- 1 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:29:47 ID:NyvNzJLg0
- 注 意 !
このSSの作者は本当にどうしようもないバカです
マジでとんでもないバカです
このSSに登場する勉強法や理論は真に受けないでください
バカが書いたSSです 破錠が大量でしょうがお許しください
では どうぞ
- 2 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:30:30 ID:NyvNzJLg0
- 街中にそびえるマンモス私立学校「ソウサク学園小学校」
ブーンケイ県では屈指の進学実績を持ち
生徒の6割は有名校へ行くという一部では伝説になっている学校である
だが残りの4割は孤独な境遇に耐えることを強いられる…
このストーリーは その4割の中の一人の「理想」から始まる
―第一話 「劣等感」
- 3 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:31:10 ID:NyvNzJLg0
- 無機質なチャイム音が学校中に響き渡り
今日もまた僕…ブーンにとって無駄な一日が始まる
卒業まで残り1か月という今
「4割組」の生徒は精神的に限界に到達していた
理由は一つ 「周りの成功」だ
自らは公立中学や小学校に比べてレベルの下がった「ソウサク学園中学校」に進むのを余儀なくされるのに対し
秀才達は超有名校へ進学する その自分たちの境遇に耐えられず
限界に達していたのだ
もっとも原因は自分の学力にあるのだが
- 4 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:32:37 ID:NyvNzJLg0
- 「…えーとこの樹形図は…はい、じゃあ今日は2月15日だから 出席番号15番の…」
( ^ω^)「………」
教科書をいろいろな角度から読んだ…だめだ さっぱり理解できない このジュケーなんとかというのを理解できるのは本当の天才なのではないか?
そう思えてくる
僕は「4割組」の一人 ブーン 4割組の中でも 特 に 落ちこぼれだ
「…ああ、そうだ この前やった算数のテストを返そうと思う 出席番号順に並びなさい」
がやがやと生徒たちが立ち上がり教壇の前に縦に一列に並んだ
そして教師の手によって一枚一枚テストが返されていく
自らの点数を見て落胆する者 当然といった風に気にもとめない者
奇跡だと大喜びする者 さまざまだった
( ^ω^)「…ハァ…」
僕は「落胆する者」と「気にもとめない者」の間にいた
「低得点だったがいつものことなので気にしない しかしやはり悲しい」
といったところだろうか
- 6 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:33:36 ID:NyvNzJLg0
- (;^ω^)(…やっぱり僕、才能ないんじゃないかお?…得点、45点だったお)
「えー、じゃあこれで授業を終える 日直!号令を」
「はい!きりーつ!!気を付けー!!れーい!」アザシター
ようやく授業が終わった
退屈でまるで拷問のようだった
<ヽ`∀´>「…おい ブーン」
ぼーっとしていた僕に声をかけてきたのはクラスメートであるニダーだった
ニダーは大きな塾に通っている『自称』秀才だ
…要はナルシストだ
( ^ω^)「なんだお?あんまり話しかけないで欲しいお」
<ヽ`∀´>「そんな口をきいていいのかニダ?謝罪と賠償を要求するニダよ?」
(;^ω^)「…勝手にしろお」
<ヽ`∀´>「ふふん!お前みたいなバカには到底たどり着けない世界だろうが
ウリは今日の午後 超有名校「VIP」と「ニューソク」の合否通知を受けるニダ!!」
(;^ω^)「…あっそ」
- 7 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:34:53 ID:NyvNzJLg0
- VIP…ニューソク… だれでも憧れる有名校の名前だ
<ヽ`∀´>「ほかにも滑り止めに小さい学校を受験したけど きっとVIPかニューソクに受かるはずニダ!」
(;^ω^)「で?…それだけかお?」
<ヽ`∀´>「それだけニダ!じゃあなニダ!」
…いったい何を話に来たんだ 自慢だけじゃないか
お前はス○オか
机に顔を伏せて ぼーっと休み時間を過ごした
気が付いたら、帰りの会だった
ぼーっとしていたので授業内容はほとんど頭に入っていない
係生徒が業務連絡をしている 興味ない
連絡が終わると日直の掛け声で全員起立し
一礼して、各々鞄を持ち教室を出て行った
<ヽ`∀´>「楽しみニダ!!きっと受かってるはずニダよ!!
君は公立に行くニダ?内部進学ニダ?低能ブーン君!あ、バカだから内部進学無理ニダかw
ごめんごめんニダwwwwwwwwwじゃあなニダーwwwwww」
うるせえ黙れ
- 8 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:35:37 ID:NyvNzJLg0
- それから10分ほどして 通学路をうつむきながら歩いていると
どこからか「オイ!!」と怒鳴り声が聞こえてきた
どうやら自分に向けられたものではなさそうだが
気になったので声のした方へ目をやった
声の主はニダーだった
公衆電話で誰かと話しているようだ
<;ヽ`∀´>「オイ!もう一度言ってみろニダ!!!」
外に声が漏れている 何の話をしているんだろう?
<;ヽ`∀´>「ふふふふふ、不合格って!そんな!!…え?一校だけ受かった?どこニダ!」
…ああ さっき話していた合否通知か
待ちきれなくなって公衆電話から母親に電話をし、結果を聴いているようだ
…察するに落ちたのだろうか
- 9 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:36:22 ID:NyvNzJLg0
- <;ヽ`∀´>「はあ!?滑り止めに受けた隣の県の学校!?そんな遠いとこ行けるかニダ!!しかもそこ確か偏差値42だったニダよね!?」
<;ヽ`∀´>「内部進学テスト受けてないし!!これじゃあ公立行き確定ニダ!!」
<;ヽ`∀´>「母さんのせいニダよghrせcmjgwscvdヴょzfjv!!
謝罪と賠償dwごfgんさかいおhsfvぢうあhkj!!!!!!!!!
ほべgrctvげろfkfんcふぇwj、kcrgjkdf
ハムサムニダハムサムニダふぇvりおへdkhvcさdkはrf!?!!!frh4ひp3えwcpq」
あらら 可哀想に
でも僕の知ったこっちゃない
見なかったことにしてその場を後にした
- 10 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:37:09 ID:NyvNzJLg0
- 気にも留めていなかった
だがニダーの様子を見て一つだけ心にぽかりと穴が開いたような気分になった
自分は彼のように「葛藤」をしたことがない
こんなスリルのない人生でいいんだろうか?
このままありがちな公立中学に入り高校・大学と進学し
普通の会社に入って一生を終えるのだろうか?
( ^ω^)(…つまらない人生だお…)
出来る事なら 昇華したい
月並みな表現だが
「華やかな人生を送りたい」 それが僕の願い
…だが それができるのはほんの一握りの人間だけ
(;^ω^)(僕には到底無理だお…)
- 11 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:38:05 ID:NyvNzJLg0
- それから時間は過ぎ
気が付いたら自室のベッドで寝転がっていた
ボーっと、ただ無心で漫画を読み続けた
コンコン
( ^ω^)「…?」
ドアがノックされた さしずめ母親か父親だろう
「ブーン?入るぞ」
この声は父親のショボンだ
VIP大学の卒業生で一流企業の監査役を務めているらしいが…
…その能力は息子にしっかりと受け継がれているのか それは定かではない
- 12 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:38:51 ID:NyvNzJLg0
- (´・ω・`)「ブーン 最近元気がないそうじゃないか?母さんから聞いたぞ」
(;^ω^)「…そうかお?至って普通だお」
(´・ω・`)「…そうか?明らかに疲れてるみたいだけど 何かあったのか?」
この悩みは人生に成功した父親には理解できないだろう
うつむいてじっと黙り込んだ
(´・ω・`)「…当ててやろうか …勉強の事だな?」
(;^ω^)「!!??」
- 13 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:39:35 ID:NyvNzJLg0
- (´・ω・`)「あたりみたいだな …どうして悩んでいるのかを推測すると…」
(´・ω・`)「…劣等感、かな?」
どうしてここまで見抜けるんだろうか この人は
(´・ω・`)「図星みたいだな」
(;^ω^)「…劣等感を感じてないというと嘘になるお」
(´・ω・`)「……そう、か」
(´・ω・`)「…ブーン 一つ問うぞ?」
いつになく真剣な表情で語りかけてくる父に
流石に驚いた
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「人生に成功したい?」
( ^ω^)「…できるものなら、お」
(´・ω・`)「そうか 分かった」
(´・ω・`)「それともう一つ」
(´・ω・`)「…精神力に自信、ある?」
( ^ω^)「学校で孤独に耐えまくってるから一応鍛えられてるはずだお」
(´・ω・`)「分かった ありがとう それだけだ」
- 14 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:40:19 ID:NyvNzJLg0
- 夜10時ごろまでゲームをしたり漫画をしたりで過ごし
気が付いたら眠りに落ちていた
翌朝 母親の作ったトースターをさっさと平らげ学校に向かった
―教室
( ^ω^)「おはようおー」
モブキャライチドウ「オーオハヨーブーン」
<ヽ`∀´>「………」
(;^ω^)「ニダー…大丈夫かお?」
<ヽ`∀´>「…話しかけるなニダ…謝罪と賠償を要求するニダよ…」
ああ、そういえばこいつ 受験に落ちたのか
そっとしておこう 怒りの矛先が自分に向けられたらたまったもんじゃない
「アージャアジュギョウハジメルゾー キリーツ」
- 15 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:41:04 ID:NyvNzJLg0
- また無駄な一日を過ごした
高度すぎる勉強にさっぱりついていけず相変わらずの劣等感を受けて
家に帰り、またゲームと漫画で一日を過ごした
勉強する気はない しても無駄だからだ
そして夜7時ごろ 父親が部屋に入ってきた
…今思えばこれが運命の一瞬だったのかもしれない
- 16 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:42:02 ID:NyvNzJLg0
- (´・ω・`)「ブーン お前 人生に成功したいんだな?」
(;^ω^)「…?おうお」
(´・ω・`)「そんなお前の為に買ってきたんだ!ほら!」
渡されたのは…
『中学一年生基本英語ワーク』というものだった
(´・ω・`)「市販のワークの中ではかなりわかりやすい方らしいからな」
…なぜ英語のワークなんだ?そしてなぜ突然渡したんだ?
疑問が頭の中をくるくる走り回った
理由を尋ねると
(´・ω・`)「いいか?中学受験の科目に「英語」はない!ここで周りと差をつけるんだ!」
(´・ω・`)「お前は内部進学テストに落ちてしまい受験もしなかった、公立行きは確定だ」
(´・ω・`)「でも公立「中学」からでも有名私立「高校」には行けるよな?」
- 17 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:43:02 ID:NyvNzJLg0
- そういうことか…
父親が自分に成功への道を造ってくれた
…うれしいが…しかし
(;^ω^)「…いやーでも僕 英語とかアルファベットしかわからないんだけどおー…」
(´・ω・`)「そのためにこの本があるんだ 文法も初心者中の初心者でもかんったんに分かるように書いてある こんないい本はないぞ?」
(;^ω^)「…うーん…でも英語って本当に役立つのかお?」
- 18 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:44:00 ID:NyvNzJLg0
- (´・ω・`)「ああ、どんなに頭の良い奴でも中学になると英語で躓くんだ」
(´・ω・`)「だから高校受験で滑るやつは「英語が分からない」と言うやつが多い!」
(´・ω・`)「…それとブーン 今の得意科目と苦手科目は?」
(;^ω^)「え?うーん… 得意科目は国語…苦手科目は算数と理科社会、だと思うお」
(´・ω・`)「だったらなおさら英語を勉強すればいい 中学校になると算数は数学に変わる」
(´・ω・`)「ハッキリ言ってしまうと今の算数のゴチャゴチャした問題は中学で習う方程式やらでパッパと解けちまう 国語は漢字や古文さえ覚えればOK 後は読解だ 英語はこのドリルで固めれば…」
(´・ω・`)「付け焼刃とはいえどとりあえず完璧だ」
(´・ω・`)「それにVIP・ニューソクの入学試験の試験科目は英・数・国の3教科!
理科社会は出ない!」
(´・ω・`)「今はまだ小さくとも積み重ねれば大きな学力となるんだ!
ブーン もう一つだけ聞かせてくれ」
(´・ω・`)「VIP・ニューソクに入りたいか?良い人生を送りたいか?」
…なんだか父が一人で話を進めてしまっているようだ
あまりに唐突すぎて実感がわかない
このまま野望を抱きながら朽ちていくはずの僕が VIP・ニューソクへ?
- 19 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:44:52 ID:NyvNzJLg0
- (;^ω^)「…不可能だお!!入りたくても入れないお!!!」
(´・ω・`)「いや!できる! …じゃあ説明してやろう 不可能なんかじゃないってことをな!」
3つのコップとボトルに入った水を居間から持ってきたようだ 何をするんだろう?
(´・ω・`)「いいか?ブーン ここに3つの同じサイズのコップがある これを学力としろ」
(´・ω・`)「今はすべてカラだが この1つ目のコップに水…勉強を入れると」
(´・ω・`)「この通り コップはいっぱいになる 学力が付くんだ
これをソウサク学園小学校の優等生の頭としよう」
(´・ω・`)「二つ目のコップは今カラだ これがお前…ブーンの学力としようか」
(´・ω・`)「今から勉強し続ければ…ホラ 水がいっぱいに入る
少し遅れているが同じレベルに追い付ける」
- 20 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:45:34 ID:NyvNzJLg0
- (´・ω・`)「ま、そういうこった とりあえずは英語に集中しろ
…そうだな じゃあ…中学校が始まるまであと約2か月 2か月で中1中盤から後半まで行こうか」
(;^ω^)「キツッ!!!」
(´・ω・`)「毎日欠かさず1時間できるところまでやってれば簡単だよ」
(´・ω・`)「今はラクだけど…お前がその気なら 後々塾にも通おうと思う」
(´・ω・`)「というわけで早速明日から一日1時間英語してみろ!じゃあな!」
大体話は理解できた…が
勉強さえすればいいということだがまだ半信半疑だ
勝手に話が進められているような気がする
本当に大丈夫なのか?不安が頭を駆け巡る
…でも 一か八か
従ってみるしかないだろう
父親を信じて…
- 21 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2011/11/04(金) 17:46:16 ID:NyvNzJLg0
- 今 VIP・ニューソク入学という理想をめざし
一人の少年が走り出したのだった!
第一話 完
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