- 290 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:41:24 ID:F9MB.0oI0
〜 魔法道具屋サンライズ 〜
( ^ω^)「第2回、サンライズ経営会議を始めるお」
ξ゚听)ξ(∪^ω^)
_,
ξ--)ξ「また唐突に……」
(∪^ω^)「わんおー」
チッチッチ
( ^ω^)b"「一応、この日の為に準備はして来たんで唐突ってわけでもないんだお」
ξ゚听)ξつ;;「その仕草ムカつくから止めろって、前に言わなかったかしら?」
(;^ω^)「ちょ、ギブ、ギブ!」
第四十四話 サンライズ・マイライフ
- 291 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:43:04 ID:F9MB.0oI0
(:^ω^)「ちょっとは手加減してお。指千切れるかと思ったお……」
僕の名前はブーン。
ヴィップの町で魔法道具屋サンライズを営む魔法使いだ。
ξ゚听)ξ「で、その準備って何を準備したのよ?」
彼女の名はツン。
サンライズの隣の武術道場の娘で、いわゆる幼馴染というやつだ。
(∪^ω^)「わんわんお!」
この子の名前はわんわんお。
僕のペットというか家族で、見た目は子犬だが実は元竜だ。
( ^ω^)「何って、勿論新商品のアイデア集めだお」
とある晴れた日の朝、僕はかねてからの懸案事項であった新商品の開発に取り組もうとツンを店に呼び出していた。
クーはバーボンハウスでバイト、トソン君は教会なので、今日は僕とツンとわんわんおの3人で会議である。
ξ゚听)ξ「色々考えたって事? それならさっさと言いなさいよ。どうせ駄目アイデアでしょうけど」
(;^ω^)「駄目アイデアとか言うなお。それに、考えたのは僕じゃないお」
- 292 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:44:38 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「あんたじゃないって、どういう事?」
(∪^ω^)「わんおー?」
( ^ω^)「フフフ、これを見るお」
僕はカウンターの下から木箱を取り出してツンの前に置く。
ツンはそれを手に取ると、軽く振ったり耳を当てたりした。
ξ゚听)ξ「何か見覚えあるわね……」
( ^ω^)「しばらく店の前に置いてたから、見覚えあってもおかしくないお」
ξ゚听)ξ「そういえばあったような。新しい郵便受けだと思ってたけど、違ったの?」
( ^ω^)「違うお。これはアイデア箱だお」
_,
ξ゚听)ξ「……何となく想像つくけど、アイデア箱って何よ?」
( ^ω^)「勿論、アイデアを入れる箱だお」
- 293 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:45:49 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)b「サンライズに並べて欲しい商品があったらここに書いて入れておいてくれって」
( ^ω^)b「店に来た客やバーボンハウスで宣伝しておいたんだお」
ξ゚听)ξ「要するに、他人任せと」
(;^ω^)「そういう言い方すんなお。需要に即した商品開発をする為の意見調査と言ってくれお」
(∪^ω^)「わんお!」
僕の考えた画期的な手法をツンはお気に召さないようだ。
呆れ果てた目で僕にアイデア箱を突き返し、大きな溜め息を吐いた。
( ^ω^)「そう呆れた顔しないでくれお。僕だってここからバンバン商品化出来るなんて思ってないお」
( ^ω^)「今回のはサンライズに求められている需要を知る為のヒントの様なものだお」
( ^ω^)「何かしら新商品に繋がれば幸いぐらいの気持ちでやってみるお」
ξ--)ξ「まあ、そうね。あんたがこれに過度に期待してないなら、やってみる価値ぐらいはあるかもね」
( ^ω^)「だお?」
- 294 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:47:25 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「ただ……」
( ^ω^)「ただ、何だお?」
ξ゚听)ξ「これでもし、求められている方向があんたの目指してる物と大きく違ってたら……」
(;^ω^)「それは……まあ、見てから考えるお」
何となく不安になるような事を言ってくるツン。
意見を出してくれるように頼んだのは、ほとんどが冒険者の人達なので、
魔法道具屋に相応しい商品のアイデアばかりのはずだ。
きっと大丈夫だと思う。
多分。
( ^ω^)「それじゃあ、まずは1つ目を見てみるお!」
ξ゚听)ξ「ええ、そうしましょうか」
(∪^ω^)「わんわんお!」
- 295 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:48:48 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「さて、記念すべき1つ目の商品案は……」
ξ゚听)ξ⊃" ダラララララララ・・・・
(;^ω^)「カウンターでドラムロール演出しなくていいお! ツンの力だとカウンター凹むから!」
( ^ω^)「ていうか、ツンも意外とノリノリだおね」
(∪^ω^)「わんおー」
ξ--)ξ「はいはい、おとなしくしてるからさっさと1つ目行きなさいよ」
( ^ω^)「んじゃ、改めて。記念すべき1つ目の商品案は……」
( ^ω^)「『揚げ薬草ピザ』!」
ξ゚听)ξ「ああ……」
(∪^ω^)「わんわんおー」
( ^ω^)「何だお、そのやっぱりって言いたげな反応は?」
┐ξ--)ξ┌「べーつにー? 何でもないわよ」
- 296 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:50:44 ID:F9MB.0oI0
露骨に肩をすくめ、予想通りといわんばかりの態度を示してくる。
ツンが何を言いたいかはわかっているが、僕はそれを気にせず商品の検討に入る事にした。
( ^ω^)「……それで、商品化に当たって、まずは、そうだおね」
僕は腕組みをし、右手を顎に当てて考える。
このアイデアが商品化出来るか出来ないか、利点や難点を抜き出す必要があるだろう。
( ^ω^)「ただの薬草ピザなら、薬草パンのバリエーションの1つとして出すのはそう難しくないおね」
ξ゚听)ξ「まあ、そうでしょうね。出す意味があるかどうかはさておき」
( ^ω^)「美味いなら出す意味はあると思うお」
ξ゚听)ξ「……今日は魔法道具屋らしい新商品を考えたいのよね?」
( ^ω^)「揚げ薬草ピザという事で、ピザの形じゃなくて揚げパンの中身をピザの具にすれば携帯性は向上するお」
(∪^ω^)「わんお!」
ξ--)ξ「日持ちはしないけどね」
( ^ω^)「うん……まあ、ぶっちゃけ、薬草パンと大差ないおね」
- 297 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:52:37 ID:F9MB.0oI0
実用化に向けて前向きに検討してみたが、結局ネックはそこである。
しばらく前にシューと携帯食料について考えた事もあったが、どちらかといえばこのアイデアはそれと真逆の方向だ。
( ^ω^)「残念ながらこれの商品化は難しいかお」
ξ゚听)ξ「そうでしょうね。それだと単なるお弁当だし、薬草ピザって響きがあんたの悪口みたいだし」
(;^ω^)「僕はそれほど太ってないお!」
(∪^ω^)「わんわんおー」
( ^ω^)「じゃあこれは没という事で」
( ^ω^)「まあ、1度薬草パンのバリエーションとして出してみるぐらいならいいかもしれんお」
ξ゚听)ξ「それじゃ、次に行きましょうか」
( ^ω^)「では、2つ目の商品案を見るお」
(∪^ω^)「わんお!」
- 298 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:53:49 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「2つ目の商品案は……『薬草タルト』!」
ξ--)ξ「……」
( ^ω^)「なるほど、薬草を使ったタルトかお」
( ^ω^)「以前薬草ケーキというのは考えてたけど、タルトの方が日持ちはするかもしれんお」
( ^ω^)「スポンジケーキではなく、タルト生地にすることで携帯性は向上」
( ^ω^)「サクサクの食感が楽しいし、食べかすが落ちやすいのも外で食べれば鳥のエサになって丁度いいお」
ξ--)ξ「……」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……気は済んだ?」
( ^ω^)「うん、擁護してみたけど結局問題点は揚げ薬草ピザと同じだおね」
( ^ω^)「残念ながらこれの商品化は難しいかお」
- 299 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:56:05 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「名前聞いた時点でわかってたでしょうに……」
( ^ω^)「そうだけども……」
( ^ω^)「折角アイデア出してもらったんだから、少しぐらいはちゃんと検討しないと申し訳ないお」
(∪^ω^)「わんわんお」
ツンの言う通りではあるのだが、それでも一縷の可能性にかけて検討してみるぐらいしても罰は当たらないだろう。
実はそこに僕の気付かなかった考え抜かれた深いアイデアが込められているかもしれないのだ。
( ^ω^)「とはいえ、これは没だおね、検討した結果」
(∪^ω^)「わんおー」
ξ゚听)ξ「それじゃ、次に行きましょうか。また似たようなの来そうだけど」
(;^ω^)「そんなこと言うなお……。気を取り直して、3つ目の商品案を見るお」
(∪^ω^)「わんお!」
- 300 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:57:49 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「3つ目の商品案は……『薬草ビール 』!」
( ^ω^)「おお、先の2つとは少し毛色が変わったアイデア来たお!」
_,
ξ゚听)ξ「確かに少しは変わったけど……」
( ^ω^)「お? 何か問題あるかお?」
ξ゚听)ξ「根本的なこと聞いていい?」
( ^ω^)「いいお。何だお?」
ξ゚听)ξ「薬草ビールって、何に使うの?」
( ^ω^)「それは……」
ξ゚听)ξ「……」
(∪^ω^)「……」
( ^ω^)「……クエストで疲れた喉を潤す?」
- 301 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 21:59:37 ID:F9MB.0oI0
- _,
ξ゚听)ξ「クエストから帰ってからなら、どんなお酒でもいいでしょうが」
( ^ω^)「クエストの最中に飲んで酔っ払ったら、戦闘とか危なくてしょうがないおね」
_,
ξ--)ξ「あんたもわかってんじゃないのよ、これが問答無用で没だって」
( ^ω^)「バーボンハウスの新メニューとしてならいいけど、クエストに携帯する道具としては駄目だおね」
(∪^ω^)「わんお」
作れる作れないの問題とか、冷たさや美味しさの問題を際し引いても、これはちょっとここで売るには厳しいだろう。
ジョルジュさんみたいに酒が強い人なら気に入るかもしれないが、生命のかかるような戦いもあるクエストに、
酔っ払っていくのは有り得ない。
( ^ω^)「じゃあ、これは没という事で次に行くお」
ξ--)ξ「はいはい、もうどんどん行っちゃってよ」
(∪^ω^)「わんお!」
( ^ω^)「次は4つ目の商品案だお」
- 302 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:00:52 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「4つ目の商品案は……『薬草アイスキャンデー』!」
( ^ω^)「なるほど、そう来たかお」
( ^ω^)「確かに、今年は暑かったから、こういうのが望まれてるかもしれないおね」
( ^ω^)「甘い中にほのかな苦味を加えた薬草アイスキャンディー! これは間違いなく……」
ξ゚听)ξ「……何かコメントが必要かしら?」
(;^ω^)「はい、間違いなく没だおね。日持ちが一切しねえし、クエストに携帯出来ないお」
ξ--)ξ「わかってればよろしい」
(∪^ω^)「わんおー」
申し訳ないが、これはどう足掻いても商品化は無理だろう。
出来て精々店先で売るぐらいだ。
しかし、もう暑さも和らいで来ているし、また暑くなるまでは需要もなくなってしまう。
( ^ω^)「そもそも、作るのも大変だおね」
ξ゚听)ξ「氷菓子なんて作れるの?」
- 303 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:02:10 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「魔法を駆使すれば何とかいけると思うけど」
( ^ω^)「その為にはもっと沢山の氷の精霊さんと契約しておかないとだお」
ξ゚听)ξ「そういうのが安価で勘単に作れる様になると、いい商売になるかもね」
( ^ω^)「その辺はアニジャさん達に期待だお」
( ^ω^)「多分、今後機工技術の発展でそういうのが出来る様になるかもしれないお」
( ^ω^)「その状況で何でアイスキャンディーがすんなり理解出来たかは気にするなお」
(∪^ω^)「わんお」
ξ゚听)ξ「はいはい、次次」
( ^ω^)「というわけで、このアイデアは没として」
(∪^ω^)「わんわんお」
( ^ω^)「次は5つ目の商品案だお」
- 304 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:03:41 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「5つ目の商品案は……『薬草餅』!」
( ^ω^)「ほうほう、なかなかオーソドックスなとこ突いて来たおね」
( ^ω^)「確かに餅ならば、パンやおにぎりよりは日持ちはするお」
ξ゚听)ξ「でも、日持ちのするタイプのお餅は、そのままじゃ食べ辛いわよね?」
(∪^ω^)「わんわんお」
( ^ω^)「火を通さないと厳しいおね。だから、どちらかといえば携帯食料的なものになると思うお」
( ^ω^)「てか、こないだシューと話していた時に、餅ってアイデアもあったんだおね」
( ^ω^)「最終的には、干した米とかの方が、調理せずとも食べられるという事で」
( ^ω^)「長期保存可能の携帯食料としては優秀という結論になったけど、味を考えれば餅の方がいいお」
ξ゚听)ξ「そうねえ。でも……」
( ^ω^)「お?」
- 306 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:05:59 ID:F9MB.0oI0
- ,
ξ゚听)ξ「やっぱりそういう食べ物方向の物なのね」
( ^ω^)「まあ……来ちゃった物はしょうがないお」
ξ゚听)ξ「これだと、あんたが密かに商品化しようと目論んでる、薬草乾パンと大差ないわよね」
(;^ω^)「何でそれ知ってんだお。極秘裏に開発してたのに」
ξ゚听)ξ「まあ、長い付き合いだから」
ξ*--)ξ「あんたの考えてる事は何となくわかるわよ」
(;^ω^)「そういうもんかお? 僕はツンの考えもショボンの考えもよくわからないというのに……」
ξ゚听)ξ「あんたはそういうの鈍いからね」
(;^ω^)「そんなに鈍くないと思ってるんだけどね……」
ξ゚听)ξ「鈍いわよ」
( ^ω^)「鈍いのかお?」
(∪^ω^)「わんおー」
- 307 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:07:24 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「わんおは鈍くいないって言ってるお」
ξ゚听)ξ「今のは鈍いって言ってる鳴き方よ。ね、わんお?」
(∪^ω^)「わんお」
( ^ω^)「違うって言ってるお」
ξ゚听)ξ「その通りだ、よ」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……」
(∪^ω^)「……」
( ^ω^)「どっちだお?」
ξ゚听)ξ「どっち?」
(^ω^;∪)彡「わんわんおー」
- 308 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:08:28 ID:F9MB.0oI0
僕とツンが同時にわんわんおに問い質すと、わんわんおは一声鳴いてカウンターの下に隠れてしまった。
多分、ツンの剣幕が恐ろしかったのだろう。
わんわんおは僕が鈍くない事はよくわかってくれているはずだ。
( ^ω^)「次、行くかお?」
ξ゚听)ξ「薬草餅は没?」
( ^ω^)「ひとまず保留という事で」
( ^ω^)「次は6つ目の商品案だお」
( ^ω^)「6つ目の商品案は……『薬草モヒート』!」
ξ゚听)ξ「ああ……」
( ^ω^)「ああ……モヒートね、うん、モヒート……モヒート……」
ξ゚听)ξ「ん? ひょっとしてあんた、モヒートが何か知らないの?」
(;^ω^)「そ、そんな事ねえお! 知ってるお、モヒート!」
- 309 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:11:55 ID:F9MB.0oI0
などと強がってはみたものの、モヒートなる言葉に全く聞き覚えがない。
言葉の響きからの、何だかモヒーっとした感じのものだろう。
(;^ω^)「モヒートね、そうそう、あのモヒーっとした……」
ξ;゚听)ξ「モヒーって何よ。ホントは知らないんでしょ、モヒート?」
(;^ω^)「ししし知ってるお! 魔法道具屋店長の僕が知らないわけないお!」
どうやらモヒーっとしたものではないらしい。
となると思い付くのはヒートぐらいだが、モヒートというぐらいだから藻まみれのヒートというとこだろうか。
※;※:※; モヒート想像図
※:※゚听):※
(;^ω^)(いや、これはねえお)
ξ--)ξ=3「モヒートはお酒の名前よ。ラムをライムで割ったものよ」
( ^ω^)「ああ、そっちのモヒートね! はいはい」
ξ;゚听)ξ「そっちもどっちもないわよ。全く、知らないなら知らないって言えばいいのに……」
- 310 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:13:44 ID:F9MB.0oI0
僕は呆れるツンから目を逸らし、薬草モヒートについて考える。
ラムベース、つまりはサトウキビを材料としたお酒という事なら、
そのサトウキビの部分を薬草に変えれば新商品になり得るのではなかろうか。
(;^ω^)「……って、お酒ならさっきの薬草ビールと同じ結論になるじゃねえかお」
ξ゚听)ξ「そうなるからこれも没でしょ」
( ^ω^)「あー、でも、ビールと違って冷たくなくてもいいなら、携帯する事は可能だおね」
( ^ω^)「薬用酒とか、雪山で遭難した時用の身体を温めるお酒とかに使えるかもだお」
ξ゚听)ξ「わざわざ薬草にするメリットは薄いわよね」
ξ゚听)ξ「クエスト中に外で酔うと危険な事に変わりはないわけだし」
( ^ω^)「……うん」
何とか商品化を考えてみるも、やはりお酒は厳しいと思う。
あくまで嗜好品の範囲のもので、酔いというデメリットが大きい。
- 311 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:15:32 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「それじゃあ、次行くお」
( ^ω^)「残ったアイデアは3つ、この中にいい新商品案があるといいお」
ξ゚听)ξ「これまでが至極残念だっただけに、切にそう願いたいわね」
(;^ω^)「残念とか言うなお。わざわざ考えてくれた人に申し訳ないお!」
ξ゚听)ξ「はいはい、次行きましょ、次」
( ^ω^)「次は7つ目の商品案だお」
( ^ω^)「7つ目の商品案は……『薬草入浴剤』!」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「色々と言いたい事があるんだけど、まずこれ、クエストに持っていくの?」
( ^ω^)「持って行くんだろうおね」
- 312 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:16:42 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「どこで使うの?」
( ^ω^)「そりゃ、野営地の川とか湖とか?」
ξ゚听)ξ「流れて薄まってくでしょうが。どんだけの量必要なのよ」
( ^ω^)「宿屋の風呂とかで使うのが順当かお」
ξ゚听)ξ「そもそもどんな効果なの?」
( ^ω^)「疲労回復効果があり、フレッシュでグリーンな香りが纏えるお」
ξ゚听)ξ「実用化は出来そうだけど、ぶっちゃけこれ、売れると思う?」
( ^ω^)「嗜好品としてなら可能性は。クエストに携帯する魔法道具としては……うん、多分売れないおね」
ξ゚听)ξ「どっちかと言えば日用品の部類よね」
( ^ω^)「だおね。これまでのアイデアとは少し方向性が違って良かったけど、ここで売るには難しいかお」
ξ゚听)ξ「そう思うわ」
- 313 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:18:03 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「残念ながら今回はこれも没だお」
ξ゚听)ξ「次行きましょうか」
( ^ω^)「次は8つ目の商品案だお」
( ^ω^)「8つ目の商品案は……『薬草水』!」
ξ゚听)ξ「薬草水……水ねえ」
( ^ω^)「シンプルだおね。でもまあ、酒よりは有りな感じだお」
ξ゚听)ξ「酒よりはね。でも、そもそも薬草水ってどんなのよ?」
( ^ω^)「水に粉末の薬草を溶かしたものじゃないかお?」
ξ゚听)ξ「それだったら、今売ってる粉末の薬草を自分で水に溶かせばいいじゃないの」
( ^ω^)「……その手があったかお」
ξ゚听)ξ「薬草水って名前の新商品を作るなら、もう一捻りしないとね」
- 314 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:19:10 ID:F9MB.0oI0
ツンの言う事ももっともなので、僕は薬草水についてもう一考してみる事にした。
最初の発想だと薬草と水、この2つを合わせて薬草水なので、薬草部分をもっと強調してはどうだろうか。
( ^ω^)「100%薬草絞り汁の薬草水はどうだろうかお?」
_,
ξ゚听)ξ「それ、ものすごく苦そうよね」
( ^ω^)「悶絶物の苦さだと思うお」
ξ;゚听)ξ「そんなもの、誰が買うのよ」
( ^ω^)「良薬は口に苦い物だし、苦い方が何か効きそうじゃないかお?」
ξ゚听)ξ「あんた以前、その言葉が嫌いだから美味しい薬草商品開発してるって言わなかったっけ?」
(;^ω^)「よく覚えてたおね。まあ、そうなんだけども」
ξ゚听)ξ「じゃあ、これも没ね」
(;^ω^)「そんなばっさりと……」
- 315 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:20:28 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「何か文句でも?」
( ^ω^)「一考の余地はあるけど、まあ、今の所は没だおね」
( ^ω^)「じゃあ、次。次は9つ目の商品案、いよいよ最後のアイデアだお」
ξ゚听)ξ「やっと最後ね」
( ^ω^)「そんな嫌そうに言うなお。惜しくも商品化には至らなかったけど、どれも珠玉のアイデアだったお!」
_, ,_
ξ゚听)ξ
( ^ω^)「……そこまで眉をひそめなくてもいいじゃないかお」
(∪^ω^)「わんおー」
( ^ω^)「お、わんおも出て来たおね。一緒に最後のアイデアを見るお」
(∪^ω^)「わんわんお!」
( ^ω^)「それじゃあ次は9つ目、最後の商品案だお」
- 316 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:22:01 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「9つ目の商品案は……『(∪^ω^)っぽいぬいぐるみ』!」
ξ゚听)ξ
(∪*^ω^)
( ^ω^)「ええっと……」
ξ゚听)ξ「ぬいぐるみね」
( ^ω^)「ぬいぐるみだおね」
ξ゚听)ξ「それをどうクエストに持って行って使うのかしらね?」
( ^ω^)「……囮?」
(∪;^ω^)「わんおー」
( ^ω^)「中に魔法仕込んでおいて、モンスターが近付いたら爆発するとか」
_,
(∪;^ω^)「わんわんおー」
ξ;゚听)ξ「止めなさいよ。わんおがすごく嫌そうな顔してるじゃないの」
- 317 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:23:20 ID:F9MB.0oI0
流石にわんわんおにそっくりのぬいぐるみをそういう使い方はしたくないが、
かといって他に何か使い道があるかといえば何も思い付かない。
確実にクエストに持って行く必要のないものである。
( ^ω^)「てかこれ、書いたのシャキンさんだろ?」
ξ゚听)ξ「有り得るわね」
( ^ω^)「単に自分が欲しいものを書いただけかもしれんお」
ξ゚听)ξ「一部の連中は欲しがりそうよね」
とはいえこれは検討のしようもなく、没にするしかないだろう。
クエストに持って行く事も出来なければ、魔法道具屋で売る商品でもない。
看板息子のグッズとして、サンライズで売る商品としては有りなのかもしれないが、
魔法道具屋とは一切関係がなく、ただのお土産屋の商品だ。
( ^ω^)「というわけで、これは没だおね」
ξ゚听)ξ「それが妥当でしょうね」
(∪´ω`)「わんわんおー」
- 318 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:24:29 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「しかしまあ、折角アイデアを出してもらった事だし」
( ^ω^)「シャキンさんには今朝方クーが作って失敗した、パンパンおMK2をプレゼントしとくお」
(∪^ω^) ┗((~)w(~)∪)┛
/ | C )=( C)
c( ,,O_UU_つ ξmmξ_))>・
ξ;゚听)ξ「最早原型止めてないじゃないの」
( ^ω^)「若干、前より強そうにはなったお」
(∪^ω^) ┗((~)w(~)∪)┛
(∪^ω^) ┗((~)w(~)∪)┛
ω^;∪) ┗((~)w(~)∪)┛
(;^ω^)「怖がらせてごめんお」
つ)ω`∪)
僕は悲しそうな顔をするわんわんおを慰め、ツンにパンパンおMK2を見えない位置に隠してもらう。
これは早めにシャキンさんに届けて処分してしまおうと思う。
- 319 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:26:44 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「さて、これで全商品案が出揃ったわけだけど……」
ξ゚听)ξ「どうするか検討する前にお茶でも淹れましょうか?」
( ^ω^)「そうだおね。一息吐くかお」
僕はツンに自分が淹れるからと制して、お茶を淹れる。
まだ少し気温は高いが、そろそろ温かいお茶でもいいぐらいにはなって来た。
( ^ω^)つ旦~「はい、ツン」
ξ゚听)ξつ旦~「ありがと」
( ^ω^)「わんおもお水と骨っ好もあげるお」
(∪*^ω^)§「わふわふお!」
( ^ω^)旦~「ふぅ……」
僕は椅子に腰を下ろし、ゆっくりとお茶をすする。
僕好みの苦味を抑えた味が心を落ち着かせてくれる。
( ^ω^)「で、まあ、商品会議が一段落着いたわけだけど」
ξ゚听)ξ「そうね」
( ^ω^)「終えてみて思う事は……」
- 320 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:28:00 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「な ん だ こ れ ?」
ここまでがんばって擁護して来たが、最早限界だ。
何がどうしてこんな結果になってしまったのだろうか。
そりゃ僕だって来るアイデアが全てすんなり商品化出来るとは思っていなかったが、これはそれ以前の問題だ。
どうしてこうもアイデアが偏ってしまったのだろうか。
;;( ∩ω∩);;「9個中、8個が薬草って……」
僕は両手で顔を覆い、深く項垂れる。
薬草が悪いわけではない。
魔法道具屋として薬草は基本中の基本となる道具だ。
ここから商品を考えるのは悪くない。
しかし、いくらなんでも偏り過ぎである。
もう少し荒唐無稽でもいいから、魔法道具屋らしいアイデアが来ても良さそうな物なのに。
;;( ∩ω∩);;「もう少しあるじゃないですかお? すっげえ威力の魔法を込めた護符とか」
;;( ∩ω∩);;「超絶切れ味が増す武器用の研ぎ粉とかさあ、もっとさあ、ねえ?」
- 321 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:29:32 ID:F9MB.0oI0
実現は不可能にしても、もう少しそういったものが望まれてもいいと思う。
これでは総菜屋か定食屋である。
ξ゚听)ξ「要するに、そういった方向が望まれてるってことじゃないの」
(;^ω^)「ここを飯屋にして、バーボンハウスと争えってことかお?」
ξ゚听)ξ「そこまでは言わないけど、まあ、遠からずじゃないの?」
(;^ω^)「何だお、それ? 僕に魔法道具屋は向いてないって言いたいのかお?」
ξ゚听)ξ「そうじゃなくて……」
僕の言葉にツンは少し表情を曇らせ、口籠る。
僕は口調を荒げてしまった事をツンに詫びた。
ξ゚听)ξ「あんたが悪いわけじゃないから謝らなくていいわよ」
( ^ω^)「それで、ツンは何が言いたいんだお? 何か妙に含みのある言い方だったけど、それって……」
ξ゚听)ξ「……多分、皆あんたの事心配してるのよ」
( ^ω^)「心配? 何をだお? 心配がどう薬草に繋がるんだお?」
- 322 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:30:55 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「あんたが危険な事に首を突っ込んでるって、シャキンさん達は心配してるわ」
(;^ω^)「お、それは……」
その話なら僕も少しは聞いている。
シャキンさんに千年紀、王宮絡みのクエストの話をした時、だいぶ難しい顔をされてしまった。
僕が好んで首を突っ込んでいるわけではないのだが、
シャキンさん達は以前クーが僕に指摘した様な事を心配しているのだろう。
僕がじいちゃんの名の所為で義務感を持ってしまっていると。
今回は特に王宮絡みなので、そう思われても仕方がない部分はある。
ξ゚听)ξ「だからいっそ魔法道具屋じゃなくて、飯屋とかなら危ない事もしないんじゃないかって思われてるのよ」
( ^ω^)「……そうなのかお」
心配してくれるのはありがたいし、そう思わせてしまったのは申し訳ないと思うが、
正直それは少し乱暴な意見じゃないかとも思う。
僕は僕の意思で魔法道具屋をやっているし、クエストにも出ている。
それは僕自身が決めた事だ。
- 323 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:32:12 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「一応断っておくけど、シャキンさん達がそう思っていたとしても」
ξ゚听)ξ「あの人達はそれを口に出すことも押し付ける事もしないわよ」
僕が気付いていない様だったから、自分の勝手な判断で教えておく事にしたのだとツンは言う。
きっとツンは今僕が考えているような事もお見通しなのだろう。
それに対して怒るのは筋違いだし、シャキンさん達に対しても同じ事が言える。
( ^ω^)「わかってるお。僕はこの町で育って、育てられたんだお」
( ^ω^)「皆が心配するのも当然だと思うし、感謝してるお」
ξ゚ー゚)ξ「そう……」
( ^ω^)「でも……」
ξ゚听)ξ「魔法道具屋は辞めないし、危険な事に首も突っ込む、でしょ?」
(;^ω^)「いや、好き好んで危険な事はしないけど、まあ、そんな感じだお」
( ^ω^)「心配されているのはわかった上で、自分がやりたい事をやるお」
- 324 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:34:45 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「それでいいんじゃないの?」
その事を理解しているなら、無茶はしないだろうからとツンは言う。
元々、無茶をしているつもりはないのだが、心配してくれている人を悲しませるような事はしたくない。
どんな事があっても僕はこのヴィップの町に帰って来ると心に誓う。
ξ゚听)ξ「ま、何があろうがあんたは無事に帰って来れるわよ」
ξ゚ー゚)ξ∩「優秀な護衛が一緒なんだから、安心しなさいな」
( ^ω^)「そりゃ心強いお。今後とも頼むお」
( ^ω^)「……と言いたいとこだけど、ツンも無理に僕に付き合う必要はないお?」
ツンはツンでやりたい事もあるだろう。
いつまでも僕の気まぐれに付き合わせるのも申し訳ない。
ξ゚ -゚)ξ「別に、嫌々付き合ってるわけじゃ……」
( ^ω^)「格闘王になるための修行の一環かお? それなら納得出来るけど」
(∪^ω^)「わんわんお」
- 325 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:35:52 ID:F9MB.0oI0
ξ゚ぺ)ξ「そういうんじゃないわよ」
ξ゚听)ξ「大体あれは子供の頃、よくわからず書いたもので、今もそう思ってるわけじゃないから」
( ^ω^)「そうなのかお? それにしちゃあ、熱心に修行してるお?」
ξ゚听)ξ「強くはなりたいけど、そういうんじゃないのよ」
ツンはそう言うと表情を少し曇らせた。
いつになく歯切れも悪いし、やはり子供の頃の荒唐無稽な夢をからかわれるのは恥ずかしいのだろう。
まあ、僕の夢のほうがよっぽど荒唐無稽だったのだけど。
あの夢通りに進むなら、今頃僕はおにぎり街道まっしぐらだ。
( ^ω^)「まあ、鍛えておく事はいいことだお。僕も助かってるしね」
ξ*--)ξ「ええ、そういう事だから、私の修行のついでに、あんたの事は守ってあげるわよ」
( ^ω^)「よろしく頼むお」
(∪^ω^)「わんお!」
僕はお茶のおかわりを注ぎ、ツンに差し出す。
護衛を引き受けてもらえるのは、正直な所ありがたいのでこれ以上色々言わない事にしておく。
- 326 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:40:20 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「んー、でもやっぱり夢があるっていいおね」
ξ゚听)ξ「何よ、突然」
( ^ω^)「いや、ほら、僕の夢ってあれだったじゃないかお」
ξ゚听)ξ「ああ、あれね……」
( ^ω^)「昔、僕が何になりたかったのとか、全く覚えてないんだおね」
だからツンやショボンが羨ましいと僕は思う。
今やりたい事がないわけでもなく、魔法道具屋として働く事が嫌なわけでもないが、
それでも子供の頃の夢を忘れてしまってるのは少し寂しい。
ξ゚听)ξ「あんたって、ちょっと物忘れが激しいとこあるわよね」
(;^ω^)「自分ではそう思ってなかったんだけど、我ながらちょっと説得力ないおね」
(∪^ω^)「わんおー」
僕は自分がそれほど忘れっぽい性質だとは思っていなかった。
事実、それなりに年を経てからの事はよく覚えているし、全部が全部忘れたわけでもない。
じいちゃんやドクオさん、それにツン達と過ごした楽しかった思い出は漠然とながら覚えている。
- 327 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:41:40 ID:F9MB.0oI0
ξ゚听)ξ「いつぐらいからなら覚えてるの?」
( ^ω^)「えーっと、10歳ちょっと?」
ξ;゚听)ξ「もう結構、記憶残ってそうな年よね」
( ^ω^)「まあ、多分その辺りで1回ちょっと記憶が混乱するような事があったからだと思うお」
ξ;゚ -゚)ξ「あ、ごめん……」
( ^ω^)「いいお。もう気にしてないと言うか、その時の事はんまり覚えていないんだお」
すまなそうな顔をするツンに僕は笑顔を向ける。
僕がこれまで生きて来た中で、最も悲しい事があった日の事を僕はよく覚えていないのだ。
じいちゃんが亡くなったその日の事を。
幾度となく見たあの夢の続きを、僕は覚えていない。
ξ゚听)ξ「急な高熱で寝込んじゃったんだもんね……」
あの日、僕は夜に寝込んでしまい、じいちゃんの死に目には会えなかった。
じいちゃんが僕に言い残してくれた言葉はドクオさんから教えてもらったが、
じいちゃんの最期を看取れなかったのはすごく悲しかった覚えがある。
- 328 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:45:40 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)「そんな感じだから、僕も自分の昔の夢とかちょっと知りたかったりするんだお」
ξ゚听)ξ「そうねえ……」
ξ;--)ξ「私もあんまり覚えてないけど、おにぎりとか焼き飯とかカレーとか、あんた色々言ってた気がするわね」
(;^ω^)「食べ物ばっかかお。それ、絶対なりたいものじゃなくて食べたいものだおね」
ξ゚听)ξ「魔法道具屋とか冒険者とかも言ってた覚えはあるけど、こういうのはショボンの方が覚えてそうね」
( ^ω^)「かもしれんおね。今度会った時にでも聞いてみるお」
(∪^ω^)「わんお」
僕達は話を切り上げ、お茶を片付けてサンライズの開店準備を始める。
今日は会議の為、午前中は休業にしていた。
ツンは午後から畑仕事に行くらしい。
( ^ω^)「ツン、お昼食べていくかお?」
ξ゚听)ξ「用意してあるの?」
- 329 名前:名も無きAAのようです:2012/09/14(金) 22:48:38 ID:F9MB.0oI0
( ^ω^)つ┗((~)w(~)∪)┛「これとか」
ξ;゚听)ξ「それはあんまり食べたくないかなあ……」
(∪;^ω^)「わんおー」
( ^ω^)「冗談だお。ご飯と昨日作っておいたおかずがあるからそれでもいいなら」
ξ゚听)ξ「それなら頂くわ」
僕達は食事を済ませ、店を開ける。
手伝ってくれたツンに礼を述べ、送り出した。
( ^ω^)「さあ、今日もお仕事がんばるお!」
昔の事で悩みはしたが、今は今で自分にはやる事があり、やりたい事がある。
だから今はそれでいいと思う。
( ^ω^)「いらっしゃいませ、魔法道具屋サンライズにようこそですお!」
(∪^ω^)「わんわんお!」
僕はいつも通り、魔法道具屋店長として張り切って仕事に取り組んだ。
第四十四話 サンライズ・マイライフ 終
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