('A`)バケモノが暮らすお城のようです

2 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:06:48.71 ID:ValHNKvi0

第九話  昨夜




( ФωФ)∩
   つ⊂彡 パン


(ドォン!)

 ∬
(::-A-)「…ん」

(::'A`)ハッ

\(::'A`)/「…ふんぬうぅぅぅあああああああああ…あ!」

(::'A`)「…ふぅ」

4 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:09:03.58 ID:ValHNKvi0

( ФωФ)「目が覚めたか」

(∩'A`)「…あぁロマネスク。おはよう」

( ФωФ)「おはよう、もう少しあくびに節操を持て」

('A`)「よく寝た後はこれだろjk…」

( ФωФ)「あくびに体を伸ばすのは結構じゃがお前の場合k」

( ФωФ)「違う違うこんなことの為に起こしたのではない」

5 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:10:28.24 ID:ValHNKvi0

( ФωФ)「…体はなんともないな?」

('A`)「ん?別に…何で?」

( ФωФ)「ならよい」

ばたーんだだだだ

( ^ω^)ノ「二人ともおいすー」

('A`)「なぁブーン、扉はタックルする為のものじゃなくてな」

( ФωФ)「朝から元気なのはよいが少しは落ち着かんと扉が」

( ФωФ)チガウチガウ

6 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:12:22.66 ID:ValHNKvi0

シュールが去って翌朝
ロマネスクは二人に昨夜のことを説明した。
ドクオはソファに、ブーンは床にあぐらをかいて座り、ロマネスクは腕を組んで二人の前に立っている。
いつもと同じ風景だが表情は明るくない。



( ФωФ)「ということがあった」

(;'A`)「…」

(;^ω^)「…」

( ФωФ)「…何とか反応したらどうじゃ」

(;'A`)「…唐突すぎて事態がよくわかりません」

(;^ω^)「同じく」

( ФωФ)「…」


9 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:14:03.98 ID:ValHNKvi0

('A`)「えっと…わからない事から聞いていい?」

( ФωФ)「うむ」

('A`)「サキュバスってなに?」

( ФωФ)「知らん」

( ^ω^)「悪魔ってなんだお?」

( ФωФ)「知らん」

('A`)「…夢を食うってどういうこと?」

( ФωФ)「知らん」

( ^ω^)「…どこに逃げたんだお?」

( ФωФ)「知らん」

('A`)(……使えねぇ)

( ^ω^)(こいつ何やってたんだお…)


10 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:16:51.57 ID:ValHNKvi0

( ^ω^)「ブーンには普通の人間にしか見えなかったお?」

('A`)「俺もそうとしか…」

( ФωФ)「わしらだってそうじゃろうが」

( ФωФ)「人外の者が人間の姿をしていてもなんら不自然はない」

('A`)「…マジなの?」

( ФωФ)「マジじゃ」

( ^ω^)「…おー」

12 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:18:19.23 ID:ValHNKvi0

('A`)「…あ、でも」

('A`)「悪魔ってなんか……懐かしいかも」

( ФωФ)「……ほう?」

('A`)「聞いたことある……とかじゃなくてさ」

('A`)「…何となく懐かしい」

( ФωФ)「…」

( ^ω^)「…」

('A`)「良い夜を、もさ」

('A`)「この城に着いた時にロマネスクに聞いて」

('A`)「…自然に使えたんだよね、今思えば」

14 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:20:09.11 ID:ValHNKvi0

( ^ω^)「吸血鬼も悪魔ってやつなのかお?」

( ФωФ)「…そうかもしれんな」

('A`)「……うーん」

( ФωФ)「ところで」

('A`)「ん」

( ФωФ)「シュールはこの間のドクオの夢がうまかった、と言っておったが」

( ФωФ)「何か覚えておらんか?」

('A`)「…」

('A`)「え?」

15 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:21:44.77 ID:ValHNKvi0

('A`)「…前に夢を食われたことがあった…?」

( ^ω^)「……それ、本当の話かお?」

( ФωФ)「ああ、確かにそう言っとった」

('A`)「……悪いけど覚えてない」

( ФωФ)「…そうか」

('A`)「俺の事知ってるのかな…」

( ФωФ)「どうじゃろうな」

( ^ω^)「わかんない事だらけだお…」

('A`)「…うーん」

16 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:23:20.46 ID:ValHNKvi0

ドクオはソファに背を預け、腕組みをして目を閉じる。
何かを考えている様子にロマネスクとブーンは思わず口を閉じてドクオを見つめる。

(-A-)「…」

('A`)「…そいつと話してみたいな」

( ^ω^)「おー…」

('A`)「それが一番手っ取り早いだろ?」

( ФωФ)「…うむ」

( ФωФ)「具体的な場所はわからんが、森の方へ飛んでいったのは確かじゃ」

('A`)「この城森に囲まれてるんですけど…」

( ФωФ)「いや、あー……」

( ФωФ)⊃「あっちじゃ」

ドクオから真正面、ロマネスクの後ろの城の扉を指差す。

18 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:25:48.82 ID:ValHNKvi0

('A`)「…え、あっちって……」

( ФωФ)「お前が寝てたと言っていた草原があるな」

( ^ω^)「お!それってあれかお!?めちゃくちゃ広いとこかお!?」

('A`)「……確かに広かったな」

( ^ω^)「あそこで遊んだことあるお!すごいとこだお!」

( ФωФ)「広いだけじゃろうが」

( ^ω^)「走りすぎて城がどこか分かんなくなったこともあるお!」

('A`)「……そんなに広かったか?」

( ^ω^)「お!」

20 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:27:19.00 ID:ValHNKvi0

('A`)「…行ってみない?」

( ФωФ)「行ってどうする」

('A`)「え」

( ФωФ)「素直に話を聞かせてくれるような奴ではなかったが」

('A`)「…あー」

( ФωФ)「それにわしは朝陽が大っ嫌いじゃ」

( ^ω^)「それは今はおいとけお」

21 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:29:14.29 ID:ValHNKvi0

( ^ω^)「ブーンは草原に行きたいお」

( ФωФ)「遊びにか?」

( ^ω^)「お!もちr」

( ^ω^)

(^ω^ )

('A`)「…ま、そっちのがお前らしいよ」

( ФωФ)「まったく…」

('A`)「…ロマネスクは城にいろよ、俺とブーンでちょっと見てくるだけだからさ」

22 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:31:06.15 ID:ValHNKvi0

('A`)「行くぞ、ブーン」

( ^ω^)「お!?今からかお!?」

('A`)「ああ、早い方がいい」

('A`)「…そうだろ?」

( ФωФ)「……」

23 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:33:08.16 ID:ValHNKvi0

ドクオはソファから立ち上がり、扉へと歩き出す。
それを見たブーンは我先にと走って外へ出て行った。


⊂ニニニニ( ^ω^)ニニニ⊃ブーン


(;'A`)「…いや、早い方がいいって言ったけどさ……」


ドクオが扉を出ようとした時─


( ФωФ)「…まて」


ロマネスクが歩き出してドクオを止める。

27 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:34:54.45 ID:ValHNKvi0

( ФωФ)「わしも行く」

('A`)「……大丈夫なのか?」

( ФωФ)「…奴は空を飛ぶ、もし見つけた場合」

( ФωФ)「逃がさぬようにする必要がある」

('A`)「……それで?」

( ФωФ)「わしの火なら奴の翼を焼くことができる」

('A`)「…」

28 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:36:22.27 ID:ValHNKvi0

( ФωФ)「それに、奴に危険性が無いとも限らん」

( ФωФ)「保護者は必要じゃ」

('A`)「…ガキ扱いすんな」

( ФωФ)「吸う血の無いお前などガキに等しいわ馬鹿たれ」

('A`)「……無茶はしないでね」

( ФωФ)「…ああ、そうしよう」

29 名前: ◆8ucKZ4ro3. 投稿日:2009/02/11(水) 14:38:56.53 ID:ValHNKvi0

⊂ニ( ^ω^)⊃「ドクオー何してるおー!?早くするおー!!」

('A`)「ほんとに元気だなお前は…」

( ФωФ)「うおっまぶし」

( ^ω^)「お!?ロマネスクも行くのかお!?」

('A`)「そういうことになった」

( ФωФ)「では行こうか?」

( ^ω^)「お!わかったお!早く遊びに行くお!」

( ФωФ)「……やれやれ」





第九話  終




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