- 114 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 01:39:37 ID:XJdWtwz20
筑波研究学園都市の設立には、二つの目的があった。
一つは、極めて高い水準での研究・教育施設を設立すること。
もう一つが、東京に研究機関を集約させないようにすること。
である。
表向きは、そうだ。
裏で行われている、狂気の沙汰とも思える実体を知る者は、少ない。
第五話「狂った科学の都」
- 115 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 01:42:10 ID:XJdWtwz20
成田国際空港を出たブーンたちは、つくばエクスプレスへと乗り継いだ。
( ^ω^)「人類の科学、その頂点とも呼ばれる研究施設に行けるなんてわくわくするお!」
( ・∀・)「そんな甘くないぜ」
( ^ω^)「何でだお?福岡を出るときからずっとそんな調子だお。
修羅の国の住人のくせしてびびりすぎだお」
( ・∀・)「ああ。正直言って、ちょっとびびってる」
( ;^ω^)「ちょ、やめてそういうこと言うの!またサブマシンガンぶっ放されるのは嫌だお!」
( ・∀・)「その程度なら、俺だってびびりゃしねえけどよ」
- 117 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 01:47:34 ID:XJdWtwz20
東京から茨城県つくば市まで、特急で行けば一時間もかからない。
二人は程なくして、筑波研究学園都市の近くまで来ることが出来た。
( ^ω^)「結構田舎だお」
( ・∀・)「周りは田園地帯だからな」
( ^ω^)「何処から施設に入れるんだお?」
( ・∀・)「北に玄武門、東には青龍門、それから西に白虎門、南に朱雀門。
その他二つのゲート、計六つの入口がある。ここはエキスポ大通りだから白虎門が近いな」
( ^ω^)「ガイドがいると助かるお」
( ・∀・)「るるぶは旅人の聖書だぜ」
- 123 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:04:02 ID:d7RieMvk0
白虎門をくぐると、驚く光景が広がっていた。
( ゚ω゚)「うおおおおお!凄いお!」
空をバイクに似た機械が飛んでいる。
一人用の乗り物で、スピードは車と変わらない。
地面には歩かなくても目的地まで運んでくれる動く歩道、
カプセル型の施設、空中に映るホログラム式広告、喋る動物、動く植物、理解不能の近未来感だ。
( ・∀・)「この施設の何処かに、群馬から生還した者がいるんだったな」
( ;^ω^)「そ、そうだお!心当たりはあるかお?」
- 125 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:06:17 ID:d7RieMvk0
( ・∀・)「確信は無いが、心当たりはあると言えばある」
( ^ω^)「本当かお!」
( ・∀・)「ただ、そいつの場所まで辿り着けるかどうか。それが心配だな」
( ^ω^)「色んな研究施設があって迷いそうだけど、るるぶがあれば迷わないお」
( ・∀・)「そいつはおそらく、そこにいる」
モララーは地面を指さす。
( ・∀・)「裏社会にいる者なら、誰でも聞いたことがある。
筑波研究学園都市には、地下秘密基地があると。おそらく奴は、そこにいる」
( ;^ω^)「地下秘密基地!?どうしてそんなものを…」
- 126 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:09:19 ID:d7RieMvk0
( ・∀・)「詳しくは知らんが、見当はつくさ。表には出せない研究をするためだろう。
そして、それらの機関を統括しているのは、おそらく奴だ」
( ;^ω^)「勿体ぶるなお」
( ・∀・)「"エネミーオブワールド"、ショボン博士だ」
二人は立ち止まった。
突然目の前に、顔を隠した銀白色の者たちが現れたからだ。
( ・∀・)「さっそく、出やがったか」
( ;^ω^)「だ、誰?」
- 127 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:11:27 ID:d7RieMvk0
|::━◎┥ /▽▽ [ Д`] /◎ ) =| ) (十)
|::━◎┥「モララー、だな?」
喋る度に、センサが動く音が聞こえる。
|::━◎┥「修羅の国から、何の用だ?」
( ・∀・)(やはり見られていたか)
駅に降りたときから、誰かの視線を感じていた。
おびただしい数のCCDカメラが、ブーンたちの動きを監視していたのである。
- 128 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:14:21 ID:d7RieMvk0
[ Д`]「お前ほどの男が、用もなくこの施設に来る訳が無いだろう」
/◎ ) =| )「用件があるなら、まず我々に教えろ」
/▽▽「一般人が立ち入りを許されている場所だと思って、のこのこ入ってきやがって」
(十)「返答次第では、ただでは済まさない」
( ;^ω^)「あの、人捜しに来たんですお」
今までモララーにだけ向いていた視線が一斉にブーンに飛んだ。
|::━◎┥「誰のことだ?」
( ^ω^)「ここに群馬から生還した人がいるって聞いたお。その人に会いたいんだお」
- 129 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:17:03 ID:d7RieMvk0
|::━◎┥「知らないな」
( ・∀・)「だったら、ショボン博士に会わせてくれよ」
銀白色の者たちは、アイセンサを光らせた。
( ・∀・)「どうせあいつだろ?群馬に行きたがるような…そして、生還するような奴なんて、
ここにはあいつしかいない。会わせてくれよ。用があるんだ」
[ Д`]「無理だ」
( ・∀・)「お前たちじゃ話にならんね。行こうぜ隊長」
( ;^ω^)「ちょ、こんな空気でブーンのこと持ち上げないで!」
|::━◎┥「我々を甘く見ているようだな」
- 130 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:20:26 ID:d7RieMvk0
男が手に忍ばせたスイッチを押すと、ブーンたちがいた床に円状の穴が拡がった。
( ;^ω^)「うお!?」
( ;・∀・)「くっ!」
いち早く反応し、穴の淵に手を伸ばしたモララーだったが、
手を踏みつけられ、ブーンと一緒に穴に落ちていく。
|::━◎┥「命知らずが」
/◎ ) =| )「しかし奴ら、いずれまたここにやってくるぞ」
|::━◎┥「その時はその時だ。戦闘に備えて、博士に指示を頂こう」
[ Д`]「行動可能範囲がDでなければ、俺が殺していたところだぜ」
- 131 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:21:43 ID:d7RieMvk0
( ゚ω゚)「うおおおおおおおおおおおおお!!」
( ;・∀・)「くそっ!!」
何処までも落ちていくような深い穴だった。
時折横向きに転がり、装置によって上にはじき飛ばされ、奥へ奥へと運ばれていく。
パチンコ玉になった気分だ。
( ;^ω^)「うわっ!」
( ;・∀・)「外だ!」
- 132 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:24:37 ID:d7RieMvk0
ブーンたちが飛び出していったのは、
筑波研究学園都市からやや離れた場所にある、田園地帯の用水路の中だった。
( ;^ω^)「ふぃー!酷い目にあったお!」
( ・∀・)「これで確定した。俺たちの探し人はショボン博士だな」
( ;^ω^)「一体どういう奴なんだお!?てかさっきのあいつらって誰!?」
( ・∀・)「ショボン博士は、国連で禁じられている人体実験を率先して行っているマッドサイエンティスト。
研究の目標は人体改造による強化人間の作成だ。
おそらく、さっきの奴らは改造された兵隊たちだろう」
( ゚ω゚)「も、モノホンのマッドサイエンティストじゃないっすかー!」
- 133 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:26:38 ID:d7RieMvk0
( ・∀・)「どうする?諦めっか?」
( ;^ω^)「諦めたいけど、仲間に出来れば心強いお」
( ^ω^)「それに、これくらいで挫けていたら、群馬に行ったら瞬殺だお!」
( ・∀・)「そうだな。同感だ。じゃあ作戦会議と行こうぜ」
( ^ω^)「何の?」
( ・∀・)「筑波研究学園都市、潜入作戦だ」
- 134 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:29:52 ID:d7RieMvk0
ブーンたちが覚悟改め、作戦会議を行う為に近場の東横INNへ向かっている頃。
ニトログリセリンの同時化学反応がごとく、群馬を目指す者たちが全国で動き始めていた。
―――とある砂の国
「さて、準備は整ったか?」
「ああ。バナナはおやつに入らないよな」
「遠足気分とは、流石だな」
- 135 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:36:05 ID:d7RieMvk0
―――とあるデンプンの都
「やはり、最高のうどんを作るには、群馬にしかないと言われている小麦が必要だ。
俺の能力があれば、群馬の攻略などたやすい。クククク」
―――とある大都会
「NBKから、直々にご指名とはな。さて、鬼ヶ島へ行ってきますか…」
様々な運命が、群馬へ向かって動き出す!
- 136 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/06/27(水) 18:38:38 ID:d7RieMvk0
次回 第六話「スニーキング in つくば」
世界最高レベルのセキュリティシステムを突破し、
地下の研究施設へ潜入を試みるブーンたち。
彼らの行く手を阻むのは、超高度防衛システムと改造された兵隊たちだった。
果たして、ブーンスネークとモララースネークの運命やいかに!
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