('A`)バケモノが暮らすお城のようです

79 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:40:41.35 ID:ValHNKvi0

第十一話  悪魔


lw;´‐ _‐ノv「…」

( ^ω^)「♪」

逃がさないようにうつ伏せのシュールに馬乗りのブーン。

lw;´‐ _‐ノv「逃げないってば」

('A`)「念の為だ」

( ^ω^)「おっおっ」

lw;´‐ _‐ノv「…」

82 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:42:53.88 ID:ValHNKvi0

lw;´‐ _‐ノv「あんたも精霊?」

( ^ω^)「ブーンって呼んでくれお」

('A`)「わかってるんだろ?土の精霊だ」

lw;´‐ _‐ノv「…いつからいたの?」

( ^ω^)「…シュールが飛び始めたあたりかお?」

('A`)「見つけるまでお前のこと忘れてたよ」

83 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:44:51.01 ID:ValHNKvi0

('A`)「…さて、まずは」

('A`)「俺のこと知ってるのか?」

lw´‐ _‐ノv「吸血鬼なんでしょ」

('A`)「…そうじゃなくて」

('A`)「それ以外のことで何か知ってる事は?」

lw´‐ _‐ノv「夢がおいしい」

(#'A`)「…」

( ^ω^)「…」

86 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:46:37.64 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「あ、そうだった」

lw´‐ _‐ノv「この前はおいしい夢をありがとう」

('A`)「この前?」

lw´‐ _‐ノv「なかなか黒い夢でした」

('A`)「…この前っていつ?」

lw´‐ _‐ノv「んーと」

lw´‐ _‐ノv「一週間ぐらい前かな」

('A`)「…一週間?」

88 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:48:56.96 ID:ValHNKvi0

( ^ω^)「何してたんだお?」

('A`)「…城に来たのが五日前だから」

('A`)「…」

('A`)「…覚えてない」

lw´‐ _‐ノv「ここで寝てたよ」

('A`)「え?」

lw´‐ _‐ノv「この辺で寝てたから食べちゃった」

lw´‐ _‐ノv「後は知らない」

90 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:50:27.34 ID:ValHNKvi0

('A`)「…ちょっと待って」

('A`)「…俺に会ったのってその時だけ?」

lw´‐ _‐ノv「YES」

('A`)「…てことは」

('A`)「…本当に俺のこと知らないの?」

lw´‐ _‐ノv「YES」

('A`)「…」

('A`)「…ええ……」

( ´ω`)「おー…」

lw´‐ _‐ノv「そんな落ち込まれても」

93 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:53:01.01 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「なかなか質問のチョイスがきもいね」

('A`)「ほっといてくれ…」

( ^ω^)「…教えていいのかお?」

('A`)「好きにして…」

( ^ω^)「ドクオは記憶が無くなってるんだお」

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「え」

95 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:54:32.26 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「何で?」

('A`)「知るかちくしょう」

lw´‐ _‐ノv「それもそうか」

( ^ω^)「確かに何で?ってなるおね」

('A`)「…じゃあこの話は置いといて」

('A`)「ロマネスクは無事なのか?」

97 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:56:15.72 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「体に害はないよ」

lw´‐ _‐ノv「いつもより深く眠ってるだけ」

( ^ω^)「それだけかお?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

('A`)「…本当に?」

lw´‐ _‐ノv「くどいよ」

lw´‐ _‐ノv「誉れ多いサキュバスたる者いついかなるときも正直さ」

( ^ω^)「…まずそれがうさんくさいんだお」

99 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 15:58:04.91 ID:ValHNKvi0

('A`)「…じゃあサキュバスって何?」

lw´‐ _‐ノv「夢を食べる悪魔」

( ^ω^)「悪魔って何だお?」

lw´‐ _‐ノv「悪魔は悪魔だよ」

lw´‐ _‐ノv「強いて言うなら精霊の亜種」

('A`)「亜種?」

lw´‐ _‐ノv「精霊として生まれた筈が精霊の姿をしていなかった」

101 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:00:28.28 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「精霊同士がどうやって子供作るか知ってる?」

('A`)「ああ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

( ФωФ)「互いに心の底から愛し合い、想いと同時に全ての力を相手に託す。
       二つの光はやがて一つとなって・・・新しい命へと姿を変える。」

('A`)「・・・よくわからん」

( ФωФ)「二人が一人となり、生まれ変わる。ということかの。
       都合のいいことに多少の知識も受け継ぐようじゃ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

lw´‐ _‐ノv「精霊同士の気持ちが一致してなかったり、相手を信用できなくて力を渡しきれない場合にね」

lw´‐ _‐ノv「あたし達のような失敗作が出来上がりってわけ」

lw´‐ _‐ノv「ね、吸血鬼さん」

('A`)「…」

( ^ω^)「…ドクオも悪魔なのかお?」

lw´‐ _‐ノv「そういうこと」

103 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:02:46.95 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「精霊でも人間でもない存在ってとこかな」

lw´‐ _‐ノv「そんな奴らの集落が昔あってさ」

lw´‐ _‐ノv「あたしのように夢を食べる奴をサキュバスって言うんだって」

('A`)「…悪魔の集落が…?」

( ^ω^)「…おー」

('A`)「…それってどこにあんの?」

lw´‐ _‐ノv「もう無いよ」

('A`)「…え?」

106 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:04:23.90 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「一人の悪魔に皆殺しされたみたい」

(;'A`)「!!なんで!?」

lw´‐ _‐ノv「知らない、その場にいなかったもん」

lw´‐ _‐ノv「死にかけてた奴から必死に聞いて、それだけしかわからなかった」

(;^ω^)「…」

(;'A`)「…」

108 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:06:01.83 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「他に聞きたいことは?」

('A`)「…」

( ^ω^)「…」

lw´‐ _‐ノv「んじゃ、そろそろ離してくれない?」

('A`)「…待って、最後に一つ」

lw´‐ _‐ノv「なに?」

('A`)「…この後どうするつもり?」

110 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:07:45.64 ID:ValHNKvi0

lw´‐ _‐ノv「…」

lw´‐ _‐ノv「人間のいる所へ行って夢を食べるだけさ」

('A`)「…」

('A`)「それならさ」

('A`)「あの城に住まない?」

lw´‐ _‐ノv「!」

( ^ω^)「お!」

113 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:09:17.35 ID:ValHNKvi0

('A`)「…泊まる所とかも無いんでしょ?」

lw´‐ _‐ノv「…」

('A`)「…たまになら」

('A`)「俺の夢も食っていいからさ」

lw´‐ _‐ノv「同情?」

('A`)「…それもあるけど」

('A`)「…同じ悪魔じゃん」

lw´‐ _‐ノv「そいつらは違うでしょ」

( ^ω^)「…」

( ФωФ)

('A`)「…なら」

('A`)「同じバケモノだ」

lw´‐ _‐ノv「…」

116 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:11:24.70 ID:ValHNKvi0
('A`)「まだ聞きたいこともあるしさ」

lw´‐ _‐ノv「…」

('A`)「…無理にとは言わないけど」

lw´‐ _‐ノv「…」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ」

('A`)

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv「お言葉に甘えちゃうぜ」

('A`)「…ああ」

( ^ω^)「おっおっ!」

119 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:13:39.00 ID:ValHNKvi0

('A`)「じゃあ城に帰るか」

( ^ω^)「ロマネスクがまだ寝てるお?」

lw´‐ _‐ノv「そんな危ない奴ほっといてもいいんじゃないかな」

('A`)「お前が言うな」

('A`)「ブーン、運んでくれ」

( ^ω^)「任せろお!」

( Ф( ^ω^)
 (   ゝ )ゝ

122 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:15:07.57 ID:ValHNKvi0

ガサガサ
( Ф( ^ω^)「おっおっおっおっ!!」

('A`)「…便利な奴だ」

lw´‐ _‐ノv「じゃ、あたしも先に城に行ってるよ」

シュールは翼を広げて飛び始める。

('A`)「…そういやどこに翼隠してたんだ?」

lw´‐ _‐ノv「隠してたんじゃなくて生やしただけ」

(;'A`)「…生やした!?あの一瞬で!?」

lw´‐ _‐ノv「サキュバスなめんなよ」

124 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:17:11.63 ID:ValHNKvi0


シュールはそのまま城へ飛んでいった。


lw´‐ _‐ノv(それにしても記憶が無い、か)

lw´‐ _‐ノv(そういうことってあるんだね、本当に)

lw´‐ _‐ノv(…)

lw´‐ _‐ノv「あ」



126 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:19:02.86 ID:ValHNKvi0

('A`)「…行くか」



('A`)「…」


一人取り残されたドクオ。
あの時と同じ様に辺りを見渡す。
既に陽も落ちかかっている。


('A`)「…」


('A`)「…やっぱり思い出せないな」


('A`)「…いこ」

128 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:20:45.33 ID:ValHNKvi0

ガサガサ
(;'A`)


ガサガサ
(;'A`)(…なんか懐かしいな)


ガサガサ
(;'A`)(…城見つけた時もこんな感じだったもんな)


ガサガサ
(;'A`)(…一人で、暗くて、疲れてて…)


ガサガサ
(;'A`)

131 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:22:34.53 ID:ValHNKvi0

ガサガサ
(;'A`)「お、見えた」

ガサガサ
(;'A`)「…灯りがついてる、あいつ起きたのか」

(;'A`)「よっと」

草木を抜け出して城に辿りつく。

('A`)「…あの時と違うのは、この城が不気味じゃないことかな」

('A`)「…入ろ」

城の扉に手をかける。

(('A`))「!?」

133 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:24:59.07 ID:ValHNKvi0

(;゚A゚)「ぅあ!?」



あの時と同じ頭痛、いや、あの時よりも激しい。
一瞬ではなく何度も頭に衝撃が走る。



(; Д )「─うあああああ!!!!」


そして、記憶も─


________
_______
_____
___
_

136 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 16:26:41.58 ID:ValHNKvi0


                    何すんだよ、ロマ?




                     ……お前は




                      死ねぇ!






                       パァン



( A )


第十一話  終


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