( ^ω^)は魔法道具屋さんのようです

433 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:13:34 ID:wqpTzt9k0

 〜 王都ソクホウ ナオルヨ亭前 〜


(|ii´ω`)「うおっぷ……ぐえおあお……」

从 ゚∀从「完全に二日酔いだな」

ξ゚听)ξ「馬鹿ねえ……」

(; ゚д゚)「面目ない。少し飲み過ぎたな……」
  _
( ゚∀゚)「だらしねえなあ」

(∪^ω^)「わんおー」



     第二十話 奇人の憂いは機を招く

434 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:14:38 ID:wqpTzt9k0

(|ii´ω`)「おかしいお……昨夜はあんなに気分が良かったのに」

僕の名前はブーン。
ヴィップの町で魔法道具屋サンライズを営む魔法使いだ。

从 ゚∀从「酒ってのはそういうもんだ。これに懲りたら自分の限界はちゃんと覚えとけよ」

彼女の名前はハインさん。
僕の顔馴染みの冒険者で、男勝りで大雑把だが、意外とやさしいとこもある人だ。

王都ソクホウ滞在2日目、僕は昨夜の酒が祟ってひどい二日酔いに悩まされていた。
僕だけではなく、共に飲んでいたミルナさんも二日酔い気味だが、
一番飲んでいたはずのジョルジュさんがピンピンしているのは納得がいかない。
  _
( ゚∀゚)「言っただろ、俺は酒は強いって?」

(|ii´ω`)「聞きましたけどね、何だか理不尽に思いますお」

僕は恨みがましい目でジョルジュさんを見る。
ジョルジュさんはさも愉快そうに笑っていた。

435 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:19:17 ID:wqpTzt9k0

ξ゚听)ξ「で、どうするの? 今日は体調不良って事で武器職人のとこに行くのは延期する?」

(|ii´ω`)「いや、行くお」

僕の都合で延期するのも悪い。
武器職人宅への訪問は、どちらかといえば僕がメインというわけでもないので、最悪僕抜きでもかまわないのだ。
それに二日酔いは時間が経てば少しは軽くなるものだと認識している。

从 ゚∀从「ま、案外足取りはしっかりしてるしな。少しすれば気分もマシになるだろ」

ξ゚听)ξ「いつもみたく、薬草で都合よく二日酔いの薬作ってたりしないの?」

(|ii´ω`)「二日酔いになる事なんて想定外だったし、そんなもの考えた事も無かったお」

(∪^ω^)「わんわんお」

僕はミルナさんから二日酔いの薬を貰い、武器職人の家に向けて歩き出した。
武器職人の家は町の南西の外れにあるらしく、ここから少し歩く必要がある。
本来なら馬車で行くつもりだったが、今馬車に揺らされたら僕が色々とヤバい。

徒歩も大概辛いが、その内気分がマシになる事を信じて歩こうと思う。

436 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:24:33 ID:wqpTzt9k0

ξ゚听)ξ「場所はわかってるの?」

(|ii´ω`)「ナオルヨさんに教えてもらったお」

それなりに有名なのか、宿屋の店主であるナオルヨさんは武器職人サースガの事を知っていた。
詳しい場所は知らなくとも、近くまで行けば建物の胡散臭さですぐにわかるそうだ。

从 ゚∀从「建物まで胡散臭いのかよ」

(|ii´ω`)「だいぶ特徴的らしいですお」

( ゚д゚)「アポ無しで押し掛けても大丈夫なのか?」

(|ii´ω`)「ほとんど家から出ない人らしいから、大丈夫みたいですお」

     グルグル
(((^ω^∪三∪^ω^)))「わんわんお! わんわんお!」

(|ii´ω`)「ごめんお、今日は走るのは勘弁だおっつーか無理だお」
  _
( ゚∀゚)「うし、じゃあ俺と走るか!」

(∪*^ω^)「わんわんお!」

从;゚∀从「何かお前ら迷子になりそうだから止めろ」

437 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:26:46 ID:wqpTzt9k0

そんなこんなで僕らは町の南西の外れ、1軒の建物の前に辿り着いた


  ____|_ _         /i
 了┼┼┼┼ |       /二二仁二二/
  i .┼┼┼┼ |       /二二仁二二/     , -‐、
  |..┼┼┼┼.」     ./二二仁二二/    /  ,,, \  /`、     ※図はイメージです
   ̄ ̄壷二´、     /二二仁二二/   {    ;;;;; ヽ {ヾ゚}
      i ||  \     ./二二仁二二/   .!    ;;;;  ,' ゝ´
       .||    .ヽ  ./二二仁二二/    ヽ  ;;;;;  ノ
       .|ト ===== X  __侭 ______\_ ∠_ _
        .||    / \!┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ i
        .||  〆   __ ! ̄ ̄ ̄ ! ̄\  ̄ ̄ ̄√8888 ̄´
        .|| /   / AI      !:::::::::.\  /
        \   ┌┴‐‐iー───!::::::::::::::y
          \ |  V|────!:::::::::,X、
          V   |X|      ! ./:::::.i
   8888===ル、 |]|      .!::::::::::::::! ヘー-- 、 ≡勹≡≡<l
           ii ` ̄ |       !:::::::::::::.!:::::::ヽー、 \  A    £
       ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┼ ┬ ┼┬┼┬┬┼┼┼┐
        `.┼┴┴┴┴┴┴┴┴┴ ┴ ┴┴┴┴┴┴┴┴´
         l三| |__| |____| |____| |__ | | /
           冫================================ <
            i三| |__| |____|゚ |_____| |__|三i
〜〜〜〜゛゛"'''''゛''〜'''"''゛゛゛〜"""'''"゛"〜'''"""゛〜〜"'''''"''''"〜''"'''' '""

438 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:28:28 ID:wqpTzt9k0

从 ゚∀从「見るからに胡散臭い建物だな」

ξ゚听)ξ「周りからの浮きっぷりが半端ないわね」

(|ii^ω^)「十中八九これっぽいおね」

(∪^ω^)「わんおー」

( ゚д゚)「少しは体調マシになったか?」

(|ii^ω^)「何とか。死にそうな感じは無くなりましたお」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ、入ってみるか」

(∪^ω^)「わんわんお!」

この怪しげな建物に入るのは若干の抵抗はあるものの、ここまで来て帰るのもなんだし、腹を括って門扉をくぐった。
ドアに付いていたボタンを押すと、来客を告げる音が邸内に鳴っているのが漏れ聞こえる。

試しにドアを引いてみると、鍵は掛かってない様だったのでそのままドアを開いて家人が出て来るのを待つ。

439 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:30:57 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「ん? どちら様かな? 悪いが押し売りなら間に合ってるよ」
 つ▽
.  _,      _,     _,              _
( ^ω^)ξ゚听)ξ从 ゚∀从(∪^ω^)( ゚д゚ )( ゚∀゚)

奥から出て来たのはどこかで見覚えのある姿をした長身痩躯の男であった。
年の頃はジョルジュさん達よりも少し上ぐらいだろうか。
その顔に見覚えはないが、バスローブを羽織り、ワイングラスを持った姿にはデジャビュを覚える。

( ´_ゝ`)「ん? どうした? ああ、俺のあまりにダンディな姿にk──」

ξ#゚听)ξ「セイッ!」

                ;・。( ゚_ゝ゚) ウワラバッ!?
           ξ#゚听)ξ三⊃#) )つ


その後の展開も予想出来たのだが、僕の身体はツンを止めようとはせず、
あの時と同じく宙を舞うワイングラスを拾うに止まった。

( ^ω^)つ▽「セーフ!」

(∪^ω^)「わんお!」

440 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:34:44 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「ん? どちら様かな? 悪いが押し売りなら間に合ってるよ」
 つ▽
.  _,      _,     _,              _
( ^ω^)ξ゚听)ξ从 ゚∀从(∪^ω^)( ゚д゚ )( ゚∀゚)

奥から出て来たのはどこかで見覚えのある姿をした長身痩躯の男であった。
年の頃はジョルジュさん達よりも少し上ぐらいだろうか。
その顔に見覚えはないが、バスローブを羽織り、ワイングラスを持った姿にはデジャビュを覚える。

( ´_ゝ`)「ん? どうした? ああ、俺のあまりにダンディな姿にk──」

ξ#゚听)ξ「セイッ!」

                ;・。( ゚_ゝ゚) ウワラバッ!?
           ξ#゚听)ξ三⊃#) )つ


その後の展開も予想出来たのだが、僕の身体はツンを止めようとはせず、
あの時と同じく宙を舞うワイングラスを拾うに止まった。

( ^ω^)つ▽「セーフ!」

(∪^ω^)「わんお!」

441 名前:>>440 はミス 投稿日:2012/03/25(日) 22:35:48 ID:wqpTzt9k0

;;(;゚_ゝ゚);;「え……ちょ……何で俺、いきなり殴られたの……?」

ξ゚听)ξ「キモかったんでつい……」

从 ゚∀从「それならしょうがない」

( ゚д゚)「うむ、しょうがないな」

(∪^ω^)「わんおー」

;;(;゚_ゝ゚);;「え……いや……何で……つーか誰?」

僕は尚も悶絶する男に訪問の目的を告げ、上がってよいかを尋ねる。
ぶっちゃけ、門前払いされても仕方がない様な気がする状況だが、
男はそれならばと僕らをすんなり部屋に通してくれた。

( ´_ゝ`)「えっと……自己紹介はすべきかな?」

白衣に着替えて茶を乗せたお盆を手に男は戻って来た。
状況から察するに彼が件の武器職人の様だが、一応自己紹介をお願いする。

442 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:37:21 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「アニジャ=サースガ、既にご存知のようだが、ここで武器職人をやっている」

( ^ω^)「ヴィップの町で魔法道具屋をやってる、ブーン=ナイトウですお」

僕らはそれぞれ自己紹介をし、まずはトソン君の紹介状を渡した。
ここまで上げてもらったのなら紹介状はいらないかもしれないが、見せた方が依頼する場合はしやすいだろうと思う。

( ´_ゝ`)「うん? 君達はトソンちゃんの知り合いなのか」

アニジャさんはトソン君の名前を聞くと少し驚いた素振りを見せ、紹介状を開く。

(*´_ゝ`)「フフ……、トソンちゃんは相変わらずのツンデレさんだなあ」

紹介状を読むアニジャさんが何事かを呟いた気がしたが、聞かなかったことにした。
トソン君から言い含められていた事もあったので、書いてある内容は何となく推察出来る。

( ´_ゝ`)「それで、具体的な用件は何だ?」

( ^ω^)「武器を作って欲しい、ってのが最終目的なんですけど、その前にどんな風なのか見てみたいですお」

僕は、ジョルジュさん達が武器の強化をしてくれる武器職人を探している事を説明した。

443 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:39:53 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「まあ、武器職人である俺の所に来るわけだから、当然目的はそこだよな」

( ´_ゝ`)「しかし君達は俺がどんな武器を作るのか知っているのか?」

( ^ω^)「知ってますお。僕とツンは実際にトソン君の武器を見てますし」

( ´_ゝ`)「そうか。とはいえ、見せるのはともかく、作るのはこちらにも条件がある」

( ^ω^)「お? 条件ですかお」

( ´_ゝ`)「俺は気に入った人間にしか作らない主義だ」

もう1つ付け加えれば、強いやつにしか作りたくないとアニジャさんは続ける。

从 ゚∀从「ん? じゃあ、今からお前をボコればいいのか?」

ξ;゚听)ξ「何でそうなるのよ。少し黙ってなさい」

(∪^ω^)「わんおー」
__
ソファー|ゝ`)「フフフ、元気の良いお嬢さんだ」
__
ソファー|´_ゝ`)「しかし、このアニジャ=サースガをただの武器職人と思ってもらっては困る」

(;^ω^)「いや、ソファーに隠れながら言われても説得力ないですお」

444 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:42:31 ID:wqpTzt9k0

ハインさんに怯えるアニジャさんを引っ張り出し、話を続ける。
武器職人というぐらいだからそれなりに腕力や体力はあるだろうが、戦えるかどうかは別問題だ。

( ´_ゝ`)「そういえば、トソンちゃんとはどうして知りあったんだ?」

( ^ω^)「それは……」

トソン君の事を正直に説明すると、クーの事まで話さなければならなくなってしまう。
ソクホウでクーの事がどう発表されているか調べたわけではないが、
ナオルヨさんと話した感じではクーの失踪は隠されてる可能性が高いと思う。

そうなると無闇にクーの事は話せないので、僕は話をぼかして説明する事にした。
そもそも、まだジョルジュさん達にもクーの事はちゃんと説明してないので、この場ではそうするしかないのだが。

( ^ω^)「ちょっとした誤解が重なってしまって、トソン君と勝負する事になっちゃったんですお」

( ´_ゝ`)「あー、トソンちゃん少しそそっかしい所あるからなあ」

( ^ω^)「それで何とか僕が勝って、誤解を解くのに成功して仲良くなりましたお」

( ´_ゝ`)「ほう、君はあのトソンちゃんに勝ったのか」

( ^ω^)「かなりギリギリでしたけど何とか」

445 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:44:15 ID:wqpTzt9k0
  _
( ゚∀゚)「ブーンの魔法使いとしての実力はなかなかのもんだぜ」

( ´_ゝ`)「そうか。となると強さに関しては問題……ん? 君は魔法使いなのか?」

( ^ω^)「そうですお。魔法道具屋兼、魔法使いですお」

現在の僕の服装は普通の服装なので、見た目から僕が魔法使いとわからなくても仕方がない。
魔法道具屋と名乗った時点で魔法が使えるのは確定なのだが、そういう発想に至らなかったのだろうか。

( ´_ゝ`)「驚いたな。魔法使いがここを訪ねてくるとは」

( ゚д゚)「どういう事だ?」

( ´_ゝ`)「君達は俺が何と呼ばれているのか知っているかい?」

从 ゚∀从「胡散kξ゚听)ξ「からくり・サースガでしたっけ?」

( ´_ゝ`)「そう、からくりだ。からくりについてはどんなものか知っているのかな?」

( ^ω^)「金属とかを組み合わせて色々な効果を生み出す機工と呼ばれる技術の1つですおね?」

( ´_ゝ`)「大雑把に言えばそうだな。本当は動力に関しても定義があるのだが、今は関係ないので割愛する」

446 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:46:32 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「からくりとは機工の中でも鋼線、ワイヤーと呼ばれる鉄の紐を使った技術に特化したものだ」

( ^ω^)「トソン君の武器がまさにそれでしたおね。すごい面白い仕組みでしたお」

( ´_ゝ`)「……ブーンだったかな? 君は機工に対して偏見はないのかね?」

( ^ω^)「お? 偏見? いや、そういうのは……お……」

アニジャさんが何を言いたいのか、僕はようやく理解出来た。
というより、機工に関する魔法使いの間での認識を思い出したというべきか。

( ´_ゝ`)「機工は魔力を使わず、魔法と同等の事を実現しようとして考えられた技術だ」

( ´_ゝ`)「しかしながら現在の所、その機能は魔法のそれに比べると及ぶべくもない質の低いものだ」

( ゚д゚)「聞く所にはまだ新しい技術なのだろう? それも仕方がないんじゃないか?」

( ´_ゝ`)「だが、現実問題、魔法に取って代わる力はない」

( ´_ゝ`)「トソン君の武器、ガリアンソードは魔法で再現する事も出来るだろ?」

( ^ω^)「出来ますお。刃は作ってもらう必要ありますが、魔法の紐で固定すれば恐らくは」

447 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:48:33 ID:wqpTzt9k0

機工に魔法を超える性能はなく、結果、中途半端で使えない技術として認識されている。
更に言えば、機工の技術が洗練され、使える技術となった場合は魔法の価値を著しく落としてしまうはずだ。
故に魔法使いは特に機工という技術を嫌い、蔑む傾向にあるという。

( ^ω^)「そんな話をドクオさん、僕の師に当たる人から聞いた覚えがありましたお」

ドクオさんは別に蔑んでいたわけではなかったが、かなり昔にそんな話を聞いた。
僕自身もその事を忘れてたくらいだし、特に偏見はない。
魔法も使えない人も魔法に近い恩恵を受けられるなら、それはそれで素敵な技術だと思う。

( ´_ゝ`)「……そう言って貰えるのは素直に嬉しく思う」

( ´_ゝ`)「勿論、君がこの場を取り繕ろうとしているとは思っていない。少し驚いてはいるがね」

( ^ω^)「人の暮らしが便利になるのは良い事ですお」

(∪^ω^)「わんお!」

暖めたり冷やしたり、明るくしたり暗くしたり、魔法を使えば簡単に出来る事だが、
その魔法は万人が簡単に出来るものではないのが現状だ。
皆がそれを出来るようになれば、人の暮らしはもっと楽になるだろう。

448 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:51:46 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「そうだ。それが機工が目指す先なんだ」

( ^ω^)「ただ、若干の危惧はしますけど」

( ´_ゝ`)「危惧?」

技術の発展が、必ずしも全てにプラスに繋がるわけではない事も僕は知っている。
誰でにも使える魔法としての機工技術が広まれば、
恐らく僕が攻撃用の道具を作るのを避けているのと同じ理由の問題が起きる可能性がある。

( ^ω^)「誰にでも使える攻撃魔法は危険なんですお」

( ´_ゝ`)「……そうだな。発展に因る弊害、それは永遠に答えの出ない問題かもしれないな」

プラスの量とマイナスの量、単純な大きさでは割り切れない問題がそこにはある。
それは機工に限らず、他の技術や魔法に関しても同じ事が言えるのだ。

( ´_ゝ`)「ふむ……」

アニジャさんは何事かを思案するかの様な態度で、左手を顎に当て僕の方を見詰める。
僕はただ、黙ってその目を見詰め返した。

450 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 22:52:57 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「ブーン、どうやら俺はお前が気に入ったようだ。腕も確かだし、お前からの依頼は受けよう」

( ´_ゝ`)「無論、お前の仲間からのもな」

( ^ω^)「ありがとうございますお」

(∪^ω^)「わんわんお!」
  _
( ゚∀゚)「話が纏まり掛けたとこで悪いが、ちょっと依頼は待ってくれねえかな」

( ^ω^)「お?」
  _
( ゚∀゚)「こちらの腕はわかってもらえたのはありがたいとしてだ」
  _
( ゚∀゚)「俺達はあんたの腕をまだよく知らねえんだ。そのトソンってやつの武器も見てねえしな」

( ゚д゚)「依頼をする側として不遜な態度なのは申し訳ないが、まずは武器を見せてもらえないか?」

( ´_ゝ`)「うむ、もっともな話だな」

アニジャさんは特に気分を害した様子も見せず、僕達、正確には僕達の背後に立てかけてあった武器に視線を向ける。

451 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:01:43 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「どれか1つ君達の武器を見せてくれないか?」

( ゚д゚)「ああ、俺のでいいか?」

ミルナさんが立ち上がり、愛用のモーニングスターをアニジャさんに手渡す。

( ´_ゝ`)「これはまた、随分と珍しい武器を使ってるもんだな。使いこなすのはかなり慣れがいるだろ?」

( ゚д゚)「そうか? 案外単純な武器なんだがな」

モーニングスターは柄付きの鎖鉄球という形状だが、割と古くからある武器だ。
しかし、多少癖があるため、使い手はあまり多くないのは確かである。

( ´_ゝ`)「ふむ……かなり使い込んでるな。それ故に傷みも見られる」

( ゚д゚)「だろうな。しかし、手入れは怠っていないし、単純な作りだから多少傷があろうが問題なく使えてるぞ」

( ´_ゝ`)「これを少し預からせてもらっていいか?」

( ゚д゚)「何をするつもりだ?」

( ´_ゝ`)「修繕する。それで俺の腕はわかってもらえると思うからな」

452 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:02:59 ID:wqpTzt9k0

ミルナさんはどうするとでも訪ねるかのように僕の方を見る。
ミルナさんの武器だし、僕が決めるような話でもないのでミルナさんにお任せしますと答えた。

( ´_ゝ`)「なに、時間は2時間ほどで十分だ。勿論、金も取らんよ」

その間、ここで寛いでくれていてもいいし、一旦帰ってまた来てもらってもかまわないとアニジャさんは言う。

( ゚д゚)「預けるのはかまわない。よろしくお願いする」

僕達は戻るのも大変、主に二日酔いの僕がという事で、ここで待たせてもらう事にした。
だいぶ気分的には楽になっているので、お昼頃には食事を取れるくらいに回復しているとありがたいのだが。

( ^ω^)「でも、いいんですかお? よく知らない人間を部屋に置いておいて……」

( ´_ゝ`)「大丈夫さ。この部屋には大した物は置いてない。それに、俺は君が気に入ったしな」

( ´_ゝ`)「そこの金属の筒にお湯が入ってるから。上のボタンを押すと出るんで、勝手にお茶淹れて飲んでくれ」

そう言うとアニジャさんはモーニングスターを抱え、部屋から出ていった。

( ゚д゚)「どう思う?」

453 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:06:47 ID:wqpTzt9k0

从 ゚∀从「思ったより胡散臭くねえな」

ξ゚听)ξ「最初があれだったから、どうしようもないけどね」

( ^ω^)「そこはどうでもいいお。考え方はまともっぽいおね」
  _
( ゚∀゚)「あとは腕か」

( ゚д゚)「それと、料金だな」

从 ゚∀从「まあ、取り敢えずお手並み拝見と行こうぜ。それよりこれ、何なんだ?」

ハインさんはアニジャさんがお湯の出る金属の筒と言っていた物体を弄繰り回している。
ボタン付きの保温ポットという所なのだろうか。

ξ゚听)ξ「何か線が出てるわね。これじゃ持ち運びに不便そうだけど」

从 ゚∀从「ボタン押すんだっけ? ポチっとな」

(;^ω^)「ちょ、カップ用意してから押しましょうお」

(∪^ω^)「わんおー」

454 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:07:49 ID:wqpTzt9k0

案の定、筒の出張った部分からお湯が漏れ出し、机の上に広がる。
他人様の家であまり粗相はしないで欲しい。
  _
( ゚∀゚)「かなり熱いな。これ、魔法で燃やしてるわけじゃないんだよな?」

( ^ω^)「魔力の類は一切感じませんから、多分機工なんでしょうね」

この筒はアニジャさんが部屋に入ってきた時持って来たものだから、それなりに時間は経っている。
それでいてこの熱さという事は、結構な保温性能を持っているのだろう。

从 ゚∀从「へー。他に何か面白もんねーかな?」

ξ゚听)ξ「こら、他人様の家を勝手に漁らないの」

口では止める素振りを見せたツンだが、ハインさんと共に部屋の隅にあった机を漁っている。
机の上には何冊かの本があったので、興味が湧いた僕もそれに加わる事にした。

( ^ω^)「ほー、これが機工の本かお。さっぱりわからんけど、興味深いお」

僕は本のページをパラパラとめくり、斜め読みをする。
表紙によるとこれは入門書らしいが、専門外の分野の事は難しい。
ただ、面白くはあるので1度じっくり読んでみたいと思う。

455 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:09:02 ID:wqpTzt9k0

( ^ω^)「作業自体も見せてもらえばよかったお」

从 ゚∀从「お、変な本発見。えーっと、月刊……モテモテ通信……? 何だこりゃ?」
  _,
ξ゚听)ξ「あの格好だったし、やっぱりこれあるのね……」

从 ゚∀从「およ? ツンはこれ知ってんの?」
  _,
ξ゚听)ξ「非常に不本意ながら知ってるわ」

ドクオさんの庵で見かけた本が机の上に何冊も置かれている。
モテない人が書いたモテない人の為のモテる為の本というぐらいだから、アニジャさんもモテないのだろう。
あの格好で出てきたのだからあるとは思っていたが、ドクオさん以上に持っていそうだ。

从 ゚∀从「んー? 何でこんなにあるんだ?」

ξ゚听)ξ「月刊って書いてあるし、毎月出るからでしょ」

从 ゚∀从「違う違う。同じ本が何冊もあるぞ」

ξ゚听)ξ「へ? 何でまたこんなキモい本を何冊も……」

456 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:10:35 ID:wqpTzt9k0

( ^ω^)「お? ホントだ、何冊もあるおね」

同じ号をざっと見比べてみたが、どこにも差はない。
つまりは全く同じ本という事だが、その理由は謎だ。
よっぽどこの本のファンなのであろうか。

( ´_ゝ`)「待たせたな」

それからしばらくして、約束の2時間よりは少し早いぐらいでアニジャさんは戻って来た。
その手にあるモーニングスターは綺麗な光沢を放っていた。

( ゚д゚)「随分と綺麗になったな。この補修だけでも良い塩梅だ」

( ´_ゝ`)「それだけじゃないぞ。取り敢えず振ってみてくれ」

僕達はアニジャさんに案内され、武器を振るために庭に出る。
ミルナさんは何度かモーニングスターの握りを確かめ、武器を構えた。

( ゚д゚)「ふむ……、握った感じが少し違うのは補修の所為か?」

( ´_ゝ`)「振ってみればわかるさ」

457 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:13:59 ID:wqpTzt9k0

ミルナさんはそれならばとモーニンスグスターを軽く前後に振り、手首を利かせて鎖を跳ね上げた。
そのまま柄を回し、頭上で鎖鉄球を回転させる。

( ゚д゚)「ほう、前より安定するようになったな」

傍目には普段とそう変わらないように見えるのだが、使っているミルナさんには違いがわかるらしい。
回転を大きくしたり小さくしたり、早くしたり遅くしたりと色々試している。

( ´_ゝ`)「柄が少し歪んで来てたから、それをまっすぐに打ち直したんだ」

( ゚д゚)「なるほど。この回し易さはそのお陰か。ジョルジュ、頼む」

ミルナさんはジョルジュさんに攻撃を受けて貰うため、庭の反対側に立つよう頼む。
ジョルジュさんは了承し、斧を両手で構えた。

( ゚д゚)「行くぞ」
  _
( ゚∀゚)「おう、来いや!」

( ゚д゚)「フンッ!」

気合の乗った声と共に、ミルナさんの腕が前方に振り下ろされた。
その動きに連動し、鎖鉄球がジョルジュさん目掛けてまっすぐに飛翔する。

458 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:17:28 ID:wqpTzt9k0
  _
( ゚∀゚)「せいッ!」 ポヨンッ!

( ^ω^)「へ?」

斧と鉄球がぶつかり合った瞬間、聞こえてきたのは重い金属音ではなく、何とも気の抜ける音であった。
受け止めたジョルジュさんの身体が少し後にずれた事からも、
鉄球の威力は結構なものだったはずだがどういう事なのだろうか。
 _
(;゚∀゚)「何だ、今の気の抜けた音は?」

从 ゚∀从「おいおい、威力下がってんじゃねえか?」

( ゚д゚)「いや、手応えは悪くなかった。確実に前より威力は上がっていると思う」

ミルナさんの言葉にジョルジュさんも頷く。
それを見ていたアニジャさんは満足げに頷き、口を開く。

( ´_ゝ`)「これぞサースガ式スペシャルギミック・静かにしま show on 君だ!」

(;^ω^)「えーっと……」

459 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:19:13 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)b「説明しよう! 静かにしま show on 君とは武器の接撃面に薄い膜を張り」

( ´_ゝ`)b「コーティングすると同時に消音機能を実現したものだ!」

( ´_ゝ`)b「これで部屋の中で戦っても、戦闘の音がうるさいと怒られる事もなくなるぞ!」

( ´_ゝ`)b「ちなみに、オプションで音を消す変わりに別の音を鳴らすことも出来るぞ!」

( ´_ゝ`)b「今の音はやわらかマシュマロホイップ音だ!」

人差し指を立て、胸を張って一気にまくし立てるアニジャさん。
取り敢えず理解したのは、すごく無駄な機能だという事だ。
  _,
ξ--)ξ「何かすごく無駄な事に力入れてる感じよね」

(;^ω^)「技術的にはかなりすごいと思うお。無駄だけど」

(∪^ω^)「わんおー」

( ´_ゝ`)「どうだ、面白いだろ?」

460 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:21:40 ID:wqpTzt9k0
  _
( ゚∀゚)「面白いかどうかで言えば、ちょっと面白かったが、戦闘中にあれはねえな」

从 ゚∀从「だな。馬鹿にしてんのかって音だ」

( ´_ゝ`)「うーむ……気に入ってもらえんか……」

( ´_ゝ`)「トソンちゃんにもすぐに外せって真顔で拒否られたしな……あの子に合うと思ったのに」

あんな気の抜けた音で地面をえぐる様な攻撃打たれてたら、それはそれで嫌な光景だったので、
外してくれていてありがたかったと思う。

( ゚д゚)「おい……」

(;´_ゝ`)「ああ、すまん。すぐに外すよ。時間はそんなに──」

(* ゚д゚)「その音、この子の鳴き声に出来ないか?」
つ∪^ω^)「わんわんお!」

(*´_ゝ`)「おお、気に入ってもらえたか! うむ、そうだな、多分出来ると思うぞ」
 _
(;゚∀゚)「止めろ、ミルナ! 早まるんじゃねえ!」

从;゚∀从「ふざけんな! そんな振り回すたびにわんわん鳴くような武器持ちと組みたくねえ!」

461 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:23:00 ID:wqpTzt9k0

ジョルジュさんとハインさんの必死の説得で、ミルナさんはギミックの取り付けを何とか思い止まってくれた。
すごく残念そうな顔をしていたアニジャさんだったが、その腕前は理解出来たので部屋に戻る事を提案する。

( ´_ゝ`)「それは良かった。じゃあ、ちょっと部屋で話そうか」

部屋に戻ると、アニジャさんがお茶を淹れ直してくれたので、それを頂きながら話をする。
まずはこちらの要望にあった改造が出来るかどうか相談しなければならない。

( ´_ゝ`)「3人の武器を見せてもらったが、どれも作りはしっかりしているから、強化は出来ると思う」

( ´_ゝ`)「ただ、ジョルジュの斧は威力の底上げと重量を考えると、作り直した方が格段に良くなる」
  _
( ゚∀゚)「そうしたいのは山々だが、そうなると結構な金がかかるだろ?」

( ´_ゝ`)「そうだな。全員の強化でこれくらい……で、こっちが斧を作り直した場合だ」

( ^ω^)「おー、これはなかなか……」

( ゚д゚)「相場的にはこれくらいしても不思議はないな」

462 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:26:05 ID:wqpTzt9k0

从 ゚∀从「俺らの予算的にはどうなの?」

( ゚д゚)「強化でも少々足りんな」
  _
( ゚∀゚)「ありゃりゃ、こりゃしばらくクエスト三昧かねえ」

こちらの手持ちの魔法鉱石の話もしたが、そもそもアニジャさんの作業にはあまり魔法鉱石は使わないらしい。
独自の製法で鉄を精錬して強度を高めたものを使うという事だ。

ξ゚听)ξ「それって、魔法鉱石より強度は上なんですか?」

( ´_ゝ`)「上だ……と言いたいところだが、純度の高い魔法鉱石には負けるだろうな」

( ´_ゝ`)「ミスリルやオリハルコンほどの強度はないと思う」

そう言ってアニジャさんは1枚の金属片をポケットから取り出して机の上に置く。
僕はそれを手に取り、ルーペで詳しく見てみた。

( ^ω○)、■「ほうほう……なるほど、ただの鉄ってわけじゃないみたいですおね」

( ´_ゝ`)「ダマスカス鋼、機工ではそう呼ばれている素材だ」

463 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:28:03 ID:wqpTzt9k0

( ^ω^)「なるほど、勉強になりましたお」

僕はダマスカス鋼をアニジャさんに返し、ジョルジュさん達の方を見る。
このまま彼に依頼する方向で話を進めて良さそうな雰囲気だが、問題は料金であろう。
ここは商売人として値引き交渉をしてみるべきかと考えていると、アニジャさんが先に口を開いた。

( ´_ゝ`)「君達は、腕前からするにそれなりに経験を積んだ冒険者なんだよな?」

从 ゚∀从「名は売れてねえが、モンスター相手なら場数は踏んでると思うぜ?」

( ´_ゝ`)「ほう、それは丁度良い」

从 ゚∀从「あ? 丁度良い?」

アニジャさんは立ち上がり、先ほど僕達が漁っていた机に向かう。
そこから何かを取り出し、こちらに戻って来た。

( ´_ゝ`)「これを見てもらえないか?」

从 ゚∀从「何だこりゃ? 季刊……遺跡通信?」

464 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:29:48 ID:wqpTzt9k0

アニジャさんは1冊の本を机の上に置いた。
ハインさんが表紙を確認し、広げる事無く僕に渡す。

( ^ω^)「何か見覚えある感じの本ですおね。あのモテモテ通信と似てますお」

( ´_ゝ`)「ブーンはモテモテ通信を知っているのか?」

( ^ω^)「愛読者を知ってますお」

(*´_ゝ`)「マジで!? その人、今度紹介してくれ!」

ξ゚听)ξ「今はモテナイ通信の話はいいから、これが何なのか説明してもらえません?」

(;´_ゝ`)「モテモテ通信ね、モテナイじゃなくって」

アニジャさんの説明によると、この遺跡通信という本は遺跡や洞窟なんかを探索して財宝を探す冒険者、
トレジャーハンターとも呼ばれる人達が書いた調査報告や手記などを本にしたものらしい。
モテモテ通信に比べると随分まともな本だが、季刊という事はそれほど記事が集まらないのかもしれない。

从 ゚∀从「こういう既に調査済みの遺跡の話って、あんまり役に立たねえんじゃね?」

465 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:33:50 ID:wqpTzt9k0

( ゚д゚)「あいつらは特に情報が命の職業な所があるからな。あまり大っぴらには公開したがらないだろうな」

( ´_ゝ`)「うむ、既に調べ尽くされた遺跡の話や、時に信憑性を疑う記事も多々あるのは否めないな」

( ´_ゝ`)「取り敢えずここを見てくれないか?」

僕はアニジャさんに言われ、折り目の付いたページを開く。
そこは小さな島にある遺跡について書かれたページだった。

( ^ω^)「何々、ソクホウの西に浮かぶ小さな島……」

記事によるとそこは昔はもっと大きな島で、1つの文明が形成されていたらしい。

( ´_ゝ`)「文明があった事は比較的知られていて、古くから調査もされている」

从 ゚∀从「だったら、やっぱもう調べ尽くされた遺跡じゃねえの?」

( ´_ゝ`)「そうだな。町があったとされる場所は調べ尽くされている、が……」
  _
( ゚∀゚)「が?」

(∪^ω^)「わんお?」

466 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:35:20 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「君達はヴィップの人間だったな」

( ´_ゝ`)「知らないかもしれないが、1ヶ月ほど前にこの辺りで地震があったんだ」

( ´_ゝ`)「震源は海底。場所はこの島の付近で、それによって島の地形が一部変化した」

( ゚д゚)「ほう、それで?」

( ´_ゝ`)「この記事の著者は大地が割れ、断層が出来たその場所に入り口らしき物を見付けたんだ」

( ^ω^)「それはつまり……」

( ´_ゝ`)「そう、まだ手付かずの未踏の遺跡だ」

既に調べ尽くされた島の地下に、まだ隠された遺跡があった。
本当ならそれはすごい発見で、何かしら有益なものが見付かる可能性があり、魅力的な場所だ。

ξ゚听)ξ「その入り口から中に入ったんですか? すぐに行き止まりとか、小さな部屋じゃないですよね?」

勿論、遺跡の規模や使用目的によっては何もない可能性もある。
アニジャさんの話では、用途はわかっていないらしいが、広さはかなりあるはずだと言う。

467 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:36:29 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「この記事の著者から直接聞いた話だ」

( ´_ゝ`)「少し入ってみたが、本格的に調べるなら準備がいると引き返したらしい」

( ^ω^)「何となく話が読めて来ましたお」

( ´_ゝ`)「そうか、察しが良くて助かる」

( ゚д゚)「俺達にその調査の護衛をやれという事だな?」

( ´_ゝ`)「ご名答。依頼主はこの記事の著者だ」

アニジャさんはこの依頼を引き受けてくれたら、武器の強化費用を半額にまけてくれるという。
金額にすればクエスト報酬としてかなりの高額だ。
その上遺跡内で使えそうな武器が見付かった場合、それも優先的に譲ってくれるとの事だ。

( ´_ゝ`)「どうだ? 悪くない条件だろ?」
  _
( ゚∀゚)「悪くねえな。悪くなさ過ぎて、裏を疑うくらいだ」

( ゚д゚)「裏は言い過ぎだが、これほどの条件を出すという事は、難易度も高いという事だな?」

468 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:40:10 ID:wqpTzt9k0

从 ゚∀从「いいじゃねえか。強いやつがいるんだろ?」

( ^ω^)「これ書いた人、信用の置ける人なんですかお?」

ξ゚听)ξ「発見されたのは1ヶ月前なんですよね?」

ξ゚听)ξ「本にもなってるって事は、既に誰か調査に向かったんじゃないですか?」

それぞれが思った事を矢継ぎ早に質問する。
アニジャさんは順番に答えると、皆を制した。

( ´_ゝ`)「まずツンちゃんの質問だが、この本はまだ発売前で、この事を知っているやつは少ない」

ξ゚听)ξ「発売前の本が何でここに?」

( ´_ゝ`)「簡単な話だ。俺が作っているからだ」

正確には、製本を自分の家でやっているからだとアニジャさんは言う。
聞く所によると、機構の技術を使い、製本を請け負っているらしい。

从 ゚∀从「ん? じゃあ、あのモテナイ通信もここで作ってんのか?」

469 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:42:32 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「モテモテ通信だ。そうだ、あれは俺が書いてここで作ってる」
  _,
ξ゚听)ξ「お前が書いてんのかよ……」

なるほど、あの机の上にあった同じモテナイ通信はそういう事か。
となると、あのどうしようもないセンスはこの人のものだったという事になる。
目の前のこの人は、だいぶ報われない人生を送って来たのだろう。

(;´_ゝ`)「あの、何でそんなかわいそうなものを見る目でこっちを見てるの?」

( ^ω^)「気にしないでくださいお」

(∪^ω^)「わんお」

( ´_ゝ`)「そ、そうか? で、次に遺跡自体の話だが、まあ、ぶっちゃけ危険だろう」

( ´_ゝ`)「遺跡内部は深く調査したわけではないが、強力なモンスターの気配は感じたらしい」

( ´_ゝ`)「それ以前に、ツンちゃんへの回答にもかかるんだが、その島へ行くのも大変なんだ」

470 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:45:00 ID:wqpTzt9k0

アニジャさんの話によると、地震のせいで海底の地形も変わったのか、
島周辺に見慣れぬモンスターが出没するようになったらしい。

(;^ω^)「僕ら陸の人間なんで、なるべく船上の戦闘は避けたいですお」

ξ゚听)ξ「船上で一番戦えるの、魔法が使えるあんたなんだから、しっかりしなさいよ」

( ゚д゚)「相手次第だな。船を壊されるレベルのモンスターなら勝負にならん」

( ´_ゝ`)「シーサーペントって知ってるか?」

(;^ω^)「知ってますお。つーかさっきミルナさんが言った勝負にならないタイプのモンスターじゃねえかお」

亜竜シーサーペント、簡単に言えば竜に似た顔をした大きな蛇である。
深い海に住むはずなので、こんな大陸近くで目撃されるのは稀だろう。

从 ゚∀从「ブーンの魔法でドギャーンと一発で仕留めたり出来ねえの?」

(;^ω^)「海のモンスターですから、雷の魔法がきくと思いますけど、多分一撃じゃ無理ですお」

長期戦なら勝機はどこかで見出せるかもしれないが、そうなると確実に船が沈むだろうから実質は倒せないと思う。
大人しく逃げる、もしくは出会わないのが最善だ。

472 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:48:49 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「そいつがいるから、誰も近付かないって寸法だ」

ξ゚听)ξ「この記事の著者の人、よく帰って来れましたね」

( ´_ゝ`)「運だけはいいからな、あいつ」

( ´_ゝ`)「だから、今回もあいつの運に賭けて、出会わないこと前提でいけるんじゃないかなーと」

( ゚д゚)「いささかリスクの高い賭けだな」
  _
( ゚∀゚)「だがその分見返りも大きい」

遺跡調査とはいえ、その遺跡に必ずしも価値があるわけではなく、有益な物も見付からない可能性はある。
しかし、今回のケースなら、遺跡に何も見付からなくても僕達は十分な報酬は得られるのだ。
また依頼主のトレジャーハンターにしろ、何も見付からなくても遺跡の謎を解明したとして名声は得る事が出来る。

行く価値は十分にあるクエストだ。
勿論、その分かなりリスクも高いわけだが。

( ´_ゝ`)「おっと、そちらの2人の報酬について決めてなかったな」

アニジャさんは僕とツンに話しかけるが、ミルナさんがそれを制した。

473 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:51:16 ID:wqpTzt9k0

( ゚д゚)「ブーン、ツン、俺達は依頼を受ける方向で考えている。しかし、お前達は冒険者ではない」

( ゚д゚)「かなり危険なクエストだ。お前達は無理に受けなくてもいいと思う」

( ´_ゝ`)「そういう事なら、あと数人他に見繕う事も考えようか」

僕はツンの方を窺うが、ツンはこちらには目を向けない。
恐らく僕が何を言うか理解しているのだろう。
そして僕が何を言おうとどうするかもきっと決めている。

( ^ω^)「僕も行きますお」

ξ゚听)ξ「え? あ……、私も行くわ」

だから僕はツンより先に参加を表明する。
どうせ僕が行かないと言っても、ツンは行くのだろうから。
  _
( ゚∀゚)「いいのか? 俺らとしてはお前らが来てくれるのは非常に助かるんだが」

( ^ω^)「遺跡には興味ありますし、こういうクエストは魔法使いが1人いたほうが成功率はだいぶ上がりますお」

( ゚д゚)「確かにな。危険なクエストだが来て欲しいというのが本音だ。勿論、ツンにもな」

474 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:52:32 ID:wqpTzt9k0

ツンが意外そうな顔でこちらを見てくるが、僕は素知らぬ顔で受け流した。
危険なクエストだが、危険だからこそ皆の力になりたいと思う。

( ´_ゝ`)「じゃあ、5人で大丈夫かな? これ以上増やすと却って動き辛いか?」
  _
( ゚∀゚)「ま、そうだな。よっぽど腕のあるやつならあと1人ぐらいいてもいいが」

( ^ω^)「そういえば護衛対象の人って、一応冒険者なんですおね?」

( ´_ゝ`)「ああ、だが戦闘の腕は期待するな。基本は逃げ専門だ」

ξ゚听)ξ「戦闘にでしゃばられるよりはその方がいいですから」

从 ゚∀从「何てやつなんだ?」

( ^ω^)「あ、この記事に名前載ってますおね」

僕達は記事の最後、著者の名前を探す。
そこに書かれていたのは……

( ^ω^)「冒険野郎・サスガイバー……サスガ? ひょっとして……」

475 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:56:20 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「ああ、俺の弟だ。それはペンネームだがな。故に信頼の置ける情報ってわけだ」
  _,
ξ゚听)ξ「兄弟揃ってどういうセンスなのよ……」

からくり・サースガに冒険野郎サスガイバー。
確かに兄弟揃って変な名前だが、アニジャさんの方はそう呼ばれているだけで名乗ったわけではなかったような。

( ´_ゝ`)「俺のからくり・サースガって通り名も弟が考えてくれたんだ。いいセンスだろ?」

( ^ω^)「いいえ」

(;´_ゝ`)「いや、そこはお世辞でも『はい』って言おうよ。少しは躊躇えよ」

(∪^ω^)「わんおー」

反射的に正直に答えてしまったが後悔はしていない。
センスのなさはひとまず置いておいて、僕達はクエストの日程について話し合った。

( ´_ゝ`)「じゃあ、明日出発って事で異存はないな?」

从 ゚∀从「オーケィだ。早いに越した事はねえ」

476 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:57:58 ID:wqpTzt9k0

( ^ω^)「明日には僕の体調も戻るでしょうし、今日の午後で必要な道具とか用意しますお」

( ´_ゝ`)「薬草なんかの携帯品の代金も俺につけてくれていい……と言うのも魔法道具屋に失礼か?」

( ^ω^)「手持ちの道具で足りない分だけはお願いしますお」

( ゚д゚)「明日の昼に港に集合、半日で島へ到着、その後1泊してクエストという流れでいいんだな」

( ´_ゝ`)「ああ、それでいい。風と潮流の関係上、明日を逃すとまた少し間が空くからな」

( ´_ゝ`)「船は俺が操縦する。そのまま島で船の番もする。戦闘は出来んが、船を守るくらいは任せろ」

( ^ω^)「船にこの子も置いて貰っていいですかお?」
つ∪^ω^)「わんわんお!」

( ´_ゝ`)つ「ああ、いいぞ。よしよし」

( ^ω^)「あ、ヤバ……」

( ´_ゝ`)
つ∪*^ω^)「わんおー」

( ^ω^)「あれ?」

478 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/25(日) 23:59:33 ID:wqpTzt9k0

( ´_ゝ`)「ん? どうした?」

( ^ω^)「いえ、てっきりわんおが噛み付くかと思って」

(:´_ゝ`)「え、この子そんなにワイルドな子なの?」

( ^ω^)「温厚ですけど、不審者には厳しいんですお」

(:´_ゝ`)「いや、俺不審者じゃないから。その心配いらないだろ」

ドクオさんの例があったからアニジャさんも噛み付かれるかと思ったが、わんわんおは普段通りのいい子だった。
やはりドクオさんは並々ならぬ不審者という事なのだろうか。

( ´_ゝ`)「そうそう、馬車は俺の家に置いておいてもかまわないぞ。知り合いに番を頼むから」

( ´_ゝ`)「何なら、宿を引き払ってこっちに泊まって貰ってもかまわないが。部屋は余っている」
  _
( ゚∀゚)「そりゃありがてえな」

ξ゚听)ξ「クエスト間の滞在費用も考えると、そうさせてもらうべきかしらね」

( ^ω^)「ヴィップに手紙も出しとかないとまずいかおね。少し帰りが遅れるって」

479 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/26(月) 00:01:27 ID:mGSFIZH.0

急にやる事が増え、忙しくなった僕達は早速行動する事にした。
分量的に僕が一番やる事が多いので、馬車の件や宿屋の引き払いはミルナさんにお願いする。

僕は薬草を煎じ、護符も用意し、午後の時間を目一杯使ってクエストの準備をした。

( ´_ゝ`)「急な話で悪かったな」

( ^ω^)「かまいませんお。こっちにも十分に利がある話ですし」

部屋を借り、道具の準備をしていた僕の元へアニジャさんがお茶を淹れて持って来てくれた。
港で船の点検をして戻って来た所だとアニジャさんは言う。

( ^ω^)「弟さん思いなんですね」

( ´_ゝ`)「ん? まあ……それだけってわけでもないんだがな」

アニジャさんによると、弟さんはアニジャさんの機工技術で作った道具を使ってトレジャーハンターをしているらしい。
故に弟さんの成功は、自分の技術の証明にもなるからお互い様なのだとアニジャさんは言う。

( ^ω^)「いい兄弟ですお」

( ´_ゝ`)ヾ「そんなまっすぐな目で改めて言われると照れるが、そうだな、大切な弟だよ」

480 名前:名も無きAAのようです 投稿日:2012/03/26(月) 00:03:49 ID:mGSFIZH.0

そう言える家族がいる事は羨ましく思う。
僕は2人の為にもこのクエストは成功させたいと強く願った。

( ´_ゝ`)「何かいる物はあるか?」

( ^ω^)「大丈夫ですお。準備も直に終わりますお」

何かあったら呼んでくれというアニジャさんに礼を述べ、僕は再び準備に取り掛かる。
あとは少し攻撃用の道具でも作っておきたい所だが、何が有効だろうか。

( ^ω^)「ま、何とかなるおね」

本格的なクエストに参加するのはニゲット山に行った時以来だ。
クエスト前の程よく感じる高揚感は悪くない。
それは、僕が冒険者としての仕事も嫌いじゃないという事でもある。

( ^ω^)「だからといって、魔法道具屋である事を否定するわけじゃないお」

ショボンの事があって以降、自分の道について考える事も増えたが、ひとまずその事は置いておこう。
今はただ、クエストの成功に全力を尽くそうと思う。



     第二十話 奇人の憂いは機を招く 終

484 名前:二十話までの登場人物 投稿日:2012/03/26(月) 00:09:27 ID:mGSFIZH.0

【登場人物紹介】

( ^ω^) ブーン=ナイトウ(ブーン=ホライゾン)
ヴィップの町で魔法道具屋サンライズを営んでいる少年。現在はソクホウに旅行兼商売中。
祖父は伝説の大賢者であるバーン=ホライゾンだが、その事を知るものは少ない。

ξ゚听)ξ ツン=ディレード
武術道場の娘でブーンの幼馴染。武術の腕は確かで、道場で師範代を任されている。
勝ち気だが根はやさしく、実は寂しがり屋。現在はブーンと共にソクホウに滞在中。

(∪^ω^) わんわんお
ブーンのペット兼使い魔。子犬の姿だが、本当は竜の中でも最強の力を誇る天空竜の転生したものである。
無邪気で人懐っこいが少々お馬鹿。現在はブーンと共にソクホウに滞在中。

('A`) ドクオ=ボッテューツ
ヴィップの町の南東の方にある庵に住む残念な容姿の賢者。結界魔法を得意とする。
ブーンの祖父の弟子でブーンの師匠に当たるが、本人は師匠と呼ばれるのを嫌っている。

川 ゚ -゚) クー=スナオ(???=???)
サンライズにペンダントの解呪の依頼を持ち込んだ新米冒険者。ニューソク王家関係者と推測される。
今はブーンに借金を返すためにヴィップの町に滞在中。世間知らずだが意外としたたか。

486 名前:二十話までの登場人物 投稿日:2012/03/26(月) 00:10:40 ID:mGSFIZH.0

(`・ω・´) シャキン=バールボー
酒場バーボンハウスのマスター。からっとした性格だが、意外と子煩悩でもある。
バーボンハウスはギルドからのクエストの斡旋もしており、冒険者達の溜まり場となっている。

(´・ω・`) ショボン=バールボー
シャキンの息子でブーンの幼馴染。飄々とした性格だが、友達思いの心配性でもある。
聖騎士を目指す事を決意し、ソクホウで騎士学校に入学した。
  _
( ゚∀゚) ジョルジュ=ナガオカ
ヴィップの町を拠点としていた冒険者。長柄の両手斧を武器とし、ハイン、ミルナとパーティーを組んでいる。
豪放磊落。武器の強化の為にメシューマの町にいたが、現在はブーンと共にソクホウに滞在中。

( ゚д゚) ミルナ=コッチオ
ヴィップの町を拠点としていた冒険者。モーニングスターを武器とし、ジョルジュ、ハインとパーティーを組んでいる。
質実剛健。武器の強化の為にメシューマの町にいたが、現在はブーンと共にソクホウに滞在中。

从 ゚∀从 ハインリッヒ=タカオカ
ヴィップの町を拠点としていた冒険者。2振りの蛮刀を武器とし、ジョルジュ、ミルナとパーティーを組んでいる。
見敵必殺。武器の強化の為にメシューマの町にいたが、現在はブーンと共にソクホウに滞在中。

(゚、゚トソン トソン=トソン
元聖騎士。見た目は小さな子供だが、怪力の持ち主で巨大な蛇腹剣を使う。性格は真面目だが、そそっかしい。
クーを追ってヴィップの町に辿り着き、現在はクーと共に借金返済に奔走中。

487 名前:二十話までの登場人物 投稿日:2012/03/26(月) 00:11:58 ID:mGSFIZH.0

( ´_ゝ`) アニジャ=サースガ
ソクホウの町の武器職人。機工と呼ばれる技術、からくりを用いて武器に様々なギミックを付けるのを得意とする。
胡散臭いが腕は確か。からくり・サースガとして名を馳せる。明るい性格だが気は弱い。

(-_-) ヒッキー=コーモーリ
ヴィップの町に赴任してきた司祭。神聖魔法、その中でも守護の魔法が得意。
現在、教会に憑いていた精霊川д川に憑かれている。真面目でお人好しな性格。

ζ(゚ー゚*ζ デレ(???=???)
ヴィップの町の教会に訪れた謎の女性。
神聖魔法を使うが、それ以外は色々と謎な人物。

ノパ听) ヒート=オネスティー
旅の武術家。単純な性格で、宇宙魔法という、魔法でも何でもないが本人は魔法と言い張る技を使う。
自分より強い相手と闘う為に各地を転々としている。

(‘_L’) フィレンクト=ドレイク
ニューソク騎士団長。長身で一見温和な雰囲気があるが、意外とやり手との話も。
現場からの叩き上げで、実力も人望も高い。腕はラス2。


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