( ^ω^)失いゆくこのすべてようです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:25:51.33 ID:OGMEfzDcO
季節は4月
桜の舞う正門前
そこには真新しい制服を着た新入生
希望と不安が入り混じりながらも
期待に胸をふくらませ 三年間通う学園を皆 思い思いの気持ちで正門を歩いている
ブーンもまた その一人であった
( ^ω^)「やっぱり綺麗な校舎だお」
そう言い学園の正門前で1人言を呟く
彼の名前は内藤ホライゾン
通称ブーン
なぜかみんなからブーンと呼ばれている
ブーンは入試の時に初めて 自分が受ける高校を見たのだ
友達が行く・自宅から近いからという簡単な理由でブーンはこの高校に通うと決めたからだ

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:28:09.79 ID:OGMEfzDcO
本当は幼なじみが通う高校を受けたかったがブーンの内申が希望校に届かず
第二希望だった今の高校に落ち着いた
 
( ^ω^)「にしても ドクオは遅いお正門前で待ってるとか言っておいて本人がいなきゃ世話ねーお」
 
軽い愚痴をこぼしながらもブーンはドクオの到着を待った
 
('A`)「‥ーい ブーン!!」
 
( ^ω^)「‥やっと来たかお おーいここだおー!!」
 
( ^ω^)「待ちくたびれたおこんな遅くなるなんて何してんだお?」
 
('A`)「わりぃ 小学生の集団登校に見とれてたよ、幼女がいっぱいでさフヒヒwwサーセンww」
 
(; ^ω^)o0(コイツきめぇww)
 
(; ^ω^)「事情は大体わかったお。だが迷惑かけた分は償うんだお」 
('A`)「ヘイヘイ わかってますよ」
 
(; ^ω^)「て こんな無駄話してる暇ないお!! そろそろ入学式始まるお! ドクオ急ぐお!」
 
('A`)「おk 把握」
 
2人は小走りで入学式の会場である体育館へと向かった

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:31:08.69 ID:OGMEfzDcO
 
( ^^ω)「‥であるからして我が校の理念は‥」
 
どうしてだろう?校長が話す内容は素晴らしい事は明白なのに、こんなにも苦痛に感じてしまうのか‥
( ^ω^)'A`)o0(校長の話つまんNeee!!)
 
( ^^ω)「では‥教頭アトはよろしくお願いしますね」
 
‥やっとか‥と安堵の息を漏らす新入生達
 
( ,'3 )「では新入生は教室に戻りHRの後 下校してください」
 
ブーン達の高校はクラス割りの名簿を事前にもらい入学式を先に済ましてからHRと言う形式を取っていた。
自分が何組で誰がいるかは知っていたが、クラスメイトも担任も顔はまだわからない状態なのだ
ブーンは名簿を見直す
 
( ^ω^)「‥4組で出席番号は21番かおドクオも4組で嬉しいお」
 
('A`)「まぁたお前とクラス一緒か
腐れ縁てヤツだなホント」

 
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:33:05.62 ID:OGMEfzDcO
ブーンとドクオは小中合わせて離れた事が一度もなかった
 
( ^ω^)「新記録だお!この調子で記録更新していくお!!」
 
('A`)「ハハッ あとニ年間一度は離れてみせるけどな」
 
悪態をつきながらもブーンと一緒になれた事を喜ぶドクオ
 
('A`)「さて じゃあ4組のクラスに向かうかなっと」
 
入り口の混み合う体育館を出て2人は教室へと向かう
 
川 ゚ -゚)「‥‥‥」
2人を背後から見ている人物。その視線を送る彼女もまたブーンと同じ4組のクラスメイト、
長く黒い髪と整った顔立ち彼女の名前は素直クール、みんなからクーと呼ばれているその女性は、顔を少し歪ませ 笑った。 
その微笑は悪意に満ちていた 見た者は否応なしに彼女を嫌悪する‥
そんな笑みだった
 
川 ゚∀゚)「‥フフ‥やっとだ‥やっと‥‥!!」
 
だが そこで彼女は気づく。自分の中で燻っているドス黒い思いに飲まれかけている自分がいる事に。そんな自分を諌め いつも通りの自分を装う
 
川 ゚ -゚)「‥教室に急がないと」
 
彼女は淡々とした足取りでブーンと同じ教室へと歩を進めた
 
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:34:01.52 ID:OGMEfzDcO
教師になって4年
教師の中ではいまだ若輩者のモナーは新しく1年の担任に抜擢された時、正直な気持ち面倒だと思った
 
( ´∀`)「授業だけじゃなく生徒の相談 その他諸々面倒モナー」
 
だがそんな甘えは通用しない
 
与えられた職務はこなす 
それが教師だ 生徒の見本でなければならない
 
( ´∀`)「ハァ‥教室に向かうモナー」
 
彼の足取りはいつも以上に重かった
 
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:38:21.38 ID:OGMEfzDcO
モナーは自分の担当である教室に着いた
教壇の前に立ち まずは自分の自己紹介から始めた 
( ´∀`)「このクラスの担任のモナーだモナ。みんな1年間よろしくモナー」
 
( ´∀`)「では次にみんなの自己紹介に行こうか。では出席番号1番の人からどうぞモナー」
 
(-_-)「**中学出身の(ry」
 
スムーズに自己紹介は進んでいく
 
( ´∀`)o0(みんな普通の自己紹介モナー)
 
( ハルヒ)「出席番号17番 涼宮ハ(ry、ただの人間には興味がありません!この中に宇宙(ry」
 
(; ´∀`)o0(そうでもないモナー)
 
('∀`)o0(マジキチ乙wwwww)
 
( ^ω^)o0(そろそろ自分の番だお)
 
ブーンに緊張の色はなくむしろブーンは余裕を感じていた
 
( ^ω^)「こんなん楽勝だお」
 
そしてついにブーンの番がやってきた。ブーンは席を立ち
 

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:39:53.25 ID:OGMEfzDcO
( ^ω^)「出席番号21番 内藤ホライゾン、ブーンて気さくに呼んでくださいお!みんなよろしくお!!」
 
至って普通にこなし後は席に座るだけだったブーン
 
( ^ω^)「よっこらっセッk‥」
 
グサッ
 
煤i ゚ω゚)「ふぉおおぉおお!!」
 
突然の生徒の絶叫に驚くモナー
 
(; ´∀`)「どうしたモナー!?」
 
(; ゜ω゚)「い,いえ何でもないですお
気にしないでくださいお」
 
(; ´∀`)「ホントかモナー?気分が悪いなら保健室に行くといいモナー」 
(; ^ω^)「お気遣いあ,ありがとうございますお」
 
ブーンは椅子を見た。そこにはさっきまでなかったはずの画鋲が椅子に散乱していた

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:42:47.59 ID:OGMEfzDcO
(; ^ω^)「さっきまで座って席に‥席を立って座ったら画鋲の山とかww」
 
人為的なのは明らかだった
 
ブーンはおもむろに自分の後ろの席を見た。
長く黒い髪と整った顔立ちの女性が座っていた。無表情な人形のような表情でブーンを見つめ返している。
彼女の瞳に吸い込まれる様な錯覚に陥る
 
( ^ω^)「‥綺麗だお」
 
ブーンは頭で思うより先に口に出して発していた。黒髪の女性は口を開いた。
 
川 ゚ -゚)「‥ありがとう。君の自己紹介はなかなか愉快なものだったよブーン君」
 
(; ^ω^)「えっとあの 君は?」
 
川 ゚ -゚)「なんだ私の自己紹介は君の記憶に残りにくかったのようだな 私の名前は素直クール。クーでかまわないよ」
 
急にブーンの頭に何かがよぎった
クーとは初めて会ったはずなのに
‥ 思い出せない
心に嫌なシコリができる


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:48:16.07 ID:OGMEfzDcO
ブーンは気のせいだと思う事にした。それよりもこの画鋲は誰がやったのか、犯人はクーなのかと言う疑問が頭の大半を占めていた。
 
( ^ω^)「あのクーさん」
 
川 ゚ -゚)「なんだいブーン君」
 
( ^ω^)「この画鋲の山は‥」
 
川 ゚ -゚)「あぁ‥それか さっき君が絶叫した理由は」
 
(; ^ω^)o0(クーさんじゃない?なら誰が?こんな悪戯を‥)
 
するとブーンの横の席でニタニタと嫌な笑いを浮かべる男がブーンの方を見ながら話しかけてきた
 
<ヽ`∀´>「ケケッ おいお前 初っ端からキチガイみたいなことするなニダ」 
下卑た笑い 直感でブーンは感じた
犯人はコイツだと
(# ^ω^)「‥この画鋲はお前がやったのかお?」
 
怒りの感情を抑えられずつい 力の籠もった声になるブーン
 
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:50:55.85 ID:OGMEfzDcO
<ヽ`∀´>「むしろ一気に座る前に気づくニダ」 
名前はわからないが コイツは今肯定とも取れる言葉を発した
 
(# ^ω^)「悪戯の度が過ぎるお!謝れお!」
 
<ヽ`∀´>「ちょっとしたジョークニダ、笑えよ ベジータwww」
 
(# ^ω^)「誰がM字ハゲだお 全然笑えないお!」
 
飄々とした態度に怒りが収まらないブーン
 
川 ゚ -゚)「‥ブーン君」クーはブーンに話しかけた
 
(# ^ω^)「クーさん止めないでお!コイツはフルボッコにしないと気が済まないお!」
 
川 ゚ -゚)「気持ちはわかるが‥ブーン君 周りを見なよ」
 
(# ^ω^)「ヘッ?」 
頭に血が登り 周りが見えなくなっていたブーンは クーの一言で気がついた‥
クラス中のみんながブーンに注目し
なおかつ冷たい目線を送っている事に‥

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:53:13.22 ID:OGMEfzDcO
 
('A`)「あの馬鹿‥何やってだが」
 
ドクオは呆れた様子でブーンを他人の振りを通して見ていた
 
(; ´∀`)「ブーン 他の人の自己紹介を続けたいんだが‥いいか?」
 
女子のヒソヒソ声 男子の冷たい目、ブーンは逃げ出したい気持ちを抑え、席に着き 思った
 
(# ^ω^)o0(高校生活最悪のスタート切ったお!!)
 
川 ゚ -゚)「気にするなブーン君」
 
その一言がなかったらブーンは教室を飛び出していただろう
 
( ^ω^)「クーさんありがとうだお」
 
川 ゚ -゚)「お礼の言葉を貰う程私は何かしたつもりはなかったが、もらっておくとするよ」
 
( ´∀`)「あぁ〜ゴホンでは自己紹介の続きを‥」
 
こうして ブーンは初日からクラスのみんなに名前と顔を覚えてもらった!悪い意味で。こうしてブーンの学園生活は最初の一歩を踏み出したのだった。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:56:55.24 ID:OGMEfzDcO
あの最悪な自己紹介から早2週間
 
ブーンはあの一件以降 クラスに馴染めないでいた 
そして画鋲を置いた張本人
 
<ヽ`∀´>の名前はニダーと言うらしい
 
(# ^ω^)「アイツのせいで俺は‥」
 
休み時間 トイレで1人 沸々と怒りを燃やすブーン
 
すると飄々と鼻歌まじりで用を足しにニダーがトイレに来たようだっだ
 
偶然とはいえブーンの目の敵であるニダーが‥
 
(# ^ω^)「てめぇぇ!!ここであったが100年目 覚悟するお!!」
 
いきなりの奇襲にニダーは
 
<ヽ;`∀´>「へ?」
 
間の抜けた声をあげた
ブーンは肩からニダーにぶつかり
ニダーはいきなりの衝撃でトイレの床に体を派手に打ち付けた
 
<ヽ`∀´メメ>「痛ッ‥!!て,てめぇブーン!!
いきなり何しやがんだ!」 
(# ^ω^)「煩いお!自分の胸に‥って聞くまでもないお!!」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/01(木) 00:59:09.09 ID:OGMEfzDcO
(; ^ω^)o0(クッ!考えなしに行動してしまったお‥)
 
今更になって後悔するブーン
 
<ヽ`∀´メメ>「お前ばっか何も喰らってないのはおかしいニダね?」
 
ジリジリとブーンをトイレの壁際に追い込むニダー。ブーンはニダーの
威圧的な雰囲気に呑まれていた
 
(; ^ω^)o0(ちょwwちびりそうだお)
 
そして今にでもブーンに殴りかかろうとした時 トイレの入り口から大きな怒鳴り声が2人の耳に届いた
 
(# ^^ω)「君達!!一体何をしているんだね!!!!」
 
(  ;ω;)「校長!!」
 
ブーンにとってこんなにも校長が愛しいと思った事はないだろう マジで。
校長はブーンとニダー
2人を生活指導室へと強引に連れて行く
 
生活指導室に聞き耳を立て2人のケンカに尾鰭をつけて話し回り
その結果
放課後にはこの事件を知らない一年生はいなくなっていた
次の日ブーンは 学校を休んだ
ニダーもまた次の日から学校に姿を見せなくなりパッタリ来なくなった


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