- 160 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:05:44 ID:urfx.I2Y0
筑波研究学園都市では、真夜中になっても光が絶えることはない。
無数に設置されたカメラと照明が、忙しなく辺りを照らし回っている。
空には機関銃を装備した探索機がオートモードで飛び回っている。
これらに映らないようにして潜入するのは至難の業である。
( ・∀・)「そんじゃ、行きますか」
( ;^ω^)「本当にこれで大丈夫なのかお!?」
( ・∀・)「木の隠すのは森の中ってな」
モララーたちは今、チェックのシャツインスタイルで、堂々と正門の前にいた。
第六話「スニーキング in つくば」
- 162 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:09:35 ID:urfx.I2Y0
筑波研究学園都市の学生や教授たちは、二十四時間出入りを許されている。
彼らに成りすまして潜入するというのがモララーの作戦であった。
( ;^ω^)「これで気がつかれないって、もしかしてここにいる人らってばk
( ・∀・)「無駄口は叩かないようにしようぜ。
学生や研究員(や理系大学の読者)に聞かれたらまずい」
二人は慎重に学園都市の奥へと進んでいった。
しばらく進むと、カフェテリアのある通りに出た。
モララーは草むらの影にあったマンホールの蓋を持ち上げると、
先にブーンへ入るように命じた。
( ^ω^)「何かお前の方が隊長っぽいな…」
( ・∀・)「あまり気にするな」
- 164 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:14:09 ID:urfx.I2Y0
最新の科学の粋を集めて作られた研究都市で、このマンホールは妙に古めかしい感じがした。
モララーが怪しいと感じたのはその部分だ。
( ゚ω゚)「なっ!」
( ・∀・)「ビンゴだ」
マンホールのハシゴを下りていった先に、特殊な合金で作られた通路が見えてきた。
ここは下水道とは別の、隠された施設への入口であった。
( ;^ω^)「一体、この先に何があるんだお」
( ・∀・)「さあな。筑波研究学園都市の地下施設は国家レベルのトップシークレット。
何があろうとも別に驚かないね」
( ^ω^)(この先にショボン博士が…)
- 165 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:18:11 ID:urfx.I2Y0
しばらく進むと、やがて広まった場所へ出た。
壁を埋め尽くすように設置された機器が、薄暗い部屋の中で青白く光っている。
<ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー>
( ;^ω^)「え!?」
( ・∀・)「警告音…なのか?」
<ウェールカム。"全ての重火器に愛された男"よ>
低い男の声が、拡声器のノイズと混じって聞こえてきた。
( ;^ω^)「この声は…」
( ・∀・)「"エネミーオブワールド"か…」
- 166 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:22:09 ID:urfx.I2Y0
( ;^ω^)「やっぱりばれてたんだお!」
( ・∀・)「完璧な作戦だと思ったんだが…」
( ;^ω^)「オタクファッションがテンプレート過ぎたんだお!
尖った英字プリントとか、ロールアップした部分がチェックのジーンズとか、
ポーターのサイフとか持ってるべきだったんだお!」
( ・∀・)「妙なリアリティだな…」
<何をしようが無駄だったのさ。君らが飛行機のチケットを予約した段階で
僕は君たちがここに来ることを予想していたんだからね>
( ゚ω゚)「うそーん!JALのセキュリティ甘過ぎ!だから経営破綻するんだお!」
- 167 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:26:14 ID:urfx.I2Y0
<さてさて、モララーくんには僕の人体実験に付き合ってもらおうかな>
( ・∀・)「遅かれ早かれ、そういう展開にはなると思ってたさ…」
( ^ω^)「ねえブーンは?ブーンはその間休んでていい?」
部屋にはいくつかの扉があった。
内、一つの扉が音もなくスライドし、そこに人型の何かが現れた。
<君にはこいつの相手をしてもらおう>
( ;^ω^)「えぇー!言っておくけどブーンは実験材料にならないほど弱いお!」
<いいや、無残にやられる様を僕が見たいだけだ>
( ゚ω゚)「カバチタレがぁ!」
- 168 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:28:27 ID:urfx.I2Y0
もう一つ開いた扉からブーンが逃げていく。
人型の何かは、ブーンの後を追って駆けていった。
<さて、モララーくん。ここに何をしに来たのかは知らないが、
残念だったな。どうあれ、君の目的は達成できそうにない>
( ・∀・)「いいや、するさ」
<無理だね>
( ・∀・)「俺は、群馬に行く。お前を連れてな」
拡声器からの音声が一瞬途絶える。
やがて、押し殺した笑い声が小さく聞こえてきた。
- 169 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:31:30 ID:urfx.I2Y0
<群馬に?酔狂だねえ>
( ・∀・)「だろ?」
<死にに行くようなものだ>
( ・∀・)「だがお前も興味があるはずだ。目的は知らないが、行ったことがあるんだろう」
<あるよ。だが、あそこに僕の研究意欲を満たせるものなんて無かったね>
( ・∀・)「嘘だな」
<嘘?>
( ・∀・)「ああ。嘘だ」
再び意地の悪そうな笑い声が響く。
- 170 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:35:46 ID:urfx.I2Y0
( ・∀・)「本当は、行きたくて行きたくてたまらない。
だが一度行ったことで、痛感してしまったんだろう。
あの大地を攻略するのは、一人では不可能だと」
<モララーくん>
( ・∀・)「何だ?」
<実現可能性で会話しようじゃないか。今君が置かれているのは、地獄の淵なのだ。
ここから生きて抜け出せる保証すらない。そのうえ、僕を連れ出して、群馬に行く?>
( ・∀・)「そうだと言ったら?」
<実証してくれ。君という実験結果をもってね>
( ・∀・)「ああ。もちろんそのつもりだ」
- 171 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:42:29 ID:urfx.I2Y0
設置されていた扉が全て開く。
<ホッキョクグマ三頭は五分間弱もった。君は何分もつかな?>
( ・∀・)「勝つぜ。俺はもう……負けない」
|::━◎┥ /▽▽ [ Д`] /◎ ) =| ) (十)
( ・∀・)「あの日、もう二度と負けないと誓ったんだ」
群馬で起こった惨劇、全てを否定されたあの日が、想記される。
あの日全てが終わり、今、ブーンによって始まったのだ。
- 172 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:47:00 ID:urfx.I2Y0
◆ ◆ ◆
( ゚ω゚)「いやあああああああああああ!」
謎のロボットに追い回されているブーンは、
研究施設の中をぐるぐると周りながら逃げていた。
( ;^ω^)「ブーンが隊長なんだからきっとあいつはロボットの隊長だお!
きっとそうだお!」
< ただの平ロボットでごんす
( ;^ω^)「何か聞こえた!聞こえたけど無視したい言葉だった!」
< ただの雑魚でやんすでござる
( ;^ω^)「あまた聞こえた!キャラが不安定な感じの台詞聞こえた!」
- 173 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:50:05 ID:urfx.I2Y0
( ゚ω゚)「チクショオオオオ!ブーンも男だお!
ここで逃げたら男がすたるってもんだお!」
( ゚ω゚)「かかってこいやあああああ!」
屮 屮
(//‰ ゚)
( ゚ω゚)「せいやあああああ!っさあああああああああ!
(//‰ ゚)
( ゚ω゚)「しゃあああああんなろおおおおおおおおおお!」
(//‰ ゚)
( ^ω^)「ブーンうるさい?」
(//‰ ゚)「うん」
( ^ω^)「ごめん…」
- 174 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:54:24 ID:urfx.I2Y0
(//‰ ゚)「お縄につくざんすよ」
人型のロボットは、たどたどしい喋り方でブーンに言いつける。
チビで小さいロボットだった。
ひ弱そうだ。
_,
( ^ω^)「はぁーん?聞こえんなあ!」
↑
敵が弱そうだとわかると途端に気が強くなるブーンの図
(//‰ ゚)「お前を捕まえてお父さんに褒めてもらうんでごんす」
( ^ω^)「お父さん…?ああ、ショボン博士ね。
ロボットにお父さんとか呼ばせるなんて気持ち悪い奴だお…」
- 175 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2012/09/10(月) 20:58:48 ID:urfx.I2Y0
今ここに、ぽっちゃりデブとチビロボの熾烈な戦いが始まろうとしていた。
( ゚ω゚)「意味被ってんじゃん!」
果たして彼らの戦いはどうなってしまうのか!
ショボン博士が群馬に行きたがった本当の理由とは!
若干の尺余りのまま次回へと続く。
( ^ω^)「お腹も空いたしご飯食べに行くお」
戻る 次へ