう考えるのが妥当な線、しかし、何の為の策かが分からない。
敵全体を見渡しても兵力が思った以上に少ない気がする。

( ´ー`)「どう思うダーヨ?シナー殿」

シラネーヨの隣には老けて見える男の姿があった。
801の弓の名手と謳われるシナーである。

( `ハ´)「ふむ、ここに来る途中に何からのトラブルがあったと思われるアル」

( ´ー`)「そのトラブルとは何ダーヨ?」

( `ハ´)「そんな事まで分かれば苦労はしないアル」

( ´ー`)「言えてますダーヨ」

そう良いながら笑いあう二人。
大軍の敵を目前にしながらも余裕がある。

( ´ー`)「敵が疲れてるからって、どっちみち寡兵には変わりネーヨ」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:21:19.02 ID:N/R41rAb0
メガミ城には先の戦で逃げてきた兵と801城の兵、それに頼んだ小国の援軍と合わせて2万。
対するラウンジは7万程度だろうと思われる。

( `ハ´)「敵の大軍には適当に弓を撃っても当たるアル」

敵の軍を眺めながらふと思い出したかのように言う。

( `ハ´)「そう言えば流石兄弟の姿が見えないアル」

( ´ー`)「あぁ、二人は敵に降りましターヨ」

( ;`ハ´)「な!それは一大事アル!二人の将軍がいるといないでは大違いアルヨ!」

( ´ー`)「落ち着いてダーヨ。大丈夫。埋伏の毒って奴ダーヨ」

( ;`ハ´)「埋伏の毒…?敵にわざと降らせたアルか?」

( ´ー`)「敵は大軍で連合軍ですからね、内部から崩すのは基本ダーヨ」

( ;`ハ´)「敵の軍師とて馬鹿じゃないアルよ?この大軍を纏めるほどの大将と軍師アル」

( ´ー`)「らしいダーヨ。だけど、幸いな事に自分の悪評はラウンジにも広まってるダーヨ」

( ;`ハ´)「…なるほど。その悪評を利用すれば上手く降った振りが出来ると言う訳だ」

( ´ー`)「ある程度の情報を持たせて降らせています。流石に策が何かまでは教えていませんがね…」

( ;`ハ´)「敵にその策がばれなければ良いアルが…」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:23:17.98 ID:N/R41rAb0
敵の大将と軍師は知っている。シャキンとショボンの兄弟だ。
兄シャキンは幼い頃から学問に励み、その才能を認められて軍師となった男。
弟ショボンは兄とは対称的で武術に励み、兄の知恵を借り、瞬く間に大将にまで上り詰めた男。

どちらも頭が切れる。ラウンジは二人が支えていると言って過言ではない。

( ´ー`)「………」

負けられない。何がなんでも、この戦に勝つ。

( ;`ハ´)「シラネーヨ!敵が包囲を始めたアルヨ!」

その言葉で敵軍に目を向ける。
なるほど、確かに敵は部隊を少しずつ動かして包囲網を作り始めている。

( ´ー`)「しかし、えらく動きが鈍いダーヨ」

( ;`ハ´)「やはり道中に何かあったアル」

数時間後、ラウンジは完全に城の包囲を完了させた。

( ´ー`)「今更ながら、あの森に伏兵を置いとくべきだっターヨ」

( ;`ハ´)「配置してないアルか!?」

ははは、と笑いながら敵の包囲を見つめるシラネーヨ。
それを呆れ顔で見るシナー。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:25:15.24 ID:N/R41rAb0
( ´ー`)「どの道、相手の軍師が頭良いらしいからすぐに見つかってしまうダーヨ」

( ;`ハ´)「確かに、それも一理あるが…」

ははは、とシラネーヨの笑い声が空へと吸い込まれて言った。

〜ラウンジ軍陣内 大将幕舎〜

大将のショボンは苛立っていた。
まさか、道中に多くの兵士を減らす羽目になるとは思わなかったからだ。

(#´・ω・`)「くそっ!盗賊如きに頭を悩まされるとは!!!」

(`・ω・´)「落ち着けショボン」

諭すようにシャキンが語り続ける。

(`・ω・´)「確かに道中の盗賊は予想外だったが、兵力差は歴然だ。この戦に勝てば801も終わる」

(`・ω・´)「大将が苛立っていては冷静な判断が出来ず、兵が余計に不安がる」

そう言われて、少しずつ落ち着きを取り戻すショボン。

(´・ω・`)「…確かにその通りだ。大将は冷静でなくては…」

落ち着いたショボンに再び話を続ける。

(`・ω・´)「兵は疲れているが、801にはその理由は分からないだろう」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:28:12.35 ID:N/R41rAb0
(`・ω・´)「801から流石兄弟の二人も降って来た。城の弱点も分かる。この戦はもう勝ち戦も当然だな」

(´・ω・`)「しかし兄さん。その二人本当に信用出来るのかい?」

(`・ω・´)「あぁ、メガミ城の大将であるシラネーヨは名家の落ちこぼれで有名だ」

(`・ω・´)「そんな奴を大将にするなんて国王も頭がおかしくなったんだろうだとよ」

(`・ω・´)「801に関して未練は無く、城の情報を持ってきてくれた」

(`・ω・´)「敵の城内配置も分かっているし、一応監視も付けてる。怪しい動きは出来ないさ」

確かに、シャキンの話を聞けば降ってきた二人は完全に801を見放している。

しかし、降ってきた者を安易に信用するのはどうも心が落ち着かなかった。
だが、二人がまた裏切ったところで801の滅亡は避けられないだろう。
二人だけではどうしようもない。

(´・ω・`)「城の周りに怪しい所は?」

(´・ω・`)「例えば…あそこの大きな森とか、伏兵には持って来いだよ」

(`・ω・´)「兵を送って確かめさせた。異常無しだ」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:29:38.60 ID:N/R41rAb0
(´・ω・`)「流石は落ちこぼれだね。地の利を活かさないとは…」

嘲る笑みを浮かべるショボン。

(`・ω・´)「そんな奴が大将をしている城だ。貰ったも当然だな」

(´・ω・`)「はは、ホスト城でニダーを捕らえれたのは大きかったね」

(`・ω・´)「確かにな、彼がいない801は恐れるに足らず、だな」

そこで、一つ話を区切るショボン。

(´・ω・`)「……ところで兄さん。801を取った後だけど…」

(`・ω・´)「手はずは整わせる。酒に────を入れて、兵を───」

二人は話に集中している為、幕舎の影には気づかなかった。

( ´_ゝ`)「良い話を聞いた。早速仕事を始めますか…」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:31:21.06 ID:N/R41rAb0
〜ラウンジ軍陣内 流石兄弟幕舎〜

( ´_ゝ`)「弟者よ、朗報だ。敵さんが何考えてるかが分かりましたぜ」

( ´_>`)「流石だな兄者。こっちは誰を味方につけるか検討し終わった所だ」

顔が似ている二人は流石兄弟。
猪突猛進気味な兄を冷静沈着な弟がいつも抑えているのだ。

しかし、コンビネーションは兄弟ということもあり完璧だ。
二人の連携プレーにはどの兄弟も敵わないだろう。

( ´_ゝ`)「んで、かくかくしかじか」

( ´_>`)「なるほど。援軍で来た将軍を801を取った後に暗殺…か」

( ´_ゝ`)「ラウンジの悪代官っぷりは流石だな」

( ´_>`)「あぁ、このネタがあればこっちに味方する将軍も多くなるかもな」

( ´_ゝ`)「ところで検討をつけ────」

弟者が太ももをトントンと叩き合図を送った。

( ミハ∋リ)「………」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:32:38.70 ID:N/R41rAb0
( ´_ゝ`)「───検討違いだったよなあの時は」

( ´_>`)「あぁ、まさか城内に敵兵が混ざってるなんてな。流石はラウンジの大将と軍師様だ」

( ´_ゝ`)「お陰でニダー将軍は捕まっちまうし」

( ´_>`)「それよりもその後に大将にシラネーヨを持ってくる国王には驚いたよな」

( ´_ゝ`)「ニダー将軍が捕まって頭がおかしくなっちまったんだ」

( ´_>`)「そんな国に先はねーな。裏切って正解だよ」

( ´_ゝ`)「まったくだ…」

( ミハ∋リ)「………」

また弟者が太ももをトントンと叩き合図を送った。

( ;´_ゝ`)「ふぅー…ひやひやさせやがるぜ…」

( ;´_>`)「しかし、見張りの下手な事…上手い奴だったら死んでたな俺ら…」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:34:21.11 ID:N/R41rAb0
( ´_ゝ`)「で、裏切りそうな将軍ってのは?」

( ´_>`)「あぁ、イヨゥ将軍とミルナ将軍だ」

( ´_ゝ`)「弟者が言うなら間違いなく裏切るな…」

( ´_>`)「兄者はイヨゥ将軍に俺はミルナ将軍のところに行く」

( ´_ゝ`)「把握した。お互い頑張ろうぜ」

( ´_>`)「分かってるよ兄者」

( ´_ゝ`)「シラネーヨはどんな策を考えてるんだろうな…?」

( ´_>`)「さぁな、戦が始まれば分かるだろうがよ」

( 兵Д士)「失礼致します!」

行き成り幕舎に入ってきたの兵士に二人はビクリと体を浮かせた。

( 兵Д士)「両将軍!大将のショボン様がお呼びです!至急、幕舎へ来るようにとの事!」

( ;´_>`)「分かった…すぐ行く」

( 兵Д士)「はっ!失礼します!」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:36:06.97 ID:N/R41rAb0
( ;´_ゝ`)「誰かに聞かれていたか…ばれたのか…?」

( ;´_>`)「分からん…だが、呼ばれたのならば行くしかあるまい…」

〜ラウンジ軍陣内 大将幕舎〜

( ミハ∋リ)「───で、おかしな言動は見られませんでした」

(´・ω・`)「分かった。報告ご苦労、下がって良い。引き続き仕事を継続してくれ」

( ミハ∋リ)「はっ!失礼致します…」

(`・ω・´)「言ったとおり、おかしいところは無いだろう?」

(´・ω・`)「えぇ、そうですね。しかし、万が一に備えて二人の配置を変更します」

(`・ω・´)「えらく心配性だな…。では兄の方を東門に配備し、弟を西門へ配置しよう」

(`・ω・´)「こうすれば二人は別行動となり変な行動も起こせないだろう」

(´・ω・`)「それで結構です。二人を呼び出していたのでそろそろ来ると思いますよ」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:39:05.34 ID:N/R41rAb0
( ´_ゝ`)「流石兄者、使者を受けて参りました」

( ´_>`)「同じく弟者、使者を受けて参りました」

(´・ω・`)「入りたまえ」

( ´_ゝ`)「失礼致します」

( ´_>`)「失礼致します」

なぜ呼ばれたか分からない二人は気が気ではなく、いつにもまして緊張していた。
自分達の事が何処からか漏れたのか?そう考えると生きた気がしない。

(´・ω・`)「二人に改めて城内の情報を教えて貰おうと思ってな」

(`・ω・´)「申し訳ないが今一度、敵の城内配置や物資について教えて頂きたい」

( ;´_ゝ`)(罠か…?矛盾が見つかれば殺そうって魂胆じゃ…)

( ;´_>`)(やはり感づかれているのだろうか…?)

(`・ω・´)「…?どうした?早く教えてくれ」

これ以上黙っていては逆に不信感を増させるだろう。
意を決して二人は城内の情報を話し始めた。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:40:36.42 ID:N/R41rAb0
( ;´_ゝ`)「────で、こうなっています」

(`・ω・´)「やけに北と南に兵を割いているな?」

( ;´_>`)「詳しい事は分かりませんが、西と東に何らかの策を用意してるようです」

(´・ω・`)「とすれば、こちらも北と南に兵を集中させねばなるまいな…」

(´・ω・`)「策とやら分かれば逆に利用してやったものを…」

使えない奴だ、それを口に出さないが目で物語り、流石兄弟へと向けられていた。

(`・ω・´)「その策とやらにむざむざ兵を犠牲にしたくはないな」

( ;´_>`)(他国の将軍を殺そうって奴がよく言うぜ…)

(´・ω・`)「分かった。では、二将軍には西と東にそれぞれ行って貰う」

( ;´_ゝ`)「!?」(´<_`; )

(`・ω・´)「どうした?二将軍であれば敵の策を看破出来ると思ったのだが…」

( ;´_ゝ`)「いえ、見事、城側の策を看破して見せます…」

(`・ω・´)「うむ、その意気やよし」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:41:58.40 ID:N/R41rAb0
(´・ω・`)「兄者を東門へ、弟者を西門へ副官として配置する」

( ;´_>`)「副官…?」

(`・ω・´)「将軍のサポートだ。えぇと西門はミルナ将軍に、東門はイヨゥ将軍に担当して貰っている」

( ;´_ゝ`)「!?」(´<_`; )

二人は内心焦っていた。
別行動が出来るのは嬉しい限りだが、話が上手く行き過ぎている。
何か裏があるのでは?既にばれているのではないかと思わざるを得なかった。

(´・ω・`)「どうした?」

( ;´_ゝ`)「いえ、我々に将軍の副官など務まるのかと…」

(`・ω・´)「ははは、そんな事か、心配する必要は無い。きっと役目を果たせるさ」

( ;´_>`)「わ、分かりました…それでは、早速準備に取り掛かりたいと思います…」

(´・ω・`)「うむ、二人の働きぶりに期待している。活躍すれば褒賞は思いのままだ」

( ;´_ゝ`)「粉骨砕身の思いで頑張らせて頂きます…」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:43:16.29 ID:N/R41rAb0
流石兄弟の二人が去り、幕舎にはまた、ショボンとシャキンの二人だけとなった。

(`・ω・´)「これで西門と東門の策には我がラウンジの兵の被害は少なくてすむな…」

(´・ω・`)「まったく、降るのならば策の情報ぐらい持ってきて欲しいものだ…」

(`・ω・´)「まぁ、良いじゃないか敵の城内配置が分かるだけで十分だ」

(`・ω・´)「策が何かは気になるが、他国の将兵に任せれば大丈夫だろう」

(´・ω・`)「自国の兵をわざわざ犠牲に晒したくはないですからね」

(`・ω・´)「よし、兵の配置を変えよう。総攻撃は明後日ぐらいで良いだろう」

(´・ω・`)「えぇ、801の息の根。この城を落として止めてやりましょう」

ははは、と二人の笑い声が幕舎の中に響いていた。

〜ラウンジ軍陣内 流石兄弟幕舎〜

( ;´_ゝ`)「生きた気がしなかったぜ…」

( ;´_>`)「全くもって同感だ、兄者…」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:45:15.40 ID:N/R41rAb0
( ;´_ゝ`)「まぁ、生きているから良いが話が上手く行き過ぎて怖いもんだぜ…」

( ;´_>`)「あぁ、全くだ。俺は早速、西門へ向かいミルナ将軍を口説く。兄者も無事でな」

( ;´_ゝ`)「戦の後に会える事を祈ってるよ…」

〜メガミ城 北門城壁〜

( ´ー`)「流石兄弟は無事に仕事を果たしてくれているみたいダーヨ」

敵の慌しく動き出す陣内を見ながらそう呟くシラネーヨ。

( `ハ´)「いよいよ戦が始まるアルか…」

( ´ー`)「城内配置は大丈夫カーヨ?」

その声はどこか震えているようにも聞こえた。
やはり内心ではかなりの恐怖がシラネーヨを襲っているに違いない。

( `ハ´)「戦える兵は2万5千。北と南に8千ずつ。後は西と東に分けたアル」

( `ハ´)「北門は自分が、南門はダニエ<σ´A´>、東門にはマニー¥・∀・¥だ」

( ´ー`)「そして、西門は自分ダーヨ…」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:47:14.60 ID:N/R41rAb0
( `ハ´)「しっかし、敵さんの大将がいる北に自分とは老人を使いすぎアル」

( ´ー`)「ははは、何を言います。誰よりも手柄を上げたそうな顔をして」

( `ハ´)「むぅ、そう言われると否定は出来ないアル」

( ´ー`)「大将を射抜けば一番手柄は貴方ダーヨ」

( `ハ´)「簡単に言ってくれるアル。だが、そのくらいの意気込みは必要アルな」

( ´ー`)「さて、兵を鼓舞しに行きますか…」

( `ハ´)「はは、既に意気盛んアル」

( `ハ´)「801の為に、家族の為に、ここで討死にする覚悟アル」

( `ハ´)「後の世に名を刻めるなら武士としての本望アル」

( ´ー`)「………」

( ´ー`)「この戦、必ず勝って見せますよ…」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:49:20.84 ID:N/R41rAb0
城内、城外共に緊迫した雰囲気が流れていた。

圧倒的な兵数で801を飲み込まんとするラウンジ。
対するは寡兵ながらも表情には鬼気漂い、玉砕覚悟の801。

日は両軍を照らしていた。
両軍の兵士の頬に一粒の汗が流れる。

それぞれの思いを抱えながら、戦が始まろうとしている。

〜ラウンジ軍〜

(#´・ω・`)「この戦に勝ち、801の命をここで絶つ」

(#´・ω・`)「敵は必死に防衛してくるだろうが、圧倒的な兵力差は覆りはしない」

(#´・ω・`)「勝って勝利の杯を交わそうではないか!」

〜801軍〜

( ´ー`)「皆には申し訳ない…。この落ちこぼれと共に、この地で死んで貰う」

( ´ー`)「だが、ただでは死なん。一つ大きな華を咲かせて死のうでは無いか」

( #´ー`)「この落ちこぼれに命を預けて欲しい!この戦、必ず勝つ!」

ラウンジ、801の両軍から大きな雄たけびが上がる。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:52:43.60 ID:N/R41rAb0
ラウンジの陣内から、開戦を伝える太鼓の音が響き渡る。
兵士が声をあげ、メガミ城へと突撃を開始した。

北門のシナーはそれを見つめる。
大地を覆う人の数。さながら人の海と言った所だろうか。

( `ハ´)「………」

( `ハ´)「まだだ、まだ引き付けろ…」

射程距離までまだ遠い、もう少し、確実に届く距離まで…

( `ハ´)「………」

( `ハ´)「………!!!」

そして、その時は来た。

(#`ハ´)「放てえッ!!!」

兵が一斉に矢を放つ。
矢に当たった兵はいとも簡単に倒れる。
命の灯は簡単に消されてしまう。

しかし、敵は大軍だ。ラウンジ軍の突撃は止まらない。
人の海は、絶える事を知らない。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:55:20.50 ID:N/R41rAb0
迫り来る人の海には恐怖を覚える。
しかし、恐怖に負けてはそこで終わりだ。

(#`ハ´)「絶え間なく放て!敵を近づけるな!」

矢の雨が迫る兵を襲う。
当たった者は倒れるが、その上を別の兵が走り抜ける。

(#´・ω・`)「矢に怯むな!城壁を登れ!門を開けろ!」

<σ´A´>「登って来る兵には石をぶつけろ!梯子は倒せ!鉤縄は切れ!」

(#`ハ´)「熱湯でもご馳走してやれアル!敵に城壁を登らせるな!」

必死に城壁を登らすまいとする801軍。
その抵抗にラウンジの兵はたじたじとなる。

(#´・ω・`)「えぇい!弓兵が鬱陶しい!こちらからも援護してやれ!」

ラ弓∀兵)「…放てッ!」

ラウンジの弓兵による一斉射撃。
両軍の弓矢が空を覆わんと言わんばかりに飛び交う。

(#´・ω・`)「いまだ!城壁を登れ!」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 21:57:15.06 ID:N/R41rAb0
必死の抵抗を続ける801軍。
抵抗の強さにラウンジの兵は少しずつ被害が増していく。

北と南の攻防は両軍必死の戦いと化している。

( #´ー`)「あちこちに矢を放ち兵が多いように見せかけろ!敵に壁を登らせるな!」

( #´ー`)「ふん!」

ラ;兵∀士)「ぐわぁ!」

¥#・∀・¥「手柄をあげた奴にはたんまり褒賞をくれてやる!命を惜しむな!」

ラ兵Д士)「うわぁ!」

¥#・∀・¥「チッ!兵力差がありすぎだぜ…」

北と南ほどではないがやはり兵力差がある為に押されつつある東と西の両将軍。
しかし、中々城壁を登りきる兵士がいないラウンジ。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:00:25.31 ID:N/R41rAb0
北と南では城壁の下に屍の山が出来ていた。
それを登り、倒され、また山になる。

(#´・ω・`)「屍の山を駆け登れ!弓兵は援護!絶え間無く攻撃を続けろ!」

(#`ハ´)「ふっ!はっ!喰らえアル!」

奮戦を続けるシナー。
しかし、この兵力差は大きい、少しずつ城壁を登られていく。

(#`ハ´)「糞!」

その時、一本の矢がシナーの左肩に突き刺さった。

(;`ハ´)「ぐあああああああああああ!!!」

ヤ;兵Д士)「シナー将軍!」

(;`ハ´)「大丈夫アル!気にせず戦え!」

矢を引き抜きそれを敵兵へと向かい放つ。
傷口からドクドクと血が流れ出る。

(;`ハ´)(不覚ッ!だが、ここで抵抗を止める訳にはいかない!)

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:02:55.53 ID:N/R41rAb0
(#´・ω・`)「見ろ!敵将は負傷した!」

(#´・ω・`)「敵の数が減ってきている!ここで一気に攻め立てろ!」

将の負傷とショボンの激励により、再びラウンジ兵の雄たけびが上がる。
一人の兵がとうとう城壁を登りきった。

ヤ;兵Д士)「糞!喰らえ!」

ラ兵∀士)「ふん!でやぁ!」

ヤ;兵Д/士)「ぐあぁ!」

そこから兵士が城壁へと雪崩れ込む。

シナー将軍は気づけば姿を消していた。

(#´・ω・`)「良くやった!門を開けろ!騎馬隊前へ!突撃ぃ!」

ヤ;兵Д士)「糞…!ここまでか…!」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:04:20.32 ID:N/R41rAb0
同じ頃、南門でもラウンジの兵が城壁へとたどり着き、そこから一気に801兵は崩れていった。
北と南で門が開かれようとしていた。

(  ´ー`)(北と南が落ちたか…後は…)

ヤ;兵Д士)「将軍!どちらへ!?」

(  ´ー`)「策を実行する。敵に地獄を見せてやるダーヨ」

(  ´ー`)「まだここと東は持ちこたえれる。後は頼んダーヨ」

ヤ;兵Д士)「お任せください!」

¥#・∀・¥「おらおら!登れるもんなら登って見やがれ!」

東ではマニーが一騎当千の働きを。

それ見て801兵が再び意気をあげる。どの兵も鬼気迫る物が感じられた。
北と南ほど士気の高くないラウンジと連合兵は及び腰となる。

¥#・∀・¥「ふん!ふん!おりゃあ!」

ラ;兵∀士)「ぐふっ!」

ラ;兵∀士)「うわぁあああああ!!」

ラ;兵∀士)「ぎゃあ!」

しかし、いくら及び腰の兵とは言え多勢に無勢とも言える状況下。
後は時間の問題だった。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:07:17.89 ID:N/R41rAb0
北と南で城門が開かれる。
多くの兵が城内へと流れ込み始めた。

シナーとダニエの姿は消えた。
もしかすると討死にしたのかも知れない。

開いた城門からラウンジの騎馬隊が城内へと侵入する。

ラ騎-兵)「これで801は終わったな!」

ラ騎-兵)「あぁ、この城もこれでおち────」

ラ;騎-兵)「?!」

その時、地面が急激に陥没し、多くの騎兵が馬諸共に巻き込まれていった。
おそらく、何があったか分からぬままに命の灯が消えた事だろう。

ラ;兵∀士)「うわあ!落とし穴だ!!止まれ!戻れえ!」

ラ;騎-兵)「糞!止まれ!」

城内へと雪崩れ込んだラウンジ兵は仕掛けてあった巨大な落とし穴へと吸い込まれていった。
穴の中には無数の槍があり、刺さった馬や兵を見ればさながら肉林のようであった。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:09:34.49 ID:N/R41rAb0
城内の各地で悲鳴があがる。
しかし、城内へと雪崩れ込んだ兵の勢いは止まらない。

寸前で落とし穴に入るのを免れた兵も後ろから押されて落ちていく有様だった。
他の道へと逃げ込んだ兵の末路も悲惨なものだった。
まるで計算されたかのごとく、行く先々に死への落とし穴が待っていた。

城内は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄と化す。
その城内からの悲鳴を聞き、ショボンは焦り覚える。

勝利の声で無く、紛れも無い兵の断末魔の叫び。
門が開き勝ったと思った矢先の出来事だ。

( ;´・ω・`)「何があった!?」

ラ;兵∀士)「分かりません!城内で敵の策に掛かって混乱しているようです!」

(;`・ω・´)「西と東ではなかったのか!?」

それを聞き、ショボンはさらに焦りを覚える。シャキンも予想外の出来事に驚愕した。

( ;´・ω・`)「流石兄弟に嵌められた!策は北と南にあったんだ!」

(;`・ω・´)「とすれば西と東では───」

ラ;伝∀令)「ショボン様!西と東でイヨゥ将軍とミルナ将軍が反旗を翻しました!」

ラ;伝∀令)「誰が味方か敵か判らない状態で混乱しています!」

(;`・ω・´)「なんだと!糞ッ!城内の兵士に撤退を伝えろ!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:13:17.75 ID:N/R41rAb0
あちこちから響く怒号、悲鳴、断末魔の叫び。

(  ´ー`)「………」

それを見つめるシラネーヨの姿があった。
策は上手く嵌まった。流石兄弟も己の仕事を果たしたのだろう。

城内の民までもが農具を手にゲリラ戦を展開していた。
先に姿を消したシナーとダニエの二将軍に予め頼んでいたのだ。

兵士もゲリラ戦に混ざり奮戦、それがラウンジ兵に更なる恐怖を与えていた。
地には見えぬ落とし穴。何処から来るか判らない兵士。
城壁からは弓兵による投石や射撃。

(  ´ー`)「仕上げダーヨ…」

その頃、城内の兵士は城門を目掛けて逃げ出していた。
西と東の門は閉じたままだ。マニーと兵士が奮戦しているお陰だ。

退路を断つ。その意味で北と南の門を開けさせたのだ。
そこにしか逃げれないようにすればいい。

(  ´ー`)「アザピーに研究成果を報告しないとダーヨ…」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:16:47.78 ID:N/R41rAb0
ラ;兵∀士)「に、逃げろぉ!」

ラ;騎-兵)「糞!どけぇ!先に行かせろぉ!」

ラ;兵∀士)「何がどうなってるんだ!?」


北と南に兵士が殺到する。
城内へ雪崩れ込む兵と突入する兵でごった返してていた。

撤退の伝令がまだ伝わっていないのだ。
その為に混乱の輪は瞬く間に広がっていく。

その時、北と南の門で爆音が響き渡る。
城門に殺到した兵に、巨大な石の塊が降り注ぐ。

ラ;兵∀士)「う────」

城門の瓦礫に無残にも押しつぶされていく兵士達。
瓦礫の山の下から薄っすらと潰れた兵の血の海が広がり始める。

崩れ行く城門を唖然として見つめる北南の兵達。

( ;´・ω・`)「…ば…馬鹿な…城門を壊すなんて…馬鹿な話…あるわけが…」

しかし、目の前で爆音と共に城門は崩れ去り、兵が潰れていくのを見てしまった。
未だに瓦礫の山には砂煙が上がっている。
城門と共に城壁も幾分か巻き込まれて崩れていた。

(;`・ω・´)「なんて事を…敵は考えるんだ…」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:19:34.16 ID:N/R41rAb0
〜メガミ城近辺の森〜

???「おいおい…城の城門が崩れていったぜ…」

???「それよりもラウンジ兵は口を開けてポカーンってしてるぜ」

???「あれを見れば口もあくだろ。ここで見てても口が開いたってのに」

???「7万の兵が見る形もねぇなぁ。あそこなんてもう兵が逃げ出してるぜ」

???「あんなんみれば戦う気も失せる。城内も静かになってきたな」

???「2万の兵で7万の兵を撃退…おーすげぇすげぇ」

???「支城に送った伝令は?」

???「まだ。だけど伝えてはいるだろ」

???「んじゃ、そろそろ行きますか。主役は遅れてやってくるもんでしょ?」

???「おう、行くか!」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:21:19.60 ID:N/R41rAb0
恐怖がラウンジ兵へと伝播し、誰もが意気消沈と言った顔だった。
立ち竦み口を開けて動けないでいる兵もいる。

(;`・ω・´)「ショボン、兵も意気消沈して戦にならん。ここは撤退しよう」

( ;´・ω・`)「糞…7万の大軍が…ここまでやられるとは…」

撤退だ、そう部隊に告げようとしたとき。
森の方面から大きな雄たけびが聞こえてきた。

( ;´・ω・`)「次は何だ!何事だ!」

ラ;伝∀令)「突如森から兵が現れました!どうやらあの盗賊集団のようです!」

ラ;伝∀令)「まっすぐにこの本陣へ向かっています!」

(;`・ω・´)「ショボン!急いで撤退だ!」

( ;´・ω・`)「えぇい!撤退だ!急ぎ撤退の準備をしろ!」


爪'ー`)「おぉっと敵さん逃げ出すのが早いねぇ」

▼#・ェ・▼「野郎共!目の前にはお宝の山だ!命を惜しむんじゃねぇ!」

(メ盗∀賊)「「「おぉー!」」」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:25:29.58 ID:N/R41rAb0
変わり果てた北門の城壁にシラネーヨの姿があった。

(  ´ー`)「あの軍団は一体…?」

どうやらラウンジの本陣へと突撃しているようだ。
事情は知らぬが敵では無いらしい。

ラウンジの兵は逃げ出す兵が出始め、あっという間にちりぢりになっていた。
先ほど支城から援軍の伝令も来た。

逃げ出した兵は支城の兵に捕まるか殺されるだろう。
西と東では流石兄弟とミルナとイヨゥ将軍が追撃を開始していた。

ラウンジの本陣は撤退を始めている。
もうこの戦は勝ち戦だろう。

(;`ハ´)「見事アル。シラネーヨ」

(  ´ー`)「シナー将軍、お怪我の程は?」

(;`ハ´)「掠り傷アル。死にはしない」

しかし、そう言いながらも呼吸は荒く。
左肩には幾重にも包帯代わりの布が巻かれていた。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:27:49.76 ID:N/R41rAb0
(;`ハ´)「あの軍団、一体何者アル?」

(  ´ー`)「判りませんが敵ではないみたいダーヨ」

(  ´ー`)「先ほど来た支城の伝令によれば、あの部隊の兵が兵を出すようにと告げに来たらしいダーヨ」

(;`ハ´)「しかし命知らずアル」


爪#'ー`)「おらおら!くたばりやがれ!大将をさがせぇ!」

( ;´・ω・`)「糞!盗賊共にもろくに対応できん程とは!」

(;`・ω・´)「ショボン!ここは俺に任せろ!お前はホスト城へ撤退しろ!」

( ;´・ω・`)「だけど兄さんを残していくわけには!」

爪#'ー`)「あそこだ!大将旗がある!」

(;`・ω・´)「時間が無い!行け!俺の事は構うな!お前一人でもラウンジを支えられる!」

( ;´・ω・`)「くっ!」

馬に乗り、僅かな共をつれて駆け出すショボン。
その目には悔し涙を浮かべている。

ショボンが逃げ出したのと僅かの差で敵が突入してきた。

爪#'ー`)「逃げた奴はほっとけ!大将はてめぇか!野郎共!捕まえろ!」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:29:47.56 ID:N/R41rAb0
戦いは、801がラウンジを退け防衛に成功した。
しかし、両軍多くの将兵を失い、当分は戦は無理だろう。

801はメガミ城で勝利の宴を上げていた。

(  ´ー`)「まずは、勝利に乾杯ダーヨ」

¥*・∀・¥「カンパーイ!ヒャッホオオオオオオ!!!」

( *´_ゝ`)「カンパーイ!ヒャッフウウウウウウウウウウウウ!!!」

( ´_>`)(テンション高い二人がうぜぇ…)

( `ハ´)「しかし生きてて良かったアル…うぅ、酒が傷口にしみるアル」

<σ´A´>「爺さん泣いてんじゃねーぞ。しわくちゃな顔がもっとしわくちゃだ」

( ゚д゚ )「……」

(=゚ω゚)「……」

( *´_ゝ`)「どうしたご両人!酒は楽しんで飲むもんだぜ!暗い顔しなさんな!」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:30:59.19 ID:N/R41rAb0
(  ´ー`)「ミルナ将軍、イヨゥ将軍。お二人が何を考えいるか当ててあげますダーヨ」

(  ´ー`)「裏切った事を国になんて報告しようかを考えてる顔ダーヨ」

(=゚ω゚)「「!!」」( ゚д゚ )

(  ´ー`)「その事は既に国王に伝えてそれぞれの国へと使いを出してますダーヨ」

(  ´ー`)「気にする事はないダーヨ。二人は国の為に戦ったんダーヨ」

¥*・∀・¥「そうそう!今はそんな事忘れて酒を飲みましょうぜ!ほらほら、飲んだ飲んだ!」

そう言うと二人の杯に酒を注ぐマニー。

¥*・∀・¥「カンパーイ!」

それを見て、二人の将軍は顔を見合わせて互いに噴出した。

(=*゚ω゚)「カンパーイ!」

( *゚д゚ )「乾杯!」

あっという間に二人の将軍は周囲に打ち解けていった。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:32:26.85 ID:N/R41rAb0
( ´_>`)「しかし、シラネーヨ将軍はよく、あんな策を思いつかれましたな」

(  ´ー`)「何、偶然ダーヨ。策が上手く的中して敵が混乱しただけダーヨ」

( *´_ゝ`)「またまたぁ!謙遜しちゃってー!このこのぉー!」

(  ´ー`)(うぜぇ…)

( `ハ´)「いやはや、今日の戦っぷりは誰も落ちこぼれとは二度と言えぬほどアル」

(*`ハ´)「それでもワシにはまだまだ劣るアル!」

<σ´A´>「かー、年よりは酒に酔うとやっかいだねー!肩に矢なんて刺さっちゃったくせに」

(*`ハ´)「名誉の負傷アル!あれほどの戦はもう二度と経験出来ないアルヨ!」

¥*・∀・¥「もう二度と経験したくないっての!あんなにヒヤヒヤした戦なんてこりごりだぜ!」

(  ´ー`)「確かに…もう二度としたくないダーヨ」

( *´_ゝ`)「シラネーヨ様がいればどんな戦にだって勝てますぜ!ほらほら!もっと飲んだ飲んだ!」

(  ´ー`)「ありがとう…しかし、ニダー将軍の安否が気になるダーヨ…」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:34:41.01 ID:N/R41rAb0
ヤ;兵Д士)「シラネーヨ様!見知らぬ軍団が城門前にて開門を要求しています!」

( ;´_>`)「敵か!?」

(  ´ー`)「…いや、たぶん味方ダーヨ」

〜東門城壁〜

(  ´ー`)「開門を要求される軍を率いる将よ!前に出られるダーヨ!」

既に空は暗く、顔がみえないかと思われた。
しかし、かがり火を多く焚いて前に出てきた為、顔ははっきりと見る事が出来た。

(  ´ー`)「!!」

爪'ー`)「俺はフォックス!手土産を持って来た!門を開けて城に入れて欲しい!」

あの時、ラウンジ本陣へ突撃を仕掛けていた部隊の男だ。
狐のような顔つきははっきりと覚えている。

(  ´ー`)「手土産とは…?」

▼・ェ・▼「ラウンジ大将の身柄だ!」

( ;´ー`)「!!」

あの突撃でラウンジのショボンを捕えたと言うのか?
だとすれば値千金の活躍だ。

(  ´ー`)「分った!すぐに城門を開けさせる!」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:36:45.49 ID:N/R41rAb0
(  ´ー`)「始めましてダーヨ。シラネーヨって言うダーヨ」

爪'ー`)「えーと俺はフォックスでこっちが相棒のビーグル」

▼・ェ・▼「どうも」

狐と犬とは変わった二人だ。
周囲の兵はそう思ったことだろう。シラネーヨ自身もそう思っていた。

爪'ー`)「んで大将は…おい!引っ張って来い!」

( ;´ー`)「………」

引っ張り出されてきた男。それはまさしくラウンジの将である。
しかし、ショボンでは無かった。

(;`・ω・´)「………」

▼・ェ・▼「ラウンジの大将ってのはこいつだろ?大将旗の近くの幕舎にいたんで捕まえたんだが」

( ;´ー`)「残念ながら大将ではないダーヨ」

爪;'ー`)「え…」

( ;´ー`)「このお方はラウンジの軍師のシャキン殿ダーヨ」

爪;'ー`)「ええええええええええええ!!!」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:38:27.31 ID:N/R41rAb0
▼;・ェ・▼「人違いかよ…」

爪;'ー`)「ま、まぁ良いや。それでな、話なんだけど…」

爪;'ー`)「そいつを手土産に俺らを仲間に加えて欲しいんだよな…」

▼;・ェ・▼「命知らずばっかりで度胸もある。役に立てるはずなんだが…」

(  ´ー`)「それはまたどうして急に?」

爪'ー`)「いや、その、俺らも801の人間だし。今回の戦で兵に志願しようと思ったんだが」

▼・ェ・▼「何か手柄をあげて仕官しようと考えて俺ら二人で兵を集めたんだが…」

爪'ー`)「ホスト城でいざ敵を奇襲で襲おうとしたら城が落ちちゃってな…」

▼・ェ・▼「だからこっちに来る途中で何度も夜襲をかけて敵を襲ったんだ」

(  ´ー`)「シャキン殿、それは事実なんですか?」

(;`・ω・´)「……く…そうだ…」

だからここへ着いた時にあれほど兵が疲労していたのか。
夜襲をされてはおちおち夜もゆっくり休めない。それゆえの疲労だったのだろう。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:40:22.46 ID:N/R41rAb0
(  ´ー`)「分ったダーヨ。二人と配下の仕官を認める。後で国王様に伝えておくダーヨ」

爪*'ー`)「マジで?ヒャッホオオオオオオオオオオオオ!!!」

( ;´ー`)「シャキン殿の身柄はこっちで預かるダーヨ。二人は兵に酒を配ると良いダーヨ」

▼*・ェ・▼「イヤッホオオオオオオオオオオオオオウ!」

( ;´ー`)(テンションが高い奴ばかりで疲れるダーヨ…)

爪'ー`)「それと、捕まってたニダー将軍だが、たぶん明日にはメガミ城へ戻ってくるよ」

( ;´ー`)「!!」

( ;´ー`)「それは、本当カーヨ?」

爪'ー`)「あぁ、ホスト城に残ってる仲間が助け出してるよ。ここに来る前に伝令が来た」

爪'ー`)「んでこれがニダー将軍の書状」

その手紙は紛れもなくニダー将軍直筆の物であった。
ニダー将軍が無事であれば何よりだ。また801をすぐに復興させれるだろう。

その日、メガミ城では朝日が昇るまで兵や将、民の笑い声が響き渡っていた。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/05/03(日) 22:42:31.91 ID:N/R41rAb0
後日、ラウンジの軍師シャキンはホスト城とその支城と引き換えにラウンジへと返還された。
ニダー将軍は再び大将へと復帰し、荒れ果てた城を復興する作業へと取り掛かる。

シラネーヨは今回の戦の大きな手柄により、801国の正式な軍師として就任。
801国王はシラネーヨに涙を零して感謝の言葉を述べたと言う。

もう彼の事を落ちこぼれと言う人はいない。
一度は廃れた名家は、再び華開いたのだ。

今回の戦で801は周辺諸国を味方にする事に成功した。
対するラウンジは今回の戦で一気に敵を増やし、諸国に敵視される。
ラウンジの崩壊は既に時間の問題とも言える状況となってしまった。

〜VIP城〜

/ ゚、。 /「───以上が、今回の戦の情報です」

( ・∀・)「…ありがとう、下がって良いよ…」

( ・∀・)「…………ふふ…」

( ・∀・)「己の才能を開花させた、か…」

( ・∀・)「さて、801をどう味方に取り込むか…」

( ・∀・)「VIPもうかうかしていられないな…」

第二話「廃れた名家の意地」 fin


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